浩の教室・第34回勉強会の模様

 こんばんは、「浩の教室」管理人の浩です。第34回勉強会に参加していただいたみなさま、ありがとうございました。ただ、本日は申し込んでおられたのに出席されない方がおり、寂しい思いをしました。結果的にシートが空いてしまいました。かなり多くのキャンセル待ちの方がいらっしゃっただけに、残念に思っています。少なくとも欠席のご連絡をいただきたいものです。

 さて、本日は、シート式としまして、前回の討論を補強すべく、そして1次対策を強化すべく、「地域運営学校答申」の問題の解説をいたしました。この手の問題は、これで完了です。ちょっとやりすぎている嫌いもありますので。これまでにお渡しした答申プリントとこの問題をつきあわせ、ご自分なりにまとめておいてください。指定管理者制度、設置者負担主義、学校運営協議会制度etc…

 大阪対策は、そして神戸市対策も、教育時事抜きには語れません。そうした意味で、答申や各種報告書を中心に問題を作成し解説をやってまいります。次回は違った問題をいたしますが、人権教育のまとめか、中教審のまとめにしましょう。3枚にまとめてお渡しします。前回、今回の経験から、40分程度でシート式問題解説は終えるようにいたします。問題解説のときも、積極的に発言されることを期待しています。
 問題解説の次に集団討論をしていただきました。参加者は男性2名、女性4名(小学校志望1、中学校志望4、養護志望1)でした。テーマは、予告通りです。「家庭訪問を含め、保護者とのつきあい方について思うところを議論せよ」でした。今回の討論には、陥りやすいワナがありました。「課題の矮小化」です。以下の解説を読まれれば、その意味がおわかりになるでしょう。

 まず、参加者が一順するかたちで、家庭訪問においてどのようなことを尋ねたいか、伝えるべきか、発言がありました。アトランダムにそれをあげますと、おうちでの様子を聞く、学習面で気をもんでいる保護者が多いだろうからそれを伝える、学校での様子が児童生徒から家庭にどのように伝わっているのか確認してみる、我が子の将来をどのように考えているのか、ちょっと聞いてみる、児童生徒とどのように接しているのか学校、教員の立場を伝えたい、保護者が知らないあるいはわかっていない児童生徒の側面を伝えてみる、などと、講師をされている方が多いせいか、実践的な受け答えがなされました。また、養護教諭志望の方からは、病気でご自身が休んだとき、先生がおうちに来てくださり、安心感を得たとおっしゃっていました。養護教諭を志望されるひとつの理由でもあったのだと推測しています。

 ここまではよかったのです。しかし、これにつづき、本来保護者とのつきあい方を議論すべきだったのですが、どうやらテーマを矮小化する方向に進んでしまったのです。というのは、この問題の核心は、受験者の保護者像を探ってみたいという意図をもって出題しているのにもかかわらず、そこに触れられず、あるいは触れるにしてもかなり質、量ともに少なく、学校と家庭をつなぐツールの方法論や注意事項に終始してしまったからです。

 すなわち、家庭訪問につづき、学校の様子をいかに伝えるかという観点から、学級通信の活用が語られ、次にそれに代わるツールとしてメールに話が及び、「伝える方法論」に転換してしまったのです。課題の本質は、ワタクシの意図からすれば、家庭訪問にかける時間の設定(たとえば30分なのかなど)でもなく、学校の情報発信に関わってメールによる一斉配信でもありません。そうした方法論は確かに重要でしょう。だがワタクシには本質から離れていっていると映りました。これは「陥りやすいワナ」といえまして、まんまとそのワナにかかってしまった可哀想な子羊たちという感じでした。課題の「読み替え」は必要です。しかし「矮小化」は避けてください。

 教育委員会は、団塊の世代退職者を多く抱え、また、早期退職者も抱え、新採を増やそうとしています。これは全国的傾向ですけれども、大阪府の小学校教員採用人数700⇒1000⇒1300のジャンプアップはとりわけそれを証します。都市圏の教員不足が深刻なのは、他府県現役教員への横恋慕的態度をおおっぴらにしているこれまた大阪府を筆頭に、良質教員の「奪い合い」をしていることからもおわかりでしょう。そして、辞めていかれる先生方の最大の理由は、学習指導でもなく、生徒指導でもありません。生徒の保護者とうまくやっていく方法がわからない、あるいはもう価値観が違う、といった悩みに根差しています。匙を投げた先生がどれほど多いことか。そこで、受験生にこうした「実態のわかりにくい」保護者とどのようにわたりあっていくのかを聞こうとしています。さらには、現代の保護者像を探ろうとして、若い感性の保護者観を知りたいと思って出題しているのです。もちろんこれは、ワタクシの意図なのですけれども、これと同じ感覚を各教育委員会の偉いさんたちが感じているのは間違いありません。断言できます。

 保護者とうまくやっていくこと抜きに、現代の学校教育が成立するわけがありません。もっといえば、こういうことになるでしょうか。つまり、従来の学校は閉鎖的であった。それを打破するべく「開かれた学校」という理念が躍り出てきた。すると、児童生徒だけを専ら相手にすればいいという考え方は古くなる。昔の学校の教育目標は、それでも達成できた(これはちょっといい過ぎかもしれませんが)。ところが「開かれた学校」、「学校の説明責任」など、外部との関係を密接にすればするほど、いままでそれほど手をしっかり握り合っていなかった部分を強化する必要がでてくる。こうした折衝に従来型の教員が耐えられなくなってきている。保護者の価値観を計りかねている。と、こんなところだろうと思うのです。

 ワタクシは、「開かれた学校」という理念は思いのほか学校をめぐる世界を揺り動かしていると思っています。短期スパンで考えてみても、この5年でシリアスに地殻変動が起こっているとみています。まして、学校運営協議会制度が本格的に実施されるとすれば、いわば「実態のわかりにくい」保護者とクリンチしなければならないわけで、ノックダウンを食らうわけにはいかないのですから、一層保護者とサシでやっていける教員を必要とするのです。いうまでもなく、それがみなさんにほかなりません。批判の対象になりやすい聖地学校とその職員たるみなさんは、こうした厳しい試練を乗り越えなければならないのです。しかも、それは「ふりむいて舌を出す」ような泥縄式では、もうなんともならないでしょう。学校組織マネジメントが強く望まれるのも不思議ではないし、だからこそ民活が公務の世界に侵食してきているといえます。
 「保護者とのつきあい方」は、このように奥深い問題意識を発掘するように展開できるテーマでもあるのです。「双方向のキャッチボールをどうするか」と、ある討論参加者はおっしゃっていました。まさにそれが課題で、顔の見えるやりとり、血の通った折衝が制度に魂を吹き込むものでしょう。ワタクシたち教員をめざすものが、制度を支えていくにあたり求められているのは、切実なものです。現在の教育改革を指示するにしろ、しないにしろ、学校世界からの意味あるクリンチを試みるべきでしょう。

 勉強会の中盤、終盤は集団面接と、個人面接(個人解剖)でした。集団面接から、少し解説していきましょう。

 これは大阪府の1次対策として実施しているものです。面接官役のワタクシが、質問を6名の面接参加者に投げかけ、その応答から人物を評価するというものです。今回のやり方は、順番に応答を求めるやり方と、挙手で応答してもらうやり方をミックスしたものでした。まずは、受験生の緊張感を解きほぐすための質問。緊張していますか、と声をかけ、昨日はよく眠れましたかと尋ねる。簡単なやりとりにすることが大切です。ここで、長々しゃべると面接官の心証を悪くします。つづいて、@講師体験をお聞きしました。講師としてはじめて教壇に立ってどんな気持ちであったか、です。それぞれの参加者の応答に問題はありませんでした。大阪では手短に答えることが内容よりも重視されるという「不思議」な状況にありますので、極力ハキハキ且つ短く答えましょう。自信をもって。講師経験のない学生の方には、教育実習にいって教壇に立ったときのことをお聞きしました。この質問には、順番に答えてもらいました。ちなみに、集団面接の最中は、下を向いてはいけません。堂々とした態度で挑みましょう。自信のない様子では、子どもを任せることはできねーなーと思われますから。

 次に@とも関連させつつ、A講師として学校で先輩の先生や管理職の先生から注意されたこと叱られた経験を尋ねました。これを聞くのは、教員の厳しさを実感しているかどうかを計りたいからです。この質問には、ありのままを答えていただき、よかったと思っています。面接の極意は、「さらけだす」ということで、カッコをつけてうまくやってやろうと考えると失敗するものです。ワタクシたちの面接に対する「用意」、「準備」とは、カタログ的な受け答えの想定問答を詰め込むことではまったくありません。自然体、です。いわば、どんな質問をされても緊張しないよう、練習しているに過ぎません。

 講師経験のない学生の参加者には、ボランティアやその他の社会経験において、先輩の方々からどのような注意を受けたことがあるのか、そしてそれをどのように受けとめたのかを代わりに答えてもらいました。素直さ、反省すること、こうした感覚が先生になるのにあたって重要な気質です。若々しさと瑞々しさ、フレッシュな気持ちを反省を生かしながらまろやかなものにすることを期待しています。

 次の質問は、B生活習慣を見直させるアプローチ(これは質問していなかったかな?まあ、いいでしょう)、C遅刻してきた児童生徒にどんな声かけをするか、D保護者から茶髪にしたいといわれたらどう対応するか、Eひとりでポツーンと座っている児童生徒に対してどんな声をかけますか、について、挙手で応答をもとめました。すなわち、生徒指導に関し、どんな対応ができるのかを即座に答えてもらうおうとする質問、保護者とのやりとりに関する質問です。こうした質問は、やっぱり「準備」しておくべきでしょう。

 挙手制は、時間との関連で6名参加のうち、3人くらいしか応答できません。ですので、質問が出されてから解答を考えているようでは遅い。ツーといえばカー、という感覚で、さっと手を挙げ答えるようにすべきです。ただし、挙手制の質問は、今回、数問ありましたから、自分から「今回は手を挙げるのはやめておこう」と譲り合いの精神をもつことも大切でしょう。判断に迷うところですが、あんまし出過ぎても、ということです。

 F部活動はなにを担当できますか、文化系、運動系を答えてください、でした。これは順番にたずねました。こうした問いかけには、理由まで答える必要はないと思います。「剣道と書道です」というように短答しましょう。その上で、面接官からその理由を聞かれたら、答えるようにすればいいでしょう。相手がのぞむ料理を出さないと、ムッとされます。たとえば、その部を担当できる所以を長々しゃべってしまうと、他の方にも迷惑がかかります。面接官はみなさん以上に時間に追われています。繰り返しになりますが、それを忘れないように。

 次は、G児童虐待について順番に聞きました。この質問に対しては、答え方が均一で、肉体的な支障、アザの発見、通報など、だいたい同じような答え方に終始していました。ここで人と違った印象に残る答え方を工夫すればいいのではなかったか、と、集団面接終了後、「ものいい」がつきました。「だしぬく」のではなく、「ちがった角度からの意見披露」は、ポイント高いですね。

 Hよい教師とはどんな教師か、教えてください、I最後にあなたを採用したらこんないいことがあるということを述べてください、の2つを質問しました。最後のIは、「20秒で」と限定をつけました。これは思った以上に大切な条件です。しかも、この最後の質問は、挙手制でした。ですのでヘタをすれば主張できない参加者もでてくるかもしれません。よい教師とは、にはおおむね不自然な受け答えはありませんでした。

 さて、だいたい20分くらいで終了したでしょうか。本番ではもっと短い時間ですから、短答、的を射たコンパクトな受け答えを準備しましょう。

 ところで、集団面接でも、発言者の方を向いておくのは礼儀であるとワタクシは思っています。話をするときは相手を見ますよね。一緒です。それが自然にできるようにしましょう。挙手制は競争ではありません。そのあたりも注意しましょう。

 個人解剖では、中学英語志望の方に挑戦していただきました。みなさんの前でやりとりするのですから、かなり緊張されたこととおもいます。しかし、ここで修行積めば、本番は大丈夫。それなりに緊張するでしょうが、ビクビクすることはなくなります。わかりやすく応答するよう心がけてください。とりわけ、今回の質問内容では、アルバイト、ものを大切にする教育、について、復習を。2学期制の功罪については、ワタクシの突っ込みに対しても、うまく切り返しておられました。以上の質問事項については、「良く出るかもしれない面接質問集」を参照してください。

(2005年5月22日)

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