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浩の教室・第139回・勉強会の模様

 昨日、当サイト主宰第139回勉強会にご参集のみなさま、お疲れさまでした。新しくご参加の方も多く、当勉強会の方針や内容について、先輩からのコメントも含め、ご案内させていただきました。

 教員採用試験を受ける方々の最大の悩みは、やはり勉強の仕方にあると思います。そこで、当教室の先輩方に依頼し、どのような教材や参考書を使用し勉強してきたのか、人物対策とマークシート対策と、どういうふうに乗り越えてきたのか、そして、当勉強会の特質を語っていただきました。プレゼンしてくださったKさん、Fさん、ありがとうございました。

 つい最近発表がありましたが、今期ずっと参加されていらっしゃったお2人の方が奈良県に合格されました。あの難しい2次試験を合格され、ワタクシも本当にウレシイです。おひとりは現役の方、もうおひとりは講師の方でした。いずれも小学校合格です。以前書きましたように、奈良受験の方は当勉強会に3名いらっしゃって、2次に進まれた2人が合格したことになります。奈良でも勉強会の効果があることが実証され、ウレシク感じております。論作文をしっかり勉強されていましたし、面接対策にも力を入れられ、その成果が認められたということですね。本当によかった。これで、昨年から、奈良の合格者が数名づつですけど続いたことになり、主宰者のワタクシといたしましても、自信を深めております。

 さて、このように本日の勉強会では、2次の報告とともに、新しい参加者に対して勉強の方法に関する質疑応答があり、その後、個人面接と集団討論を実施いたしました。

 個人面接は、エントリーシートに基づきつつ、パーソナルな点に言及した質問でしたので、こちらWEBでは割愛します。個人面接の対象者は、昨年の秋以来、研鑽を積まれてきた方であり、みなさんからのコメントにもあらわれているように、「ばっちし」でしたね。少しだけ、ワタクシの方から注意点を申し上げましたが、些細なことであって、面接に関する本質的な問題点となるところではありませんでした。それでも、試験当日は極度の緊張状態に陥りますから、ちょっとだけご注意を。遅ればせながら、昨年の当教室卒業生からいただいた激励の言葉もお伝えすることができました。

 最後に集団討論を実施いたしました。本日生まれてはじめて集団討論なるものを経験された大学3年生の参加者の方もいらっしゃいました。なんでも経験=場数です。とりわけ討論は、すればするほど伸びます。是非、怖がらず、積極的にご参加くださいね。

 討論のテーマは、「ゆとり教育と今後の学力の在り方について関連させつつ議論してください」でした。これに、今期2次をお受けになられた方3名と、来期をめざす3名の方の合計6名が、20分間議論されました。

 まずAさんが口火を切りました。テーマを確認し、ゆとり教育といわれだして5年目で転換したことに触れつつ、現在ではいわゆる学力重視に変わっていると述べられました。その際、時期学習指導要領の改訂に関連し、台形の面積の出し方が復活したことについて言及されました。こうした最新の教育時事を踏まえつつ議論ができるAさんは、今期すでに3つの自治体の1次を通過されている方です。

 つづいてCさんは、ゆとり教育批判がどのあたりにあるのかを説明しようとし、総合学習の時間が削られ、これにかわっていわゆる主要教科の授業時数が増加する最近の教育行政の見通しについて述べられました。英語や国語あるいは数学の基礎基本の確実な定着という美名の下、教科学習の時間が多くなることを指摘されました。Cさんご自身はこうした転回に酸性を示されました。Cさんも、現在2つの自治体の2次試験を無事終えられた立場の方です。Dさんは、このテーマを専門の音楽教育の立場から議論しようとされました。はじめてゆとりといわれたのは、「ゆとりと充実」の1977年学習指導要領改訂のときであることを示されつつ、音楽の授業時数は週当たり2単位時間から1単位時間に減少したと発言されました。これでは音楽によって児童生徒に付けさせたい力、これをDさんは、生活を豊かにする力、情操などと表現されましたが、これらの力を定着させられるのか、危惧されていらっしゃいました。Dさんも2次の結果を待たれていますね。

 AさんはC、Dさんのご意見を受け、どうやら学力というと小学校でいえば4教科に偏りがちであり、本来いろんなことを知るための「学ぶ力」そのものが低下しているのではないかといわれます。これをAさんは「教科を超えた力」、「総合的な力」と呼び、どのようにすればこうした力がつくのか検討していると発言されました。このAさんが定義された力は、「生きる力」とどう違うのか、それを述べていただくと、もっとわかりやすくなります。これがイコール関係であると、議論が難解になりますね。

 Eさんは、総合学習がはじまったときからこれに賛成であったとご意見され、児童生徒にどんな方向からであれ、学びに対する興味関心を持たせることは大切であると発言されました。基礎基本を児童生徒に定着させながらも、総合的に勉強というか学問というか、学ぶことに興味を持たせることに教育の最初の扉があるとお考えです。今回、勉強会初参加のEさん、来期をめざして今後も一緒にがんばりましょう。Fさんも初参加の大学3年生ですね、Fさんは、総合学習や、Dさんのいわれる音楽のほか、図工なども含め、いわゆる副教科が生活を豊かにする指導分野であると位置付けられました。それももちろん身につけるべき学力とされながら、たとえば日本人なのに日本語の読解力や表現力が低下している現状、国語学習を充実させる必要があるし、科学技術のマクロな向上のためには理科教育も重視しなければならないとご意見されます。後者の技術革新の観点から、いわゆるチャイナクロスについて述べられ、日本の将来を見通した教育政策を実施していかなければならない、そのための授業であれば、主要教科の内容の充実と時数の増加は期待されるところであるとの趣旨のご意見を展開されました。チャイナクロスについては、このページもどうぞ。

 Cさんは、Fさんのいわれた国際的な学力の比較にヒントを得て、今求められている学力のひとつは「言葉の力」であると具体的に話され、それはPISAの学力調査でも読解力の低下が証明されている報告があるとし、日本人にありがちな情緒的表現のよいところは伸ばしながらも、論理的思考を増進するための「言葉の力」を身に付けさせるべきであるとお考えです。ここでBさんは、そもそも勉強を好きと思えない児童生徒をどうするかと問題提起されました。学力を定着させるのは当然であるが、学ぶことを心底好きにさせるためのなにか処方箋はないのだろうかと討論参加者にぶつけられました。こうしたBさんの討論における方向転換にどのように参加者達は反応するのか、しないのか。継続して学んでいくことが大切であることは系統的な教科において必要な学習態度ですね。Bさんは今回初参加の方です。

 Aさんは、まず、授業時数の増減に関する改訂が波打つように戦後繰り返されてきたことを指摘し、注入主義とゆとり主義の交替が特徴であったといわれます。教育の方針によって、Bさんのいわれる「学びが心底好きになる」よう指導していかなければならないのはもちろんで、そのためにAさんがいわれたのは、教採でよく聞かれる「魅力ある授業」を通じてそれを実現するほかない、という回答でした。では具体的にそれは何か。そのことを音楽の授業で説明されたのがDさんでした。Dさんは、魅力ある授業とは、たとえば楽譜が読めるようになること、発声がしっかりできるようになること、こうしたやはり基礎的な技術能力を身につけさせることができる授業だと捉えられています。ドレミが読めない児童生徒に、ゲーム感覚で楽しく憶えられるよう(読めるよう)指導した経験を「音符ハエタタキゲーム」として紹介してくださいました。

 すなわちこうした授業は、Aさんのいわれる体験学習の導入ということになります。楽しく児童生徒の印象に残るような授業展開、これが体験学習の利点ですね。またAさんのいわれるように、机上で学んだことの実践として体験していく学びもありますし、検証としての体験学習というメリットもありますね。
 Fさんは、学習に対し意欲的になるにはどうすればいいかというBさんの提起を受け、自分自身も勉強が好きでなかったとおちゃめに報告しつつ、勉強することの意味や必要性を説くほかない、とご意見されました。こうしたご意見を、今後どのように具体的に意見としてまとめられるか、この勉強会で今後1年かけて磨いてまいりましょうね。

 Cさんは、魅力ある授業に関連し、演劇を取り入れた授業を紹介され、体育館で国語の教科書を読んだ経験を話されました。これもダイナミックな実践ですね。

 Dさんは、少し話題を転換し、教育再生会議で授業時間の10パーセントアップの提案について触れられ、土曜日の学習や総合学習はどうなるのかという問題提起をされました。このことと関連し、Eさんは、業前の時間の使用方法について述べられました。これは多様に展開します。朝読書もそうだし、運動会の事前練習もそうでしょう。AさんはBさんとこのDさんの提起に対し、意欲的な学習は調べ学習でも可能とし、小学校5年生の田植えの授業を語られました。実感の味わえる授業の紹介でした。

 ここでタイムアップ。20分を切るくらいでした。

 さて、この勉強会で半年以上修練を積まれた方のご参加が3名、討論はじめての方も含め初参加の方が3名の6名の方にチャレンジしていただいたわけですが、いかがでしたでしょうか。積極的にやってみることが大切ですよ。後者の3名の方、今後もがんばってくださいね。すぐに前者の3名の方のようにはなかなかなれないですけど、めざすべきひとつのモデルがわかったと思われます。こうした方々が2次に進まれているということですから、具体的に今後どうしていけばいいか、ワタクシも支援しますので、来年の秋まで実力をつけていきましょう。

 さて、上のように再現しましたけれども、なかなか討論は滑らかであったとはいい切れませんし、議論の組み立てがうまくいったかといえば、そうでもなかったんです。テーマに即した討論になっていたかどうかということが、手段討論の評価ですけど、「ゆとり教育と今後の学力の在り方について関連」できていたかどうか、ですね、問題は。前者3名が討論をリードしてくださいましたが、テーマに対するトピックとして、ゆとり教育からの転換について充実した議論がまずあったかどうかです。これはある程度OKだったと思われますが、次に、最近の教育行政の展開について参加者一人ひとりがちゃんとおさえているかどうかです。

 ゆとり教育が批判されているとの認識は共有されていましたが、ポイントとして、ゆとり教育とは何かの定義がはっきりしなかったことが問題です。また、基礎基本の確実な定着とゆとり教育との関連性、「生きる力」とゆとり教育の関連性など、議論していただきたかったことは多々あります。ゆとり教育の方針における基礎基本の定着と、今後将来の学力観における基礎基本の定着とどう違うのか、それとも同じなのか。同じであるとすれば、どういう意義がそこにあるのか。学習指導要領を改訂してまでいうべきことなのか。総合学習の有用性や有効性を主張することは、ゆとり教育とどう関係するのか。こうした事柄をしっかり各個人が認識し、議論に参加するとかなり違ってまいります。こうした説明を冒頭できるとすれば、その方はかなり合格に近いのではないでしょうか。

 まあ、それは、今後しっかり身につけていくべきことですね。少しづつ、着実に勉強してまいりましょう。ではまた10月にお会いしましょう。10月は、新しくワタクシの教育原理の講義もさせていただきます。上記で簡単に(舌足らずで)説明したことについても、もう少しお話しますね。なお、ゆとり教育については、賛否両論あるwikipediaですけど、リンクしておきます。

 11月開催のお申し込みをすでに受け付けております。お申し込み、お待ちしています。

 10月と11月の前半は、ゲストの先生方にご参加いただく予定です。イロイロな教育に関する疑問をぶつけてみてくださいね。

(2007年9月22日)

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