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浩の教室・第88回勉強会の模様

 先日は、当サイト主宰勉強会にご参加いただきありがとうございました。2次の直前、当勉強会でどのようなことをしているかといいますと、個人面接対策、模擬授業対策、集団討論対策です。勉強会の時間は4時間みっちり。数回の短い休憩をはさみ、みなさん楽しくほどよい緊張感のもとで切磋琢磨しています。

 第88回は、大阪市内、JR大阪駅より5分くらいのところに会場を借り開催しました。まずは、個人面接4名。ひとり10分内外でして、各自が持参された面接個票に基づきつつ、その他の質問も絡めて実践的に行っています。内容は省略。なぜなら、個人情報に関わることだからです。ただ、基本的には、教員志望理由の確認とか、プロフィールに基づいてもっと突っ込んで聞いてみたいことなどを中心に、質問を重層的に個性を引き出すように構成しています。面接官役のワタクシからいわせますと、教採の試験官は、「こんなんようやっとんな」です。4時間でもフラフラなのに、これを午前午後・数日間やるのですから恐れ入ります。正直、しんどくて聞いていない場合もあるのとちゃいますか、というところです。

 終了後、ワタクシからのポイント提示、参加者を代表して1名の方が対象者にコメント。そして、参加者全員が対象者にコメントを書き、評価を含んだそのシートを対象者に渡す、という手順です。1名に対し、20人近くの方からコメントがかかれたペーパーをいただけるわけです。

 次に模擬授業1名。これは5分間の実践です。用意していただいたテーマをみなさんの前で実践していただきます。これに対しても、ワタクシからの評価(100点満点)を含めたポイントの提示と、代表者のコメントです。

 このあと集団討論の実践です。

 集団討論の後、また、個人面接と模擬授業に戻ります。ここでも個人面接4名、模擬授業1名です。実践方法は上記と同じです。

 今回は、最初に兵庫県の1次の受験報告をしていただきました。Tさん、どうもありがとう。来年度のためにオブザーブしていらっしゃった方に変りお礼申し上げます。また、新規の方もいらっしゃり、ありがたく思っております。4時間というのは、長いようで短くて、毎回すぐに終わってしまいます。時間配分もワタクシの不手際からうまくいかないところもありますが、そこは手作りの勉強会ということで、ご参加のみなさんから温かく見守ってもらっています。ただ、要望はどしどし受け容れて、よりよい勉強会にブラッシュアップしてまいりますので、小さなことでも「こうしたらいいのではないか」という提案をお待ちしています。すでに来期をめざす方が、9月30日の開催にお申し込みいただいています。ありがとう。ここからは、基本に立ち返ってもう一度教職教養と討論や面接について考えていきます。そして、2次受験報告も当勉強会の先輩たちの力をお借りして実施していきます。

 さて、討論の再現をいたします。

 今回は6名の方がチャレンジ。20分間です。今夏愛知県で実際に出題されたテーマで討論していただきました。テーマは「授業中にふざけている児童がいたので注意したところ、『もう分かっているから』という理由で反抗されました。どう対処しますか」です。

 最初に、Dさんがテーマに解答を与えようとする発言をされました。それは、児童対応をどうするかということで、該当の児童を授業後に呼んで話をするそうです。該当児童には、「理由も聞かずに叱って申し訳ない」といい、なぜ、「もう分かっているから」といったのかその理由を尋ね、その上で授業を真剣に聞くように指示するという手順を示されました。Bさんがこれを受け、反抗する原因を汲みとる必要があるし、叱るは、ほめるより難しいと指摘され、集団の前で叱るのか、個人的に叱るのか、どちらがいいのかを探るべきであると述べられました。

 ここにももう問題点がでています。まず、テーマを読んで、分析をしなければなりません。授業中であること、教員がふざけている児童を確認していること。それに対して注意していること。授業中であるから、他の児童もいるということ、注意するのは教員として当たり前であること、でしょう。最後の「当たり前」は議論の余地がありますが、ふざけているのに目をつむることはできないでしょう。

 そうだとすれば、Dさんが、該当児童を呼び出しておいて教員が謝るというのはちょっと納得がいかないところです。叱るべきは叱らなければならないのにもかかわらず、毅然とした態度をとらないなら、なんのために呼び出すのか理解できません。指導には一貫性が必要で、授業中、他の学習者の学習権を侵害した児童には厳しく指導するべきではないでしょうか。

 すばやくBさんが指導場面の選択に話を振られたのは良い転換でした。このBさんの転換を受けつつ、Eさんは、教室の中でピシッと叱るといわれ、「悪かった」などとはいわないとはっきりご意見されました。そして、表面的に指導を終えるのではなく、内面に響くような叱り方をしたい、例の、あかんもんはあかんを徹底すると意見表明されました。Dさんと対立する意見でしたが、テーマの主題からして、Eさんの発言が正鵠を得ていると思われました。

 Fさんも毅然として対応し、他の学習者に対する侵害を食い止め、その上で自分なりに授業参加の仕方を考え直したいと建設的なご意見を述べられました。教員は授業で伝えたいことがあるのだといわれたのがCさんです。そのためには集中して児童が聞かなければならない、だからこそ授業に対する姿勢を正すのが大切であるとし、Fさんに同調されていました。Aさんは音楽専攻であり、該当児童のような捨てゼリフをいわれると雰囲気が壊れてしまうことを心配されています。クラスの雰囲気の再構成をするのがテーマの本質ではないかと感じ取られていたようです。また、Aさんは、「この子、何かあったのか」と児童理解に努めようとする姿勢をみせています。Bさんもきちっとした指導姿勢をみせるのが教員としての資質であるとされながら、同時に、叱られた児童のプライドをどうするかが大切であると述べられました。いずれにせよ、そこには授業に対する反省、つまり授業にひき付けられなかった反省点が認められるようです。Bさんがいわれるように、バッと叱っていい場面かそうでないかも重要なポイントです。

 討論終了後にワタクシの方からポイントを指摘しましたが、やはりここはバッ叱るべき場面ではないでしょうか。ここで叱らないと、該当児童にとっても問題が残るでしょう。さらには、「教員がなめられる事態」に発展しそうです。ここの児童を伸ばす、叱るよりもほめる指導とはいいますが、このテーマでは、どのような叱り方ができるのかが実践的に問われているのです。もちろんながら学校教育法第11条はありますから、それを踏まえるのはいうまでもありません。

 さて、つづいてDさんがBさんの指摘を受け、叱られたときにその児童はムッとすることもあるだろう、そうならないように、平素からの信頼関係形成に努めるべきであるとご意見されました。これはもっともで、信頼関係をいかに作り上げるかが、クラス運営の基礎ですね。Eさんは、その点、担任を持っている児童以外の子どもたちも視野にいれ、指導をすると述べられ、最も悪いのは「聞く耳を持たない状態に陥ること」であるとされました。そうだとすれば、Fさんいわれるように、教員間の情報交換、連携も大切になってきます。自分ひとりでは該当児童のみかたも一方的になるので、多様な視点から該当児童をよくみつめることが必要であるとのことです。Dさんがこのご意見に同意され、該当児童をみつめるみつめ方とともに、ご自身の前回発言の信頼関係形成のために学級通信を活用し、班に分けて書かせてみるといった提言をされました。ただここでも、単に学級通信を書くといっても、テーマとの関係性が薄いので、どのようにそれをつなげるのかがDさんの反省材料でしょう。

 Cさんは、テーマの「分かった、分かった」といった憎まれ口も含め、生徒とのコミュニケーションだろうと、現場感覚を反映した、また、一段上の感覚からはなされました。その達観がよいですね。すべてを受け容れる教員の度量。その上で該当児童の保護者への対応も考えるといわれます。Bさんは、Dさんの話された通信の問題を無視するわけにもいかず、しかし、テーマから離れていくのも困る、といった様子で、面接官役のワタクシとしましてはどうこの事態を処理するのかなと興味を持っていました。簡単に通信のほか、HPに記事を書かせる方法もありますねといい、「では、テーマに戻りまして」(この一句が名言でしょう)、クラスの雰囲気つくりをどのようにするべきか、また、同じクラスの友達からの一言がクラスを変えていくということを具体的に話そうとされました。Aさんがこれに付け加え、叱ると「わー」っとなってしまうので、黙る手法はどうだろうかと提案されました。黙っている先生をみて、「先生がどうなるかわからへん」状態を作るそうです。Eさんはこの提案に反応し、ご自身の児童生徒からの評価を述べられました。それは、「怖い教師」だそうです。そして、黙ってしまうことによって場をなんとかするのは、抜本的な解決策にならないともいわれます。というのは、こうした反応をする児童生徒には、「命がけ」で授業の方法論を考えるべきだからだそうです。ここまで言い切られると、説得力もありますね。

 Cさんは、集団自治ということに話題を振られました。該当児童の態度をどう「改心」させるかは、結局、学級、学年の目標設定をしっかりすることによって解決できるのではないかということです。さらに、黙ることによって該当児童を「目で殺す」のも一つの手段ではあるが、「ええかげんにしろ、もう中学三年生やろ」と意識付けする方がいいのではないかと発言されました。Fさんは、参加型の授業を提案されました。たしかに該当児童が授業に積極的に参加していないのはあきらかで、だからこそ、主体的に参加できる授業をすると。具体的には活動をメインとしたグループワークを提案されました。DさんもこのFさんのご意見に賛成で、グループワークを進めるためにも信頼関係成立が鍵になると考えておられます。カウンセリングマインドを発揮するとさらによいとのことです。

 このあたりで時間の問題もあり、最後にまとめましょうとなって、Eさんは、自分の指導方法の方向性が間違っていないことを確認するのも大切なのではないかと、みなさんに投げかけられました。Bさんは謝辞を述べられ、Fさんは児童の問題を自分の問題と捉える立場を明示され、Cさんは、昔ならすぐに叱っていたので、こぶしを引っ込める配慮を考えさせられたと発言。Aさんは、該当児童のことは話し合いできたと思うが、他の子どもたちはどうなるのだろうと疑問を呈され、討論は終了しました。

 あえて、結論は求めませんと最初にご案内しましたが、こうしたまとめがありました。討論はどんどん深まっていって、いつのまにか時間が来てしまったというのがワタクシにおいては理想だと思っています。無理やりに結論を述べ合う必要もないでしょう。

 今回の討論の反省点は、いかにしてテーマの本質に迫り、本質について議論するかであったと思われます。テーマに潜む問題点をトピック化する力量を付けてくださいね。

 もう9月。新学期ですね。あすから児童生徒とまた格闘してください。ではまた〜

(2006年8月26日)

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