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浩の教室・第116回・勉強会の模様

 3月も終り、31日は、当サイト主宰勉強会を開催いたしました。久しぶりのなんば開催となりました。新しくご参加された大学4年生の方々も、討論、面接と参加され、がんばっていましたね。次回、水曜会でお会いしましょう。水曜会は、通常の土日開催の内容と同一です。こちらをご覧のみなさまのご参加を、期待しています。まだ空いております。

 まず、90分間かけて、次代青少年育成答申を検討しましたね。青少年の意欲を行動に移すまでのつまづきをめぐっては、グラフが印象深いものでした。国別比較において、保護者が父母問わず子どもにかかわりあう度合いが低いというのも、「そうなんかな〜」とは思わせるものの、統計調査を踏まえた客観的な回答なので、正しいのでしょう。ひとの感覚はあてにならないものですね。

 次に集団討論です。今回は、荒れました。ははは。

 集団討論のテーマは、「教員の仕事は、民間企業の仕事とどう違うと思いますか。違うところをみなさんで数点提出し、それらについて考察を深めてください」でした。このテーマに、6名の方が挑んでくださいました。20分+αです。仮にA〜Fさんとして、議論を追っていきます。

 まず、Aさんが、テーマを確認され、「数点提出」というところに着目されて、イロイロポイントを出していきましょうと触れられました。ご自身では、教育の仕事の特質は、すぐに結果が出ないところにある、しかも児童生徒を成長させることを仕事とするのであり、数値として客観的には評価できないところもあると述べられます。また、児童生徒が大人になったときに仕事の評価が出る場合もあるとされます。Bさんは、民間の仕事は営利目的であるが、児童生徒の人格形成に携わるところが教育の仕事であると強調されました。Eさんも同様で、利潤を追求し、競争原理下にある民間企業とは趣が違うと述べられます。Cさんも、民間企業は、モノ、カネに終始するが、教育の仕事は未成熟な児童生徒に関わっていく点で違うと指摘されます。

 Aさんも以上登場したご意見に同意され、教職は公的な仕事であって、児童生徒に教育保障する点が民間と違うと指摘し、さらに、教育の機会均等についても触れられました。ここで、Cさんから、「私学は民間企業なのでしょうか、どうなのでしょうか、今回のテーマに関連し、どう考えればいいのでしょうか」との声があがり、それに答えてBさんが、私学に勤務している立場から、私立も公教育の一端を担っている、また、少子化の中で児童生徒を獲得すべく独自のカラーを出そうと努力していると応答されました。

 このやりとりに刺激され、Dさんから、あらためて教員の仕事とはなんであるのか、これを公立学校の枠組みの中で議論するのがテーマの意図するところであるのか、と提起されました。ここから議論が錯綜します。

 このDさんの発言に、Eさんは公的性質という教育のあり方を議論の根本におきましょうと述べられ、Dさんは、これに対し、私学が倒産もありうるし、民間企業ではないのか、と噛み付きました。Eさんは、教育は児童生徒に将来への展望を与える仕事であり、そうであれば、公立、私立に分けて議論するのは適当ではないと退けられます。Bさんは、教育の仕事に公立私立に変わりはないとし、ただ、私立は独立した学校経営の観点があるがそれはおおよそのところ学校の幹部の考えることであり、ここでは議論に乗せないのがよいのではないかと慎重です。Eさんは、児童生徒の資質(学力、人間力)の向上を指導するのが学校の功績となるわけで、私学はとりわけそこを考えていると指摘されます。Dさんは、こうした議論にさらに議論を浴びせ、私立は短期的な成果を求める点で、先程来の公立と異質ではないかと述べられました。Aさんは、みるにみかねて、公私で分ける必要はないのではないか、私立の教育課程も、学習指導要領に準じていると、このやりとりを収束させようと必死です。Dさんはここで「わかりました」と発言しました。

 これでこのやりとりが終了するのかとワタクシを含め、傍聴側は期待していましたが、Eさんが油を注ぎ、教育基本法でも法律に定める学校、いわゆる1条校を学校法人が設立可能なことを指摘、そこには建学の精神があり、民間企業と同一視することは間違いであると発言されました。Dさんは、これに応え、利潤、短期成果、競争をキーワードに私立の性格を再説し、またまたEさんは、将来への投資を保護者は行なっているのであり、その成果を私学に託しているわけであるから人材供給機関といえる、それは学校ならどこでも一定程度共通する仕事であると述べられ、このやりとりは、ベトナム戦争状況(つまり泥沼化)となりました。

 ここでAさんは、さらに火消しをしようと、教員としてひとりで担任を持ち、教科指導も実践しなければならない、一人ひとりが専門性を持っているところが民間企業と違う点であると、テーマに忠実に軌道修正を試みられます。これにEさんは付け加えられて、3者連携して児童生徒を育てていく必要性を述べられました。ようやく終わるかなと思っていると、Dさんは、学習塾はどうなのか、学習塾も家庭、地域と連携していないとはいえないとつっかかり、Eさんは、学校は家庭と密着している、民間企業(ここに学習塾を含めているかどうかわかりません)は、家庭や地域を消費者とみなしていると述べられました。Eさんは、つづけて、教員は医者と同じで、失敗が許されない存在であると規定し、新任であっても、児童生徒を育てる仕事に従事しているかぎり、こうした気持ちを忘れてはならないといわれます。ここまできて、このやりとりは終わったような気がします。

 Eさんの最後のご意見の失敗ということについて、Bさんが議論を続けようとされました。失敗が許されないといっても、それには程度がある。たとえば、児童生徒に対するはなはだしい暴言や体罰はいけないが、指導においてやはり失敗はある。それを反省しつつ超えていくのが教員という存在ではないかとまとめられました。Aさんは、命をあずかっているという点では、医者も教員も同じとし、いじめ、自殺などを想定されたご意見を述べられます。そして、児童生徒の人格の完成を目指すのが我々の仕事であるなら、私たち自身も人間性を磨いていかなければならないと謙虚です。

 Eさんは、ここで、これまでの議論は教育の仕事と民間の仕事との違いを中心に考えてきたが、現在、民間企業の原理を取り容れていく方向にあり、取り容れるべきところもあると指摘し、市場と学校世界は違うが、たとえばある程度の競争原理の学校世界への導入は必要であろうとご意見されました。Aさんも、外の空気を入れるという観点から同意されます。Cさんは、うまいたとえをだされ、企業は仕事を子会社や部品会社に依頼することもある、だが学校はそうではないとその違いを説明されました。最後にEさんが、学校に塾の関係者が来るときがあり、塾の教育システムに学ぶところもあると述べられ、議論は終了しました。

 さあ、さてさて、いかがだったでしょうか。討論終了後の意見交換でも、上の「やりとり」部分については、意見が多々でました。上の記述では、あえて、ワタクシは、「噛み付き」や「油を注ぎ」とか、「さらに議論を浴びせ」などと臨場感を伝えるために表現しましたけれども、まあ、実際、この場にご参加していないと、それは伝わりにくいですね。また、そこまで表現して、それが討論参加者の姿勢を代弁しているかどうかにも、100パーセントの自信はありません。

 ワタクシからのコメントとしては、テーマは「民間企業と教職の違い」をたずねているわけですけど、出題者のワタクシは、まったく私学と公立の違いや私学の民間企業性を討論してほしいとは思っていませんでした。むしろ、公立の教員採用試験を受ける立場である討論参加者ですから、私学のことは出てこないだろうと思っていました。ですので、結論的には、私立公立論争は、討論に不必要ではなかったか、これの代わりにもっと別の、重要なトピックが提出されるべきではなかったかと感じます。それは、以下のようなトピックでしょう。

 すなわち、全体の奉仕者性であるとか、民間経営観点をどう捉えるかとか、民間と学校と男女意識が違うとか、勤務時間の問題であるとか、民間企業の他人は仕事が終わると一般人だが、学校関係者は学校の外でも立場が変らないとか、イロイロでました。

 だいぶんアグレッシブな討論ではありました。こうした試験対策の枠をはずしたようにみえる討論も、それはそれで思いのタケが溢れてよいものです。今後は、もう少し討論参加者間で調整する努力を磨きましょう。なにしろ、討論は協調性が評価されるのですから。

 集団面接は6人のご参加。6人が本番でも妥当なグループ構成人数でしょう。さて、今回は、小中混成のグループであったため、校種に応じた質問を用意し実践しました。以下、質問事項です。

 「なぜ、教員を目指しているのか、志望理由をお答え下さい」、「最近の気になるニュースはなんですか」、ここまでは、小手調べですね。1つ目の質問では「子どもが好きだから」との応答に、少々つっこみました。「あなたのいままでの経験から、これだけは児童生徒に伝えたいということがあると思います。それはなんですか」。

 小学校志望者に、「遅刻してきた児童に、どのように声かけしますか。実際にやってみてください」。中高志望者に、「ひどい服装をしている児童生徒に、どのように声かけしますか。実際にやってみてください」。ここでは、恥を捨て、指導力があることをみせつけましょう。ひるまずやることが条件です。「児童生徒から、担任を持っているあなたは秘密を打ち明けられた。どのように対応しますか。1)タバコ吸っているねん。2)せんせ、妊娠しているみたいやねん」。これは、なかなか難しいし、1、2どちらを選ぶかは受験生に選択させました。いずれも、アドリブ、ここでもナマの実際的受け応えが求められます。

 「なぜ、勉強するのと児童生徒がいってきます。あなたはどういうように答えますか」、「教職は大変な仕事です、どういうように息抜きしようと考えていますか」。最後に、「公務員の禁止事項はなんですか」でした。最後の質問は、義務事項も聞いたつもりだったのですが、こちらの尋ね方がまずく、混乱させてしまったようでした。しかし、地方公務員法の服務規程をみなさんちゃんと答えられていましたね。教職教養のペーパー対策が進んでいるようで、ホッとしています。

 その1次試験の予想問題解答解説、ついに明日から受付です。22時です。みなさま、よろしくお願いいたします。

 最後の自己売り込みのツボでは、Yさん、Nさん、お疲れさま。注意事項を形式面、内容面で指摘いたしました。ちょっと練り直してくださいね。願書の草稿になるはずです。

(2007年3月31日)

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