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浩の教室・第152回・勉強会の模様

 昨日、新年第1回目となりました勉強会にご参加いただいたみなさま、お疲れさまでした。新しくご参加いただいた方もいらっしゃいました。Iさん、いかがだったでしょうか。新規の方にあっては、サイト経由のみでお申し込みになっていらっしゃいますので、不安やご心配があっただろうと思います。変な新興宗教団体や物品売付団体ではありませんので(笑)、今後ともよろしくお願いいたします。

 参加を迷っておられる方は、「変な宗教ちゃうの」とか、「何か売りつけられるのちゃうの」とか、「女性一人で心配」とか、イロイロとお考えだと思いますが、まあ、そこはサイト運営などから判断いただいて、信頼を感じていただくほか、こちらの手立てはありません。現在のメンバーは、講師の方、ママさん、大学生と多様な立場の方にご参加いただいております。大学生も、関西の国公私立大学からご参加いただいております。ちなみに昨日は、男性4名、女性13名のご参加でした。毎回、ご参加は女性の方が多いです。一緒に切磋琢磨できる仲間と会ってみませんか。どうぞよろしくお願いします。

 さて、昨日は、まずワタクシの方から講義をいたしました。そこでは、学校そのものの役割を社会との関係で説明したり、学校・家庭・地域の3者連携の関係性について説明したりしました。また、教育基本法のいうところの「人格の完成」をめざすこととはどういうことかなどについて、みなさんからのご意見をお聞きしながら進めました。

 つづいて「自己売り込みのツボ」を実施しました。Kさん、がんばりましたね。みなさんにも好評でしたね。大学3年生らしいフレッシュな感じがよくあらわれていて、また、そこでの報告と、いつもみているKさんのお姿とのギャップがあって、いい意味で傍聴者を魅了していました。もうひとりの報告者Nさんには、年相応の要求をしました。厳しいいい方にもなりましたが、それも去年の轍を踏まないためです。がんばりましょう。ただ、「慈愛」はむつかしいものです。今日のコメントを参考に、原稿を練り直してまた持ってきてください。

 最後に集団討論です。今回のテーマは、「不登校生徒の家庭訪問を学担として繰り返していましたが、保護者からもう来ないでほしいと言われました。そのあとその生徒や家庭とどう接するか、議論してください」でした。これと似通ったテーマが昨年実施の採用試験において議論されたことでしょう。テーマがかなり限定的な表現を含んでおりますので、議論の幅をどのように広げるかが最大のポイントになります。このテーマは、いわゆる「狭いテーマ」ですので、議論しやすい反面、時間が余ってしまいます。今回、実際に議論していただいて、17、8分でした。6名の方に20分間でお願いしたのですけど、時間を持て余してしまったようです。

 こうした場合、どうすればいいのか。テーマから離れすぎてはいけませんが、自分なりに「翻訳」し、テーマに接続する問いを立てることが有効でしょう。このテーマの場合、生徒指導の一般論的な議論から、具体的な経験談、保護者との信頼関係の形成の仕方など、イロイロと工夫の余地があります。さて、どんなふうに議論は進んでいったでしょうか。仮にA〜Fさんとして、発言を追っていきますね。

 まず、Bさんから発言がありました。テーマを確認しつつ、家庭訪問の教育的な効果を再確認されました。家庭訪問は、児童生徒の生活を理解できるだけでなく、保護者の心境やその変化をも知ることができると述べられます。ただ、テーマにあるような問題が発生した場合、先輩や管理職の先生と相談しつつ、方法を変えてみるのもいいと付け加えられました。Cさんも家庭訪問の有効性について同意され、このテーマのケースのように、保護者とコミュニケーションをとることの困難さを指摘しながらも、前向きに取り組んでいくべきであると抱負を語られました。Aさんは、このケースの場合、児童生徒が問題を抱えているほか、家庭に問題があるかもしれないと指摘し、たとえテーマにあるように「来ないでほしい」と断られても保護者とはコミュニケーションをとり続けるべきであると発言されます。

 Dさんもテーマから場面設定し、保護者が子どもの問題を認識しているかどうか、まず確認するべきとされ、もし保護者が我が子の理解に苦労しているようであれば、その対策も考えるべきとの主旨の発言をされました。Fさんも、たとえ「来ないでほしい」といわれても保護者との接点を持ち続けることが問題解決の糸口であることに変わりはないと捉えられています。したがって、手紙でもメールでも方法を家庭訪問に限定せず、継続的に見守る方策を検討すべきであると指摘されます。Eさんは、スクールカウンセラーや心の相談員との協力体制によって、テーマのような事態を悪化させない方向に導けるのではないかと考えられています。スクールカウンセラーは、児童生徒の悩みを受けとめるだけでなく、今回のテーマのような場合、保護者の相談にのることもできるのではないかと発言されました。養護教諭との連携も指摘されました。惜しむらくは、こうした協力体制を実施した後、どのように教員をめざすEさんがタッチしていくのか語られなかった点です。カウンセラー任せではなく、どういうように最終責任を果たしていくかの観点を述べられたら、もっとよくなります。Eさんは広島から通われていますね。大阪往復は大変ですけど、がんばってください。

 Eさんのほか、三重や滋賀、愛知から通われている方もいらっしゃって、主宰者としてはありがたく、その情熱に敬服します。長野からも申し込みがあるのにはびっくりいたしました。でもウレシイ〜

 あ、話がそれました。

 ここではまだ、テーマに即してイロイロなトピックをなんとか提出しようと必死になっている集団の様子がうかがえます。なにか種となる凝集点がなければ、議論が成立しないからです。Dさんも、なんとか提出しようと発言されました。それはすなわち、この不登校の状況を個人の問題とせずに、クラスの問題とし、件の不登校児童生徒を学級に復帰させる方策として、ほかの児童生徒に連絡帳を持たせてお家にいかせてみるなどです。Bさんは、保護者が学校や教員に対して不信感を抱いているから、それを融和する必要性を訴えられます。保護者は子どもを通じて学校を知るのにもかかわらず、その子どもが学校へ通えないわけですから、余計に学校を知ることができない状態に保護者が追い込まれているとBさんは指摘し、学校で保護者とだけでも話す機会を設けられないかと提案されました。

 Aさんは、Dさんのいわれた他の児童生徒の訪問は有効な手段であると賛成されます。児童生徒は先生という存在に一歩引いてしまうので、友人を媒介とすれば、あるいは問題解決の一助となるかもしれないと希望と期待を述べられます。このご意見については、後に傍聴者から物言いがつきました。後述します。Cさんは、「来ないでほしい」との考えが、果たして児童生徒の意思なのか、保護者の意思なのか、どちらなのであろうと疑問を提出され、飽くまで児童生徒とのコミュニケーションが必要なのであるから、児童生徒の意思を尊重する方向で回復作業にとりくみたいと主張されます。この点、Aさんは、控えめな指導がここまでこじれた場合に有効なのではないかと発言されました。何度も訪問するのは、しつこさを保護者や児童生徒に感じさせ、さらに糸をもつれさせてしまう結果を招来するかもしれないので、ここは「一端引くのもいい」とのご意見です。

 つづいてFさんがご自身の体験を語られました。いじめを受け不登校になってしまった子どもの指導について語られたのですけれども、そのときにクラスメートから「なぜ○○さんが来ないのか」というような言葉が相次ぎ、手紙をその子に書くようにもなったそうです。不登校の児童生徒にどのように指導していくかには、このように児童生徒からの情報入手といった積極面があります。逆に、児童生徒に直接接触することを回避する消極策があると思います。どちらがよいかはケースバイケースといえるでしょう。

 Cさんは、この不登校状態にある児童生徒は、自分が学校にいっていないわけですから、学校で何が起こっているのかということを考えていると述べられ、児童生徒の心境について思いを寄せる姿勢をみせられました。これに応じ、Fさんは、学校に行けなかった体験を述べ、自分の意見の通らない切なさを訴えられ、そこから、学級の雰囲気つくりの大切さを問題にされました。

 Dさんは、児童生徒と保護者と学校の3者の信頼関係を強く関係つけることが重要であると指摘され、普段から児童生徒同士で問題を解決できる方法を考えさせておく必要があるといわれます。それは、学級活動においての話し合いや道徳の時間において実現可能であると述べられました。

 Aさんは、学校に来ないときこそ児童生徒と深く接するチャンスであると発想を転換して捉えられたご意見を提供されました。Bさんは、Fさんの意見に賛同しつつ、教員として何をするか、何ができるかとの立場から学級経営にとりくむと強調され、この不登校状態にある児童生徒が学校に来ることができたとすれば、当然その児童生徒は注目を浴びるので、「絶対に笑わない」ということをルール化したいと発言されました。それはAさんが指摘されたクラスに入りやすい雰囲気を準備するということで、その方法論をスクールカウンセラーとも相談したいとご意見されました。Aさんは、とにかくまめに連絡を取ることを強調し、Dさんはそれを学級通信の活用ということで説明されました。

 Eさんは、カウンセラーについて述べられました。学校カウンセラーは月に数回しか学校に来ないところに問題があるといわれます。最後に、Cさんが、不登校の児童生徒に対して、常に味方であるということを伝えるといい、討論が終了しました。

 今回の討論は、テーマが限定的であるがゆえに話がつづきにくかったという問題がありました。これをどのように打破するのか、ですね。イロイロと技術を駆使しましょう。

 さて、あすの勉強会(第154回)の集団討論のテーマは、「家庭学習についてどう思いますか。また、保護者から自由な時間確保のために 課題を減らして欲しいとの要請があったがどうしますか、議論してください」とします。みなさま、がんばってくださーい。

 しかし、昨日は勉強になりました。つけ睫毛、100均で売ってるんですね〜

(2008年1月6日)

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