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浩の教室・第67回勉強会の模様

 昨日は、当サイト主宰教育学勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。満席のはずでしたが、お一人体調を崩されたとのご連絡いただき、心配しています。体調整えられ、またご参加くださいね。身体がしんどいときは無理しないことです。教採レースは長い、気をつけられて。また、多数、新しくご参加いただいた方がいらっしゃいました。いかがでしたでしょうか。運営には注意を払っておりますが、みなさまからのご要望をできるかぎり反映させるよう努めておりますので、どしどしご意見いただけると幸いです。

 さて、昨日はまず答申の講読からはじめました。「義務教育創造答申」です。ようやく重要部分を読了し、ホッとしています。今回も、『スコープ』で関連法規を参照しながらすすめました。自己評価の公表に関する箇所で話題にした「小学校設置基準」は、こちらにありますので再確認してくださいね。新しく参加された方は、是非、ワタクシの答申解説を熟読され、かつ、予想問題を解き、重要事項を確認してください。

 次に、「自己売り込みのツボ」をいたしました。緊張されていらっしゃいましたが、Yさんにがんばっていただきました。15名を越える参加者を目の前にして緊張するなというのが無理な話でしょうが、みなさんの前で話す「経験」を積むことつまり場数を踏むことが大切です。準備していって試験に相対するのが実力です。いただいたたくさんのご意見を元に再度「売り込み」を練り直しましょう。

 10分くらいの休憩時間をはさみ、集団討論を実践していただきました。これは最後に示します。

 次に集団面接です。面接では、「(受験)勉強の息抜きはどうしてましたか」、「最近の教育に関するニュースで気になることはなんですか」、「あなたが友人に『○○な人ですね』といわれたとします。『○○』には何がはいりますか」、「あなたの人生経験上、児童生徒に1番伝えたいことはなにか」、「ボタンのかけ違いがあって特定の保護者とうまくいかなくなっています。あなたはその関係修復に、どんなふうに努力しますか」、「ボランティアを促進するために、児童生徒にどのような声かけをしますか。具体的にいってください」、「あなたの考える『確かな学力』とはどのようなものですか」に答えていただきました。パッといわれて、パッと答えるのは難しいものです。しかし、ある程度のパターンは決まっています。集団面接もその点では予想が立てられますし、新しい質問といえども、時事系をのぞいては、従来的質問のヴァリエーションに過ぎません。ここでも慣れることでしょう。

 それでは、集団討論の模様を再現しましょう。テーマは、「あなたがた教員は、職務の遂行に『初心忘れるべからず』であたってほしいと強く願っています。あなた方の教職への情熱を語り合ってください」でした。これに対し、6名の方に25分間でチャレンジしていただきました。例によってA〜Fさんといたします。

 まず、教職への情熱を、なぜ教職をめざしたのかと捉え直し、Cさんが「教職をめざしたきっかけはなんですか」と話題提供されました。Cさん自身は、講師として授業をし、児童生徒の笑顔をみたとき、ああ、やっててよかったと先生をめざしている自分を再確認する、と発言されました。このCさんの例に引きつづき、Bさんは、理科の実験に触れられました。すなわち、理科志望のBさんは、実験から思いもよらない結果が生まれたり、自然に触れて楽しんだり、自分自身が生徒であったときの体験が理科教諭をめざすきっかけになったと。そして、いま担当している生徒の中に、教科書にのっていることだけでなく、のっていないことに関しても、わかったときの喜びを見出したとき、先生になりたいという気持ちを強くしたと述べられました。

 Aさんは適応指導教室でがんばっていらっしゃり、ネグレクトの状況下にいる児童生徒と粘り強くつきあった経験から小学校を志望する気持ちが高まったと説明され、小学校教育においてルールを守ることやしっかりとしたマナーを身に付けさせてやりたいと抱負を語られました。それが児童に備わって、教育への可能性が一層開かれるのではないかと付け加えられました。

 Dさんは、民間企業の社員としての経験を元に、企業に元気がなぜないのかを分析的にお話されつつ、息抜きの合気道教室で小学生と出会い、彼らの目がイキイキしていることに驚かれ、その輝きを失わせたくないというのが教員をめざしたきっかけであると、よくわかるように述べられました。つづいてEさんは、昨年夏まで企業に奉職していたが、なんとなしに会社に入ってくる若者に危機を覚えたといわれます。学校段階で職に就くことの大切さや動機付けをする必要性から教員をめざしたと語られました。

 Fさんは、大学3年生で、現在塾で講師をしていらっしゃり、根気よく教えれば、児童生徒はできたー!となって目が輝く。そうした物事を理解し、成長していく姿を見守ることができるのが教職の魅力であると発言されました。

 互いの「なぜめざしたのか」が一通り報告された後、DさんがEさんに、高校でキャリア教育を推進したいと願っているのに、なぜ小学校で現在講師をしているのかと疑問を呈されました。これに応じてEさんは、現在小6の担当で、彼らに「聞く姿勢」を身に付けさせることが一番で、他者の話をしっかり聞ければ自己形成も豊かになると述べつつ、一方、高校では、これから社会にでて働くんだという自覚を促したい、そうでなければNEETやフリーターが増えることになるからであると発言されました。

 以上の受け答えを一般化すると、志望校種とちがう校種で講師をしている点をついた疑問です。結構、痛いところを突かれた質問ではありました。これは本番の個人面接などでも聞かれる可能性が高い質問であると思われます。そこには「やむにやまれず」とか、「希望校種に空きがなかった」とか、「新しい世界への挑戦」とか、消極、積極両方の理由がありますけれども、その現状は、実のところ自治体の面接官はよくわかっていて、そんなに問題ではないでしょう。問題なのは、校種が違うとして、そこでの経験を本来の志望にどのように生かせるのか、そういう将来への備えを日々自覚しつつ奉職しているということ、そしてその「生かせる」内容を具体的に答えきれるかどうかということでしょう。

 Bさんもいわれたように、どの校種でもしっかり教員をめざす私たちが取り組んでいくことが何よりも大切なのです。そして私たちが児童生徒と接するときに難しさがあるとすれば、それはどのようなときであり、どのように克服していくべきかという質問をBさんは投げかけられました。ワタクシは、この質問は、「教職への情熱」が発せさせたものであったと理解しています。Dさんがこれに応じ、授業内容にせよ、なんにせよ、わかったときに児童生徒の目がイキイキする。それは生活の場面でもそうであろうとし、登校してくる児童生徒に挨拶して元気がなかったり、返事がなかったりしたときに「難しさ」を感ずると述べられました。すなわちどのようにすれば児童生徒の心中に元気の素が灯るかということですね。小学校ボランティアの経験から感じたそうです。

 Cさんは、教科教育において問題意識とやる気をどのように持たせるかで悩んでいるといわれました。高校の副次教科は選択制である。書道は字を書く、美術は絵を描く、では音楽はどうなんだろう。音楽は恥をかくといわれて、音がはずれていても大きな声で歌おう、そうしたチャレンジ精神が音楽教育のめざすところではないかと語られました。Fさんは、専門ではなく基礎的なことを身に付ける場所として小学校を位置付けられ、子どもの疑問をいっしょに考え、ともに学んでいきたいと述べられました。Aさんは、子どもから学ぶとともに、私たちは指導していかなければならない立場にある、だから、楽しくも厳しい指導を忘れず、何事もただしていく姿勢が必要ではないかと発言されました。

 このあたり、Bさんの質問の意図からズレたような気がいたしましたが、傍聴側の方々はどのように受けとめていらっしゃったでしょうか。

 Eさんは、Aさんのご意見に触発され、小学校では学ぶ喜びを感ずること、ルールを守る姿勢、聞く姿勢の3つが教育目標といってよく、さらに、言葉を学ぶことを話題にされました。言葉を使って一体何をするのか。それはコミュニケーションであるけれども、それは心と心をつなぐものであると力強く発言されました。

 Aさんからは、Dさんがどのようなことを児童生徒に身に付けさせるべきかという話題に関連し、それはやはり基礎的な力であるとご意見されました。つまり、読み、書き、計算の能力であるということです。漢字や計算力など3R’sは必要不可欠な生活能力であり、是非とも教員としてこれを育ませたいとこれまた力強く発言されました。CさんがAさんに、私は教育困難校に勤めた経験があるが、10分前に教えたことも忘れてしまう現実がある、そうした児童生徒にどのようにアプローチするべきかと問われ、Aさんはそれには粘り強くかかわって指導するほかないと正攻法で答えられました。具体的には反復学習を取り入れるようです。この反復学習にドリルを採用しても飽きるし、Dさんは、興味をもたせるやり方はないだろうかと述べられ、自分から取り組む姿勢を増進する方法として、ビンゴゲームなど外発的動機付けについてご意見されました。たしかに100マス計算もやり方が大切でしょうね。

 Eさんは以上のことを総合して、教員の姿勢に言及され、「ここまででいいだろう」と思ってしまうのは駄目と、まさに「初心忘れるべからず」を表現されました。Bさんは現在取り組んでいる総合学習の環境に関することに触れながら、指導する側の教員が触れていないことにも着眼する主体的な学びの感性を持った児童生徒の存在を認め、その自発性を高く評価されています。そしてそうした児童生徒の自発性に自分自身も奮い立たされる、がんばらなきゃという気持ちになるとなごやかに話されました。この、「教員のがんばらなきゃ」にCさんが、私たちは「最近の子どもは云々」ということを言い訳にしていないか反省し、自分たちが自信を取り戻さなければならないといわれつつも、指導上やりにくいと感ずる点はないかどうかみなさんに聞きたいと発言されました。

 たしかに授業妨害の経験や授業中抜け出す児童生徒はいるし、そうした場面に遭遇したことはあるとAさんはいわれ、やっぱりそこは自己反省を出発点として、私たちがわかる授業を作っていくよりほかないのではないかと述べられました。そしてその方法論に関してFさんが、教員が話すばかりではなく何かをさせる授業、つまり体験型学習の導入を掲げられました。作業のある授業は児童生徒を惹きつけます。ただしそれが従来の「感想文を書く」などでは、いまひとつ説得力がありませんので、何か斬新な具体例を出すとよいでしょう。Dさんもいわゆる詰め込みの授業は避けたいと強調し、指示待ち状態から脱却し、いかに問題意識を持たせることのできる授業を展開できるかであるといわれました。ここもちょっと抽象的なので、考え直しましょう。

 Eさんは、本当に指導が困難なクラスを担当されているようで、自主的に作業をさせる指導の難しさを訴えられていました。学習のめあてを明確にし、そこに児童生徒を意識付けること、これがただなんとなく作業をするという事態を解消するのではないかとご意見されました。すなわちそれはCさんのいう、どういう気持ちを持った先生になりたいか、という大きな問題につながります。Aさんの、メリハリを持った教員ということもそうでしょう。Dさんのいう、社会に出ていったあとにもずっと残る何かを伝える姿勢もそうでしょう。Bさんのいう他者から学ぶ謙虚な姿勢もそうでしょう。

 ここでタイムアップ。議論が終了しました。

 ワタクシの方から少し。このテーマは、情熱を語り合うというものでしたから、なかなか積み上げ型の議論になりにくかったと思われます。それは、勉強会終了後のコーヒー会でもご意見が出ました。そうした中、なんとか話題を提供しようとしたCさんの姿勢は評価できます。ただちょっと質問ばかりだったので、他者の引き立て役になり過ぎないように注意しましょう。

 EさんとDさんの校種違い云々のやりとりは、できればない方がいいかもしれません。あまり校種の違いからくる問題を指摘しても、他の参加者を困らせていると面接官に思われては損ですからね。

 全体的にいって、いいご意見が多かったとワタクシは感じています。最後のところでどんな先生になりたいかが、再度トピックになりました。そこで教育方法や内容について議論されたのは聞き入ってしまいました。問題は、教員としての自覚であって、どのような指導観を持つかということでしょう。すなわちこのテーマは、初心の指導観を披瀝する場であったということですね。

 今回、オブザーブされていた方も、次回は挑戦してくださいね。では〜

(2006年2月25日)

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