浩の教室・第19回勉強会の模様

 師走の忙しない中、第19回勉強会に参加されたみなさま、お疲れさまでした。勉強しようというモチベーションを保ちつづけることに一役買っているとすれば幸いです。今回も資料を多く配りましたが、こちらの要領悪く、ご迷惑をおかけいたしました。

 さて、序盤の講義では、ワタクシの拙い話から様々な「つっこみ」が生れ、幅がある時間となりました。子ども論といっていいかどうかわかりませんが、みなさんの目からみえる子ども像を提供いただき、現代の子どもの有様が実感できました。

 それぞれの参加者に意識されている子ども観を整合することによって、大学2年生の参加者も、また、社会人の参加者も、現場感覚といいますか、教育現場の臨場感をつかめてよかったのではないでしょうか。参加者が守秘義務を果たしながらギリギリの話題提供していただけますことに、感謝しています。

 次に、答申輪読は、今回の勉強会では「食に関する指導体制答申」を読みました。前回の討論を反芻しながら答申を読んでいただけると、こうしたテーマの集団討論に参加する意欲も増しますし、発言内容に深みもでます。答申の内容そのものを憶えることも、1次試験に向けて大切ですけど、そこからご自分がどのように考えていくかが求められます。とりわけ、特別活動やHR、総合学習において、栄養士の資格をもつ栄養教諭とどのようにタイアップすべきか、計画を立てておいてくださいね。

 年明けからは、「懇談会大臣発表」を読みましょう。そして、「高等教育答申」と指導要領の改正を指示した答申を読んでいこうと思います。しかし、先のOECD調査が教育行政にいささか改革刺激を与えていますので、答申理念はオミットされるかもしれませんから、教材として適確かどうか難しいところです。それよりも男女共同参画社会に関する答申類を読むべきでしょうか。みなさんのご意見を募りますね。
 さて、終盤は集団討論をしていただきました。今回は現役の先生を遠方から迎え、いいコメントをいただきましたし、すでに今秋合格を勝ち得たメンバーからも適切なコメントをいただきました。ありがとうございました。
 テーマは、予告していましたように、「児童生徒の学力低下がOECDの調査によってあきらかになりました。授業時数を増加するようです。学力低下の改善方策について議論してください」というものでした。ワタクシの方から最初にOECDの調査結果として、前回の調査と較べ、読解力が8位から14位に、数学(科学的リテラシー)が1位から6位に低落したことを伝え、それから討論がはじまりました。

 まずある討論参加者から、読解力と数学の改善方策を分けて考える立場に立ち、討論の骨組みを提示していただけました。かつ、授業時数の増加がそのまま学力向上に結び付くのかどうか疑問を出していただきました。これを受け、学力が低下する子どもの生活背景を探ろうというご意見が出まして、読書の欠如、ゲームのし過ぎに言及があり、文字理解から映像理解に児童生徒の「脳」が転換しているのではないかというご意見がありました。頭をいかに使うか、そのことが学力低下を食い止める方策になるでしょう。

 この話題を次ぎ、小学校で電卓を使って算数をするのは、疑問であるとの声があり、「楽ちん」な方に向かう授業のあり方が批判されました。計算力も低下します。この発言は、科学や数学を実生活に生かせるよう指導したいとの提案を受けたものと捉えることもできるでしょう。

 それから、読解力の低下に関し、「朝の読書」の時間の実施に触れられました。想像力の育成のためにも、朝読書はいいことですし、幼児期や小学校低学年においては「よみきかせ」も有効であるという意見がでていました。読解力向上の方策は、国語教員だけでなく、すべての教員が進めるべきで、英語教員の立場から何ができるか具体例があがりました。ストーリーテラー、ブックトークということです。しかし、朝の読書だけで読解力が増すかどうか疑問であるとの指摘もありました。国語の時間においても、物語を読んで情緒を養う側面は剥ぎ取られ、評論文や論説文を要求することばかりになっていいのか、とのご意見もだされました。うなずけるところです。また、基礎基本の確実な定着のために、授業時数の増加は逆に必要であるという、指導要領の精神をいわば「逆転」した考え方も登場しました。

 他方、地域の教育力を借り、図書館、公民館の活用、紙芝居やそのほかの催しを実践し、児童生徒の知的好奇心を高める運動をしていくべきであるとのご意見もでました。また、読解力については「書写」を見直そうとの提案もあり、話題が広がっていきました。

 討論の終盤では、講師経験から感じたことについても発言があり、算数の文章題の理解すらおぼつかない子どもの現状をどのように解消すればいいか投げかけられました。口に出して読む、3回文章を読むなどがその応答です。

 こうして瞬く間に25分は過ぎ、討論を聞いている側からコメントを付けていただきました。朝読書のことが話題にあったが、その意義をしっかり伝えないといけないのではないか。45分を集中できない児童生徒にどうやって読書を奨励できるか。そもそも参加者のみなさんは読書が好きなのか。最近読んだ本をあげてみてください、とつっこまれると、本の題名があがらない…。読書が好きでなければあげられないわけでありまして、こうした質問は討論終了後面接官から聞かれるかもしれませんね。

 そして、読書の楽しさを語れるかどうかにも直結しますので、注意が必要とのコメントがつきました。話題の豊富な先生は、たくさん本を読んでいたのであろうとの回想も飛び出しました。そのほか、教員の自己啓発、司書教諭にも触れるべきとのご意見がありました。討論参加者に理系の方が少なかったので、科学の話題がなかったのが、物足りないところです。

 外面的なところも指摘がありました。自信がなさそうに発言しているのはマズイ。もっと堂々と。キビキビと。しっかり自分の発言を伝えきれるように。長々話すのではなく、短く端的に発言をまとめてほしいなどです。さすがに現役の先生からや合格された方々からの指摘は厳しいものがあります。しかしそこにはまた、お互いに高めあっていこうとする「愛情」がありました。

 ワタクシの方からは、討論終了後、ご自宅に帰って、討論において自分の発言した内容を文字にしておくことを注文しました。書かずば忘る、書かずば向上せず、です。がんばってください。それから、討論における意見のキャッチボールの仕方について少し述べさせていただきました。はじめてあったもの同士、なかなかに討論することは難しいものです。しかし、ご自分の意見が直前の発言者のご意見と関係なくとも、それをまったく無視するのではなく、簡単にでも触れつつ主張をされたほうが、協調性があるよう評価されるのではないでしょうか、ということです。

 年内の勉強会はこれで終了です。次回は年明け15日に開催いたします。今回もまた新しく申し込んでいただいた方がいらっしゃり、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか。ところで教室がいっぱいになってきました。継続参加者が増えるようであれば、少しキャパの大きな教室を用意しようと考えております。来年も、「浩の教室」活用のみなさまからの参加をお待ちしています。

(2004年12月18日)

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