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浩の教室・特別開催C・第118回・勉強会の模様

 昨日、一昨日は、当サイト主宰勉強会に満席参加いただきまして、ありがとうございました。かなり遠くの方から来ていただいている方もいらっしゃり、お疲れでないようにしてください。毎週、岐阜から通ってこられるIさん、今週は、学校行事でキャンセルされましたが、次回、お会いできるのを楽しみにしています。また、新規にご参加されたみなさま、いかがだったでしょうか。さらには、大学4年生の方、先輩方に負けないよう、切磋琢磨してくださいね。みなさまには、できうるかぎり良質で正確な情報を提供してまいります。一緒に学習を進めましょう。

 さて、両日ともに、ほぼ、カリキュラムは同じでしたが、答申検討だけは他のものも検討しなければならないので、一昨日のつづきを昨日は検討しました。通常、土日は同一のページを検討するのですけど、進行上、おなじところを検討していきますと時間がいくらあっても足りなくなりますので、今後は同じところを検討せず、継続して読んでいくことにいたします。ただ、読む、といっても精読ですから、1回につき、5ページほどしか進まないのが実情で、また、参加していない方のために、復習的コメントをしていますので、進行に支障がないように運営しているつもりです。

 今回で、中教審答申「次代を担う自立した青少年の育成に向けて」の検討は終了しました。5つの提言とその解決策としての「方策」には注意してくださいね。この答申は、内容的に豊かでしたが、いづれかといえば、討論や面接の発言論拠になるところが多いですので、そうした角度から学習し、自分の引き出しに折りたたんで格納しておいてください。次回からは、この3月に出された「教育基本法の改正を受けて緊急に必要な教育制度の改正について」答申を検討してまいります。ここには、以前の文部科学大臣が演説した原稿がかなり含まれており、こうしたところはカットして、中核部分を検討していくことにいたします。

 次に、集団討論を実施しました。

 14、15、18日と、勉強会を開催しましたが、集団面接、個人面接は質問事項の違いがあり、前回更新でそれを列挙しましたけれども、集団討論のテーマは同一です。ここでは、第118回の討論を再現し、特別開催の議論と水曜会の議論に登場したご意見で興味深いものを付け加えてみます。

 さて、討論のテーマは、「勉強が苦手な児童生徒に、どうすれば興味を持たせることができるでしょうか、議論してください」でした。第118回の集団討論では、このテーマに、6名の方が挑戦してくださいました。

 まずDさんが、テーマを読み上げ、どうアプローチするべきかのひとつとして教育方法について語られました。Dさんによれば、勉強が苦手な児童生徒はなかなか問題が解けないわけで、達成感を感じることがあまりない、それゆえ、スモールステップを設けて、「できる」意識を植えつけることによって、最初の関門をクリアするのがいいと述べられました。Cさんも勉強が苦手な児童生徒は「わからない」まま授業を受けていると認識されています。Cさんは理科志望の立場から、理科で躓くのは計算問題であって、小学校の算数から振り返り、梃入れするのがよいとご意見されました。Eさんもお2人に同意、教科を理解する力をつけるために、「ああ、わかった」との感覚を実感させることが大切であると指摘されます。

 Bさんは、苦手意識は勉強そのものにあるので、それを取り去ってやることが必要であり、興味をどのようにして持たせるのかの工夫を私達教員はなさなければならないと述べられます。と同時に、楽しく学べることの重要性を強調されました。これに応じAさんも、今回の討論のテーマに即せば、児童生徒に興味を持たせる方法が問われていると提起され、授業の導入における興味の引き方を議論すべきと断り、6年生の立体の単元では、アイマスクをして立方体や直方体に触れ、形をあてるゲームをするのはどうかと述べられました。手で触って実感し、驚きや興味を引き出す。こうして授業の本論にスムーズに入るのではないかと説明されました。Fさんは、主要5教科は「聴いて書くだけ」に陥りやすく、それを打破するところに児童生徒を引き付けるヒントがあるのではないかとされ、五感をフル活動させる学習を提唱されました。具体的には、地理では世界の食べ物をできれば食べてみたり、ニオイをかいだり、世界の民族衣装を着てみたり、身体全体で感じる作業はどうかと提案されます。Eさんは、Fさんにご意見に触発され、そうした活動を、日常生活に結びつく思考を表現されます。日常と結びつく実感が生きた学習を生み、それが関心の高さにつながるのであるとまとめられました。

 Fさんは児童生徒の興味にあわせて授業実践をしていくためには、そのほか、アニメ、音楽など、児童生徒の興味をもちやすいものをあらかじめ探知し、イロイロな国で大切にされている音楽などを聞かせるのもひとつの手段であると考えておられるようです。Dさんは、音楽教諭を目指す立場から、話題が音楽に進んでいることもあって、ご意見されました。歌うこと、演奏することには児童生徒は共感し好んでするが、音楽理論になると、どうも苦手意識がでると現状報告され、それを解消する具体例を述べられます。すなわち、演奏記号を使用してビンゴゲームをして、記憶にとどめるということでした。Bさんは、特別支援教育に携わる立場から、障がいのある児童生徒とりわけ知的障がい児は、抽象的な言葉理解が追いつかないときがあり、だからこそ具体的日常に関連した思考をいっしょに考えることによって興味を引き付けたいとご意見されました。

 Cさんは、以上の各発言から、勉強が苦手な児童生徒は、むつかしいことをおぼえなければならないとの理由で困っているのではないかと指摘されます。わからなくなる原因が、勉強内容の複雑さであるとすれば、具体例を出し、学ぶ内容の単純化を進めるのがよいといわれ、さらに、具体的日常との関連から、単元「速度」の導入の際、歩く速さを1秒何メートル、通学距離は何歩であるなど、現実的関心をいわば逆手にとって、物理(数学)の速度概念の理解をさせたいと語られました。Aさんは、Bさんがいわれた抽象的な言葉の話題に言及、どの教科においても、言葉の意味理解を確実にすることが大切との立場から、各教科で読解力の基礎が必要であると指摘されます。いわゆる「どこがわからないのかわからない」状態からの脱却こそが重要であるとの認識です。算数の文章題も読解力が根底になければなんともならないし、読んで条件整理をすることが求められ、そうした訓練が苦手意識を徐々に解消していくのではないかといわれます。そのために、「書くこと」を重視していらっしゃいました。

 Cさんもこれに同意され、文章に慣れさせるためにも朝読書運動は是非とも進めるべきだと提起されました。これに関し、Eさんは、新聞を読むということを主張され、コラムや社説を読むことを提案し、かつ、それを家庭で保護者とともに実践してもらうことも指示したいと述べられました。学校と家庭の連携の話題が登場しました。Aさんはこれを受け、家庭で児童生徒をはげます教育をしてほしいと教員の立場から望むといわれ、担任を持ったとき、たとえばテストの結果とともに応援メッセージを児童生徒に向けて書くと抱負を語られました。

 Fさんは、読むこと、書くことについて、実際、勉強が苦手な児童生徒は、そもそも文章を読むことに苦痛があり、大変だと思っているとし、教員が音読、言葉を発するよう率先垂範するようにしたいとご意見されました。このときでてきたのが、「反復」でした。反復することによって習熟していく。苦手意識も「門前の小僧、習わぬ経を唱える」わけですね。なんとなくわかっている、が、なんとなくわかってくる、になり、真の理解に進むということです。そうすれば勉強にも興味がでてくる…。だから、読んだり書いたりに苦痛を憶えないように支援することが大切であり教員の役割であるとまとめられました。

 ここで少し話題が変ります。Cさんは、この討論の最初の方にでてきた「楽しい」というご意見に着目され、ヒトコマひとこまの授業を楽しくすることがもっと見直され、議論されるべきではないかと話題転換されました。勉強が苦手な児童生徒は最初から教員の話を聞かない場合も多いと指摘され、導入の工夫こそ命、といったような感じで語られました。顕微鏡を使う授業なら、自分自身の髪の毛を観察してみるとか。枝毛の発見も学習への興味になると。Bさんは、そうした工夫とともに、苦手意識を持っている児童生徒のことを考えてやることが重要とされ、たとえば、LD、ADHDの児童生徒も学級にいるとすれば、そうした児童生徒の理解進行度も考慮して授業をするのがいいのではないかと述べられました。

 Dさんは、さきほどFさんがいわれた反復ということに関連し、リコーダーの指使いに触れられました。音階の練習を繰り返し学習によって進め、定着させるというご意見です。これについて、ワタクシは討論終了後、「苦手な子は繰り返しておんなじことをするのはイヤなんちゃう」とちょっと疑問を呈しました。これは、Fさんに対してもそうです。Eさんは、暗記科目と一般に認識されている歴史について、その興味関心を引くためにはどうするべきかと提起し、歴史のおもしろさを時代の発展的な因果関係の理解に求められました。高校地歴を目指す立場からの理論的なご意見でした。

 Cさんは、Bさんの特別な教育ニーズを考えるべき児童生徒への対応に関連し、わからないことは恥ずかしいことではないこと、これを伝えるといわれ、どんどん疑問を提出しあえるような「疑問の議論」を展開し、授業を通して自己肯定感の育成に努めたいと語られました。これに関連し、Aさんが毎回の授業で何がわかったのか、わからなかったのかを確認、児童生徒の声を今後の授業運営に反映させたいと述べられました。

 以上で、20数分間が経ち、討論は終了しました。

 さあ、さていかがだったでしょうか。特別開催の参加者や、水曜会の参加者にあっては、「いやー、自分達とぜんぜん違う討論内容やなあ〜」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。そのくらい、グループによって討論内容は変るものです。講師と学生の人数配分、特別支援教育志望者の有無、こうした条件によってガラリと変ります。ただし、議論の基礎において、教職教養の力が確認されるので同一です。スモールステップの議論は、3回ともに登場してきた概念ですしね。

 上の討論で登場しなかった、他の日の討論のご意見では、たとえばおもしろい先生との出会いが苦手意識を払拭した、といったご自身の経験を述べられたり、夢を持たせることが興味を持つきっかけになるのでは、とのご意見がありました。夢の実現のためには、苦手といってられないときもありますね。参加型の体験授業が興味を持たせるきっかけになる、成功体験を積ませること、「私のことをかんがえてくれているのだなあ」と児童生徒に実感させる、学習方法をちゃんと伝える、テストで点数がとれているときでも不安を持っているかもしれないので、そのケア、成功している大人の人に苦手を克服した経験を語ってもらうこと、得意分野の充実とそこで培った自信の苦手教科への転移、などなど。

 基礎基本の徹底とその定着、漢字検定、秘書検定、パソコン検定など、明確な目標の提示が苦手意識をなくす、ほめる指導による自己肯定感の育成、つまづいているところの早期発見、一人ひとりに応じたプリント作り、などなど。

 3グループの討論を聞いてみて、テーマをどのように解釈するかで議論の密度がちがったようにワタクシは思いました。児童生徒の苦手意識の克服を、興味関心の向上に求めるか、成績アップによって自信を持たせるか――。このあたりのアプローチの違いは、志望校種の違いにもあらわれるわけですが、前者は小学校志望者に、後者は中高志望者にあらわれがちです。この両方の視点のどちらかに偏りすぎず、集団としての討論を構築することが求められているのではないでしょうか。

 集団面接は、主に大阪府の1次対策の意味があり、また他自治体の面接対策にも生かせるものです。ここでは、いつものように質問事項だけ掲げます。それに対する答え方は、参加者のパーソナルな状況によりますし、自分で確立することが求められるわけで、定番的な回答などありません。そうした自分なりの回答を作っていくことこそ、勉強というものでしょう。また、各教委はそれをのぞんでいます。

 「お名前と志望校種教科を教えてください」、「志望理由は何ですか」、「いままでいろいろ勉強してきたと思いますが、あなたの息抜きは何ですか」、「あなたが子どもの頃と比較して、今の子どもはどうちがいますか」、「その違うところを教師としてどういうように解消していきますか(伸ばしていきますか)」、「友達からあなたは『○○な人ですね』といわれました。○○には何がはいりますか」、「○○といわれた理由を自己分析し、教えてください」、「家庭訪問の意義を教えてください」、「豊かな人間性を育てる方法を簡単にいってください」、「魅力のある授業とは、どんなものですか」、「教育の場面は除くものとします。あなたの人生で一番感動したことは何ですか」、「あなたを採用すればこんないいことがある、ということを短くアピールしてください」。

 このあと、個人面接でした。個人面接は一人10分くらい、両日合わせて5人の方が受けられました。しかも、参加者全員の前での問答です。これが緊張感を生み、いいんですよね。そして、面接を受けた方は、みなさんからのコメントがもらえます。ワタクシひとりの見方だけでなく、おおよそ、40の瞳が面接を受けている方に注がれるわけで、多様な視点から「あなたが気をつけた方がいいところ」を指摘してもらえます。今回、Nさん、Fさん、Kさん、Fさん、Sさん、Sさん、お疲れさま。勉強会1回につき、3名の方がやはり限界かな。答申検討の時間を削って、4人受けられるようにすることも考えています。

 では〜

 あ、昨年合格者の受験報告が、A4で100枚以上あり、これをサイトにアップしよと思っていたのですけど、ワタクシの時間を侵食し、どうあがいても無理です。ごめんなさい。勉強会ではいつでも閲覧できますので、みてくださいね。水曜会にも持参します。

(2007年4月14日・15日)

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