浩の教室・第18回勉強会の模様

 昨日(12/11)は忙しい師走の土曜日にもかかわらず、勉強会に参加していただき、ありがとうございました。昨日は男性4名、女性6名の方にお集まりいただきました。

 序盤の講義では、こちらからの問題提起に対し、様々なご意見をいただき、少し難しいながらも盛りあがりました。「西洋で身分制はどうして打破されたのか」ということを、ルソーの教育とかかわらせて議論いたしました。議論は日本の身分制社会から近代社会への転換についてもおよびました。

 中盤の答申輪読では、「地域運営学校答申」をようやく読み終えました。今回は公立学校の包括的委託についてのところ、教育資源の活用のところに議論のポイントがありました。どうやら民間委託は、学校法人に委託することで決まりという論調でありまして、厳しい条件をつけてまでなぜ民間に委託するのか、厳しい条件を呑む委託先はあるのかどうか、疑問をもってしまいました。次回は新しい答申の輪読に取り組みます。

 最後は集団討論です。序盤、中盤で時間をとってしまったので、討論時間はコメントも含めて50分となってしまいましたが、議論すべき視点が参加者全員から提出され、有意義であったと思います。

 本番の試験で、話す内容が思い浮かばないことくらい怖いことはありません。この旁午にイロイロな話すべきポイントを書いたとして、それを読んですぐに身に付くものでもありません。やはり討論は場数でして、テーマと参加者とによっても出来具合が変化してきます。それゆえ、ここに書いていることを記憶しても、何らかの助けにはなりますが、地力が付くかは別問題です。

 テーマは、「食の安全について話題になっています。児童生徒の健康という観点から議論してください」というものでした。まずはこのテーマの解釈ですが、一文目と二文目のどちらに重点があるか、つまり「安全」と「健康」のどちらに比重をおいて討論するか、これを定めなければなりません。テーマの意図は、「児童生徒の健康という観点から」話し合えというところにあります。だから、BSEや添加物、遺伝子組換食品のことばかり話題に出しても意味がありません。問題は「ばかり」のところです。なにもまったく話題にするな、ではないのです。たしかに、今回の討論でも、海外輸入品と国産品の比較、ポテトチップの成分表から保存料について考える、なども提出されています。しかしそれが討論のメインになっていなかったのが、テーマを踏まえている集団であるとみなされる所以となります。このようにテーマの本質を見抜くことがまずなによりも大切です。それはテーマに即して議論できるかどうかに直結しています。

 討論の口火は、ある参加者の提案によって切られました。栄養教諭の導入の背景を考えよう、そして次に栄養教諭を導入することによって、学校はなにをしたいのかを見極めよう、というものです。導入の背景には、食生活の乱れがキレやすい児童生徒を生むからとのご意見がありました。栄養教諭と教科担任とのタイアップによって、なんらかの授業ができないかとのご意見もありました。

 このほか、生活指導の問題関心から、遅刻指導で校門を通る児童生徒がしんどそうにしている実態から、朝だけでなく、昼も抜く子たちがいることを指摘したり、学習指導の面からは、安全な食品の選択能力を養う授業が提案されたりしました。このときの授業は総合学習を意味しているのでしょう。特別活動で展開することもできますね。

 また、食を考えることは、学校現場では、給食や弁当を考えることでもあります。そこで、栄養の偏りが発生する原因論が愛情問題と絡め合わせて討論されていきます。弁当を作る代わりにお金を手渡し、コンビニ弁当を買う児童生徒。物を買って食べる社会のあり方に慣れてしまう児童生徒。そこにはコンビニ食が栄養バランス的にあまりよいものではなく、それを摂取する問題性と、弁当を作る保護者の愛を感じなくなる児童生徒が浮かび上がってきます。コンビニ弁当ならまだしも、お菓子ばかりになってはどうなるのでしょう。

 一方、給食については、特別支援教育に従事されている討論参加者から次のようなお話がありました。実物を取り上げ、給食材料が児童生徒自身の栄養になっていることを説き、なかでもにんじんの栄養価を考えさせた結果、給食の残り物がなくなった事例を報告していただきました。そういえば、牛、馬を見る機会や畑栽培を具体的に知らない児童生徒をどう指導するかというご意見もでていました。食べることは人を受け入れることであり、食べ物を作ってくださる方、給食を作ってくださる方への感謝の気持ちも忘れてはならない指導です。ただしかし、こうした議論は「健康」とどう結びつけて展開させるかは問題となります。

 ファーストフードとスローフードの関係、食事をする楽しみ、食生活の中心となる家庭ではどのように食事を考えているか、学校の教員として保護者へ食に関する啓発活動をどのように進めていくか、食事をしっかり摂るため身体を動かすこと、などが討論者から発信され、討論を聞いている側からは、生活習慣と食事の関係、3食規則正しく摂ることが生活リズムを作るということ、摂食障害をどう解消すべきかなどのご意見がありました。最初に示した落し穴にはまることなく、「健康」、児童生徒の健やかな成長を願う立場から討論されていたので、概ね良好な討論となりました。思春期、成長期である児童生徒と食事の関連性や、体格的に何年生がどれくらいの身長と体重であるかを押さえておけば、実感をもって討論できるでしょう。

 来週土曜日の勉強会で、年内の開催は終了します。18日には、現役の先生に来ていただけそうです。みなさま、「学校」を意識するチャンスです、ふるってご参加くださいね。

(2004年12月11日)

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