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浩の教室・第54回勉強会の模様


 本日は、第54回当サイト主宰勉強会にご参加いただきありがとうございました。女性の参加者が多く、女子大のようでした。会場となった弁天町は、大阪環状線、大阪駅から15分くらい電車に乗って到着するところです。駅から会場までは5分でした。

 さて、本日は、最初に、この勉強会の卒業生の方が、教採受験対策をまとめられ、それが雑誌に掲載されたのを祝して、その原稿を利用させていただきました。「集団討論や個人面接は、客観的に、第3者に見ていただくことが必要」という内容のもので、ためになりました。年間のスケジュールも参考になりました。ご提供いただいたTさん、ありがとうございました。

 この原稿をたたき台に、どういうふうにして長い教採レースを闘っていくかについて、イロイロとお話をしました。初参加の方に教採受験の経験をお聞きし、どういうふうに対策を立てるべきかについて答える感じでお話を進めました。不安はいっぱいあると思われますが、現役の先生方のコメントや、いっしょに勉強しているみなさんの言葉を力に変え、継続的に学習を進めていきましょう。

 次に、答申の輪読です。今回も、「今後の特別支援教育の在り方について」を読みました。今回で終了です。この答申について、ひとつ宿題が発見されました。第3章・2・(1)における文章解釈ですね。ご興味ある方は、一度ご自身でお調べになってみてください。2回の輪読を通し、特別支援教育に関するポイントを確認いたしました。問題演習を2題設けていますので、ご自宅で解いてみてくださいね。次回からは、「人権教育の指導方法等の在り方について〔第1次とりまとめ〕」を読んでいきます。この「とりまとめ」の解説を、戦後の同和教育、部落解放運動の実践の歴史的展開を踏まえて行ないます。これも20数枚ありますので、次回、次々回の勉強会で終えるべく調整いたします。

 輪読が終了し、今年度の大阪府1次試験の解答解説に移りました。かなり詳しく資料引用し、解説しましたので、時間をとってしまいました。今年度の問題の25番についてでした。問題自体は簡単でも、なぜ簡単なのかは、なかなか理解できないものです。誤りの選択肢のどこが誤っているのか、資料に照らして確認いたしました。この夏のことですから、覚えていらっしゃる方が多いでしょう、あの、無条件出席扱い、通学割引乗車券、の問題です。これでピンときた方は、だいぶん勉強が進んでいらっしゃいますね。

 本日だけで、都合50枚のレジュメとなりましたので、ご自宅で読まれるのは大変だと思われますが、是非、ものにしてください。今後もどしどしお配りいたしますので、ご参加の際にはお忘れにならないようにお願いいたします。

 さて、最後に集団討論を実践していただきました。テーマは、「体験的活動はどうして必要か、について議論せよ」です。今年度、大阪府で出題されたテーマですね。5名の方に20分間で挑戦していただきました。いつものように議論を再現し、ポイントを書いてみます。

 まずDさんから問題提起がありました。体験的活動として学習内容の発表が考えられる。それは各教科だけでなく総合学習や特別活動においても実施できるが、みなさんはどんな活動を知っていますか、というものでした。これを受けBさんが、自分たちで作る集会の事例を挙げられました。生徒が自主的に動き活動する集会であり、司会進行も児童生徒に任せる活動だそうです。これをもう少し具体的に語っていただければ頭に思い浮かべることができてよかったかなとワタクシは感じました。Bさん自身も後の発言でこれを補っていました。子どもたちだけで進める集会というのは、特別活動の児童会、生徒会のような形をとるものであろうと推測します。

 Eさんからは、体験的学習の事例として、英語科におけるPCを活用した学習を挙げられました。英語の問題解決学習にPCを用いるものです。この事例の紹介も、もう少し具体的に語っていただけるとありがたかったです。Cさんは、ご自身の生徒時代の経験を述べられました。すなわち社会科におけるディスカッションです。担当の先生があるテーマを私たちに示され、それについて議論をするというものです。ここでも、どのようなテーマを与えられたのか報告がほしいところです。Aさんが報告されたのは、小学校の生活科の実践についてでした。学級園における植物の成長を見守る体験的学習であり、具体的にはアサガオの芽が出たり実がなったりするのを観察し記録にとどめていくという継続性のある体験的学習でした。この問題提起をしたDさんが最後に、委員会活動について述べられました。高学年の児童が先生役になり、低学年に読み聞かせを行なう活動の紹介です。ここで高学年の児童が、他者に何かを伝えることや指示することの大変さを学んだ、と体験的学習の「成果」を報告されました。体験的活動を実施する意味がこの発言にはあらわれていました。

 ポイントとして、テーマに即し、具体的事例をあげることはどなたでもそれなりにできることですが、とりわけ講師経験が豊富な方にとっては有利かもしれませんが、その報告した事例をテーマの意図に即し発言することが重要ということです。つまり、「体験的活動はどうして必要か」の必要性に触れるようきっちり発言するということですね。「私は〜を体験的活動としてやりました」だけでなく、そこにプラスして「その結果、〜ということを児童生徒は学びました。ここに体験的学習を学校教育に導入する必要性が認められます」と言い切ることが、テーマを忘れず議論している姿勢を面接官にアピールすることになります。

 さて、議論はどのようにつづいたでしょうか。上のように1巡したあと、Aさんから、今の児童生徒には、外遊びが減少しているので、体得する機会が減っているといわれました。たしかに体で学び身に付いたことは忘れませんね。惜しいのは、一般論にとどまり何を体得するのかを明示していないところです。そして、外遊びの減少と体験的「学習」との関係性がどこにあるのかを示していないところでしょう。体験的活動といえば、基本的に学習につながる活動と捉えるのが自然なので、そこに外遊びのことを持ち出すには、何らかの理由付けが必要となります。それは外遊び二アリーイコール低学年における体育的要素と捉えてもいいのではないでしょうか。

 つづいてEさんが、体験することは児童生徒の主体性意識の源泉となるといわれ、学習意欲の増進のために体験的活動は必要というニュアンスで理論的にまとめられました。Bさんは、ご自分の前の発言を補い、体験的活動をする所以が日常生活に生かしていくために必要とされ、たとえば地域で学ぶ、お金(おこづかい)の使い方を計画するということに応用できると発言されました。こうした体験が社会に出て生かされるし、学校で頭の中で学んだことを実践、体験するところに理論と実践が交わる教育があると述べられました。なかなかよい指摘でした。

 一方、Cさんからは、体験的活動にグループ活動をとりいれて実践すれば、コミュニケーション能力も同時に養うことができるのではないかと提案されました。また、Dさんからは、このCさんの発言と重なりつつ、他の友人に教え教えられすることから学習面の知識が定着するといわれ、知識の再構築ということをご意見されました。教えあうこととコミュニケーションを養うことと、Cさん、Dさんの議論が噛み合って、これ以降こうした問題意識が前面に出ることになります。すなわち、再度Cさんから、知識の再構築は次のステップにつながる学習となると意見を返しましたし、Dさんは、Aさんの「体得」という言葉から、子どもの人間性を耕す話し合い活動を充実し、普段できないこと(この内容が少しわかりにくかったです)を発見させるよう指導するところに体験的活動の意義を認めておられました。さらにCさんは、児童生徒の継続的なやりとり、つまり長期間にわたって学校でコミュニケーション能力を育成するために体験的活動は必要と述べられたのです。

 ここで一段落つき、BさんがAさんの発言を受け、外遊びが減少しているのを学校が補填するため、自然体験や環境を考えるため草花遊びをしてはどうかとご意見がありました。Cさんがすかさず、自然体験活動を実施する場合、危険管理能力も教員に必要と指摘されました。Dさんは、これまでの議論をまとめる立場から、人間力育成ということを体験的活動の必要性と絡めて述べられました。注目すべきは、体験学習と学力低下がセットになって語られている教育行政の在り方に対する指摘でした。ここのところは現代教育批判にもなっていて、もう少しお聞きしたかったところです。Dさんの発言には、教職教養の基礎が貫徹しており、聞いていて面白かったです。

 翻ってEさんから、社会性の育成という体験的活動に関し重大な課題を話題提供されました。社会に出て、どのように人とかかわっていくか、これを体験的活動から養いたい、と。これを専門教科とかかわらせ意見をまとめられると説得力が増します。がんばってください。最後にAさんから、体験的活動の必要性は、運動能力の低下を阻止する観点からも問われるべきであると述べられ、議論は終了しました。

 活動と聞いて何をイメージするか。学校教育活動にはどのようなものがあるのか。討論の発展はイメージの豊富さと直接します。学習活動、特別活動、グループ活動、奉仕活動…。体験的と聞いて何をイメージするか。就業体験、奉仕体験、障がい者の立場を実感する体験…こう列挙すれば、議論の幅が出てくるのではないでしょうか。議論のトピックはこうしたいわば「発展的空想」が元になるものです。今回、就業体験、進路にかかわる議論、キャリア教育については議論の外でした。これはこのテーマを論ずるにあたって大きなトピックとなるはずです。なんでもいえばいいというものではありませんけれども、議論に豊かさを求めていこうとすれば、どしどし何でも出してみるべきでしょう。いまは、どれだけ話すべき価値あることを各自が備えるか、に力点を置く季節です。まだ来年の本番までかなり時間があります。こうしたイメージングとストックを練習しましょうね。

 次回は29日です。ここをご覧のみなさまのご参加を期待しております。

(2005年10月22日)

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