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浩の教室・第46回勉強会の模様

 第46回の勉強会における集団討論の様子を報告します。この日のテーマは、15期答申のいわば「公式」である不易と流行について、再度議論していただきました。このテーマは、1度議論していただいたことのあるものです。テーマそれ自体は、「教育における不易と流行を具体的に議論せよ」でした。7名の方に25分間で討論していただきました。

 あらかじめ申し上げますと、この討論では、参加者それぞれが頭に描いていた「不易」と「流行」について報告するような「発表会型討論」となりました。したがって、議論の噛み合わせがあまりみえないものでした。そこが最大の反省点であると思われます。参加者が順番に、「不易とは・・・である、そして流行とは・・・である」ということを発表していったわけで、参加者の意見が建設的に発展的に進んでいく様子が残念ながらみることができなくて、「おもしろくなかった」という感想が、討論終了後ありました。

 これは、テーマを提案するワタクシの責任でもあります。発展型討論となり得るようなテーマを選択提供しなければならない責めがあります。なかなかしかしそうしたテーマは少なく、また、参加者の個性によっても左右されるものです。テーマの出題に関しましては、ワタクシの現在の問題意識から提供する場合が多く、そうしたバイアスがかからないようにと、参加者からのテーマ募集をしています。今後もやってみたいテーマをお寄せください。ここ最近のテーマは、そうした、参加者から寄せられたものでした。

 参加者7名をA〜Gさんとして、例によって討論を再現してみましょう。

 口火を切ったのは広島から参加されたDさんでした。Dさんは、不易を心の問題と捉えられ、今も昔も変わらず大切にすべき価値あるものであるとおっしゃられ、流行とは時代にあった教育、たとえば情報教育がそれにあたると述べられました。これを受け、Cさんが不易とは、子どもに接する教員としての態度であるといわれ、流行は体験活動ではないかといわれました。Cさんの不易の指す意味内容が「教員としての態度」であるかどうかは問題のあるところです。Fさんは前者を教育的愛情といわれ、後者は情報教育であるといわれました。Bさんは、前者を教師の愛情と信頼、後者をカウンセリングマインドといわれました。Aさんは前者を心の問題、後者は情報。Eさんは、前者を生徒の心の面をみて「すなおさ」といわれ、後者を情報化社会においてどのように指導していくかということであるとご意見されました。最後にGさんは、前者は人を思いやる心、後者を情報教育と述べられました。

 このように綴ったことからわかりますように、参加者においてほとんど出てきた意見が同じなわけで、これでは、どうもおもしろくないのですね。

 このように一巡してから、ポツポツ意見が出るのかと思いきや、またもや遠慮しあって発言の順番を守って発表していく形態でした。だから問題意識の連鎖が生れない状況になる。これでは討論とはいえないでしょう。単なる喉自慢発表会です。このようにかなり厳しく書きますのは、本番でこれでは苦しい評価だろうからです。

 このほか、各参加者の発言を拾っていきますと、Aさんは、情報化社会に関連して、10年前にすぐさまわからなかった情報が、いまではPCなどを活用してすぐに手に入れられる。このことは、便利である反面、何でもすぐにわかってしまうので知的好奇心が低下するのではないかと述べられました。さらに、従来の価値観から新しい価値観に児童生徒が転換する状況をどう捉えるべきかという問題を提起してくれました。最初この表現を聞くとわかりにくかったのですが、具体的に、「お金持ちになりたいという希望が、高校になると楽に生きたい」というように変化していくということであるようです。この「お金持ち」は、ひとつの例ですから、Aさんがいわんとしていることは、単なる「金持ち」ではなく、そうなるためには何をすべきかということを考える「価値」を指すものと思われます。また、心の教育に関連して、一人ひとりの持っているものを表現させることが大切である、そこから、自分にとって大切なことを発見させたいと指摘されました。

 Bさんは、情報教育に関し、情報機器は手段であって目的ではないことを生徒に伝えるべきだと述べられました。また、学校教育に携わる立場から、生徒の「ああしたい、こうしたい」をすべて聞き入れることはできないのではないかと喝破されました。学校は、流行を追い求め、生徒の「やりたい学び」をすべて引き受けることはできないということです。たしかに迎合的態度はマズイですね。そして、最近の生徒は自分の都合でよい結果を得たいと考えているといわれました。ここでいう、自分の都合=努力をしないで、ということであり、忍耐力の欠如の指摘です。

 Cさんは、情報教育に関し、@プレゼンテーション能力の育成をどう指導できるか、Aインターネットにのめりこみ過ぎるのをどう防止するか、ネットモラルをどう教えるか、PCをしっかり使いこなせる能力をどのようにして教育課程で実現できるか、ということを主張されました。これにつづけてキャリア教育のことをの話されたのですけれど、これがどのようにテーマとつながっているのか不鮮明でしたので、そこを考えてください。

 Dさんは、不易と流行の具体的内容を最初に述べられたのを敷衍し、この両者は車の両輪であって、分けて指導することはできないと述べられました。不易の中身を流行で確認するということでしょうか。ちょっと難しく感じました。実際、不易と流行をわけて捉え、同時に指導することが求められているのはまちがいありません。もう少しそこを具体的に語っていただきたかったです。また、不易に関し、家庭の中で思いやりの心は育っていくものであるといわれていました。お家の用事を手伝うことがひとつのきっかけとなると考えられているようですね。

 Eさんは、不易な価値を追求し指導していく現在にあって、児童生徒が人間関係をうまく構築できないことを指摘され、その点が昔とは変わってきているということを述べられました。Eさんには、ここのところをもう少し具体的にわかりやすく展開してもらえたらわかるのになと、聞いていて思っていました。なぜ、コミュニケーション能力を培うことができないのか、これを流行と絡みあわせて立論すればよかったのではないでしょうか。

 Fさんは、発言量が少なかったですね。その中で、情報を探し出す喜びについて主張されていたのが印象的でした。Aさんとは反対の意見で、なにが議論が生まれるかなと期待していました。ちょっと時間が足りなかったようです。

 このように、今回の討論は物足りなさを感じる討論でした。なぜこのようになったのかの一端を、上に厳しく指摘しています。しかし、実はそれだけでなく、今回の討論参加者のメンバーに、今回新たに来られた方が多かったということにも原因がありそうです。まったく新しく参加された方とどのようにして討論を作り上げていくか、難しいものです。それがリーダーシップに関わる評価につながるのでしょう。集団討論の難しさがここにあります。

 討論が終了し、この後は、個人面接、模擬授業を数名の方にしていただきました。個人面接については、圧迫面接を少し取り入れました。質問に答えられた内容に、突っ込んでいく手法です。また、主張されたご意見をあえて否定し、参加者がどのような態度をとるか、確認しておりました。ひるまないでがんばっていらっしゃり、全般的によかったです。

(2005年8月17日)

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