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浩の教室・第162回・勉強会の模様

  昨日は、当サイト主宰勉強会に多数ご参加いただき、ありがとうございました。答申を精読する時間が1時間少し、「自己売り込みのツボ」において、報告者に対する「忌憚のないご意見ご批判」の時間が1時間弱、最後に集団討論でした。

 答申は、いま、核心的部分を読んでいるところです。ここは、しっかり理解したうえで文章に味わいを感じてください。大阪府のマークシートは、こうした文章に取材し、正誤問題を作成するからです。ワタクシも、6月に向け、問題作成しますね。是非チャレンジしてください。

 「自己売り込みのツボ」は、一人の報告者が面接官に3分間で自己を語り売込みするコーナーです。今回の的は、Fさんでした。Fさんは受かろう受かろうとする意欲がありつつも、それが打算的な思考を生んでしまい、自分自身をみせつけることにいささか躊躇したような売込みになってしまいました。いわゆる考え過ぎです。まー、それも致し方ない気もするのですけど、やはりどこまでいっても自分の本音で勝負しないと面接官には見透かされてしまいます。いくら疲れている面接官であっても、やはりよくみているものですよ。面接官に対し迎合的にならず、自分の教育的姿勢をしっかり印象付けることが正道ではないでしょうか。

 じぶんがなにで勝負するのかを定め、そこからぶれるとよくありません。面接官の当たり外れに左右されるような自己売り込み文では、結局、本番で動揺します。そうならないような教育観や教育思想をはぐくむ必要があるといえるでしょう。「甲子園の土を持って帰るようなこと」と同じ事態にならないよう、是非、Fさんには一皮剥けて欲しいです。

 では、当日実施した集団討論の模様を再現し、お伝えします。今回のテーマは、「基本的な生活習慣が確立している児童生徒の成績は高いそうです。学力向上と生活指導との関連性について思うところを自由に出し合い、議論してください」というものでした。このテーマに、20分間で6名の方が挑戦してくださいました。いかがだったでしょうか。今回、全体として、ご意見があまり途切れることなく提示されていたのがよかったですね。昨秋合格のYさんが、かなりダメ出ししてくださいましたが、的を射たご指摘でよかったです。仮にA〜Fさんとして再現してまいりましょう。

 さて、口火を切ったのはFさん。Fさんはテーマを確認され、生活習慣の確立に関し一番問題となるのは睡眠不足と食事の問題ではないかと提起されます。それは「早寝早起き朝ごはん」との標語にあらわれている問題性であって、睡眠をよく摂り朝飯を食べてくれば、朝から脳も活性化すると述べられました。つづいてCさんは、児童生徒は学校・家庭・地域社会の中で生活しているので、この3者が連携協力しあって児童生徒の生活スタイルを適切化するのが常道とされつつ、Fさんの食事の話題に言及して、保護者がどのような生活環境にあったかが児童生徒の食事のあり方を左右するとご意見されました。保護者の生活的バックグラウンドが食事をも決定するので、そこに食育的観点からなにが私たちにできるだろうかと問題提起されたわけです。

 Eさんは、規則正しい生活によって、頭が冴えた状態になるとまず指摘されます。この点、Fさんの睡眠不足の問題とリンクされたご意見の切り出し方でした。規則正しい生活は朝の時間を児童生徒に設け、テレビをみたり新聞を読んだりできるので、学校生活においても話題を提供することも可能となってよいのではないかと発言されます。テレビ・新聞をみる余裕を持つメリットを訴えられました。ここでいいたいのは、「余裕」ということですね。学校生活で会話がはずむよう「余裕」が生かされるといいことです。Aさんは、テーマの「基本的な生活習慣が確立している児童生徒の成績は高い」は、全国学力調査結果でも実証されているとまず説明されました。そして、朝ごはんをちゃんと摂る児童生徒は正答率も高いことを追加説明されます。Eさんのご意見に対してAさんは、朝の準備も落ち着いてできると朝の時間的余裕について関連事項を述べられました。たしかに急いでいると、忘れ物もしてしまうでしょうしね。

 Dさんは健康を維持するために生活習慣の確立は重要であり、それが乱れているがゆえに学力も低下するといわれます。ここから、自律した生活を送ることが学力面でも有効であると指摘されます。Bさんも、生活習慣が確立している児童生徒の学力が高いとの見方は、すでに常識とみなしていいと発言されます。ではどのようにして児童生徒の生活を安定させるかということになるわけですが、これはCさんもいわれたように、DさんBさんも児童生徒の生活は保護者の生活と切っても切れないので、家庭との連携をどうすすめていくかがポイントになると指摘されます。Fさんは学校と家庭は児童生徒の生活習慣を確立する車の両輪であるとDさん、Bさんの指摘を踏まえて述べられ、教員として児童生徒観察と家庭訪問を遂行し、家庭事情を把握することが学校としてできることではないかと発言されました。

 こうした児童生徒の生活把握の問題に関し、Aさんは児童生徒自体の忙しさということを話題にされました。よい視点ですね。早く寝ることができないのはなぜか。なぜなら、塾に通う児童生徒は、塾から帰ってようやく学校の宿題をこなすこともあり、生活時間が夜型にどうしてもなってしまい、生活時間がスライドしてしまうと考察されます。Aさんとしては、生活リズムを修正する指導を、家庭科で行ないたいと提案されました。衣食住を扱う家庭科の「住」のところで実施したいと抱負を語られました。

 生活時間と関連し、Cさんは、それでは児童生徒は学校から帰って塾に行くほか何をしているのであろうかと議論の種を提出されます。Cさんは、テレビをみたり、テレビゲームをしたりと児童生徒の放課後生活を推測されるわけです。こうであれば、これは家庭教育の範疇であってどのように児童生徒=我が子に生活確立の指導をしてもらうかという話になると発言されます。

 次にEさんは、中学生も2、3年になると受験がちらちらし、生活指導も神経質になると現状報告的に述べられ、のびのびとした指導が貫徹しない危惧があるとご意見されます。そこから、たまには一日外でストレス発散するような行事をすることが、児童生徒の生活習慣によい影響を与えるのではないかと述べられました。これは、外遊びの効用としてよいご意見でありました。

 つづいてBさんが発言されます。Bさんは児童生徒の生活時間の使い方について言及され、たとえば保護者の厳しい勤務環境の場合どうなるのだろうかと疑問を呈しつつ、それでも保護者とやり取りし、児童生徒の生活習慣の確立の方策を協力して模索したいと語られます。生活時間を律するには、三度の食事が時間を区切るわけですが、食育とも関連させてFさんが外食や中食のことに触れられました。生活習慣は健康維持のためであって児童生徒の栄養状態を把握することが個々の児童生徒の健康状態を知ることになり、ひいては精神状態にも波及し学力とも関係する議論になるとのことです。この点、Dさんは、学校行事で夕食の作り方などを主宰するといいのではないかとご意見されます。その際、栄養教諭の指導を仰ぐとさらによい学校と家庭との連携行事になると考えておられます。Cさんは、保護者と一緒に弁当を作っているテレビをみたという話をされつつ、議論を継承し、食育のひとつの重要な分野として児童生徒自身による食管理の問題を取り上げられました。Cさんは、食のマネージメントという言葉を用いて紹介されました。

 保護者と一緒に作るお弁当や夕食との話題から、Aさんは児童生徒の家事分担という話題に延伸させます。児童生徒が家庭の一員であるという認識をしっかり持つことが基本的な生活習慣の確立につながると発言され、家庭において家族が喜ぶようなことをしようと児童生徒に指導すると述べられました。ただ、Bさんがいわれるように、また次にCさんがいわれたように、家庭にも限界があります。Cさんは学校で生活習慣を確立するのにどうすればいいかということを考えておられて、長崎における生活指導が充実した学校の取り組みを紹介されながら、宿泊研修を提案されました。学校の規律がどのようなものかまだわかっていないうちに宿泊研修を実施し、学校のルールをしっかり守る意識付けをしたいということです。これは社会的な規範意識の形成にもつながるものですね。チャイムや指示を守るなどは、いわゆるヒデュンカリキュラムといわれるもので、学校生活がおのずと児童生徒に染みこませていく指導内容です。

 つまり、学校生活にメリハリを付けさせたいというのがCさんのご意見だったわけですが、Fさんも時間配分をちゃんとすることによってだらだらしない生活リズムが生まれると発言されました。Bさんは学校でできる生活習慣の確立とは、たとえば早起きにしても、学校が朝早く来ることでこんなにいいことがあるよといったいわゆるアメを用意するのもいいかもしれないと指摘されます。朝にドッジボールをするだとか、朝読書をするとか、そうした児童生徒の興味を引く行事を組み入れることが、朝早くから学校へと向わせる根拠になるとのことです。Eさんは、このご意見に関連し、朝早くから体を動かすことの意義を述べられ、仲間意識も育つような指導をすると抱負を語り、Dさんは、体力を使わないからなかなか寝付けない児童生徒が増えている現状を憂え、両者ともに規律ある生活ということを主張されました。また、朝読書に関しては、Fさんが、朝のグッドスタートによいとされ、頭のフル回転ということを述べられました。

 Eさんは、ひょっとすれば保護者も我が子の生活スタイル確立にどのように助言したらいいのかわからないのではないかといわれ、理想的なタイムスケジュールを提示するのもいいかもしれないと発言されます。夏休みの前に、どのような生活リズムを保つのかと言う観点から、児童生徒自身にスケジュールを書かせてみるというのは、今も昔も大切なことですね。

 最後にDさんが、地域の力も借りて児童生徒の生活スタイルを確立するのがいいと指摘され、学校保健委員会などが舵取り役をすればいいのではないかと提言され、討論は終了しました。

 さて、いかがだったでしょうか。今回の討論は再現しやすかったです。なぜなら、堂々巡りの討論ではないこと、前の発言者の意見を踏まえて次の発言があったこと、発言の広がりがあったこと、こうした要因があったからです。討論傍聴者から出たご意見では、家庭学習として宿題の話題が出なかったのは残念、チャイムの意図、給食の意義ももっと語って欲しかった、生活習慣の確立ということを家庭に丸投げではいけないということ、部活動の話題が出なかったの残念、というところです。いわれてみればそうですね。

 それでもしかし、討論全体として、合格点を与えられる討論ではなかったかと、ワタクシは評価しています。なかなかよかったですよ。討論参加者として発言する立場の経験だけでなく、討論を傍聴する立場も、自分自身を高めます。聞くだけでも勉強になるのです。「ああ、こういうようにいうんだな」とか、「こんな考え方があるのか」とか、さらには、「ひゃー、すごい」という発言もあるでしょう。

 次は3月ですね。うっふっふ〜 みなさん、3、4、5、6、7とあと5ヶ月、充実した時間を過ごすようにしてくださいね。なお、「自己売り込みのツボ」は3月いっぱいで終了しますね。なお、「自己売り込みのツボ」は3月いっぱいで終了しますね。

(2008年2月24日)

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