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浩の教室・第45回勉強会の模様

 この13日に開催した第45回の集団討論の様子を報告します。この日のテーマは、今年度多数の自治体で議論されたやに思われる「NEETやフリーターが増えることで社会に与える影響を議論せよ」でした。このテーマは、過去の勉強会でも議論したことのあるテーマです。勉強会に参加いただいている方から募ったテーマでもありました。討論は25分間、6名の方にしていただきました。今回も仮りにA〜Fさんとして、議論を再生してみましょう。発言順に追っていきたいと思います。

 まず、Eさんから、2007年から労働力人口が減少すること、NEETとはなにかの定義、が話されました。34歳までに定職を持たない状態をフリーターをいいますが、それは34歳以降においては社会的に就職が困難になることを意味していると述べられました。これにつづき、Bさんから、このテーマのように、NEETやフリーターが増えれば日本の将来がどうなるのかを語られました。それは、納税する人口の減少、社会保障制度の崩壊、という状況を作ります。

 両者のご意見から導かれるのは、教員として児童生徒にどのようにして職業観をもたせるか、ということです。Fさんは、NEETが増加するのは日本社会にとってダメージ大であり、それはスキルの低下という点でもそうであると述べられました。これを大きくまとめてFさんは、「日本文化の衰退」と捉えられました。ここのところはもう少し内容に厚みを持たせて発言されると、「文化」の中身がわかってよろしかったのではないかと思われます。Fさんは、「とりあえずフリーター」という風潮をなんとかしたいと訴えられ、それは個人が目標を持つことに尽きると述べられました。

 Cさんは、これまでの議論をお聞きになり、NEETやフリーターの問題は、財政、文化など多方面にあらわれると総括され、定職につかない若者の増加は、家族を形成できないことにつながるのではないかと新しい視点を提供されました。これは当然ながら少子化を考える視点にリンクしますね。また、晩婚化の問題を考えることにもなるでしょうね。AさんはこのCさんの発言を受け、社会保障制度の財政負担者が減ることを述べられつつ、それを解消するには学校で働くことの意義を伝えなければならないと主張されました。ただし、大学卒業を含めれば16年になる期間の長さを問題にされました。社会に出るまでのモラトリアムの時間の長さを気にかけられていたようです。たしかにこれは問題で、今日、どのような方面であれ、スキルを手にいれるのには時間がかかりますね。これは、でませんでしたが生涯学習と関わりあう論点の提示を可能とします。

 Dさんからは、やりたい仕事がみつからない児童生徒が、適性の発見につまずく状況があるといい、何になりたいのかみつけられる教育を用意すべきではないかと提案されました。とすれば、働くことの意義を理解するために、就業体験の話にうつったのは妥当でしょう。Cさんが地元のスーパーレジ体験を実践していることを話題提供され、働くことの楽しさと同時につらさを実感させることこそ学校に求められると語られました。それがNEETを食い止めるのではないか。

 また、Fさんからは、NEETを「している」のであるけれど、共同で喫茶店を開いて運営する行動的なケースもあると教えてくださいました。また、学校が、「父の働く姿をみにいこう」企画をたて、児童生徒が保護者の社会的なポジションを知ることも、NEET解消策になるのではないかと提案されました。

 ここでEさんから、「働くのは食べていくため」というご意見がでました。この意見が後々、参加者、傍聴者から議論のまとになったのですけれど、この当然の主張に不自然といいますか、それをいっていいのかどうかわからないと感じるみなさんがいらっしゃるのが、ワタクシにとっては新鮮でした。といいますのは、うえに紹介していますように、学校と職業との関係では、理念、意義を伝えることに課題があるように捉えられています。つまり、職業観が重視され、働くもの食うべからずというもっとも原始的といいますか、基本的なことが忘れ去られている学校現実にわざわざ触れなくてもいいのではないかという空気がこの討論では支配的だったのですね。

 ところで、フリーターが長引けば、Bさんのいわれるように、無職期間となって、採用面接官に「いままでなにしていたの」と突っ込まれることにもなり、実際困るでしょう。理念的にいって、フリーター期間が長いと社会の一員であることを忘れてしまうことにもなりかねませんね。では学校が何か新しい方策を用意できるのでしょうか。この点、多様な職業があるということを実感させる企画として農村体験、山村留学についてAさんは主張されました。デスクワークのほかの職業の提示です。そして、こうした学校における活動が地方の活性化につながると議論されました。

 また、新しい職業の開拓とNEETの関連から、介護・福祉の正しい姿を学ばせるのもよいというご意見がEさんからでました。こうしたAさん、Eさんのご意見を受け、Fさんから、講師経験者の方が討論参加者にいらっしゃったら、実際にどういうふうに職業教育を実践された経験があるか質問を投げかけられました。ご自身の講師時代の経験も語られ、高校を中退してフリーターになった生徒のことを保護者の苦しい立場も合わせて報告されました。もちろん守秘義務の範囲内においてです。Bさんがこの質問に答えるようなかたちで、講師としての職業教育経験ではなく、ご自身の体験をお話されました。Eさんからは、「まずは働け」という政治家のいい方を問題視しつつ議論をつづけようとしたところで、タイムアップとなりました。

 討論全体を通して、議論の重なりあいを見出しにくいと感想を述べられた方もしらっしゃいました。ワタクシは、盛りだくさんの話題が登場し、それをNEETと関わらせてなんとか議論しようとする姿勢を評価したいと思います。

 さて、後半は、個人面接、模擬授業を合計6名の方にしていただきました。模擬授業は、四則計算(小学校)、ベクトル(高校数学)でした。

(2005年8月13日)

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