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浩の教室・第183回勉強会の模様

 一昨日は、第4回の広教組主宰広島県教採対策学習会を、昨日は、第183回当サイト主宰勉強会を開催しました。ご参加のみなさま、お疲れさまでした。土曜日に開催された広島における学習会では、広教組の先生方に大変お世話になりました。あらためてお礼申し上げます。

 5月は開催すれば雨というように、天候に恵まれませんでしたが、入梅した途端に晴れという不思議な感じでした。当日お集まりになったみなさまには、新しいレジュメを配布いたしました。今回も50ページを越えるものとなりましたが、多様な類題を用意していますので、復習をして完璧を期してください。なお、体罰と懲戒に関する類題解説では、ワタクシの方がこんがらがってしまいまして、失礼いたしました。最後はちゃんとなりまして、ほっとしています。赤でバッテンつけてしまったり、ザーっと横線を引かれた方、ご迷惑をおかけしました。ぼけてました。

 次の開催は、21日となります。また、みなさまとお会いすることを楽しみにしております。

 さて、昨日は大阪における勉強会でした。今回は、20名以上の参加者で、緊張した時間を過ごすことができました。新しくご参加された方、昨年、一昨年の合格者の紹介を受け、勉強会に来られた方、いかがだったでしょうか。なかなかに自分の出番が終了するとホッとし過ぎてしまうかもしれませんが、他者の様子から自己を振り返ることが大切です。緊張の糸を切らすことなく、もうあと1ヶ月ばかりの時間を有効に過ごせるなにがしかのものを持って帰られるようにしてください。

 さて、本日は、集団面接を2回、個人面接を2名、集団討論を1回実施いたしました。集団面接は、みなさん、完成に近い仕上がりで、今年も昨年、一昨年に劣らず、よい出来栄えとなっています。調子を落とさずにしてください。個々別々に、いささか気になるところを指摘していますし、みなさん同士が交換されるカードを羅針盤に、反省点をみつめ直してください。なお、今回、勉強会でも珈琲会でも申し上げましたけれども、各々の定番的な質問事項にどのように答えるか、定着がまだのかたは、それにじっくり取り組むこと、そのステップをはなれ、定着完了した方は、ヴァリエーションを増やすこと、です。さらに、今後、集団面接の質問事項は、「個別複数化」、「難度上昇」していくものを用意してまいりますけれども、それらに対応できるような臨機応変の力を身に付けてくださいね。大阪でいえば1次までまだ日数があります。なんでもすぐにできるものではなし、地道な作業を積む苦しさを少々味わってみましょう。

 個人面接は、FさんとKさんがチャレンジ。Aさん、すいません、また時間があるときよろしくお願いします。Fさんは久しぶりのチャレンジでした。ちょっと疲れがみられました。Kさんは、はじめのご参加にもかかわらず、「みんなが恐れる個人面接」に果敢に手を挙げられ挑戦。きょうはお声の調子が悪く、聞き取りにくいところもありましたけれども、次回に期待です。なお、指摘した問題点については十分ご注意を。特別支援教育のポイント整理が必要であるということと、やはり、自分自身をみつめ直す作業が不可欠ということになりますね。次回はエントリーシートを持参して、再挑戦してください。

 集団討論は、テーマがあるいはむつかしかったかもしれません。「個人にとっての国語が果たす役割は、『知的活動の基盤』『感性・情緒等の基盤』『コミュニケーション能力の基盤』として、生涯を通じて個人の自己形成にかかわる点にあると考えられます。こうした役割について考察を深め議論してください」といたしました。いま読んでも、難解かなと思いますが、珈琲会でFさんが指摘されたように、そして当サイトの「集団討論に関する覚書」で解説していますように、テーマの読み替えが必要です。むつかしい表現にだまされることなく、それを自分なりに解きほぐすことができて一人前です。

 今回は、このテーマに20分間、7名の方が挑戦されました。仮にA〜Gさんとして、論旨を追い、討論の模様を再現していきましょう。

 まず、Aさんが、テーマを読み上げ、感性・情緒等の基盤としての言語活動の例を挙げられました。それはAさんが地歴志望であることと関係するのですが、映画に表現された意味ある言葉や偉人の言葉などを吟味し、児童生徒の生き方とすり合わせてみる実感の伴った授業を実施し、そこから自分自身のやりがいを見出すような指導をしたいと述べられました。Eさんも、音楽志望の立場から、感性を育む言葉の学習に言及し、たとえば歌詞の持つ意味を哲学的に捉え直すとどうなるかとの課題意識から発言されます。「ふるさと」の歌詞をくだいて、日本語の持つ美しさを再確認しようとの提案がそれにあたりますね。歌詞と同時に写真も用意するとの意気込みでした。Gさんは体育を志望する立場から、言語能力の向上策を提示されます。それは、体育とりわけスポーツ指導の際のルール確認、技能のポイントを話し合わせる指導ということでした。Gさんは最初に言語はよむきくはなすかくの4機能あることを指摘し、その中でも「はなす」機能の充実を体育の時間において提供したいと述べられたわけです。

 Bさんは、Aさん、Eさんの議論されたトピックである「感性・情緒等の基盤」としての国語の視角から、絵本のよみきかせについて、その機能を報告されます。たしかにファンタジーを絵本は含んでいて、低学年児童に想像を羽ばたかせる役割を持っています。Cさんは、世界史専攻らしく、キリスト教徒イスラム教の歴史学習に素材を取り、和平に向けたお互いのやりとりにどのような意図があるか考える授業を提案され、両者のやりとりから言葉に込められた真意を読み取る客観的な意味読解の実力を養成させたいとしっかり述べられました。この発言をはさみ、Fさんが、絵本の効用と活用に対して賛同し、絵本を通して情緒を耕し、これを言葉の力、表現力の育成につなげていくと提起されます。Dさんもよみきかせについて肯定的で、そしてAさんも指摘された偉人の言葉の活用にも触れながら、人格形成に寄与する方策を探る態度でした。

 ここで話題が転換し、Aさんから、教員の児童生徒に書ける言葉の持つ意味、について議論があり、教員のかける言葉の重みということについて体験談を語られました。そこから、学校生活を大きく変える言葉の力を確認し、自己の教員としての在り方を反省的に捉えられました。教員のかける言葉はたしかに児童生徒のこころに響きます。その響かせ方が問題です。むつかしいですね。ワタクシなど批判的な言葉が多いのは、もう、古いのかもしれません。個性を伸ばす言葉がけ、重要なAさんの指摘です。Eさんは、生徒が言葉をどう使うかとの視点から、言葉の使い方を総合学習で学ばせるという具体的な提案をされました。短歌を詠ませる指導を通じての実践例でした。Bさんは、先ほどのAさんの言葉の持つ意味を「重み」といい直され、「雑草魂」ということについて述べられました。自分の言葉を豊かにする訓練が必要であるとのことです。それは、教員としてのご自身にも、児童生徒にもあたるわけですね。

 つづいて発言されたのは、Fさんでした。Fさんは、小学校志望ですが、仲間作りが難しくなってくる小学校4年生の時期、人との違いということを認識しはじめる時期に、人間関係を育む言語活動をどうするかということについてご意見されました。Dさんは、Fさんの議論とも関連し、相手を傷つけたり、悲しませたりもするのが言葉であるとの立場から、教員の児童生徒にかける言葉遣いにも注意が必要と自覚と反省を示され、言葉遣いの配慮ということを指摘されました。それだけ言葉には力があるわけで、マイナスの言葉、たとえば「死ね」など否定的な内容を持つ言葉を発する児童生徒が多くなってきているとは、Cさんの分析です。それゆえに、お互いを認め合う言葉遣いを身に付けるべきであり、相手を肯定する、相手を認める言葉の効用を朝の読書活動などから育成するべきであるとCさんは述べられます。

 Gさんは、これまでの議論に登場した教員の言葉にせよ、絵本の言葉にしろ、言葉を学ぶのは、知的基盤であり、情緒を育むゆえであり、それぞれの意見に賛同されます。その上で、総合学習の時間に多様な講演をしてもらって、児童生徒に刺激を与え、そこで使われた言葉ほか、外からの、周囲からの言葉の力をも得るのがよいと立論されます。Eさんは、ネット世界を俎上に、匿名性がある中で誹謗中傷が展開されることに憂慮され、言葉のみの交流のネットが人間関係を崩していくことを告発されます。それゆえ、現実の場つまり学校において、言葉が使われる場の設定をを提案され、さらにお互いを認め合うとのCさんのご意見に関わりつつ、「感心帳」を作成すると述べられました。友人を肯定的に見る姿勢を育むために、お互いに感心したことを書きあう運動です。

 これと同じような取組みとして、小学校志望のDさんは、「笑顔の花」ということを説明されました。うれしかったこと、感動したことを発表し、カードに花が増えていく…そうした自己肯定感をもたらす活動です。これは、Bさんの、○○ちゃんのいいところみつけ活動もそうでしょう。ここでEさんは、学級通信にご自身が提案された「感心帳」の内容ほか、DさんやBさんの提案された内容を掲載し、地域ぐるみで言葉の力を育成するのがよいと発言されました。

 Cさんは、ここで話題を転換し、和を乱す生徒を指して、「空気を読め」というが、これは誤りだとされます。Bさんも少し発言の順序が違いますが、この件に言及し、WKYというらしいですが、「わざと空気を読まない」立場がよいといわれます。Cさんも、Bさんも、そのいわれるところは、以心伝心をよしとする日本の「美風」への対決姿勢でもあるわけですが、ワタクシもこれには少なからず賛成しています。空気を読め、は、空気が人びとを支配するわけで、それはそうそう読めるものではないし、実体のないものだからです。Cさんがいわれるのは、的確に言葉を使って説明する義務を放棄するのが「空気を読め」となる所以であるとお考えなわけであり、言葉に出してはっきり自分のイイタイコトを伝えられる環境形成が重要であるとの視点の提出でした。この視点は、「知的基盤」の言葉の意味を考えることになります。

 BさんやCさんの発言と関連し、Gさんは、言葉にまだなりきれていない心の中にあるもの、つまり伝えたいことはあるけれども形式を伴っていない「言葉」について述べようと苦心されまして、他者の気持ちを受けとめるにはどうすればいいのかということについて問題提起されました。それは、とりわけ携帯メールのやりとりがうまくいかないことから人間関係が崩壊してしまうことに問題を感じられているからでした。Aさんがまとめられたように、コミュニケーションの基盤としての言語を実際に学校で育成する努力を放棄していることやメールに頼りきってコミュニケーションを特化するところに問題そのものがあるのではないかと指摘され、堂々と相手の顔をみて正しく気持ちを伝えるという、そもそもの人間同士のあるべき在り方を再考するべきだと強調されます。それこそAさんいわれるように、望ましい集団形成を育む特別活動領域の課題でしょうね。最後にFさんが、そもそもいまの児童生徒は、人と向き合う力が弱いと指摘され、それを強くするため発表活動を豊富に採用していくような学校のスタイルを作っていくべきとのご意見を述べられ、討論が終了しました。

 今回の集団討論の再現では、言葉を補足しながら、また、いささか参加者各自がいたかったことを少し訂正しながらつなぎ合わせ再構成しました。ちょっと反則気味ですけど、実際にしていただいた討論が、テーマをあまり意識しないものであったからです。討論終了後に、また、珈琲会でも述べましたけれども、テーマから逸脱すると評価が悪くなります。「個人にとっての国語が果たす役割は、『知的活動の基盤』『感性・情緒等の基盤』『コミュニケーション能力の基盤』として、生涯を通じて個人の自己形成にかかわる点にあると考えられます。こうした役割について考察を深め議論してください」の3つの観点の議論と「生涯を通じて個人の自己形成」と、どういうように議論されたのかの痕跡がほぼない討論になってしまっていました。これをテーマの難しさに帰していいかどうか。とりわけ、「知的活動の基盤」に関する議論がなかったのが不満です。是非次回は、テーマを常に意識した議論を作り上げてくださいね。

(2008年6月8日)

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