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浩の教室・第74回勉強会の模様

 昨日は当サイト主催勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。キャンセル待ちのみなさま、結局、空きがでず、申し訳ないです。

 昨日は、大阪歴史文化問題報告、自己売り込みのツボ報告、集団討論、集団面接と盛りだくさんでした。大阪歴史文化問題対策では、IさんとTさんが詳細にまとめてこられたペーパーを検討させていただきました。Iさんは大阪出身の人物3人について、Tさんは大阪の商業の発展について調べてくださいました。これで、大阪歴史文化についてはA4版で4枚になりました。来週ご担当の方、よろしくお願いいたしますね。そしてこのペーパーは、勉強会参加者にはコピー代だけで頒布させていただきます。みなさんと知識を共有する開かれた姿勢でまいりたいと思っております。ワタクシの方でコピーしておきますので、ひとことお声掛け下さい。

 自己売り込みのツボは、Nさんにご報告いただきました。3分間で自己を語るといってもいいコーナーですけど、Nさん、がんばっていただきました。なかなかに波乱万丈の人生ですね。突っ込みどころ満載の内容でした。5月7日の1分間ヴァージョン報告会では、一番よいところを切り取ってご報告ください。この自己売り込みのお申し込みは、勉強会のときにご申告くださいね。今後、6月には、2人くらいのペースでやってもいいかと検討中です。

 といいますのは、このあと検討した「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」で、資料講読をひとまず終了するからです。昨日は、この資料をたたき台に議論が膨らみ、結局2行読んだということで終わりました。高度情報通信社会に関して新社会資本の整備について確認したり、どんな本を読んでいるのかみなさんに聞いたことから議論が小学校における英語教育の採用の是非に発展したりしました。とくに後者の議論は白熱し、お子様を持たれている方からの意見には実感こもった小学校英語教育採用論が語られましたし、一方中学現場の経験者からは、小学校段階の英語教育の有無が、従来英語教育の出発点であった中学校の在り方を変えてしまう問題点を指摘くださいました。中学入学のときに英語の学力差がすでにある事態は、現場の英語教育には混乱を、生徒同士には優越感や劣等感を持たせることになるわけですね。

 小学校における英語教育の採否については、集団討論のテーマでもとりあげたいですね。試験までに、やりましょう。

 今回の集団討論のテーマは、「ある調査で、小中学生の保護者の6割以上が『総合的な学習の時間』をよく思っていないという結果がでた。どうしてそのような結果がでたと思うか、議論せよ」でした。このテーマに対し、6名の方が挑戦してくださいました。今回の討論は、傍聴者からの評価も高く、みなさんがだいたい80点をつけておられた討論です。それは一体どのようなものだったでしょうか。

 まず、Bさんが、総合学習はすばらしいものであるから、推進していくべき教育領域であるとし、ただ、その中身があまり知られていないので、説明責任を学校外に果たすべきであると述べられました。また、総合学習は評価が難しく、総合学習のよさが伝わりきれていないのではないかと指摘されました。Fさんも、なにをやっているのかわからない時間と認識されるケースもあるというようにBさんの指摘を踏まえ、自己の講師経験から述べられました。すなわち、Fさんは、ゆとり教育がはじまった頃に講師をされ、総合学習が導入されたまさにそのときであったので、余計になにをやっているのかわからないと、保護者だけでなく先生たちの間でも「話題」になっていたそうです。

 Cさんは、ゆとり教育とFさんが発言されたのを受け、総合学習が教育課程に入り込んできたことによって教科指導の時間が相対的に減少した事実を掲げ、保護者には総合より教科の指導の充実が求められているのではないかと分析されました。そして、総合を受けた児童生徒は、家に帰って保護者に「今日はなにをしたの」とたずねられ、面白くなかったと応えたとすれば、そうした言葉を鵜呑みにし、結果、保護者の、総合学習の否定になっているのではないかと指摘されました。Aさんは、マスメディアでも総合学習に関するイメージが一人歩きし、学習指導要領の改訂によって授業時間が減少したことなどで学力低下の問題がこれまたマスメディアによってあおられ、どうも総合に対して批判的な風潮であったと観察されています。Aさんは、実際のところ総合学習は多様な観点からものをみることがでできる時間と評価されています。それだけにマスコミの責任もあるということでしょう。Eさんは、総合に対する評価は、それぞれの立場からのニーズに合致していないので不満となっているのではないかと指摘されました。総合学習自体が悪い時間なのではなく、保護者のニーズにあったものでなかったから、不満がでてくるのであると原因を分析されました。Dさんは、いろんな保護者がいるわけで、捉え方は様々であるとされ、総合の在り方について注意を向けられました。すなわち、小学3年生からはじまる総合学習は、系統的になっていない、一体学校はどのようにして進めているのかわからない、ということが問題なのであると指摘されたのです。

 Fさんは、小中の先生方の間でも総合の受けとめ方が違うとされ、小学校では意義が見出せるケースが多く、学校現場も系統的なものを用意していると発言されました。小学校における総合学習は、生きる力の育成に直結していると実感込めて語られました。Aさんは、確かに総合の導入当時は現場に混乱があったとされ、保護者もその混乱を敏感に感じ取っていたと述べられました。しかし、あれから8年、いまアンケートをとればちがった評価も出てくるのではなかろうかと期待を込めておられます。総合の意義や理解に変化が期待され、受けとめ方も変わってきているであろうということです。

 Bさんは、Fさんのご意見を受け、系統立てた学習を推進すべきで、小中連携した計画があってもいいと述べられ、よりいい形で小中枠で総合学習が展開できないものかと提案されました。Cさんは、実際に総合学習の時間に話しをしてくれないかと依頼された本人だそうです。そのご経験から、昔呼ばれたときは、「文科省がいっていることだし、とりあえずやっておこか」の感覚で突発的に講演が開かれていたのに応じていた対し、いまでは高校に呼ばれたときなどは、一貫性のある総合学習になっていると報告してくださいました。人権学習に関してCさんほか多様な方々が講演を依頼され、その講演の底流にしっかりとした学校の意図があり、事後学習もすすめているということで、系統だった総合学習に転換してきていると語っていただきました。

 系統だった内容になることを児童生徒も期待しているといわれたのはEさんです。Eさんは、児童生徒が喜んで総合に取り組むようになれば支持が増えるといわれます。6割不満の裏返しとして4割はいい時間であると感じているわけで、そうした声を大切にするべきであるということです。DさんはCさんの経験談の裏付けを学習指導要領の一部改正に根拠を求められ、総合の全体計画を立てるよう記述された効果であろうと分析されました。そして、その上で、総合学習と小学校における英語学習とが分裂するのかどうか、総合と小学英語の混乱が出てくるであろうと予言されました。Aさんは、総合の意義を再確認し、各学校は総合を押し付けられたと捉えるのではなく、「なんでもできる可能性のある時間」と捉えて児童生徒の視野を広げる時間にしたいと抱負を語られました。

 Fさんはそのなんでもできる時間というのに対し、総合では英語やPC、福祉が全体計画上3本の柱となっていることが多く、分野によっては地域の協力もいただけると述べられました。そして、テーマに立ち返り、PISAの学力低下の議論が総合をスケープゴートにしたのであるとのニュアンスで、総合が槍玉に上がって不満が噴出しているのであると分析を加えられました。Eさんは中学志望の方で、教科のきちんとした力を付けさせると保護者は満足感を得るものでもあり、その上で総合学習を考えるべきかもしれないと、考え方を示されました。Bさんは、総合学習の実施の結果が学力低下を招いたのではないといわれます。なぜなら、調べ学習が総合でよく行われるけれども、そうした調べる力は必ず教科教育にフィードバックされるから、ということです。Fさんは、総合実施⇒学力低下の論に関連し、総合はみんなで自主的に行なうものであるといわれます。総合学習のテーマに関心がない児童生徒はボーっとしてしまう危険性があるとされ、私たち教員は児童生徒一人ひとりの総合における学習態度に目を向けなければならないとされました。Bさんもそうで、進路調べなど、担当によって反応が違う例をあげられました。自分の興味ある担当になればいいのであるが、そうでないと調べるのも生半可になる。消防士になりたいとして、他職を調べるのには意識が低くなってしまう。そういう点では、児童生徒の意識を集中させるように教員が声の掛け方に工夫を凝らす必要があるのであり、そうした点における「教師力」を身に付けるべきであろうとご意見されました。Eさんからは、調べ学習をして調べっぱなしにならないよう、評価にも工夫する余地があるのではないかと提案されました。Bさんは、総合の評価は難しいですねと応答されました。総合の評価という点では、児童生徒同士に評価させることもよいとAさんが提案され、Dさんからは総合の評価は観点別評価ではない、だから毎時間どれだけ児童生徒が伸びたのかを確認する必要があるとされ、児童生徒が行き詰まったら、なにを問いかけるべきか、なにを提示していくべきか、私たち教員はよく考える必要があると語られました。

 以上、みなさんの議論は空白の時間なく、各意見、発言に導かれて議論が積み重ねられる討論となりました。そうした点で、集団討論の一番いい状態を実現してくれたといえます。

 討論参加者の中にも、傍聴者の方からも、総合の具体的な内容をいっていないのではないかとの指摘がありましたが、今回のテーマにおいては、総合の計画案を時間をかけて述べるのは、やや損なことであろうと思われます。

 いや、聞いていて楽しい討論でした。次回もよろしくお願いします。

(2006年4月22日)

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