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浩の教室・第73回勉強会の模様

 昨日は当サイト主宰教育学勉強会に多数ご参加いただき、ありがとうございました。今回も新規の方を含め、多様な議論があり、実に充実した時間となりました。4時間があっという間に過ぎ去りました。後のコーヒー会での情報交換も楽しく進められました。

 さて、今回も、資料講読、自己売り込みのツボ、集団討論、集団面接を実施し、新たに「大阪文化歴史問題対策」をいたしました。今回ご報告いただいた、Iさん、Hさん、ありがとうございました。次回担当の方々、よろしくお願いいたします。これは、前回も説明させていただきましたが、大阪府・市の1次試験が専門教科の5問から、この手の問題に変更されるに伴い、大阪に関する様々な事柄を調べようというコーナーです。週に2人づつ報告していただき、それをみなさんで共有しあうという試みです。これに加え、ワタクシの方からは、もう少したちましたら、教委の「義務教育活性化推進方策」のまとめのプリントを配布したいと考えております。しばらくお待ち下さい。今後、勉強会にご参加される方々に、蓄積された大阪歴史文化問題対策資料をコピーしていただくようにいたします。

 自己売り込みのツボは、Yさんに報告いただきました。内容的に訴える価値ある発表でした。あとは、それをいかに2分にまとめ直すかですね。是非、いただいたご意見を参照されながらがんばってください。数学の教員として、生徒の教科のつまずきにどう対応するか、精神論ばかりではないなにか具体的な声掛けをどうするか考えられればよいと思われます。でも、報告自体の出来はすばらしく、教採に賭ける意気込みが伝わる内容でした。

 次に集団討論の模様をお伝えいたします。テーマは、「生徒から、卒業後の進路に関して保護者と意見が真っ向から対立して、悩んでいると相談を受けました。あなたは、その生徒にどのように対応しますか」でした。この課題に対し、小学校志望者2名を含めた5人の方に実践していただきました。残りの方は高校志望の方でした。今回、テーマが小学校志望の方にとっては「進路」ということで切り口が見当たりにくいながらも、個人的な経験を踏まえ、意欲的に発言され、十分に「討論参加者」であったと評価できるものでした。この難しいテーマにアプローチする一例をみせつけてくださったといえます。討論は5名の方に20分間でがんばっていただきました。

 まず、Cさんが口火を切りました。テーマにある保護者と生徒の間の進路に対する思いの違いはよくあることであると前置きされつつ、この真っ向から対立する保護者と生徒の間をどう取り持つか、そのクッション役になることが望ましいと述べられました。ただ、その際に、生徒にも、保護者が親身になって考えているということを客観的な立場から生徒に伝えると付け加えられました。

 Aさんは、小学校志望者ですが、このテーマから、小学生の進路についてテーマを尊重しつつご意見されました。つまり、私立中学に行くか公立中学にいくか、進学問題で保護者と児童が対立するケースを想定され、どのようにして両者の間にはいるかを述べられました。間にはいる教員の役割はCさんと共通です。そして、「児童を伸ばす」方針を基本に据え、その立場を貫くことが、両者の調停役になる可能性があるということでした。なかなかうまい発言です。Eさんも小学校志望者です。Eさんは、児童の適性を前提に話を進めたいとのことでした、該当の児童に寄り添うのはあくまで保護者であって、教員は学校に児童がいる間だけしか直接的な指導はできない。だから、最大限に保護者の意向を考慮しなければならない。教員としてできることは、未熟な段階にある児童に、情報面でのサポートをすることではないだろうかと述べられました。これまた、いい切り口であったと思います。

 Bさんが、保護者と生徒、身内であるからこそ対立が生まれているのかもしれないとのご意見があり、Dさんから、テーマの「生徒から相談」とあるのを指摘して、身内だからこそ冷静に判断できないのかもしれないとのご意見がありました。Dさんは、3者面談や家庭訪問で乗り切りたいと提案されました。これまでの議論を聞いていたCさんは、1巡したのを期に、子どもの気持ちや決意を受け止めるのが先決であると教えられたと述べられました。Bさんからは、クラス担任として、教科担任として、言葉のかけ方やアプローチの仕方が違うだろうし、進路部と協同し、手はずを整えることも必要であるとご指摘がありました。

 それは、言葉をかえて、Eさんからも述べられました。つまり、校内体制として、進路の問題にあかるい先生の協力を求めるということです。Aさんも、担任であるからといってすべてを抱え込む必要はなく、よりよい選択肢を学校そのものが示すのがよいと語られました。

 Cさんは、先のAさんのお話から、進路情報について言及されています。すなわち、有効な情報を与えることは大切で、たとえば経済的な面で進学が不可能とあきらめている場合などに、学生支援機構の存在を伝えることは生徒の方向性に光を与えるでしょうね。

 Dさんからは、具体的に進路の違いとはなにかという点から、保護者は進学、生徒は就職、というように展開され、保護者と話す機会を何度も持つことが問題解決の糸口ではないかと示されました。Eさんも、先にも述べられたとおり、保護者の意向を無視してはならないと述べつつ、最終的な決定は生徒にさせるべきではないかと指摘されました。一児の母としてのEさんは、自己の子育て経験を披露され、一途な思いで職に就きたい、あるいは職に直接する学校に進学したいという我が子と、普通科の高校に進学させたい自己の思いとぶつかった「想い出」を語られつつ、最終的には我が子が決定したということを示されたのです。このあたり、むりなく話されていたので好印象でした。というのは、参加者が自己経験を語るような場合は、ながながとなって、面接官にあまりよい顔をされないのが一般なんですけれども、今回は、嫌味なく伝わったと思われます。それは、あとで傍聴のみなさんからそうした指摘がなかったことからもわかります。「人生の先達としてのアドバイス」は強力ですね。

 この経験談のあと、Dさんがこれまたご自身の経験を踏まえた力強い発言がありました。保護者に進路について相談するということは、その生徒が大変迷っているときである。そして、保護者の気持ちもわかっているからこそ、先生にもこの生徒は相談したのであるとテーマの本質を解釈されたのです。こうした展開は慧眼であり、テーマを現実的な関心から捉えようとする発言でもあり、評価が高いといえるでしょう。後悔させない選択を示すこと、これが教員の役割であるという発言もいい得ているところです。

 Aさんは、生徒に進路を最終的に選ばせるべきというEさんのご意見に賛成しつつ、生徒が「これしかみえない」状態になるのを防ぐべきであろうと発言されました。なぜなら、「これしかみえない」は、視野が狭い状態であるかもしれないからですね。Aさんは将来、スポーツ選手になりたかったようで、しかし選手になるのは極めて狭い門であることも理解された過去を持っていらっしゃるようです。それゆえ、キャリア教育的に指導をし、職場体験を増やして多様な仕事があるということを示し選択肢を広げる進路指導をするべきと、また、そうするのであるといわれたのです。

 Cさんもこれに同意し、納得した進路決定がなにより大切であるといわれました。そして生徒が描いている夢を実現すべく支援するのが教員の仕事であるとくくられました。それはAさんによれば、自己の可能性の問題でもあり、その支援の具体的な方策は、目標設定シートの活用であると述べられました。自己の将来像を文章化することによって目的・目標が明確になります。有効な方法でしょう。

 Dさんからは、生徒の幸せを第一に考える立場から、そのためにはなにが必要なのか3者で考えると述べられ、夢を追うことも教育の役割であると発言されました。ただそれにつづく、そこで挫折しても「逃げ道のある生き方」といわれたのは疑問が残る表現でした。

 将来の選択肢を多く持つということが、議論のポイントになっていますが、Dさんは、高卒段階と大卒段階では4年間の違いがあり、進路に関しても考え方が変わるといわれました。すなわちいわゆる執行猶予期間、モラトリアムの4年間という考え方です。これは確かにそうですね。Bさんがいわれるように、多くの選択肢を知るべき期間が延長されるわけです。また、Eさんのいわれるように多くの選択肢を知った後、もし希望している方向と違う方向にいった場合の対応も考えなければいけません。

 Cさんが、時間が近づいてきたことを告げられ、なにかほかにいい残したことがないかどうか確認されました。Cさんご自身は、納得のいく将来像を提供することが教員の役割であると述べられました。Aさんは、児童生徒がどう伸びるかに指導の中心をおき、未来をともに切り拓くよりそい方を考えたいと発言され、Eさんは、テーマに立ち返って、対立している現状に関し、生徒を安心させるため、「心配しなくていいよ、あなたのことを一番考えているのは保護者なんだから」と伝えること、そして、進路は自己決定であることを強調されました。

 これが20分間の内容でした。実りのある討論であったと思います。みなさんと討論終了後、反省的な視点から、多様なご意見をいただきました。ワタクシからも若干のコメントをいたしました。そこでは、姿勢や声など形式的な側面の指摘とともに、内容的なことにもご指摘がありました。ワタクシからは、たとえば他者の発言に対し、感心ばかりしていてはいけないとちょっと厳しい指摘もいたしました。まあ、「感心するよりも感心される意見をいえ」ということなんですが、本番ではやはりそうして感心される発言者が合格するのは当然でありまして、ここを伸ばすためにも勉強会の意義があるわけですね。あと、個別にコメントし、言葉のいい回しに関する簡単な批判的指摘にとどめました。

 恒例となりました「集団討論の点数化」ですけど、みなさん辛いですね。上にまとめた討論、半分以上の方は60点をつけました。残りの6名の方は80点をつけられました。今回、テーマが掘り下げにくかったこと、テーマの「その生徒にどのように対応しますか」が具体的に語られきれていないのではないかという点からこうした評価になったのでしょう。みなさん、それだけいい討論を渇望しているということの裏返しでしょう。

 集団面接の方は、かなりよかったです。これはなかなか再現できません。なぜなら、ワタクシ自身が面接官役で、質問するだけでふうふういっているからです。それでもなにがしかのコメントはさせていただきました。このシートを再構成しちょっと手を加えたものを使用していますが、コメントを各参加者が書いた後、シートを切ってそれぞれの方にお渡しするという方法をとっています。こうすれば、いい点、悪い点が伝わりますしね。あるいは参加者としてそのシートを10人の方からいただけますし、あるいは参加者を評価し反省点を提供することでご自身の「反省点」の発見にもなる、ということで一石二鳥なわけです。

 今回、時間の配分がうまくいき、集団面接に時間をいままでよりも多く取れたのは、よかったです。15分間、多様な質問を5名の方にいたしました。1次の集団面接では、時間の関係で、それほど波状攻撃的な質問はないと思われます。今回のような受け答えで、十分ではないかと思います。みなさま持ち味を生かして、各質問になんとか答えきられていました。私見では、「A君のことをB君がいじめているということをC君が報告してくれました。これについてどう対処しますか}の質問について、2名の方がとても明晰にしっかり答えていただけたのが、強く印象に残っています。こうした受け答えができるようでしたら、まったく心配ないといえるでしょう。

 さて、もうあと3ヶ月になりました。勉強会での緊張感をひとつのバネとして、日常の勉強に意欲をみせてください。勉強会はその一里塚として活用してくださいね。情報交換の場としても、機能しているのがいいですね。みなさん、ライバルでありながら、将来の同僚です。がんばりましょう。あなたの合否はワタクシの合否です。そんな心構えで、あと3ヶ月そして2次の最終合格まで、そしてそして、秋の「卒業旅行」まで、歩調をあわせていくつもりです。

 なお、勉強会はただいま満席状態で、折角メールいただいているのも関わらず、参加が厳しい状況がつづいております。今後、開催をなんとか増やしていきますので、よろしくご理解下さい。そして、6月7日の「水曜会」もよろしくです。こちらはすでに受付開始しています。ただいま半分座席が埋まっています。詳しくは、「お知らせページ」をご覧下さい。

(2006年4月16日)

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