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浩の教室・第6期 第17・18回(通算213・214回)勉強会の模様

 昨日、一昨日は、当サイト主宰勉強会に多数ご参加いただき、ありがとうございました。とりわけ昨日は、新しくご参加いただいた方が多く、ありがたく思っております。いやしかし、ネットを介しての事件が多い中、サイトのみをご覧になって、チャレンジャーとしてお申込いただくという「勇気」に感服しています。いくら1回1000円程度の小額とはいえ、事前に振込をお願いするのですから、こちらもその信頼を得られるよう緊張してサイト運営しております。

 おそらくは、多くの方が「参加してみたいけど、怖いし、なんか変な宗教に勧誘されそうやし、たっかい布団とかくだらない教材とか売りつけられたらたまらんわ」と思って、参加に二の足を踏んでおられる方もいらっしゃることと存じます。ところで今回、新しく参加いただいた方々は、全員、女性の方なんですよね。まあ、参加いただいて、参加者の顔ぶれをご覧になり、3分の2が女性であったことに、不安感も最初から若干は拭えたのではないかと思っております。

 いまとなっては、「折角の休日をつぶしてまで参加して価値があるかどうか」に耐えうる4時間であったことを祈るばかりです。珈琲会では、集団討論の復習会のような形で、ワタクシから長々としゃべってしまい、みなさまの帰宅を遅らせてしまいました。ごめんなさいね。でもまあ、ちょっとでも勉強になればといった老婆心からなので平にお許しを。是非、これに懲りず、今後も一緒に勉強してまいりましょう。

 また、日曜日には、昨秋の合格者であるIさん(神奈川県)とSさん(北海道)のおふたりのお顔がみれてうれしかったですよ。もうすぐ勤務地へ旅立っていかれるのをさみしく思いながらも、ここで学んだことを新天地でも忘れず教育実践に打ち込んでくださることを期待しています。がんばれ〜

 さて、両日とも、プログラムは同一でした。まずはワタクシから講義をいたしました。講義は、レジュメを配布し、それを元にみなさまからご意見をいただくスタイルで実施しています。今回は15ページから配布しました。新規にご参加の方で、1ページから14ページまで必要な方は、ご申告ください。14枚ですので、@10円の140万円負担で提供します。ははは。今回は、学校はどうしてできたのかとのある意味では哲学的な考察とともに、生きる力という言葉が登場した頃の、「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」答申を題材に、学校週5日制の出発ほか、3者連携のところまで進めました。いや、なんと申しますか、申し訳ないながら、この講義は、土日連続の開催であっても、同じところをせずに、進めてまいります。ご容赦ください。

 つづいて、おふたりの方に「自己売り込みのツボ」の報告をしていただきました。この報告は、個人情報となりますので、内容的にはここでアップしません。3分間で自分自身を売り込む文面を、20名くらいの参加者の前で報告し、それに対して、全員の方が「ここがよかった、ここを工夫して」と切磋琢磨しあうコーナーです。報告者がボロボロになることはありますが、そこから立ち直り、ターミネーターのように再生してください。なお、この「自己売り込みのツボ」、書き直したら、珈琲会でみますので、遠慮なく渡してくださいね。

 さて、最後に集団討論です。土日ともに同じテーマです。この模様は、次回以降の更新にいたします。ただ、土日両日の討論を再現するのは、ワタクシの物理的能力を超える仕事です。どちらか一方を選択して再現し、そこに再現しなかった方の討論のエッセンスを若干書き加えるという手法で報告してまいります。よろしくお願いします。

 さて、今回、土日どちらの討論の再現をベースにするか迷ったのですが、日曜日に実践していただいた討論を再現していくことといたします。討論のテーマは、「児童生徒の体力向上のために、どのように指導していきますか。みなさんひとりづつアイデアをまず出し合い、その後、議論してください」でした。土曜は6名の方、日曜は7名の方が挑戦されました。時間は少し日曜の方が長く、22、3分といたしました。どちらの討論がよかったのかとの、参加者にあっては気になる評価ですけど、ワタクシは、「どっちもどっち」といたします。しかし、土曜の方は、テーマに即していなかったのでそれが大きな原点材料となりました。テーマによって「みなさんひとりづつアイデアをまず出し合い」と条件付けられているのにもかかわらず、なぜが第1発言者が「体力が落ちている原因をまず議論しましょう」といってしまい、さらに、それを訂正する発言がなかったのです。こうしたところに面接官は敏感です。

 日曜の第1発言者はどうだったのでしょうか。Eさんが果敢に手を挙げて、第1発言者となりました。養護教諭志望のEさんは、保健室における指導だけでなく、体育科の指導の一環でもある保健指導をも機会があれば担当したい旨を述べつつ、こうした立場から、体力を付けることの大切さを語り、体力向上に尽力したいと切り出されます。そしてテーマを復唱し、アイデアを出し合いましょうと提起されました。つづいてFさんは、体力向上のためには、食に気をつけること、規則正しい生活が必要であること、そして「早寝早起き朝ごはん」の推進について触れられました。Bさんのアイデアは、実践と結びついておりました。特別支援教育の補助をしておられるBさんは、「朝のかけあし」の時間を設定されている学校に勤務されており、みんなで楽しく走ることができていると分析されます。体力向上のためには、こうした朝に身体を楽しんで動かすことが期待されるというわけです。Cさんのアイデアもこれに近く、「楽しんでやる」指導を強調されました。体育の時間に、走るのが嫌、縄跳びするのが嫌という児童が増えているのに鑑み、こうしたBさんと考え方を共有するご意見を述べられたわけです。Dさんのアイデアは、どのようなものであったのか。外遊びの機会が減っているのは、遊ぶ時間の欠如と遊ぶ場所の欠如が原因であるとされ、学校の施設活用ということに言及されます。体育館や運動場などを効果的に使うことが、体力向上策であるとのご意見です。Gさんは、高校志望であり、しかも体育教員をめざされています。高校になれば、体育が苦手、得意がはっきりしてくるといわれます。これはそうでしょうね。苦手な生徒はホントに運動そのものをしなくなるので、これを体育の授業でどのように是正していくかというところに問題意識をもたれています。ひいてはそれが、体力向上に結びついていくということです。具体的にはとりわけ嫌いになりがちな持久走ですけど、ハイタッチを組み込むなどして、連帯感という楽しさを感じさせるのはどうだろうかと述べられました。Aさんは、Dさんのご意見を引き継ぎつつ、体育館の効果的な活用をアイデアとしてだされ、さらに、学校だけでなく継続的に体力向上をめざす態度の養成が必要と主張されます。体育館のことを出された手前、Aさんは、市民体育館など社会教育分野との融合によって、児童生徒の体力向上をいわば社会全体で進めていくことが、求められていると語られました。

 さて、これで討論参加者の第1回目の発言が終了し、それぞれの「アイデア」が登場しました。このあと、どのように議論は展開していくのでしょうか。

 次の発言者は、Cさんでした。体力が低下している原因論に言及し、Cさんは、いまの児童生徒は遊び方を知らないと喝破されます。休み時間に遊ぶ遊び方も種類が低減しているとの認識で、それを増やす課題もあるといわれます。そうした議論を踏まえつつ、小学校では、鬼ごっこも、体力向上につながる遊びであると述べられました。Eさんはこのご意見を広げ、外遊びの奨励を掲げられます。保健室に様々な遊びのやり方を掲示するといいと提案されました。また、みんな遊び、縦割り遊びといったものや、委員会にかけて学校全体の外遊びを計画するのがよいというのが、Fさんの提案です。Dさんは、なぜ体力が落ちるのかは、身体を動かさないからであって、ではなぜ動かさないのかといえば、運動していてこけたり身体を打ったりすれば痛いから、また、運動すると汚れるからといった児童生徒の側の理由を推測されます。そこで柔らかいボールを導入したドッヂボールやラグビーでもあまりきつくないやり方をすればどうかと提案されました。Gさんは苦手意識の克服が体育の大きな課題であるとの立場から、ほめる指導の実践に触れられます。体育好きになることが、やはり体力向上の必要条件ですからね。Eさんは、小中と体育が苦手であったことを告白しまして、それは持病に原因していたらしいのですけど、それゆえに長距離がしんどい経験であったと語られます。そのときの先生の配慮がすばらしいものでした。長距離が得意な児童と自信がない児童との2つのグループに分けたそうです。こうすれば、Eさんだけが「走れない感覚」を持つようなことにならず、「自信がない児童」のグループに、いわば「まぎれて」体育を受けることができたということです。こうした優しい配慮が、苦手意識を持つ児童生徒を救う方策でもあるわけですね。

 つづいて発言されたのは、Dさんでした。持久走の話がつづいたところで、Dさんも言及されます。結局、持久走やマラソンが苦手になるのは、達成感が確認できないからではないかと述べられます。それゆえに、グラウンドを2週走れば、あらかじめ渡してある日本地図のひとつの都道府県を塗りつぶし、全国制覇を狙うというように、外発的な動機付けをするとよいと提案されます。Aさんは、ランキング形式で達成感と同時に競争意識も芽生えさせればどうかと主張されました。またBさんは、トラックをペアで走ることにより、タイムを計って楽しくやれば意欲も高まると指摘されます。タイムアップが成長している実感を味わわせるし、互いに切磋琢磨できますね。Fさんは、小学校ならでわで、Dさんの日本地図で、動物ぬり絵を使用するといわれたほか、持久走がマラソン大会の体力的準備であることを意識付け、賞状も用意してワクワク感を出すとご意見されました。

 Cさんは、持久走のあとのことに配慮するご意見を出されました。なにしろ走ると汗をかきますから、風邪をひかないように注意喚起するとの発言です。先生自らも一緒に走ることも指導としてはあるいは必要かもしれません。Aさんは、女子バスケットボールの部活指導を担当していらっしゃり、駅伝に出場したことを述べられて、体力向上のためどのような競技であれ、目標をちゃんと持たすことが指導の肝であると主張されます。また、Eさんは、持久走ばかり話題に登場しているけれども、持久力の養成という観点からは、季節によって水泳を取り入れるなどの方法もあると指摘されます。こうした取組を学校全体で計画化することをも述べられました。

 ところで、体力向上と食育との関係性を再びとりあげられたのがCさんです。小学校の給食では牛乳が出てきます。が、好きでない子もいる。半分でも飲もう、と声かけをすることが、体力向上に欠かせないと主張されます。この食育の話題は、Fさんが討論の最初の頃に主張された議論です。このことから、討論終了後の珈琲会における反省会で、「テーマに即して議論していて、あとでもう一度議論してみたい、あるいは自分がいいたいトピックがあったとき、どうしたらいいか」という質問がありました。今回のように、食育については、討論全体における2番目の発言で登場し、それからほとんど言及されず、Cさんが第21番目の発言として述べられました。討論には流れがありますから、繰り返しや流れに掉さすのはご法度です。しかし、今回のようなケースでは、逆に、あまりに発言と発言の間に時間が経っていますから、それほど気になりませんでした。それから、こうした、「前に議論になっていたことにもう一度言及したいとき」にはどう対応すればいいでしょうか。本当は、そうした話題が出たときにすかさず自分自身の意見をいえればいいのですけど、なかなか、そううまくはいかないものです。自然な形で切り出すといえば、これまたむつかしいですが、「そういえば」くらいを使って述べてみてもいいのではないかと思います。珈琲会でいいましたように、協調性を評価するのが集団討論ですから、議論の流れを壊さないように配慮して、しかし、自分が是非いいたいことなのですから、思い切っていってみるのがプラスです。このあたりの「間合い」は何度も場数を踏んで修練するほかないですね。なお、もっともいいのは、グループ全体で、テーマを分析して何を大きく議論するのかあらかじめ確認しておく作業でしょう。20分間なら、4つ、5つが精一杯であると思われます。

 さて、Cさんが発言された後、Eさんも、睡眠ほか生活習慣について述べられ、体力向上の一環として、抵抗力を付ける自己管理能力の養成を指摘されました。Bさんも、これに近い発言でしたが、身体を動かしてホルモンバランスを正常化させることに言及されます。そのほか、Bさんは、体力向上のための様々な取組を通して友情が深まることを期待し、それが学級運営上においても極めて大きな作用を果たすと述べられました。こうした観点は担任としての指導と絡めて述べれはいかがでしょうか。

 ひとしきり、持久走についての話題がつづいて、今後どのように方向付けていくのかと思っていたところ、食育や抵抗力を付けることなどが登場しました。さらにDさんが、団体行動として登山などして歩くことが体力向上をすすめると述べられまして学校行事として体力向上のプランを練ることも考えましょうと提起されました。Fさんは、Dさんのご意見に同意しつつも、逆に、クラスで一人ひとりを綿密に指導するのも大切であるとご意見されました。また、Dさんは体力と学力との相関関係についても発言されました。Gさんからは、基礎的な体力をまずは養成することが高校では求められ、それを維持する方向も考えなければならないとされ、体育科の教員だけでなく、他教科の、そして担任の協力を得ていくことが体力向上に結びつくと期待されます。まさしく体力に関する共通理解を学校全体で持つというEさんの言葉どおりでしょう。しかし体力向上には家庭との連携が是非必要ともEさんは指摘されます。保護者に対して児童生徒の体力問題に関する啓発をすすめていくことが求められているとご意見されました。たしかに朝ごはんをちゃんととることは、学校の指導の範囲外にあります。ちゃんと食べなさいということはできますが、これは各家庭の自覚に関わってくることだからです。Aさんもこの点を指摘され、家庭の協力の意図を深められました。Aさんは、このほか、「精神的体力」ということを主張されたのですけど、なかなか討論参加者にうまくつたわらなかったようです。こうしたいわば造語のようなものは、極力使わない方が無難です。児童生徒が悩みに立ち向かっていく力を意味していると後で説明がありましたが、20分間の中で理解が及ぶかどうか、また、面接官にちゃんとわかってもらえるかということからいっても、冒険はあえて慎んだほうがよいかもしれません。Cさんは、家庭との連携では、連絡帳で家庭における児童生徒の生活実態をみることができるのではないかと述べられ、体力のほか、勉強もがんばろうと指示できると発言されます。

 Bさんは、家庭との連携の話題において一番重要なのは、基本的な生活習慣の見直しというところにあるとされます。そして、体力が低下したのは、家に帰ってから遊ばないところに理由があるのではないかと分析されます。また、地域の力、おそらくこれは地域の教育力のことをいっていたのでしょうけれども、この力が落ちているので、外遊びをするにもわからない、知らないようになったのではないかと述べられます。それでゲームに夢中になる。つまるところ、家でどう遊ぶかということにも教員としてなんらかの見通しを持つべきであろうとまとめられました。

 Gさんは、卒業してからも、運動をつづけてほしいというように、ここで新しく、生涯学習の観点から体力向上について深めようとされました。小中高と体力に関してうまい橋渡しを実施して、さらに卒業後も視野にいれる。個別の体力指導計画のようなものを提案されようとしていたようです。また、具体的に小中高の連続的な体力向上指導としては、クラブ活動交流を主張されました。Dさんは、この点、部活への参加生徒が少なくなっていることに危機感をもたれています。部活やクラブ活動は、本来おもしろいものであるのになぜか参加者が少ない。体験的な入部も含めて、部活のおもしろさをもっとアピールしていくことが体力向上と結びつくと発言されました。最後にAさんが、遊びを知らないとのご意見があったけれども、この時期、外遊びを嫌がる児童生徒が多いことを指摘し、心配していらっしゃる発言があって、20数分間が終了しました。

 集団討論に関する方法論については1時間くらい珈琲会でお話しましたので、これは割愛し、以下では第17回の議論で登場した重要な指摘や、討論の話題として提出してよかったのではないかという指摘があったものについて、若干記します。

 @調査結果を述べて客観的に議論する端緒を提供してはどうか。昭和46年に比べて、小学校5年生では平均4.6cm身長が上回っている事実など。肥満児/痩せ型の二極化の問題解決。
 A体力の2側面の理解。運動能力と健康維持の能力の両者の向上こそが体力向上の中身であるとの議論。
 B学校保健安全計画の作成と体力測定。
 C外遊びの具体例の提出。たこあげなどみなくなったのは、社会全体の問題でもあるとの指摘。
 D中2生女子の3割しか体育の授業以外で運動しない事実。
 E体力向上のための方策を幅広く捉えて、清掃活動や自然体験活動をもそうした一環として捉え返すこと。
 F運動会、球技大会、耐寒登山、プール、ストレッチ、サーキットトレーニング、タバコ、感染症予防などなど。

 こうしてみれば、やはり前回の討論再現でも書いたように、気付きですね。テーマに即してどれだけのことを思い浮かべられるか、です。それは、本を読んで仕入れてきた気付きでもいいし、教育活動の中からヒントを得た気付きでもいい。その際に、定番的なこと、今回のテーマでいえば、「早寝早起き朝ごはん」がそうですけど、こうした定番のものは面接官も聞き飽きます。むろん、それは重要な指摘ではありますが、面接当日に大量のグループを評価する立場から想像すると、「もっと気の効いたことないんかいな」となると思うのですよね。

 また、討論における発言が、理路整然としていて、表現もよく声も聞き取りやすいものであること。これが結構、重要です。単に大きい声ではなく、面接官にとって聞き取りやすいかどうかが大切なわけです。

 ところで、土日の討論とも、発言回数が多くて、かなりスピード感ある討論となりました。なんと、土曜日は6名で20分間に全28発言、少ない方で3回、多い方で6回の発言でした。日曜日は7名で20数分間に全33発言、少ない方で4回、多い方で5回の発言でした。ということは、優に1発言1分を切っているわけでして、長々しゃべる方がいないということです。これは本番ではあまりない現象ではないかと思っています。本番では、饒舌にしゃべる方が多少いると思われるからです。あんまり長く発言すると、自分でも何をいっているのかわからなくなります。ただ、まわりの方が長くしゃべるとそれにつられて自分も長くなってしまいます。するとどうしても参加者の発言回数が減ることになり、スピード感はなくなります。ぐっと控えて短くしゃべろうとすることが肝要です。

 討論は、形式面と内容面との双方で評価されると推測しています。両者を兼ね備えた討論上手になりましょう。

(2009年1月31日・2月1日)

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