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浩の教室・第174回勉強会の模様

 この20日、第174回当サイト主宰勉強会にご参加いただいたみなさま、お疲れさまでした。当日は、集団面接を2回、個人面接をおひとり、集団討論を1回、それぞれ実施しました。

 集団面接は、みなさん緊張しながらも、概ねいい感じに終了しました。当サイトにおける集団面接は、評価者が10名以上います。ワタクシほか、傍観者が全員コメントします。そのコメントをペーパーに書いて、面接参加者にお渡しします。コメントペーパーがひとりあたり10枚以上になるわけでして、多様な角度からの評価がいただけるということになります。これを十分に活用し、反省点を見出し、次回に備えてくださいね。その際、気をつけなければならないことがあります。それは、なんらかの問題意識を持って、集団面接に臨むということです。参加する際に、「きょうは声に注意しよう」とか、「きょうは必ずはじめに手を上げて回答しよう」とか、そうした問題意識、いや、参加するときの意識といっていいでしょうか。この意識を持って相対することが、自己の成長を促します。

 次に、今期はじめての個人面接でした。個人面接は、2次対応ですけれど、希望者がいれば、今後ひとりずつやっていただきたいと思っています。その際、希望者は、エントリーシートほか、個人の用意した資料を渡してください。それに基づいた質問をします。さらに、どこの自治体でもそうなのですが、関連質問で突っ込んでいきます。今回、Kさんが個人面接をお受けになられました。Kさんは、みなさんからコメントペーパーをいただいたことになります。是非これを生かし、本番を最高の状態で迎えてくださいね。

 最後に集団討論でした。今回はすごくよかったですね。勉強会の討論で80点の評価をしたのは、はじめてです。いや、本当によかった。傍聴していた勉強会のメンバーも驚くほど、質的にも量的にもよかったです。批判に耐えうる討論とは、こうした討論のことをいうのでしょう。

 この日の討論テーマは、第3回水曜会と同じテーマであり、「学校における食の安全について、多面的に議論してください」というものでした。テーマ通り多様な指摘があって、考えさせられる時間となりました。水曜会の方は、なかなか、ね。大学4回生も多く、また、はじめての方もいらっしゃって、苦しみながら討論を重ねているようにも見受けられました。

 討論参加者を仮にA〜Eさんとして再現してみます。20日は5名によって、23日は6名の方に討論していただきました。両方とも、時間は20分間です。20日の討論を再現素材といたします。

 まず口火を切ったのはAさんでした。Aさんは、テーマを聞いて、給食の指導と、給食と家庭科の連携を話題にされました。給食の指導では、食材がどこでできたものなのか、身近なものなのかなどを児童生徒に考えさせたいと述べられます。このことを考えさせるのは、食の安全の観点からであるというのはいうまでもないでしょう。Bさんも、食の安全の要の時間としての家庭科であり、給食の時間であるとの認識です。安全の観点のほか、一緒に食べるということの意義も強調されました。Dさんは、カロリーのことを取り上げられ、食の安全を考える際ののひとつの視角であるカロリー摂取量、ひいてはこれは肥満の問題にもつながりますが、健康管理と関わる議論をされまして、つづいて、食材の産地の確認やその情報提供先のことなど、具体的に食の安全に関する視点を提供されます。

 Fさんは、中国製ギョーザについて「おいていません」と貼り紙が出されていたのを報告され、Dさんの議論を受け継ごうとし、○○産だからダメなのではなく、原因を質す態度が食の安全を守るためには重要であると提起されました。Cさんは、衛生管理を行き届かせることが、食の安全には欠かせないとの立場から、手を洗うなど、基本的なところからの指導が学校では効果的なのではないかと指摘されました。

 テーマの分析からしますと、「食の安全」が中心になりますが、その前の、「学校における」も大事ですね。ただ、討論の最初に面接官役のワタクシがいいましたように、広く議論してくださいと注意を促していましたので、その意を汲み取ってもらえるかどうかですね。また、「学校における」といいましても、3者連携を議論するなという意味ではありません。学校を中心にと緩やかに捉えて議論する姿勢が必要でしょう。さらには、「食の安全」だからといって、健康の問題に触れないのも、議論を狭くします。食の問題一般と捉えていい課題です。それが「多面的」に含めた意味となります。大阪では、テーマに即して議論するべきです。といっても、ぐるぐる堂々巡りしているような議論よりは、ある程度拡大した議論の方が好まれます。そうした点に注意しましょう。

 つづいてBさんが、ペットボトルに除草剤が混入していた最近の事件を話題提供し、食の安全には自己防衛意識が必要との旨のご意見を披露され、おやっと思っても食べてしまうのは、弧食の悪影響なのではないかと指摘されます。それゆえ、3食のうち1食は家庭で摂れるように児童生徒に指導したいと述べられました。家庭における食育が重要との視点です。このご意見は一見、「学校における」との主旨から逸脱しているようにみえますが、上述の観点から、OKなご意見といえます。Dさんからは、偏食、間食など、食生活一般について、また健康問題と直結し、拒食、過食の問題を出され、食の習慣をきっちりつけることが、学校における指導の役割ではないかと発言されました。Cさんは、ゆっくり食事を摂ることも安全と健康の観点からは大切であろうとされ、偏食に関しては、いまも実践されている「三角食べ」の指導が実践的ではないかと語られます。

 ここで話題が変わり、Aさんから、小学校では生活科があり、地域におけるお店を知る指導をすると抱負を語られます。それは、それぞれのお店とりわけ食材を扱うお店や飲食店ですが、お店でどのように安全を図っているのかということを学ぶといいのではないか、ということでした。こうした情報の取得は学校における食の学習をすすめるのによい視点ですね。さらにこれは総合学習にも採用できるものです。そういえば、きょう、吉野家に危険部位の牛肉が誤って混入され輸入されたようですね。市場には出回っていないということですが、本当かどうかはわかりません。厚生労働省の発表ですから。

 Dさんは、平成17年の食育基本法の公布と関わり、栄養教諭の役割を指摘され、他の教員も、栄養教諭との連携をとって学校内において食育指導を高めていくべきであると述べられました。その際、食物の栄養構成について調べ学習をさせてみるのも指導の一環にいれるべきとのことです。調べ学習ということでは、弁当持参の学校の場合、Eさんが指摘されたように、食中毒を起こさないように、ナマを避け火を通すということを実感させることができるというのはいいご意見でした。水曜会で出たのは、この食中毒と関わって、O157の話題です。このように文字起こしして閲覧されている方は、フムフムとうなづかれていることと思いますが、実際に討論をしてみると、出てくるようで出ないものなのですね。

 Cさんからは、食のことだから、特別活動ではどういうように捉えられるかと問題提起され、学園祭で模擬店が行なわれているのを食育、食の安全に生かそうというご意見を提出されました。後に議論になったのですが、試作品を保健所に持っていく義務はありませんけれども、検便はしなければなりません。試作品は教員には届けるべきなのでしょうね。

 つづいて発言があったのはBさんからで、「食」に余り関心がないような状況をどう考えるべきかと問題提起されました。これは、食べることへの興味がないということではなく、食をめぐる環境ほか、食料への関心との意味です。海外からの研修生を「利用」してようやく成り立つ農業のスタイルや、自給率39パーセントの日本農業の現状など、食をめぐる、というより、食を支える環境は、戦後、かなり変わりました。こうした問題に対する無関心が、さらに日本の農業のあるいは悪い方向への変質をもたらしているのではないでしょうか。

 こうしたことを含め、総合学習で考えようというご意見がDさんからありました。また、理科や社会でも、食は教材となるものであることも指摘されました。Aさんは、総合学習の話題が出たことから、米作り、野菜を育てるなどの実践について述べられ、ナマの健康な野菜に触れたり、安全な野菜がどんな状態であるかを知ったりすることが、食の安全意識を高めることになると、議論を展開されます。このAさんのご意見に刺激され、Bさんが野菜作りの大変さを児童生徒が知れば、食のありがたさもわかるし、偏食する児童生徒も減るのではないかと発言されました。Dさんも社会科における食育の実践に関して、地域における流通の課題を調べることや、農家がどのように実際に米を作っているのかを見学することを提起されました。また、食の安全についてみんなで学校を守っていこうということを、学校が発表するべきだといい意見を付け加えられました。

 Fさんの、食に関して間接情報では安全面で問題があるとのご意見や、Cさんの、消費者意識の高度化、さらにはお金の使い方の計画、Aさんの、消費者としての保護者の立場という考え方など、様々な指摘がつづき、Dさんからは、食生活重視の考えが、学校と家庭とをつなぎ、自宅で児童生徒が自覚的に「サラダはつけないの」と保護者にたずねるような食環境にまで成長するよう期待したいとの指摘がありました。Fさんは、共働きが多い昨今、週休2日制を生かし、親子でカレーを作ってみようとの面白い提案をされました。

 高校生にもなれば、Cさんがいわれるように、3食まかなったり、3食作ったりすることにもなりますね。Bさんは、食の指導において生活委員会をおいてポスター啓発するのもいいといわれ、これをDさんは、「給食便り」の発行、といわれ、献立、カロリー構成、食品の産地などを載せて広報するのがいいと発言されました。Aさんにあっては、食の情報提供から季節料理の話題にまで広がりました。Cさんは除菌グッズの話までされましたね。最後にEさんの給食安全についてのご意見があって議論が終了しました。

 今回の討論は、活発な議論、豊富な内容で、各討論参加者の問題意識あふれる20分間となりました。きわめて高い評価が得られると思われます。是非、この調子でがんばってくださいね。

 この討論の模様に関連して、「勉強会報告ページ」の第18回のところをチェックしてみてください。

(2008年4月20日)

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