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浩の教室・第104回勉強会の模様

 本日は、第104回勉強会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。本日は、ます、教職教養の基本的事項をどれだけ勉強していらっしゃるかを確認するため、1問1答方式で、みなさんに問題を出し、それに答えていただくという、「啓蒙活動」をいたしました。今後、間欠泉的に、このチェックをいたしますので、抜かりのないようにペーパー対策もしてくださいね。

 次に、集団討論をいたしました。いい出来ばえでした。70点差し上げます。例によって集団討論の進行過程を再現してみましょう。みなさん、かなり上手になってきましたね。新規の参加者も、物怖じせず参加され、苦しいながらも得るところはあったと思われます。討論は場数ですが、討論でなにを主張するべきかを持っておかなければなりません。それは個人の課題です。今回のテーマ、「昨年、子どもたちの自殺が多発しました。タレントも自殺予防の文章を新聞に書いていました。私たちは、自殺したいと悩んでいる児童生徒の心に響くどのような声を掛けるべきでしょうか。多角的に児童生徒の自殺問題について議論してください」にきましても、自分なりにイイタイコトをまとめ直しておきましょう。

 さて、このテーマに6名の方が挑戦。20分間でした。討論初挑戦のFさんが、勢いよく口火を切りました。自殺を考えている児童生徒は、自分自身が「必要とされていない」と思い込んでいる。ここを解消なければならない。「君は宝物を持っているんだ、それを失うようなことはしないでほしい」と語りかけると述べられました。テーマに対応した話し方であったと思います。つづいてAさんが、いじめや虐待を受けている児童生徒は、非常に孤独を感じているので、力になってやる姿勢で接するのが大切ではないかと主張され、その辛さに共感しつつ、「私のためにも生きてくれへんかな」と伝えたいと話されました。

 Cさんは、このテーマを次のように解釈します。テーマでは「どう声を掛けるか」を問題にしているけれども、まずは児童生徒の声を聞くことからはじまるのではないか、ということでした。目の前にいる児童生徒に対し、まずは聞いてやる姿勢を教員が持つことこそ、問題解決の第一歩だと捉えられています。けっして「正論」をそのままいうのでは効果が少ない、共感する姿勢が大切である付け加えられました。

 Bさんは、自殺を考えている児童生徒は、周りがみえていない場合が多いといい、そんな状態の児童生徒に声を掛けてもなかなか伝わらないのではないかと問題を提出され、あえて声を掛けるなら、教員の視点ではなく、児童生徒の立場、保護者の立場に立って想像し、語るべきではないかと主張されました。Dさんは、「自殺」ということから、命の大切さということを議論しようとされました。命を与えてくれた保護者の存在を考える授業をするのが、自殺を防止する契機になるとし、命を大切にすることを伝える授業を実践したいと提起されます。それは、具体的には、長田出身のDさんにあっては、1.17を授業化することでした。体験に根差した発言であるので説得力がありました。災害で命を失うということの辛さ、炎が迫ってくる恐怖、かなりリアルな表現を交えつつ、ご意見を述べられました。そして、さらに、我が子を産んだときの心境を母親に作文に綴ってもらい、それを児童生徒に渡すといった実践をDさんは経験したそうですが、非常に感銘を受けられたようです。

 Aさんは、Dさんの発言を受け、命を大切にすることは、自殺の予防措置となることを認め、自分の命だけでなく、他人の命を大切にすることも、他人の気持ちを考えることも道徳の授業で実践したいと述べられました。このAさんの反応に答え、Dさんは、PCゲームなどで命が再生できることを疑似体験している児童生徒にあっては、命とはそうしたものではないということを是非伝えたいと強調されました。Fさんも、授業のことをDさんが話題提出されたのを受け、命に対する畏敬の念を育てる授業をしたいと希望を語られます。

 Eさんも、集団討論に初挑戦の方でした。Eさんは、これまでの議論を聞かれ、孤独や周りがみえていない、あるいは必要とされていないという感覚をどうすれば自殺を考えている児童生徒から払拭できるかという観点から、日々の学校生活における「あいさつ」の大切さを説明されます。おはよう、さようなら。こうしたあいさつが、どの児童生徒をも受け容れられていることを示すものではないのかということでした。また、学校行事に全員参加することも、あるいは「孤独」な状態の児童生徒を生まないようにする方法であるということを指摘されました。

 Bさんは、日々のあいさつの重要性を受けとめつつ、クラスにおいて自殺の事件を学んでみることも意義があるのではないかと話されます。なにが原因で自殺したんだろうということを、現実の事件を題材に授業で取り上げようということです。それが当事者としての意識を高めるとBさんは考えられています。これは討論終了後にコメントしたことですが、生々しい遺書や自殺事件の記事などを授業で取り上げることの注意点を是非よく考察しなければならないということ、教育現場でどんな状況がこれらを読むことによって生まれるかということに注意しなければならないでしょう。つまり、自殺事件の授業化には、賛否両論あるということです。

 Cさんは、自殺問題のマスコミ報道の問題性を指摘されます。報道に仕方によっては、昨年のように、自殺「誘導」あるいは自殺の連鎖が起こってしまうことに、危惧されています。そこから、正しい情報判断の力を養うべきことを指摘されました。

 Aさんは、ここで話題転換し、自殺を考えている当事者に、どのようなアプローチをするべきかに力点をおきましょうと方向付けし、苦しさを抱えている児童生徒に、その苦しさを「発散」するなにがしかのことを示せないかと考えられていました。なにか得意なものを見出し、没頭、熱中できれば、自殺の予防になるのではないかとのご意見です。児童生徒に、ネガティブな思考ではなく、活発なエネルギーの費やし方を示唆するのがよいということですね。Dさんは、自殺を考えている児童生徒の保護者からも、できれば(かなり無理ですが)情報収集できないかと発言、Eさんは、児童生徒が悩んでいる場合、保護者も悩みを持っているのではないかと指摘、Fさんは、情報を積み上げ、学級担任だけが問題解決に取り組むのではなく、校内上げて組織的に対応することが大切であると述べられました。こうした発言を受けとめ、Aさんは、学年団でも協力体制を作り、話し合いを重ねること、保健室の先生(=養護教諭)に力になってもらうこと、スクールカウンセラーの活用、ということに触れられました。

 Cさんは、Aさんの提起された当事者へのアプローチということに関し、「ちょっとちがう見方、意見を述べたい」と前置きし、自殺を考えているほどの児童生徒が私のところに相談にきた事実を尊重したいといわれます。これはすなわち、私だから相談にきたと捉えていいのではないか、すなわち、「この先生だから信頼して相談にきた」と一般化でき、そうであれば、児童生徒の秘密を打ち明けられたということになる。ここからCさんは、守秘義務を問題にされ、学校の組織的な対応を進めつつも、慎重な情報の共有を求めたいと発言されました。Bさんは、情報の共有はやはりおこなわなければならないのではないかと述べられます。ここはむつかしいですね。一方で守秘義務、生徒からの信頼を失ってまで「自殺」のことを話しににきた児童生徒のことを「漏らして」いいのかどうか。しかし、逆に、もし本当に自殺してしまえば、そのことを知っていた教員は、苛まれることになる…まさに、文科省の自殺予告文発表に重なり合う問題です。Bさんはつづけて、どんな声を掛けるかは、同時に真剣なまなざしで語るということをも要請し、児童生徒となんらかの「約束」をした場合には、いわば「教員を辞める覚悟で」その約束を守るべきだと主張されます。そして、こうした自殺を考える児童生徒が存在するということは、なにかクラスにほころびがある証拠であって、そのほころびを毅然とした対応でなくしていくことが、私たちの役割ではないかと力説されました。

 Aさんは、自殺の原因、理由は多様であり複合していることを指摘、私たちは丁寧にその一つひとつに対応するべきでしょうとまとめられました。

 その際には、Dさんのいわれるように家庭や地域との連携が必要になり、自殺の未然防止方策を手厚くしなければならないでしょう。その中にはAさんが付け加えられた家庭訪問もありますね。家庭によっては児童生徒をめぐる事情も様々であり、我が子のことであってもわかっていないケースもある。保護者に学校における児童生徒の状態を報告することも教員には課されているのではないかというDさんの発言で、討論は終了しました。

 以上の内容が、20分間で議論されました。密度の濃い、よい討論であったと思います。今回は、討論に参加するときの姿勢、態度が話題になりました。どの方向を注視しているか、身体が揺れていないか、足、手の動きなどです。声の大きさも注意点として出されました。

 お聞きになられている方も、参加したつもりで、ご自身ならどんなことをいうべきかを考えておられたと思います。そうした訓練が大切です。第104回では、討論と面接と自己売り込みでしたが、どれかひとつに参加できるようにプログラムしています。主体的な参加を期待しております。

 次に、集団面接を実施しました。今期はじめての集団面接でした。もちろんこれは、大阪府の1次試験対策ですが、他の都道府県にも応用できるものです。右欄の質問集を根本としつつも、昨年度の合格者からのメール報告(つまりどんなことが質問事項にあったか)を受け、そこから問題を抽出し、みなさんに尋ねています。大学3年生の勉強会参加者や教採を未受験の方にとりましては、よい刺激になったのではないでしょうか。

 だいたいの実施方法がわかったと思われますので、是非、右欄の問題に対して自分ならどう答えるかを書いてみてくださいね。今後、新しい質問事項を追加してまいりますので、常にチェックしてください。

 最後に、自己売り込みのツボをやりました。今回がんばってくださったK君、Kさん、お疲れさま。かなり厳しいことを申し上げましたが、再検討のうえ、書き直してくださいね。また、珈琲会にて文面をみます。前回担当されたF君、A君も、考え直して文面ができたら、持ってきてください。ワタクシの視点から、なにがしかの意見を差し上げますね。

 28日の勉強会では、M君、そして岐阜からご参加のI君、いい報告を期待しています。3分間で自分を語るのは簡単なようでむつかしい。自分を見つめ直すよい機会になります。精一杯取り組んで、衆人環視の下、イロイロご意見をみなさまからももらいましょう。

 昨日書きましたが、勉強会の3月期のお申し込み、お待ちしております。残席わずかです。上の「勉強会のお知らせページ」をご確認のうえ、メールお待ちしております。

(2007年1月20日)

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