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浩の教室・第117回・特別開催B・勉強会の模様

 7、8日は、当サイト主宰勉強会に多数ご参加いただき、ありがとうございました。両日ともに、ほぼ同じカリキュラムでした。

 最初に、中教審答申の検討です。「青少年育成答申」は第3章に突入しました。5つの提言は、是非、おさえてくださいね。統計にあらわれているように、青少年の意欲は、かなり減退しているのですね。それに対し、大人社会の側は、体験活動の場を積極的に提供するよう中教審は指示しているのですけれど、ここまで「甘やかし」ていいものかどうか。青少年は自ら自分の道を切り拓くべきと常々考えているワタクシなどは、戸惑いながらこの答申を読んでいます。

 次に、集団討論でした。討論のテーマは、サイトでは事前発表しませんでした。それが理由で議論があまり活発でなかったのでしょうか、ちょっと物足りない議論が連続しましたね。「学校行事によって、児童生徒はどのように成長していくと思われますか。行事の指導にあたってみなさんの気をつけている点も挙げつつ議論してください」というのが、テーマでした。

 このテーマに、両日とも6名の方が挑んでくださいました。ここでは、8日の討論の再現模様をお伝えし、そこに7日で問題点として出されたポイントを重ねあわせることといたします。

 まずDさんがテーマを確認されつつ、学校行事で養われるべき児童生徒の能力は、コミュニケーション力であるとされ、同時に達成感を味わわせ、協力してなすことに意味を考えさせるところに学校行事の意義があると発言されました。その際、教員は先頭に立つのではなく、いわば「影」として支える立場にあるべきであると付け加えられました。Cさんも、教員は側面支援に徹し応援するべきであると述べられ、しかし、まだ学級集団に一体性がないときは教員の支援もある程度は必要であるといわれます。集団への帰属感を持たせることが学校行事のひとつの効果であると捉えられています。

 Fさんは、学校行事は集団活動であるが、集団の中で個々の児童生徒の「よさ」を教員がみつけることも求められているし、児童生徒が個性や役割を自己肯定することもまた目標になっていると発言されました。Aさんは、学校行事は異年齢集団で活動する場合もあり、少子化の現在、兄弟姉妹が少ないこともあって、楽しく過ごせるよう配慮するべきといわれます。Bさんは、学校行事に「なんとなく」参加する事態を憂い、積極的な参加を児童生徒に求めたいのであるが、その方法に困っている旨を発言されました。学習の負担が大きく、行事を休みの時間と捉える感覚が、高校くらいになると増えてくるのは事実でしょう。こうした理由で行事に積極参加できないでいるほか、Eさんは、集団そのものになじめず、行事を楽しめない児童生徒もいると指摘、児童生徒に他者とのかかわりあい方を学ばせたいと抱負を語られました。

 行事はクラス単位で実施されますが、全員が参加することに意義があるとされるのがFさんの立場です。たとえば、ダンスの大会でも、表立って踊る児童生徒が主役という感覚はあるけれども、大会を支える裏方的役割にも意義があって、ダンスのための統一したTシャツを作ることに参加することにも参加意義を認めるべきであると述べられました。Eさんも、裏方や主役級と分けて捉えるケースもあるけれども、やりがいを持って参加しているかが重要であり、そうであれば自主性が育成されるのではないかと考えられています。

 Bさんは、具体的に、どういう態度が身につくかとの観点から、入学式や卒業式などの儀式的行事ではきちっとする態度、けじめある態度が育成されると指摘します。Cさんは、けじめとともに、社会性も育まれると考えておられ、社会性の獲得が行事活動を楽しめる要素と捉えています。そして、ひとつの行事をやり遂げたときに、「自分はこういうことができるんだな」と自覚することができると発言されました。Dさんは自己の指導経験から感じていることを発言されます。それは、さまざまな性格の児童生徒を指導しているが、内向的な児童生徒は行事参加においても引っ込み思案な場合が多い、だから、指導者としての自分が、どの児童生徒に対しても綿密なコミュニケーションをとり、行事参加意識を高めておくように注意しているということです。同様に、Aさんは、声かけを忘れないことを挙げられました。つづいてAさんは、行事参加において気をつけるべき点として、屋外活動における怪我を問題にし、安全面でも教員は常に注意しておかなければならないと指摘されます。そうした事故を起こさないためにも、Fさんがいわれたように、行事の事前指導として、なぜこの行事を実施するのか目的を明確に意識付けることが肝要であると述べられます。たしかに、目的がはっきりしていると行事に向かう集中力も高まり、事故も減りますね。

 行事を円滑に進めるためには、Bさんのいわれるように、教員間の連携も視野に入れなければなりません。一人ひとりの児童生徒が伸びるように、全員で行事を盛り上げるようにするためですね。Bさんは、それを「和」と表現されました。その盛り上がりを実現するには行事の事前に士気を高めることが大切というのがDさんのご意見です。Eさんは、児童生徒も教員も熱い想いを持って一致団結し行司を成功させることが、充実した学校生活を送ることになると発言されました。一致団結という言葉が出ましたが、Dさんは30人31脚をするなど、クラス全員ががんばったということを認めることによってそれが認識されると考えておられます。同じようにCさんも、健康安全体育的行事においてムカデ競争をするなど、その場合にはクラス全員がみんなで練習、参加しなければならないし、成果がでれば学級がまとまると指摘されます。またCさんは、競争といえば勝負となるけれども、そこにポイントがあるのではなく、ムカデ競争ならムカデ競争で取り組み方に児童生徒の主体性が関わってくるし、企画・練習ほか積み上げの過程こそ評価されるべきであると述べられました。

 事後指導では、保護者も巻き込み、作文も書き、児童生徒にとって一生の思い出になるよう指導したいとBさんは述べられます。どのように行事の思い出を心に刻むかとBさんは主張されました。こうした努力をつづける一方で、Fさんは、行事中や後に児童生徒同士ケンカが発生することもあり、競争をする行事なら、「ズルイ」という声が挙がるときもあると現場感覚で考えられています。そのため、なにか賞を設けておくのもいいとFさんはいわれました。学年集会でそれを渡すと盛り上がるそうです。Aさんも、達成感が実感できるような事後指導を期待し、行事にもステップがあり、今年うまくいかなくても翌年にかけるような指導もできると述べられます。それが音楽会の場合、保護者も地域の方も協力を得られるし、行事の発展的な運営・活動が可能となると考えられていらっしゃいます。

 Dさんは、行事におけるこれまででてきた議論に「競争」があるが、行事は「勝負」ではなくコミュニケーション能力の育成にあると強調されました。これに対しBさんが、教員として一人ひとりを知るきっかけとして行事を活用したいと述べられ、議論は終了しました。

 文字で表現すると、討論はこのように進みましたが、実は空白の時間もあって、どんよりした時間帯もありました。なかなか難しいテーマだったのでしょうか。テーマの中心ポイントは、「児童生徒はどのように成長していくと思われますか」であるので、ここに力点をおくべきでしょう。集団討論でも個人面接でもポイントを踏まえた発言が求められます。ズレた発言をしておれば、面接官には不評です。教員として注意すべき点は従たる議論ポイントなので、こちらに時間をかけ過ぎれば問題です。しかし、従たる方が話しやすいですね、このテーマ。なにしろみなさん教員をめざされているのですから。そこを突き破り、児童生徒の成長を見守る立場から、どのような資質能力を集団活動を通して育成したいのかを考えるところに、みなさんの合格への思考態度があると思われるのです。

 上の議論でも登場しましたが、コミュニケーション能力はそのひとつでしょう。協調性も、練習において他人を思いやる心の伸張もそうでしょう。そのほか、何かありませんか。集団における個人の位置や役割の自覚もあります。行事で孤立した児童生徒に、児童生徒自身が気遣うやさしさもあるでしょう。

 また、行事にはイロイロあります。上で登場したほか、最近の流行的な行事では、勤労生産・奉仕的行事がありますね。これが話題にならなかったのは不思議でした。おそらく、総合学習でならすぐに出てくる話題なのでしょうけれども、学校行事となると、体育祭などの印象が強いため盲点になっていたのでしょうか。このほか、修学旅行におけるパブリック意識の向上も議論にあってよかったのではないかと思います。

 7日の討論のポイントとしては、集団的規律の育成、集団活動で「我慢すること」などが儀式的行事における礼儀の育成などが挙げられるでしょう。時節柄、入学式の話題が登場するのはよくわかります。また、どこまで行事の進行を児童生徒に任せていいのか、教員の指導領域の問題もありました。ここがかなり難しいところですね。上で再現した討論でも議論されています。

 討論参加者は、イロイロです。本番では、初めて会う方、年齢も大学4年生から40代までいらっしゃいます。そうした環境で議論を進めていくことは大変難しい。そのときに「広がりのある討論」というのが、手法としてはあります。これは、発表会型になりがちなのですけれど、テーマを狭く捉えるのではなく、テーマに関連することをなんでも放り込めるという特色があります。壁の花を作らないことも、協調性を重視する討論では評価されるでしょう。この点については、また、勉強会でお話しますね。

 次に、集団面接でした。質問事項を掲げます。こちらも、両開催日ほぼ同じ内容の質問となりました。「教員になって『こういうことをしたい』ということを胸に秘めておられると思います。それを教えてください」、「20年後、30年後も教員であってほしいと思っています。遠い将来のことですが、どんなふうになっていたいですか、どんな指導をしていると思いますか」、「最近の気になるニュースを教えてください」、「あなたが友人と話すときに気をつけていることを教えてください」、「やんちゃな児童生徒はあなたの指導にしたがわないこともあります。そうしたときどうしますか」、「保護者から、成績が伸びないのは、新任のあなたの指導に問題があるからではないか、といってきました。どう対応しますか」、「保護者とはどのようにつきあっていくつもりか、心構えを教えてください」、「保護者から、来年は私立の中学校へ進学させたいのです。ちゃんと指導してもらえますか、といわれました。どう対応しますか」、「(中学あるいは高校の)2年生の保護者から、こんな荒れている学校にいかせたくない。転校させる、といわれました。担任のあなたはどう対応しますか」、「ゆとり教育の問題点はどこにあると思いますか」、「人権教育をどう進めるか、人権教育の指導方法、人権教育とは何か、など、人権教育について知っていること、学習したことなどについて教えてください」、「教員の常識は社会の非常識などといわれます。これについて一言でコメントしてください」、でした。

 最後に、個人面接です。初回は果敢に4人の方が果敢に挑戦してくださいました。Iさん、Aさん、Fさん、勉強会初参加のOさん、です。個人面接における質問事項は、当然ながら個人の履歴などにも関わることをお聞きしますので、当サイト上では載せません。

 勉強会は4時間で構成されていますが、個人面接は、2人が精一杯ですかね。3人できればいいのですが、そうすると答申検討の時間が少なくなります。いずれにせよ、6月期は、できるかぎり人物対策に時間をかけることといたします。

(2007年4月7日・8日)

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