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浩の教室・第115回・勉強会の模様

 昨日は、当サイト主宰第115回勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。遠く九州から新幹線でご参加された方もいらっしゃり、恐縮です。ご期待に沿えた勉強内容、資料提供であったことを願わずにはおれません。勉強会終了後、ワタクシはある会合に出席しなければならず、昨秋合格した当勉強会の卒業生が珈琲会にわざわざ来てくださったのに拝顔できず、申し訳ありませんでした。Hさん、かの地でもここで学んだことを忘れず、がんばってください。

 さて、当日は、まず、中教審答申の検討からはじめました。青少年育成答申は、今回で3回目の検討となります。グラフを多用したこの答申、おもしろいです。イロイロと議論しましたが、「3分類7類型」は自分なりに整理し、理解を深めると同時に、その内容を具体的に自分で語れるようにしておきましょう。必ず面接で役立ちます。

 次に、集団討論を実施いたしました。今回、討論終了後の検討が、ワタクシにとりましては、非常に勉強になりました。みなさんも、積極的に発言してくださいね。第115回のテーマは、「体験学習の進め方について、自由に討議してください」でした。このテーマに挑戦してくださったのは、6名の方々でした。時間は20分+αです。仮にA〜Fさんとして、議論の様子を追っていきましょう。

 まず、Cさんがテーマを読み上げ、議論するにあたっての問題提起をされました。教科教育に体験学習を加味する、ゲームをする児童生徒が多いので、自然体験活動を取り入れ、自然と触れあう機会を提供する、その際は、総合学習で実践するのがよいのではないか、でした。これを受け、Fさんは、豊かな心を育むためにも自然体験はいい提案だし、自立への意欲が高まる(?)と述べられ、その上で、教科横断的なつながりあり、広がりある学習をするべきであろうと発言されました。Eさんは、教科に関連し、国語科志望の立場から、自然体験とかかわりあわせ、自然から学ぶものに季節感があるとされ、それを俳句や詩はいうまでもなく、小説などの教材とリンクさせて考えさせるのもよいのではないかとご意見されました。

 Bさんは、しかしながら、ただ体験させるだけでは効果は薄く、具体的な実践の意図を児童生徒に自覚させる必要があるとされ、フィールドに出て、草花を観察する場合、草花の細部も検討し、児童生徒に不思議や驚きを感じさせ、感動を味わうのが、正しい体験学習の在り方ではないかと述べられました。Dさんも、おもしろかった、で流しては元も子もなく、体験学習で得たことを後々まで残るように指導する必要があるといわれます。それは、作文指導として実現できるのではないかと提起されました。また、Dさんは、体験学習を指導するときは児童生徒にメモを取らせることを推奨し、自分で課題を設定し、課題に関して真剣に(教員に)尋ねる姿勢、調べる姿勢を育みたいと述べられました。

 その意味では、Fさんがいわれるように、事後指導が大切であり、興味関心を高めるためには、事前指導も重要であると述べられ、体験学習するにあたり、より多くの疑問を持って事にあたらせるのがポイントであるとされます。児童生徒一人ひとりの疑問や課題はワークシートにまとめさせたいと期待していらっしゃいます。Cさんも、事前・事後指導の必要性とその重要性を語り、やっただけでは効果は半減するとし、教員の立場としては、協力して学校全体で計画的に体験学習を進めるべきであると力強いです。それは、具体的には、中学1年でボランティア活動を実践し福祉の基礎を体験的に学習し、それを土台として2年では手話や点字など専門に歩を進め、最終学年ではキャリア教育の関連も考え、自分の実践したい方向に水路付するような指導をするとわかりやすく説明されます。つまり、学校全体で、より具体的に体験学習が生かせるような指導体制を用意するということです。

 Aさんは、体験学習を校種間で連携し進めてもよいと提案されました。小中高と、繰り返しの体験学習をするのではなく、校種連携すれば、体験内容の重複化が避けられるし、未知の体験が児童生徒の興味を湧き起こすと提案されました。Bさんは、地域との連携で体験学習を進めるのもよいとされ、専門知識を持った方に指導を仰ぎ、単元との関わりで学習目標を明確にする打ち合わせをすると実践的です。Aさんは、連携するにあたって成功もあれば失敗もあるだろうと予想、社会と学校との関連性も教員は考え、失敗したとしてもそこから学ぶことが求められると前向きな提言をされました。

 Fさんは、兵庫志望なので、トライやるウィーク(中2で1週間が基本)を話題に、最初、地域もこの行事に関しオロオロしていた(つまり、Aさんのいわれる失敗)が、一過性的な行事で終了せず、継続して実施することが、評価されていくと補足されました。Dさんは、具体的に、コンビニで働く中学生の話をされます。彼らは、退屈そうにやっている場合もある。とするなら、体験学習は形骸化しているかもしれない、と。だからこそ、問題意識を強めることが必須であると提言されます。とりあえず児童生徒を放り込めばいいはダメで、いきあたりばったりでは効果はないと、計画性の問題に触れられました。

 Eさんは、教員連携と学校全体で体験活動をすることが大事で、すなわち、これは組織力の問題であるとまとめられました。このEさんの発言は、少し浮いた発言になってしまいました。Eさん個人の問題でもありますが、次の発言者がフォローするのが優しい対応でしょう。

 つづいてDさんは、コンビニの話に触発され、体験活動の問題点を挙げられます。すなわち、ボランティアで点字活動をしたが、全員が意欲的ではないということ、そこから、中心となるもの、ならないものというように児童生徒の間で分かれるのをどう解消するか、また、体験の時間は勉強しないでいい時間といった児童生徒の認識をどうするか、イロイロと考えるべき点を提出されます。ただ、体験学習にはその受けとめ方に個人差はあるけれども、点字の重要性ということは、事後に参加者全員が認識したようで、効果がないわけではないとまとめられました。Bさんは、この受けとめ方の個人差に関連し、やはり体験の結果報告が学習の継続的自覚を生むとし、たとえば地域に学習成果を報告するなど主体的な取り組みとなるように方向付けるのが教員の手腕ではないかと述べられました。ここでも、体験学習の継続が地域ほか、信頼を得る道であると捉えられていることがわかります。Eさんは、体験活動をしたことによって児童生徒が変ったことをレポートされました。つまり、障がい者理解のため、駅の階段の不便さ、移動のし難さなど、実際に経験させてみなければわからないこともある、しかも、こうした活動をして、地域に存する障がい者の問題点、それに健常者のなすべき課題もみえてくると述べられます。車イスのためのスロープの設置は、まさにそれです。

 Dさんは、事後指導の一貫として、報告会を開けば、まさに「開かれた学校」となるし、体験学習のさらなる活性化が期待できるとされ、学校が中心となって地域を動かすムーブメントになると述べられました。
 ここでFさんは、そもそも体験学習は知識偏重の学習に対抗する原理から採用されているのであり、事前事後指導も含めてフィールドワークすることは大切であるが、あまり肩に力を入れず、何かをすることで学習意欲を引き出すのだとあまり難しく考えすぎてもしんどくなると述べられます。それはそうで、あまりに杓子定規に計画を立て、儀式的に終了するのでは、本来の体験学習の楽しみというべきものがなくなりますね。

 Cさんは、このFさんのご意見を受けつつ、総合ほか時間にこだわらず体験学習を取り入れる姿勢をお持ちです。理科では実験観察を今以上に取り入れたいと意欲的です。理科は体感することが重要だとの教科認識を持たれているようです。Aさんは、美術教員を目指す立場から、作品の展示を最終目標に指導し、児童生徒の意欲を高めたいとされました。最後にFさんは、教員が体験学習をなぜ児童生徒にさせるのか、その計画性について述べられ、少しアドヴァンテージをとった今回の討論は終了しました。

 今回、なかなか流れるような展開で、お聞きしていておもしろかったです。このあとの検討会は、かなり盛り上がりました。1時間近く全員で議論しましたけれども、最大の問題は、授業論をトピックとするのか、方法論をトピックとするのか、といった討論の進め方に集中したように思えます。個々の体験学習の具体例を出し合い、その難しさや効果があるところなどを重ねあう話は、これはこれで興味あるものとなります。また、学校組織としての取り組み方など、体験学習の方法論を定番的なもの、たとえば上にも登場した事前事後指導などを確認しつつ、掘り下げていく議論にするか、こちらもおもしろい。

 ワタクシは、どちらかでなくてはならないとはいいません。ただ、具体例が余りに少ないと実感が湧かない議論となりますし、そればかりでは、体験学習の発表大会になり、重層的な議論になりません。やはり、トピックを折衷し、両者を股にかけた議論が一番よいのでしょう。

 「発表大会」というのは、こういうことです。討論は、イロイロ、バラエティに富んだものもよいものです。ただ、そのバラエティが、個別参加者の実践報告に終始してしまうとつまらない。「私は〜しました」、「私は〜しました」では、最初は、ほほう、と聞いていても、最後には「だからなんなの」になってしまいます。意見の積み重ねあるいは衝突、動的な討論が期待されます。そのためには、実践報告をしたとして、その一人ひとりの報告から抽出されるべき学校へのフィードバックがあればあるほど豊かな話し合いになるのではないでしょうか。

 このほか、聞きたかった内容に、体験学習実施のうえで安全性をどう考えるのかということが、傍聴の勉強会参加者からありました。

 最後に集団面接でした。前回から、若干、面接の方法を変更し、突っ込みの追加質問を混ぜています。質問事項をこれまた例によって掲げます。

 「お名前と希望校種を教えてください(日常生活に関するリラックス系の質問を含む)」、「これまで教採試験に挑むにあたって、どんなところに重点をおいて勉強してきましたか(回答に対する個別の質問あり。再説明を求める)」、「生活習慣をちゃんとさせるために、あなたはどのような指導をしますか(意味がわからない発言があれば、尋ねる)」、「学校は組織です。イロイロな先生方がいらっしゃいますが、あなたが手本にしたい先生はどんな先生ですか(回答に対し、さらに具体的説明を求める)」、「逆に、こんな先生にはなりたくないというお考えもあると思いますが、その例を挙げてください(わかりにくい応答をした受験生には、『それはどういう意味ですか』と重ねて聞く)」、「目の前に1年生がいると仮定してください。あなたはそのクラスの担任です。第一声にどんなことをお話しますか。リアルにやってみてください」、でした。

 みなさん、緊張しながらも、うまく答えられていました。また、この場で失敗してもいいのです。失敗が許される場所が「学校」なのですから。

 次回で3月期は終了しますね。ワタクシの目からみて、みなさん、うまくなってきましたよ。春からも着実に勉強していきましょう。ただ、受かるということもそうですが、ご自身の教育哲学を深める、実践力を答え方にのせる、こうした観点から、勉強するのであり、うわべだけのしょうもない勉強はやめましょうな。そんな、合格してから役に立たない勉強をするくらいなら、高校野球みていた方がよっぽどマシですから。

(2007年3月25日)

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