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浩の教室・第78回勉強会の模様

 昨日は、当サイト主宰勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。昨日はまず、ワタクシの方から「大阪歴史文化問題」報告といたしまして、大阪の教育についてまとめたものを説明させていただきました。第2弾もありますので、お楽しみに。これで、「大阪歴史文化問題」対策も、かなり充実してまいりましたね。みなさんのお力もあって、20枚以上になりましたね。ホンと、調べたものから出題されることを期待しましょう。

 当サイト主宰勉強会に継続的にご参加いただいている方は、面接や討論など、だいぶん経験をつまれたことと思います。1次試験からお受けになられる方は、教職教養、一般教養を充実させてください。手薄になっているやもしれない教育法規や原理、心理の問題を再確認すること、一般教養の社会系、時事系、自然科学系を充実させることです。

 Dさん、自己売り込みのツボ3分間チャレンジお疲れさまでした。やり遂げた達成感があるでしょう。みなさまからのコメントを活かし、いいものに仕上げてください。一般論的に申し上げますと、みなさん、3分間にいおうとする内容を盛り込みすぎかもしれません。ゆったり伝わるようにいわなければならないところを、あれも、これも、いおうとしているのですね。やはり自分のやってきたことをどしどし表現したい、しかし時間は限定されている。内容を絞ってゆっくり目で伝えましょう。

 昨日はこのあと、集団討論、集団面接、個人面接を順にいたしました。集団討論は、お聞きの方からも非常に評価の高かった討論でした。これが本番であったらなあと期待させる討論でした。

 テーマは、「生きる力を育むためには、読書活動がよいとされているが、それについてどう思うか。また、実際に読書活動を充実させるにはどうすればよいか」でした。さて、どのようなものであったのでしょうか、このテーマには、6名の方が挑んでくださいました。25分間です。

 今回の討論は、前回までの勉強会で「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を詳細に検討しましたから、そこで共有した知識が生かされていたと思われます。資料検討の結果得られた知識を自分の発する意見にどう反映させるかということが問われます。ただ、そのままズバリを話すのではなく、付かず離れずで資料とはつきあいましょう。

 さて、今回はEさんが司会役を買って出られまして、スタートしました。読書活動の必要性についてのご意見を、Eさんがみなさんにおたずねするという形で出発しました。Eさんご自身は、読書活動は児童生徒の表現力や思考力を伸ばす上で欠かせないものであるとのご認識です。つづいてAさんが、学校を卒業してからも児童生徒に発揮してもらいたいのが、テーマの「生きる力」であり、読書活動を通して、この「生きる力」は養われる。たとえば読書は自分の知らない人生を教えてくれるものであり、読書から学べることは多いというニュアンスのことを述べられました。Dさんも、読書は自分の知らないこと、経験できないことを、知り、学べるものであるし、さらには、自分が将来何になりたいかといったような職業選択にもヒントを与えてくれる活動であると指摘されました。Cさんは、E、A、Fさんの指摘することだけでなく、本の内容を学ぶことで教科能力の向上にもつながる点を強調されました。わからない漢字がでてくれば、それを自分で調べてみるなど、日本語能力の向上に役に立つということです。Bさんは、豊かな人間性を養うために他人の経験を共有できる読書は有効であるし、学力の基礎基本を固めるためにも読書活動は有意義であると、両面からまとめられました。知と徳と、両方の生きる力の構成要素を伸張させることができるのが、読書活動ということになります。そして、志望する数学においても数学的雑学書を紹介したいと抱負を語ってくださいました。そうした本の内容に関わり、学びへの主体性が作られるのではないかと述べられました。Fさんは、読書活動は読解力の育成に役立つし、自分のことを相手に伝えるコミュニケーション能力を養うために不可欠な活動であると協調されました。

 これで参加者全員から一通り発言があり、ここでEさんがトピックを提供されました。読書活動を広げていくにあたって、「担任としてどうするか、3者連携とかかわってどうすすめていくか、公立図書館との関係をどうするか」というように、具体的に論点をだされたのです。このEさんの司会的役割によって、ずいぶん討論がやりやすくなっていたようです。Eさんの効果的な討論の組み立てが、最後まで奏功します。大学4年生とは思えない力量です。

 さて、Eさんの組み立てにAさんが「手を挙げて」同意され、その他の方もうなづかれ、議論は再出発しました。そして、Fさんから、最初の、担任としてどのように読書活動を充実させていくかについてご意見がありました。それは、いわゆる学校推薦図書をおもしろく紹介したいとのことです。Dさんからは、学級文庫の充実が指摘され、子どもが面白いといった本の感想を、教室内にポストを設置しそこに投函させる案や、ボランティアの方と連携し、読み聞かせを実施したいという案を述べられました。Bさんは司書教諭の資格をお持ちで、本の内容について発表し報告しあうブックトークをやりたいと述べられました。そして、最近話題になった、北海道のある書店の試みについて話題提供されました。堅苦しくない読書のススメが効果的であるということですね。そしてこの書店をはじめとして、企業との連携で読書活動を推進していくことも可能であると示唆されました。この話題については、こちらをどうぞ。

 Aさんも、民間企業とのタイアップによって読書活動を充実していく可能性を認められました。つづいて「どんな本を読んでいいかわからない」といった児童生徒の声に応え、「今週の面白かった本」の掲示をクラスで行ない、読書の楽しさをアピールするのが重要なことではないかと指摘されました。高校志望のCさんからは、読書と同時に新聞の活用も、読解力ということでは児童生徒に「ススメ」るべきであろうとされ、自分が読んで気になる記事を紹介しあう活動をしたいとおっしゃいます。そして、新聞を読む際の批判的態度を生徒に養わせたいと述べられました。

 Eさんは、学級通信で「本の紹介」をしたり、読書カードを作らせたりして自主的に本に親しむ態度を養成したいと述べられました。Aさんは、数学の教員として、「数学は堅苦しいもの」という印象から「楽しいもの」へと転換させる本を紹介したいと、教科教育と関わって読書活動を進めていくようです。ブルーバックスの紹介は一考すべきですね。Dさんからは、学校全体としての取り組みとして、「本に登場するある場面のある人物の似顔絵大会」を開きたいと語ってくださいました。具体的でわかりやすいこのような指導は効果があることでしょう。こうした読書習慣を形成するのになんらかの環境的作用を与えるのは、児童の読書意欲の向上を助けるものといっていいでしょう。Fさんのご発言も同様の趣旨です。それは、図工の時間に好きな本に関する好きな絵を描かせようというものでした。

 そして、Eさんから、公立図書館との連携の話題提供があり、司書教諭との協力関係を作り上げることや、そのほか同僚の先生方から「おすすめの本」を何冊か報告してもらい、それを紹介する活動をするのはどうか、と提案されました。読書活動の広報的努力に関する議論です。

 Bさんは、ここで、「何冊図書館で本が借りられたか」に関する統計を紹介され、児童生徒の読書量の低下を指摘されました。そこで教員が自分の嗜好から図書館に配備すべき本をどしどし提案し、たとえば数学教員の立場から、「『博士の愛した数式』をおいてください」ということからはじめてもいいのではないかと主張されました。Aさんは、読書量の低下に関わり、図書館の見学ツアーを組むこと、また、学校、公立問わず、図書館の利用の仕方をもっと児童生徒に定着させることが大切であるとご意見されました。Cさんは、学校の図書室や図書館さえその位置を知らない児童生徒がいるので、このあたりにも注意して取り組みたいとAさんのご意見を補われました。Eさんはそのためにも図書館便りの効果的な発行、新入荷の本の積極的な紹介を提案されます。Fさんは、幼児の読書活動の実際をみておられ、幼稚園に設置された「絵本のお部屋」の報告をされました。この経験からFさんは、本を読みたくなる雰囲気を醸成することの大切さを学ばれたようです。読書活動を推進する楽しい雰囲気を「絵本のお部屋」に認められたのですね。

 Dさんは、実は「読書活動支援者」です。その立場から、「本の扱い方」や「本の修理の仕方」について話題提供してくださり、問題点として、「図書館という公共の場の過ごし方」を挙げられました。最後にBさんが、Dさんの指摘された問題点について、高校生の中にもいわゆる「図書館の利用の仕方」を理解していない場合があると述べつつ、図書館の方にも問題があって、本来読まれるべき本が図書館の奥の方に追いやられているケースもあると反省を求め、討論は終了しました。

 非常に面白い25分間でした。ワタクシの力量から、ここに表現できないことがたくさんあります。文章ではぶつぎりのように読めてしまいますけれども、実際は流れるような討論でして、各参加者同士、お互いの主張を受けとめつつご自身の独立したご意見を重ねられていました。同じ内容の繰り返しの発言が少なかったのも、集団としての話し合いが成功している証でしょう。

 勉強会に参加し、この討論を傍聴していた参加者から、だいたい80点以上の評価がついた討論でした。ワタクシもGOOD!と思っています。

 しかし、しかし、目が肥えている傍聴参加者から、問題点の指摘がありました。さすがにみなさんよく勉強されていますね。まず、読書活動の推進がテーマであるのだから、家庭との連携が十分に議論されてなかった点は問題であると指摘がありました。これは大変うまくいっていたこの集団討論の、最大の欠点でした。ただまあ、Y先生がおっしゃったように、学級通信における本の紹介は、家庭とも関わるものであると「ギリギリ」評価できるところでしょうか。

 それから、個人的に「長め」の発言があったことが指摘されました。複数の傍聴者の方々からこのように指摘があったということは、本番の面接官もそう感じるということです。発言の長さには十分注意しましょう。

 それから、具体的に読書活動をどのようにすすめるか、十分とはいえないのではないかとのご指摘もありました。集団討論は具体的に語ることがなによりも大事ですけど、学校現場におけるプランをもっともっと出し合うのがよいという指摘だとワタクシは受けとめています。

 このほか、読書週間の話題、学習センターとしての図書館の機能、図書館が教育課程を充実させるための資料の場であること、など議論のトピックとして提出できますね。

 ワタクシから、もうひとつ。討論中、民間企業との連携のお話がありましたけれども、本を買うということが議論されていなかったのが残念でした。食事を抜いて欲しい本を買った貧乏学生時代の経験を持つワタクシは、本を借りることと本を買うこととの間には、天地の開きがあると思っています。図書館の本は所詮、他人のものです。線を引くこともできなければ、書き込むこともできません。読書活動は創造力を育成するものであるなら、本から得た何らかのヒントをすぐに書き込む必要があります。忘れるからです。自分の買った本は自由に使えます。本に対する愛着もでてきます。

 いかがでしょうかね。

 集団面接は、みなさんハキハキされ、これまたよろしい。現職のY先生の受け答えには、ご参加の方が参考にされるところが多かったのではないでしょうか。惜しみなくご意見くださり、かつ、面接の手本を示してくださるY先生、本当にありがとうございます。大学4年生の方や講師経験のない方は、現場感覚を是非吸収されてください。4年生だからといって物怖じせず、ご自身を作っていけば勝機は必ずある。心配なし。

 その4年生のうちのTさんが、個人面接にチャレンジされました。衆人環視の状況で、あれだけがんばれれば及第点です。面接官役のワタクシは、今回、穏やかに突っ込む質問をいたしました。参加のみなさんからいただいた評価ペーパーを大切に、次回に活かしてください。Tさんに今必要なのは、落ち着いた態度です。元気さが空回りしているのが心配です。一所懸命やってきているのですから、もっと堂々としましょう。次回の討論や面接の練習では、「落ち着きのある自分」を演出してくださいね。Kさんに面映いことをいわれたワタクシですが、今後も面接官役の立場を研究し、質問事項も広く深く考えます。

 6月の「勉強会」も、「水曜会」も、完全に満席になりました。多くのお申し込み、ありがとうございます。20人くらいの教室で、切磋琢磨しております。今回、男性5名、女性12名のご参加を得たように、女性の方にも安心して来ていただけると思います。いつも女性の方の参加が多いです。主宰者たるワタクシの喜びは、ここに集う方々=「将来の同僚」が、友人であり、ライバルであり、ホントにいい関係を作っていってくださっていることです。「同じ釜の飯」という言葉がありますが、「同じ教室の苦労した仲間」です。このまま人生のよきご友人となられるような出会いの場でもあると思っています。

 なお、キャンセルは個々人の諸事情から数件あると思われますので、勉強会に興味をもたれた方、是非メールください。キャンセル待ちの方でご参加される場合、ほとんどの場合は無料です。ただ前日や2日前のご案内になります。ではお待ちしております。

 さあ、5月も終わりそうです。28日、また楽しい議論を期待しています。今回から復活した個人解剖にも、どしどし「手を挙げて」くださいね。

(2006年5月21日)

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