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浩の教室・第94回勉強会の模様

 昨日は、当サイト主宰教育学勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。満席のご参加でした。教室が暑くなりすぎましたね。今回、主宰者の手違いにより、座席に問題が生じまして失礼いたしました。今後このようなことがないように注意いたします。

 さて、昨日は、この秋の発表で合格された方5名が報告に来てくださいました。ありがとうございます。そのうちのお2人の方に、どのようにして勉強してきたのか、勉強の方法についてお話いただきました。Yさん、Aさん、ありがとうございました。また、快く新しく参加された方に配慮いただき、イロイロと「伝授」してくださり、ありがたく思っています。教採の場合、勉強方法でつまずいている方がいらっしゃいますので、参考になったことでしょう。

 人前で話すことに慣れず、言葉が言葉にならなかったとYさんはおっしゃっていましたが、いまでは胸を張って20名の前で報告できるようになりましたね。ウレシイ成長です。1年間勉強会に通ってこられて、合格しただけでなく、表現力も手に入れられました。「この勉強会はレベルが高い」といっていただきましたが、それはそうで、是が非でも教員になりたい方が集まってくるので当然でしょう。そして、その「レベルの高さ」を保持できたのは、YさんやAさんの積極的な参加があってこそです。

 Yさんは、1年半通われました。合格おめでとう!高校の某教科は極端に合格数が少なく、よくぞ勝ち取りました。小選挙区での勝利よりも難しかったでしょう。4回生からずっと参加され、現役時に不合格であった昨年、悩みに悩まれましたが、それもよい想い出。めげないで勉強してきた成果ですね。勉強会にときどきは参加され、後輩たちに指導お願いします。

 こうしてみると、合格者は、みんながみんな、苦労を重ねています。誰しも苦しみながらです。3年、5年かかった方もいらっしゃいます。苦しいけれどあきらめない。この精神です。昨日は、勉強方法について、ワタクシからもコメントいたしました。

 教採は、教職教養、一般教養、専門、人物対策に大きくは分かれます。3つはペーパー試験ですね。しかし、教採の合否を決めるのは、人物対策です。1次のペーパーは、一定程度できればいいのです。大阪府なら30点です。この点数に達するようにすればいい。2次の専門は、これも8割を目指しましょう。ここまでは自力でできる。ペーパーはできなかったらご自身の問題でしょう。昨日申し上げたことや、また、合格者のやり方を参考に、がんばってください。

 しかし、これだけでは採用に至りません。最大の関門は面接であり討論です。ペーパー100点満点、討論100点満点として、ペーパー90点+討論60点の150点獲得の場合と、ペーパー60点+討論90点の150点獲得の場合とでは、どちらを採用すると思いますか。まちがいなく後者です。

 だからこそ、「当サイト主宰勉強会の報告一覧」にある集団討論のテーマ、「よく出るかもしれない教採面接質問集」の各質問事項をノートにまとめていきましょう。ある合格者は、500テーマ書き切ったそうです。

 やっている方は、やっています。是非、当サイトをご覧のみなさまも、騙されたと思ってやってみてください。

 このあとワタクシの方から、「議論のたたき台となる教育学講義」をお話しました。今回も2段落程度しか進まず、申し訳ない。しゃべることがイロイロありましたし、なんといっても「必修教科未履修問題」でみなさんの問題意識をお聞きして、楽しいながらも時間を喰ってしまいましたから。でも様々な反応をされているみなさんの態度、知識の豊富さ、ありがたく受けとめました。ワタクシも勉強になりました。
 時間の皺寄せは大阪府の過去問解答解説にもやってまいりまして、もう一回やり直したいところです。今回解説した、「新しい時代の義務教育を創造する」答申を基にした問題は、形を変えて来年度も出題される可能性が高いです。是非、配布した8枚の解説をじっくり読み直してくださいね。当勉強会で検討している大阪府の過去問は、一般問題集のそれとは違い、解説を充実させています。問題集なら、単に「解答は1」などとしてそれで終わりでしょう。しかし、参加者のみなさんはわかっていただけると思いますが、ワタクシ作成の資料は、「なんでそうなのか」と、問題から派生する事柄をも詳説しています。大阪府の過去問は教職教養で12問しかでませんが、全部でA4版で60枚を超える豊富な資料集になるものです。是非、活用してください。他府県にも対応できますしね。来週も1問、じっくり取り組みます。

 集団討論の模様を再現します。今回のテーマは、「学校教育への提言〜こうした方がもっとよくなる〜」、今夏の出題テーマでした。このテーマに、男性3名、女性3名の計6名の方が参加、20分間の実践でした。

 このテーマを分析すると、次のようなことがいえます。まず、間口が広いテーマであること。広いからこそ、議論するトピックの絞込みが重要であること、です。一体、どんなことを話せばいいのか、本番でも困ったことだろうと思います。トピックは無数にありますが、学校と地域との連携がスタンダードでしょう。今回の討論でも、これがトピックとなりました。しかし現在的関心からすると、いじめ問題がトピックになるかもしれませんし、例の未履修問題がトピックになるかもしれません。このほかにも、あとでBさんが発言されるように、多彩なトピックがありますし、「議論のたたき台としての教育学講義」の第1段落に書いてあるようなトピックを個別化し話し合うこともできるわけです。とすれば、参加者が共通してなにがしかのことをしゃべることのできるトピックを選んだ方が賢明です。そうした意味で、「連携」はスタンダードなわけです。

 まず、Cさんがテーマを読み上げ確認し、「学校は荒廃している」と述べられました。この荒廃状況を解消するために、保護者、地域と協力し合う必要があるとされ、学校が何をしているのかアピールすることが大切であると提言されました。具体的にはその表現の場に、ふれあい祭りを挙げられました。Cさんが討論したいメイントピックは「学校と地域との連携」であり、上でいいましたように無難なものですが、いきなり「学校は荒廃している」といったのでは、面接官は驚くでしょう。現実には、「荒れた学校」は多数あります。しかし、それを強烈に言葉を選ばす批判してしまうと、面接官は委員会の人びともいるわけですから、まいってしまうでしょう。もう少し、ウェットに、オブラートに包みながら発言されると印象も変ってきますので注意してくださいね。

 この第1発言が集団全体のイメージとして定着すると、集団全体が壊れていってしまいます。そうだ、そうだ、の合唱で、荒れている、荒れていると意見がつづけば目もあてられない。こうならないように、「学校は荒廃している」を軽くいなすように第2発言者たるBさんが軽やかに収束させたのは、今回の集団を救ったと評価していいでしょう。

 そのBさんは、学校と地域との連携は大切であるとし、PTAに協力体制を求め、学校を見守ってもらう、授業を参観してもらうなどの建設的な意見を述べられました。ここで重要なのは、Cさんのご意見を無駄にせず、協力体制の重要性を強調し、かつ、「学校は荒廃している」に、全く触れなかったことです。問題のある発言がでてきたら、「それを塗り潰す」必要があります。集団が沈没しないようにうまく手配するのが肝要なのです。そうした意味で、Cさんの発言を「無視」して正解でした。このBさんのご意見につづき、Dさんが授業の解放とその評価を地域の方々にしていただきたいと述べ、開かれた学校作りを推進すると主張され、Eさんが地域の方々と連携して体験学習を積んでいくこと、多様な技量を持った地域の方を学校に呼び、指導を助けていただくと提言され、Cさんの発言は一層薄まりました。もう、面接官の頭の中から「学校荒廃」の発言は消え去ったのではないでしょうか。

 Fさんも、学校・地域・家庭の三位一体の教育体制を樹立していきたいと提案されました。つづけて、具体的に何をするべきか難しいし、地域性によっても変ってくると述べられましたが、こうした発言は不要です。というよりも、具体的な発言に説得力が宿るわけで、何をするか難しいといってしまえば、テーマを逸脱することになってしまいます。すなわち「学校教育への提言」が要求されているのに、具体的に何をするか難しいと応えてしまえばマズイわけです。しかし、Fさんは、そういいながら、学校における図書館の利用頻度がまだまだ少ない、だから図書館の有効利用をプロデュースしたいと発言されました。この発言をさきの具体的に云々のところに組み込めば、素晴らしい提言になったことでしょう。つまり、あんまり謙遜や長い説明は不要ということなのです。これは今後、場数を踏んでいけば身につきます。

 それにしても、ここで話題となった図書館の有効活用という提言が、これ以降、議論されなかったのは、残念です。こちらは、悪い意味での「無視」になってしまいました。Aさんが、「話題がずれてしまいますが」といってしまったので、元の「連携」に討論の筋道を戻してしまいましたけれども、やはり、「Fさんの意見も聞いているよ」という姿勢をみせるべきで、多少は前発言者の意見内容に触れるのがベターです。これも、テクニック。Aさんは、連携の具体的場面を紹介されました。高校志望のAさんは、塾や習い事の先生にアドヴァイスをもらうような場面を提供するべきであると主張されたわけですが、ちょっとこれはあさっての方向に向かう発言でしたね。たしかに、高校生に人生を考えるきっかけになる場や人的接触を与えるのはよい提案です。しかし、わざわざ塾の先生の話を聞く場面といってしまえば、これは、「学校がもっとよくなる」とはずれていってしまいます。

 Bさんは、またまたこのAさんの発言に触れないで、異世代間交流について問題提起されました。小中高のそして地域との連携の具体的動きとして、手話やPC、ハングル語の講座を用意し、地域で学びをスタートさせようとする提案でした。Cさんはこの発言に付け加えて、伝承された遊びを交流の素材としたいと抱負を述べられ、それを総合学習で展開するのがいいと発言、そして、授業公開ウィークを設けて、「連携」を進めていくとまとめられました。Fさんは、Cさんのご意見に対して、Cさんの先の発言を思い出してか、荒れて授業が成立しない学校も多いと聞くと述べ(てしまいまし)て、その解決策はなかなかみつからないけれども、授業を公開しようと学校が動いたとき、生徒と保護者のかかわりがみえてくるかもしれないし、学校荒廃の現状を打破するヒントが発見されるのではないかと発言されました。

 Eさんも、うまくこの流れをいなすように、授業論を述べられました。音楽志望のEさんは、いったん伴奏に入ってしまうと、生徒一人ひとり個別に対応するのが難しい、だから、T.T.を活用するのが理想であると述べつつ、地域の方々に授業参観だけでなく、簡単な音楽指導をしていただくことによって、「連携」の新しい在り方が想定されると提起されました。

 Bさんがこれに応じ、学校が荒廃する原因の理由が授業不理解にある場合の対策としてT.T.の有効性を認め、T.T.によるきめ細かな授業対応が、「授業がわからない」状況をなくしていくと発言されました。ここでは、「学校が荒れている」発言をいわば逆手に取り、そう断言するだけでなく、その是正策を述べることによって、Cさんのご意見を無駄にしないようにしています。大学4年生とは思えない力量です。この「授業がわからない」の言葉に反応し、Dさんが1人ひとりのニーズにあった授業の必要性を唱え、勉強することがなぜ必要なのか、教育哲学について大人につまり地域の人びとに語ってもらうのがよいと提言されました。これに関してAさんが、保護者参観の実情を紹介されます。それはAさんの高校時代の経験でしたが、保護者参観があっても忙しい保護者はあまり参加できなかった、学校開放は名はあっても実はなかったということです。この反省から、Aさんは、「当番制」を主張されます。授業参観当番制は実現可能の度合いはどうでしょう、難しいながらも、若い主張として是としましょう。

 Aさんの取組のほか、Bさんからも実際的な取組の提案がありました。現在の児童生徒は「時間・空間・仲間」の3つの間があまりない。だから、先に異世代交流を述べたが、総合学習で連携した授業をする場合に、キャリア教育も視野に入れ、職業インタヴューを実施したいとの提案です。こうすれば小中高の交流もインタヴューを支点に実現できるし、コミュニケーション能力の育成にもつながる、と建設的です。Eさんは、これに加え、クラブ交流を提案されます。サッカーやバスケットなど、小中連携可能な取組をしたいと抱負を述べられました。いずれにせよ、それはCさんがいわれたように夢を見つける作業となりますね。そして夢=目標の発見は、勉強するきっかけに十分なると、Cさんはお考えです。

 Aさんも、こうした交流において、上の子が下の子をの面倒をみることも期待され、リーダーシップも育成できるのでよい計画であると賛同されました。

 Bさんは、このほか、学校教育に対する提言として、討論時間の終了が迫ってきたことを慮ってか、特別支援教育の実践、インターナショナルスクールについて、朝鮮学校との交流など、幅広い多様な他者との交流を深めたいと提言されました。

 Cさんは、子どもたちが学校で楽しくかつ団結するためには、大人も自己を見直し、反省しながら教育活動に関わっていかなければならないと述べられました。

 そして最後に、Dさんは、反省の視点から、児童生徒は大人の姿を模範とするので、私たち教員も問題行動をつつしまなければならないと発言、問題教員の処分のことまで触れられました。

 ここでタイムアップ。

 最後はヒヤヒヤしました。断言調で「問題教員は懲戒処分だ」と述べられるのは、当然ではあっても、面接の本番では避けた方がよいでしょう。いや、避けなければならないです。あるいは、「学校荒廃」のところでも書きましたが、もう少しウェットに表現するべきであり、ご自分に引き付けてこれを主張するべきです。

 今回の討論では、問題のある発言の回避策について書いたようになってしまいました。しかし、勉強会は「失敗してもいい場」なので、どしどし問題発言してください。問題解消策は、実践の中で磨かれていきます。ワタクシや討論傍聴者からのコメントを取り入れ、徐々に更正していけばいいのです。学校とは、失敗してもいい場所。昨年、どなたかがおっしゃっていました。いい言葉ですね。この言葉が浸透すれば、パスミスをとがめられ、いじめられるようなことはなくなるのではないでしょうか。

 きょうは、教育勅語の煥発された日です。そして、教育基本法改正法案が国会審議入りする日です。妙な符合を感じます。霜月も、意義ある討論を期待しております。

(2006年10月29日)

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