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浩の教室・第82回勉強会の模様

 本日は当サイト主宰教育学勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。いつものように、大阪歴史文化問題報告、自己売り込みのツボ、集団討論、集団面接、個人面接の順番でとりくみました。

 大阪歴史文化問題報告担当のSさん、ありがとうございました。大阪のある人物2人をとりあげ調べてこられたことを報告いただきました。そして、自己売り込みのツボは、Tさんでした。Tさんお疲れさまでした。教育に関する事柄と社会人経験をいかに教育現場に生かすかという内容でしたが、ゆったり語られて、面接官にその内容が伝わりやすいものでした。その一方で、内容的にもう少し検討したほうがよいというご指摘もありましたので、ご自宅で再考してみてください。参加、傍聴していたみなさまからのコメントを本番に生かしてくださいね。

 集団討論の模様を再現します。討論のテーマは、「授業は是非とも効果的に進めたいものです。そのためには授業を効率よく進める方法を考える必要があります。児童生徒が効率よく授業を受け学習するには、どのような点に留意すればいいでしょうか」でした。このテーマに、20分間で5名の方に議論していただきました。A〜Eさんとして、論旨を追ってみましょう。

 最初にワタクシの方から助言したのが奏功したのか、第1発言者は、テーマの確認をされました。Cさんです。討論の冒頭に空白ができるのは、間々あることですけど、誰かが何かをいい出すことによって解消されます。しかし、折角話を切り出した方がいたとしても、二の矢が飛ばなければあかんわけでして、そのあたりが集団に対する「最初」の個人の貢献度となるでしょう。今回の場合、すぐにCさんの発言を受けてBさんが継がれましたので、最初の関門は突破されたといえるでしょう。

 Cさんは、効果的に授業を進めるには、事前準備が大切であるといわれ、授業の役割が知識の伝達および理解にあるという本質の立場から、議論に切り込まれ、それに応じてBさんは、50分間の授業を集中して生徒に取り組ませるにはどうすればいいかという問題意識をはっきりとされました。Bさんは、効率ということばにも着目し、授業における説明ことばの抑揚や山場、ポイントの設定といったように、授業論を披露されました。

 Aさんも授業論に関連したご意見です。たしかに授業が一本調子では、児童生徒も飽きるものです。そこで、導入、展開、終末の授業展開をいかに自分自身が作るかという基本的な問題意識を持たれ、なかでも導入が授業で学習することへの動機付けになるので、しっかり計画したいと抱負を語られました。
 これまで主としてこうした授業論が議論されたのに対し、その大切さを当然認める立場から、Eさんは、きちんと授業でなにが学べるのかはっきり生徒に伝えたいといわれると同時に、学習規律のことをトピックとして挙げられました。安心して授業が受けられるのも、効果的な授業の成立に欠かせないものです。それは、水曜会の議論でもあらわれました。「ベル着」というのがそれで、チャイムを守る姿勢、onとoffの弁別といったことです。こうした学校生活におけるメリハリがあると、児童生徒もピシッとしてきますし、気持ちよいものです。授業も効率よく進むことが予想されます。
 Dさんは、効果的な授業実践のためには、教具や教材もそれを可能とする要因であると述べられ、視聴覚機材の活用を主張されました。それから、授業を教員であるご自身が振り返る反省的な態度を次回の効率的な授業実践につながると語られました。

 Cさんは、Dさんの教員における反省的な態度の問題に関し、ご自身の教育実習体験に基づかれながら、思い描いていた授業の5割も達成できなかったと回想されました。そしてそのことを指導教官にいったら、ベテランの先生でも思っていることの7割8割もできないと返されたそうです。そこでどれだけ自分の考えが児童生徒に授業内容を伝えられるかを常に意識されたそうです。Dさんも実習体験を語られます。教科書の内容を伝えればいいのだ、そう考えていた。しかしそうじゃなかった。どうして学ばなければならないか、それを意欲させるのがもっとも大切なのだと。

 Aさんも、実習を乗り越え、ご自身の一回目の発言と関わらせつつ、授業における導入の大切さを強調されます。そして、国語の詩の授業を振り返られ、イメージを湧かせるにはどうすればいいか、具体的な授業の在り方を話されたのです。たとえば、海を詠んだ詩のイメージを確実にさせるために、海の音をバックに詩を鑑賞すると体験を提示されました。

 Eさんは、Dさんの問題意識に関連し、教員側の思いと生徒側の思いとの違いを指摘しつつ、学びたい気持ちを継続的に意識させるため、既習の学習内容から新しい学びへと導くことが必要と述べられました。Bさんは、生徒同士の教えあいも大切ではないかといわれます。学習意欲を引き出す一つの方法として提案されました。ちっちゃい先生がいる、と印象的に話されました。

 Cさんは、授業における集中というBさんの提出された議論を引継ぎ、大人でも45分、50分と集中するのは大変であると述べられ、五官をフルに使った授業が、Aさんのいう退屈も拒絶し、Bさんのいう学習意欲の向上も可能にするのではないかと指摘されました。その上で、グループ活動が授業を効果的に進める一つの方法であると主張されました。Bさんの教えあいに関してその成果を尋ねるCさんの質問を挿み、これに答えてBさんは、たとえば効果的かどうか難しいところはある、しかし、4人グループで4人とも理解が及んでいない場合、そのグループを中心に教員であるご自身が働きかけられるというメリットを挙げられました。それから、グループ活動においては、机間巡視が難しいと指摘されました。そして、グループ活動の効果は、わかる児童生徒も授業に集中できるところにあると述べられました。また逆に、授業理解がシンドイクラスでは、グループ活動が功を奏さないケースもあると述べられました。ただ、演習をさせる場合、学びのスタートラインが一致させることができるので、メリットでもあると報告されました。

 Eさんは、「教科書を開けよう」との掛け声から授業をはじめ、意識の統一といいますか、先の授業規律の話を再度述べられ、Dさんもその重要性を認識する立場から、授業がはじまるまでにロッカーから教科書を出す習慣形成が大切であることを指摘されました。授業環境の成立なしに効果的な学習は難しいということを、EさんもDさんも述べられているわけです。授業開始の挨拶もそうでしょう。そして、Dさんは、そこに「毅然とした態度」で臨みたいと付け加えられました。Aさんも、遊びの時間と授業の時間を区別する合図は学校生活にメリハリをつける重要性を指摘されました。Eさんは、このメリハリ論に関し、いきなり試験をする、いきなり一斉に教科書を読むなど荒治療的な試みをされた経験を語られました。

 Bさんは、ここで、時間的な効率を考えるだけでなく、生徒の理解効率を考えた授業が求められるべきではないかとご意見されました。鋭いぎろんだと肯きました。時間ばかりを気にすると、生徒を疎外する結果を恐れられるわけですね。

 Aさんは、ここを読み取って欲しいと願う教員に対し、違うところに興味をもつ児童生徒の例を挙げられ、こうした場合、Aさんは児童生徒の興味をもったところをなんとかとりあげられないかと提案されました。Bさんはこのご意見に対し、思いがけない提案、予期せぬことが登場した場合、それを十分考えさせる時間をとりたいといわれます。時間効率より児童生徒の将来を見据えたご意見というべきでしょう。Dさんは、わからないということばは素晴らしいことばであるとされます。そして、検定合格という目標があったとして、しかし学んで楽しかったと実感させたいといわれます。

 最後にBさんはティームティーチングに触れられ、緊張感があると肯定し、Dさんも同意され、討論が終了しました。

 密度のあった20分間でした。

 この討論において、そして水曜会の議論でも欠落していた最大のトピックは、「板書」でした。なかなかすぐに出てきそうでありながら、児童生徒の理解、児童生徒の授業に対する前向きな意識の向上に気が向くあまり、教員としての基本的な授業論が置き去りになったということでしょうか。単に忘れていたということでしょうか。

 このほか、小テストの利活用、評価の問題、学習記録カードの活用、反復学習、習熟度別クラス編成などが、水曜会で登場したトピックでした。補習授業もそうです。

 このように、このテーマでは、イロイロな視点から効率よく進めるためのトピックをたくさん提出することが、実りのある討論を形成することとなると思われます。そうした意味では、ブレーンストーミング的な集団討論が、求められているといえるでしょう。

 つづいて集団面接です。集団面接は、7名の方、20数分で実施いたしました。みなさまこちらの「コンパクトに答えてください」という注文をしっかり守ってくださり、長々話す方はいらっしゃいませんでした。特別支援教育に関する質問など、ちょっと答えるのに深い知識が必要なものもありましたけれども、みなさんそれなりに必死に答えようとされ、感動的でした。また、長所をたずねるところでは、教育と是非とも関わらせる必要はないでしょう。最後の、最近読んだ本については、ご自宅で今一度サッカーを見ながらご確認くださいね。

 個人面接に挑戦されたFさん、お疲れさまでした。15分間程度のものでしたが、緊張感イッパイに、しっかり答えられていましたね。なかでも、授業論のやり取りについては反省的な視点がありそうなので、是非吟味しなおしてください。それからタバコ問題、外泊問題についても、口頭での実践だけでなく、書いてみましょう。

 ちなみに、この個人面接は、多少の突っ込み、圧迫がありました。そして、引き出された追加質問も難しいものがありました。4年生でこれだけしっかり答えられれば、合格かもしれません。ところで、実は、勉強会終了後のコーヒー会では、Fさんの受け答えや、Fさんに浴びせられた質問に対し、自分ならどう答えるかで、かなり盛り上がりました。とりわけタバコ問題について議論があり、「面接用の答え方」みたいなものができあがったようです。

(2006年6月18日)

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