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浩の教室・第53回勉強会の模様



 第53回当サイト主宰勉強会の模様をご報告いたします。さすがに合格発表後であり、また合格発表を今月下旬にお待ちになっている状況の下、参加者は10名ほどでした。しかし、こうした時期に、サイトだけを宣伝媒体にしている当勉強会では、盛況といっていいと思っております。ご参加くださったみなさま、ありがとう。当日は、前回に引き続き、「特別支援教育答申」の講読、新しく準備したこの夏実施の大阪府1次試験問題の復習レジュメの解説、そして集団討論を実施いたしました。

 「特別支援教育答申」をみなさんと一緒に講読し、そこから特別支援教育の在り方を、ワタクシたちなりに検討する作業を通して、様々な問題意識があらわれてくることは、勉強会の醍醐味といっていいでしょう。ワタクシの稚拙な理解と解説に、参加者の実体験が重なり、現実と答申的表現がどこまで一致しているのかなど、とっても楽しい展開です。「障害を持つ」なのか、「障害のある」なのか、細かいながらも参加者の教育姿勢がフッと表現されるところを指摘したり、自立活動の内容を検討したり、また、本音の問題提起として、「特別支援教育を担当しようとめざされる方の謙虚な姿勢や教育的意思はどこに発光源をもっているのだろうか」というような、ある意味ギリギリの質問にも答えてくださり、ウレシク思っています。次回でこの答申の検討を終了し、「人権教育答申」に進めるよう予定しています。遅々として進まないやもしれませんが、そこはご批判を甘受するとともに、精進いたします。まあ、答申を全文読む必要はないのかもしれません。もう少し、ダイエットして、解説とピンポイント的に進めるようご意見いただきましたので、ウマくそれを実践できるようにいたします。

 次に、大阪府1次試験問題の復習レジュメの解説をいたしました。本日は、小学校設置基準、学校評議員、職員会議、教科書採択の問題しかできませんでした。しかし、それなりに深い検討と資料確認ができたのではないでしょうか。この勉強会で使用しているレジュメを、ご所望の方は、「勉強会のお知らせ」ページをご覧ください。また、近々(12月になりそうです)、まぐプレとして発行いたしますのでお待ちください。

 討論は、6名の方に25分間で実施していただきました。テーマは、「責任感を児童生徒に植え付けるには、どのような指導が効果的か、議論せよ」です。仮にA〜Fさんといたします。

 まず1巡目。各参加者が、「責任感」とは具体的にどのようなこと、どのような態度を指すのか、報告がありました。Aさんは、自分の役割を考えることであり、たとえば、提出物の期限をきっちりと守らせることなどから、責任感が出てくるのではないかと述べられ、Bさんは、目標を立て、最後までやり遂げることが責任感を身に付けることにつながるとされ、Cさんは、ルールを守ること、なかでも時間をしっかり守ることが責任を自覚することになるとご意見されました。Dさんも、自分の役割を果たすことによって責任感が培われるといわれ、かつ責任を全うすることの大切さを児童生徒に認識させることが必要と述べられました。Eさんは、自分で物事をきちんと捉えること、学校現場で起こる様々な事象を自分なりに客観視するということでしょうか。そうした態度が責任感につながるというご意見です。最後にFさんは、学校は集団生活の場であるから、校則をはじめルールを守ることが責任考える端緒になるといわれ、また、「場の空気」を読むことも大切である?と発言されました。

 ここまででてきた各参加者のご意見をまとめる発言をBさんがされました。それは、役割を果たすということから育成する責任感と、ルールを守るということからする責任感とです。Bさんはそうまとめてから、一人一役を実践すると提案されました。学級委員や当番活動です。それを1学期という決まった期間にしっかり役割を果たす。それが継続的に物事に取り組む力をも生み、責任感を身に付ける具体的な事例になるということです。このご意見を受け、Dさんからは、「一役」に立候補がでるよう指導したいといい、その際、学級委員なら、どんなふうなクラスにしたいのか説明をさせたいと述べられました。そして学級委員に選ばれたなら、その期間中モニターし、それが果たせているかどうかをチェックしてみる指導をしたいそうです。Dさんはこれを「選挙公約」のようなものとして捉えられていました。

 Eさんは、それをマニフェストといい、大人社会における実情の簡単な説明を踏まえつつ、公約からその実現、点検というところまで発言されました。たしかに点検は大切で、責任感を持つということにおいて一番重要でしょう。企業活動においても責任を擦り付け合ったり放棄したりする情けない現状がありますね。いつかしっぺ返しを食らうでしょうね。また、おっしゃるように、集団における個人の責任の自覚は大切なポイントですね。

 Aさんは、役割分担から責任感を身に付ける際、教師の接し方も変えなければならないと発言されました。その意味は、役割を果たした後、児童生徒を思いっきりほめる、ということです。学習の達成だけでなく、こうした責任感や自主性を伸張するためにも、ほめることは指導法として適切でしょう。これを受け、Cさんは、ご自身のボランティア活動体験から、夕食の後片付け当番について触れられ、皿洗いなど自分の分担を果たしたケースにおいてはめることが有効な指導であったと具体的に語ってくださいました。

 Bさんからは、もちろんほめることで伸ばすのはよい指導方法であるが、ただほめるだけでは児童生徒の一層の伸張を期待することは難しく、現状で果たせることに付加して、達成できるかできないかギリギリの「責任容量」を示して、それをクリアすればほめる、と発言されました。すなわち踵を伸ばしたら届く達成感を味わわせるということですね。音楽の合唱において、指揮者に立候補する場合も、そうした「もう一歩高い段階の要求」を付加することによって、生徒の成長が促されるでしょう。Dさんは、自分の役割を果たさないときはどうなるのかを生徒に考えさせたいといわれ、委員会をサボって迷惑をかければどうなるのか、代わりに委員会に行かされて部活にいけなくなる児童生徒も出てくることを考えさせたいと発言されました。Aさんからは、なにか反省を求める「罰」も考えていいのではないかとありました。

 つづいてDさんから、中学校なら3学年合同の行事がある。そこでは上級生が下級生のめんどうを見ることもある。世話するハードルを高くし、多く与えることによって責任の自覚が上級生に生まれるとよい指摘がありました。Bさんは、責任をしかし果たせなかったとして、教員が「背中を押してやる」必要があるのではないかといわれ、その具体策として、小さなことでもいいのでみなさんがおやりになっていることをお聞きしたいと提案がありました。Bさん自身は、達成すればシールを貼る「がんばりカード」を実践している(したい)と報告されました。このような小さな試みを継続的にすることによって、「責任感が欠如している風潮」、「責任軽視の学校状況」を変化させていけるのではないかと期待されています。Fさんは、そうした達成をほめるとき、具体的に「きょうの一番星」、「本日のクラスMVP」をみんなの前で決定すると発言され、自主性の向上、意欲付けをすると提案されました。

 Dさんは、こうしたほめることについて、児童生徒同士の視線もあり、お互いに認め合い相互尊重する態度も生まれると評価し、こうしたしっかりやっている児童生徒の記事を学級新聞に載せてもいいと述べられました。そうしたMVPが毎日出るといいのですが、そうともかぎりません。Bさんは、責任に耐え切れない子どもをどうするか自答され、苦しいけれどそこに充実感を感じさせる指導をしたいと抱負を語り、小さな責任を果たすことが、やがては大きな責任を果たせる人格を形成するものであるとご意見されました。逃げ出してしまう児童生徒に、その子の身丈にあったことを要求するのもいいとはDさんの発言です。

 Fさんは、これをすなわち「能力に応じて責任を」とまとめられました。責任感の育成を、学校だけではなかなかできない。家庭とも連携する必要がある。たとえば家で手伝いをするなど責任感を感じさせることをさせ、児童生徒に自信が生まれないかといわれました。Aさんはそれを職場体験や、ボランティア活動を通して実践できないかと発展させました。

 最後にDさんが、クラブや部活動におけるチームプレーに「責任」を学ぶことがあるので、そうした部活で養われた精神を教室においてもみせられるように個々人を指導すべきであろうと締めくくられました。「教室ではもうひとつ」を打破しましょう。

 今回の討論は、参加者のうちBさん、Dさんの発言量多く、議論を引っ張っていって、そこにFさんが食らいついているように見えました。Cさんは25分間で発言2回はポイントを突いた発言であったとしてもやや影が薄かったことは否めないですし、Aさんも、他の発言者の繰り返し的な発言もあって、自分自身を出し切れていなかった印象があります。次回奮起してくださいね。

 Eさんは、もっと発言があってよかったと思います。ただ、議論の筋道を確認する発言として、「達成感から責任感を議論しているのではないのでしょうか」と議論の行方を再確認されたのはよかったところです。しかし、この発言が掻き消され、討論の方向性の確認がその後どなたからもあらわれなかったところに、問題があると思われます。議論に参加しにくかったEさんの立場がこの発言から認められ、また、集団として議論すべきであるのが、特定参加者の発言の応酬になってしまった根拠がこの「掻き消し」にあったと思われます。

 内容的には中の上くらいでしょうか。責任感は、道徳指導とも密接にかかわってきますので、トピックとしてほしいですし、交流教育における触れ合いから責任感を考えたり、討論に登場した就業体験をもう少し膨らまし、キャリア教育(これは初等教育からの実践が求められている!)に波及させて議論することもできるでしょう。いってみれば、NEETやフリーターも責任感の欠如がひとつの要因となって生み出されてきたと考えられるからです。

 ではまた次回。実り豊かな討論をめざして。

 ご覧のみなさま、22日の勉強会に参加されませんか。お申し込みをお待ちしています。

(2005年10月8日)

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