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浩の教室・第106回勉強会の模様

 昨日は、第106回勉強会にご参加いただきありがとうございました。また、本日、特別開催にご参加いただいた方々、お疲れさまでした。

 さて、両方ともほぼカリキュラムは一緒でしたが、違ったところは、第106回では「自己売り込みのツボ」があり、OさんとTさんに担当報告していただきましたが、特別開催ではこれがなく、代わりに教職教養一問一答があった点です。

 両日ともに、教育再生会議第一次報告を検討しました。いつも通り、あんまり進みませんでした。2ページくらいでしょうか、しかし、みなさんと一緒に議論ができてよかったです。この点、「うしろのこくばん」に、えむさんの書き込みがありますので、みなさま、レスお願いします。もちろんのことながら、勉強会に参加していらっしゃらない方からの書き込みも歓迎いたします。

 この報告書について、ようやくTの1が終わろうとするに過ぎません。議論がバウチャー制度に集中して、それが進行を遅らせつつも実りある議論を紡ぎだしていました。次回からはもう少しスピードアップしますね。

 次に、集団討論を実施いたしました。両日とも、テーマは、予告通り「小中学校における出席停止措置の強化が話題となっています。教員として、この問題をどのようにとらえていますか。議論してください」でした。ワタクシは主宰者として、同じテーマの議論を2回拝見することになりました。やはり違うものですね。あえて甲乙はつけませんけれど、感じたことは、やはり討論にのぞむ前の準備に時間を割いた方とそうでない方とでは意見に差があったという当たり前のことです。第106回の議論も、特別開催の議論も、両方とも20分間でしたが、総発言数はそれぞれ18回と23回でした。その差5回は、たった20分の討論では大きな違いです。18回の討論ではかなり空白の時間があったのに対し、23回の方ではほぼなく、前者がどんなトピックをたてるべきか苦しんでいたのに対し、後者の議論ではよどみなく進んでいっていました。

 テーマに対し論点提出が少ないと、おのずから発言回数は少なくなりますね。実はワタクシが第106回の議論終了後コメントした項目が、特別開催で登場していて、議論に厚みがあったと評価できます。甲乙つけないといいましたが、ちょっと触れてしまいました。以下では、特別開催の議論進行を見直していくことにし、それに付加する形で第106回の議論のポイントを重ねます。

 このテーマに、20分間、6名の方が挑戦されました。まず、Cさんが口火を切り、出席停止される児童生徒はどのような立場であるのか、定義することからはじめましょうといわれ、討論の第一の方向を示されました。これに答え、Aさんは、安心して学習できる環境を保障するのが前提であるから、他の児童生徒の学習や学校生活を妨害する児童生徒といわれ、Bさんは、授業中、大騒ぎしたり、問題行動を起こし、他の児童生徒の権利侵害をする児童生徒といわれました。

 Dさんは、他の児童生徒の教育、授業を受ける権利を侵害する児童生徒と述べられ、Fさんは、他の児童生徒に危害を加える児童生徒と述べられます。Eさんは、その対象は、授業妨害ほか暴力をふるう児童生徒、性行不良の児童生徒といわれました。Eさんは、この発言に付け加えて、テーマが、「強化」をどう思うかも尋ねているので、出席停止措置を是々非々でするのかどうか、議論しないといけないのではないかと発言されました。このように1巡したあと、Cさんご自身は、出席停止がいじめる児童生徒であった場合ほか、出席停止対象の児童生徒にも、教育を受ける権利が保障されるべきであるので、「両立させるべきである」とご意見されました。この意見の意図がちょっとお聞きしていてわからなかったのですけど、どういうことをいいたかったのでしょうか。やむをえない措置として出席停止しなければならないときもあり、そうでないときもあるという意味で「両立」だったのでしょうか。いずれにせよ、この発言は、Eさんの是々非々論を受けてのご意見でありました。

 つづけてBさんは、出席停止措置の強化に賛成であると自己の立場を述べ、しかし、不安要素もあるといわれます。停止措置に踏み切った児童生徒にどんなフォローをすればいいか、そして、停止措置をして対象児童が抱える問題が本当に解決するかどうか、どうも出席停止を措置するのは、延引、時間稼ぎのような気もすると述べられました。ここは、時間稼ぎであるとして、ではEさん自身はどんなことをするのかを述べるといいですね。討論や面接における発言は、その根拠を明示する、あるいはテーマに対して批判したとしてもどういう理由でそうなのか、また、今回の場合では、代替案といいますか、自分ならこうするという建設的な意見をつづけるようにするのが、発言のコツといえるでしょう。すなわち、問題を感じているから時間稼ぎのようだなという感覚があるわけで、それに自問自答するわけですね。

 Aさんも出席停止措置の強化に賛成の立場です。しかし、これまたBさん同様、問題をはらんでいるとされ、問題点を整理して発言されました。まず、学校が何とかしようとし過ぎではないかと学校の一般的体制そのものを批判されます。その裏には、家庭教育の充実を求める意見があったと思うのですが、これをAさんご自身が明示すればもっとわかりやすかったでしょう。Aさんの示された論点は、第1に、精神的な苦痛も含め、いじめが理由でいじめた側を出席停止した場合、それがいじめであるのかどうか立証するのをどうするか、第2に、出席停止措置に踏み切った学校が責められないか、第3に、Bさんもいわれたが、これで問題が解決できるのか、原因がいじめなら、いじめがなくなるのか、ということでした。コンパクトに3点提出されたので、発言時間が長くても、聞いていてそう感じさせない有利な言い方となっていました。ここはこのサイトをご覧のみなさんも参考にするべきです。

 なぜなら、大阪府の集団討論や個人面接における注意事項の決まり文句である「てみじかに」に対応する発言の仕方だからです。ちなみに、ちょっと話がズレるのですけれど、大阪府が「てみじかに」というのであって、ワタクシが「てみじかに」というのではありません。なんでこんなことをいうのかといえば、「てみじかに」=「手短に」であって、これは差別用語ではないかとの批判があるからです。大阪府は、あるいは他の自治体も、「適切な時間内で」とか、「発言時間を考えて短く」とかの注意を与える方がいいでしょう。ただし、「端的に」は意味が違ってきますので、これまた注意です。「端的に」を辞書で引いてみてくださいね。

 さて、Fさんは、出席停止に「少し賛成、基本的に反対」という微妙な立場です。聞いていて不自然ではなかったのですが、こうして文字にすると変ですね。出席停止措置をとることは、対象児童生徒の学ぶ権利を奪うことになるので反対といいつつ、いじめが停止の原因であった場合、いじめた理由ほか親身に理解し、内面的にどうフォローするべきかむつかしいからというのがこのように発言される理由でした。Dさんは、明確に反対の立場でした。出席停止措置は、法規に規定されているけれども、どの子にも学ぶ権利=教育を受ける権利(憲法26条)を持っており、このことをあまり考えていないから、強化と簡単にいえるのではないかとのご意見です。

 Eさんは、条件付賛成の態度です。自殺にまで追い込まれるいじめられた児童生徒の「生きる権利」はどうなるのか、いじめた方の人権も守らなければならないのは理解できるとしても、自殺してしまった児童生徒が現実にいて、どっちの人権を守るべきなのか、と喝破されます。すなわち、ひょっとすれば自殺の一歩手前まで思いつめている児童生徒がいて、いじめる側がいて、いじめる側の児童生徒を出席停止するのに躊躇していて、もし自殺してしまったらどうするのか、ということでしょう。したがって、ことここに至るまでに全力を挙げることが要求されているとのべられます。これも「職務専念義務」でしょう。Eさんは、あくまで出席停止措置は、緊急措置であることを力説されました。

 ここでDさんが議論の方向を切りかえる発言をされます。実際に出席停止したとき、どんな問題点がでてくるのだろうか、という発言です。

 これを受け、 Cさんは、何も理由がない場合いじめないとすれば、いじめた場合そのいじめる理由が存在するのであって、その理由を解明するのが先決であると問題点を出されました。ここに、しかし、いじめが原因なら、第一義的にはいじめられた児童生徒を守る態度をとることは忘れないと付け加えられました。

 Aさんは、先にも述べた立証の困難性のほか、いじめが問題として出席停止した場合、いじめた側のフォロー、出席停止の状況にある児童生徒の学習フォローをどうするか考えていると述べられつつ、しかし、いじめた側は当然悪いのであり、毅然とした対応が求められるし、そうした態度をとりたいと語られました。さらに、最近、児童生徒の自殺が増加していることにも触れられ、学校は、最終的にいじめた側の児童生徒に対する指導が行き届かない、指導する余裕がない状況に追い込まれているのではないかと、追いつめられた学校そのものを心配されているようでした。

 Bさんは、出席停止措置下にある児童生徒の学習フォローは当然必要とされ、同時に、なぜそうした措置対象になったのかを探るため、身近な立場の担任、副担任の先生を切り離して指導するべきではないといわれ、さらに、出席停止に至るまでに別室指導という方法もあると発言されました。

 Eさんは、これまでの議論をふまえ、第1に、出席停止措置は、法律上は保護者に意見を聞いて停止措置をしなければならないこと、これがそう簡単に停止措置にいたらない歯止めになっていること、説明責任があるということ、などを話されました。ここにかいたように、Eさんは主語が不明確だったので、そこを教育法規の勉強をしてちゃんといい切ることができれば、だいぶん印象が変りますよ。たとえば説明責任するのは誰でしょうか。

 Eさんは、つづけて、こうした説明責任がちゃんとしていない場合、保護者も不信感を持ち、裁判になるかもしれないと述べられます。だから、出席停止措置のガイドラインが必要ではないかと提案されました。

 第2に、出席停止対象児童生徒の学校復帰の問題を挙げられました。通学するようになって、クラスの児童生徒とどのようにパイプを作り直すか、といううことです。

 AさんもこのEさんのご意見に同意し、教員と保護者と児童生徒のパイプをどうするか、また、出席停止するにあたって説明の仕方が地域によっては変るかもしれないということ、対応マニュアルの作成ということを提起されました。Cさんは、家庭の責任ということに言及されます。出席停止に至る原因、その解決が教員に求められているということを話されました。

 Dさんは、明確なガイドラインの作成はもっともだが、出席停止措置対象がいじめた児童生徒であったとして、では、いじめた側とは誰なのか、と問われます。これは、Aさんのいう立証の困難性と関係する議論です。いじめの構造は複雑で、ふつうDさんいわれるように4つに分かれます。いじめる児童生徒、いじめられる児童生徒、はやしたてる児童生徒、傍観する児童生徒、ですね。後2者は、どうなるのだろうということです。たしかに、出席停止対象がいじめた側だとして、よくいう「傍観者もいじめている」が正論だとすれば、ほぼクラス全員の児童生徒が「いじめの加害者」になるのであって、その児童生徒全員を出席停止にするのだろうか、ということになります。これは、理論的にはそうなるわけで、なかなか反論できる意見ではありません。「傍観者も加害者だ」と政府のエライさんも、教育関係者もよくいいます。深く出席停止問題を見つめれば、こうした問題点がでてきます。Fさんいわれるように、「どこまでの範囲の児童生徒をいじめた側とみるべきか」なんですよね。クラス全員がいじめの共犯者であるとして、現実的にそのすべてを出席停止になどできるわけがない。しかし、理論上は出席停止にできる。しかも、「強化」が主題のこのテーマ、はやしたてる者を停止措置にだってできますし、しなければ何のための「強化」なんだということにもなる。

 最後に、Bさんが、出席停止措置に踏み切ったとして、学校が仕事を投げ出したのだと保護者や地域の人びとに思われたくない、と述べられ、議論は終了しました。

 さて、この議論に、反省点が提出されました。ますは、教職教養の学習が生かせていない、とのご意見です。ワタクシも感じたのですけれど、出席停止が何の法規に基づき、どんな手順なのか、その確認がないままでした。1巡目に参加者全員がCさんのいわれる「定義」に答えようとしたし、その発言はそれぞれに的を射ていたわけですけど、学校教育法という言葉すら出てきませんでした。これはこれで議論は可能なんですけれど、やっぱり不満です。以下に、引用しておきましょう。

 学校教育法第26条
 市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の1又は2以上を繰り返し行う等性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。
 一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
 二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
 三 施設又は設備を損壊する行為
 四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
 A市町村の教育委員会は、前項の規定により出席停止を命ずる場合には、あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。
 B前項に規定するもののほか、出席停止の命令の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。
 C市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする。

ですね。だから出席停止の対象となる児童生徒は幅はありますが概ね「確定」しているわけです。上の「一〜四」です。そうであれば、いじめが出席停止の理由になる以外にもイロイロあるわけで、今回の議論がいじめに偏り過ぎていた議論であったといえるでしょう。対教師暴力や器物破損なども取り上げてよかったのではないでしょうか。いじめに議論が集中するのは社会的現実からしていいとしても、どなたかがこういうケースもあるよ、といってもよかったと思われます。また、いじめが停止理由だったとして、いじめの態様も千差万別だし、たとえば小学校低学年と高学年でもそのあらわれ方がちがいます。これは対教師暴力でも違うでしょう。

 それから、Eさんの発言のところで書きましたが、手順の問題、主体の問題を確認し、自分でいえるようになってほしい。

 この2つは大きな反省点でしょう。このほか、教員として自分なら何ができるかが語られていない、学校全体の視点からの意見があまりなかった、といったことが挙げられました。また、志望校種に即してのご意見も少なかったと思われます。小中では出席停止、高校では停学・退学ですが、その違い、懲戒であるかどうかなど、法規上のの議論ももっとあってよかったでしょう。厳罰主義、保護の思想、ゼロトレランス、規範意識の形成、反社会的行為など、いくつものキーワードがありますし、テーマにオンするとして何がいえるか。マスコミのこの問題に関する報道について、悪いことをしたときにズバッと叱ってほしいと実は願っている児童生徒もいること、慎重な運用を行政に求めるかどうか、ひいては再生会議の議論の問題点、少人数教室の導入が生徒指導とどう関連し、出席停止措置を抑止することになるのではないか。出席停止措置に至るまでに、教員が児童生徒理解を深める。etc...

 指摘されてみれば、イロイロとトピックがでてきます。上の指摘は、第106回の討論で出てきたご意見であり、反省点です。

 このテーマ、教育再生会議の重要なイシューでありますし、もう一回夏前にやってもいいかもしれませんね。

 次に、集団面接でした。面接質問に対する個々参加者の発言はここに載せません。質問事項だけ挙げておきましょう。「なぜ、その校種を志望したのですか」、「あなたの人生経験において、感銘したこと、すばらしいと思ったことなど様々にあるとおもいますが、その中で児童生徒に一番伝えたいことは何ですか」、「総合学習が実施されていますね。あなたの身近な方で、あるいは近隣にお住まいの方で、この人に来ていただいて授業をしてほしいと思っている方がいれば教えてください」、「学校では『しつけ』をするべきですか」、「土日も部活動の引率などで休日が犠牲になることがあるかもしれませんが、大丈夫ですか」、「習熟度別学習のいいところと悪いところについて教えてください」、「保護者から自分の子どものことがわからないといわれた。どのように対処しますか」、「自分の好きな花はなんですか」です。ご覧のみなさんも考えてみてくださいね。

 最後に、「自己売り込みのツボ」でした。Oさん、がんばってきましたね。よくまとまっていました。ワタクシや参加者からいただいた問題点を考え直し、まとめなおしてくださいね。Tさんのは、売り込みになっていたかどうか参加者からも厳しい意見がつきました。是非、がんばってください。それから、空咳はホドホドにいたしましょう。お2人とも、ワタクシが添削しますから、書き直せたら持ってきてください。ひとり、10万円です。ウソ、ウソ、無料です。

 特別開催での一問一答では、Fさんが面目躍如、すばらしい出来でした。みなさんも負けないように『教職教養スコープ』を全部おぼえましょう。大阪府の1次試験対策としては、これ以外、ワタクシの問題集や参考書、討論へ参加すれば、やる必要ありません。いろいろ参考書や問題集が市販されてますが、大部のものをやっても、効率的とはいえないでしょう。時間があれば、一般教養にあててください。ペーパー対策の教職教養の勉強に時間を割きすぎると、ワタクシの考えではダメですね。もともと大阪府は40問で12、3問しか出題されないわけですから。もうちょっとちがった意味で教職教養を学びましょう。

(2007年2月3日・4日)

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