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浩の教室・第6期 第35回(通算231回)勉強会の模様

 本日は、当サイト主宰勉強会に多数ご参加いただき、ありがとうございました。講師として働く中、シンドイのに鞭打って参加された方、お勤めでシンドイのに土曜を勉強会に当てておられる方、その努力が実りるよう祈念しています。本日も、盛りだくさんとなりました。久しぶりに集団討論を実施しましたが、いかがだったでしょうか。また、個人面接は??

 さて、プログラム通りに紹介してまいりましょう。最初に実施したのは、自己売り込みのツボでした。本日の担当者はMさんでした。大変緊張されている様子が伺える3分間のスピーチでした。準備にだいぶん時間を割かれたことでしょう。民間企業の経験をどういうようにいれるのか、あるいは全部削除するのか、また、4年間の講師の経験をどういうようにうまい具合に伝えるのか、課題が出てきました。800字から1000字ですが、しっかりまとめてください。みなさんからのコメントを生かして再考してくださいね。

 次に、集団面接でした。こちらは2グループの実施です。最初に小学校を主なメンバーとしたグループでした。みなさん、回答の仕方がうまくなってきましたものの、「的確な形式を整えた回答」、また、「ピンポイントでたずねられたことにピタッと回答している回答」をめざしてください。場面指導のうまい方、チャレンジしなかった方と分かれましたが、できるかぎり積極的にやってみてくださいね。演じきることが求められています。その場でも申し上げましたけれども、おそらく場面指導は大阪府の1次ではないでしょう。質問事項も5つまでと想定し、是非、そこまでの「勝負の決め方」を学んでください。中学校志望でこのグループに交じられていた方は、教科教育を常に念頭において回答するようにしてくださいね。

 次の中高のグループも、ニュースがかぶらないなど、個性豊かなご意見がお聞きできて戦力がアップしているなと感じておりました。まぁ若干、笑いを誘う応答もあったわけですけど、その辺をフォーマルな態度に改めて回答していくよう整えてください。話すべき、回答するべき内容を用意しないと、面接はクリアできませんから、常日頃、「良く出るかもしれない教採面接質問集」の各テーマについて文章化しておいてくださいね。

 個別の質問については教室でお答えした通りです。

 いや、今年もみなさん、うまくなってきました。期待できますよ。今年こそ、2次合格100%をめざしてがんばりましょう。

 そうした意味では、反省を迫られる個人面接でした。Nさん、もうちょっとがんばらんと。傍聴者からの厳しいコメントがあったと思われますよ。貴重な時間ですから、「他者にみてもらうに値する出し物」を準備しておかないと。一番大切な志望動機がいえないようでは困りものです。ここがしっかりしていないと、教員になってからの指導姿勢がぐらつくからです。

 集団討論ですが、いかがだったでしょうか。この模様は次の更新時に再現いたしますね。久しぶりではありましたが、なかなかちゃんとまとまっているように感ぜられました。もっと、問題提起的な発言があってもよかったかなとは思っています。

 それでは、集団討論の模様をお伝えします。テーマは「学力向上の方策について議論してください」でした。このテーマに、京都、奈良、兵庫をめざす方々7名が挑戦されました。時間は20分間です。久しぶりの討論で、なかなか最初の一言が出ずに苦しい状態の方もいらっしゃいましたけれども、今後も何度か実施いたしますのでがんばりましょう。

 最初に発言されたのは、Aさんでした。Aさんは、いつもうまく最近の教育行政の動きを説明し、討論の枕におかれます。勉強の成果が出ていますね。先日、全国学力テストが実施されたという話題からはじまり、確かな学力が求められていること、その教育的な潮流において学習指導要領が改訂されたことなど、流れるような説明であったと思います。そして、問題提起的に一体児童生徒の何を伸ばしたいのかと発言されました。それは、自ら考える力であるとつづけられまして、現在の児童生徒にあっては、自ら考える前にできる・できないを判断してしまう、ここが問題だと指摘されます。

 と、ここまでは大変よかったわけで、そのあと、何を伸ばすべきかに自答された中身にあとで「ものいい」がつきました。というのは、非常に優れて教育行政の流れについて述べられていたのに、いきなり学力面ではなく、鉄棒の話題になったからです。もちろん、逆上がりができる、できないは、体力という学力の問題ではあります。しかし、いささか教育行政の流れの説明と鉄棒の例示との落差があって、そこに問題点が見出されたわけです。まあ、ご愛嬌といたしましょう。なぜなら、自ら考える力は当然ながら、いま一番求められている学力にほかならず、この力の中身は一体なんだろうかという議論が、このあとつづいていったからです。

 こうしたAさんの発言を受けて、次の発言者Eさんは、勉強に対する意欲を持たせるよう指導することが教員に期待されていると述べられました。学習指導要領の述べるところの学力の3要素のひとつである学習意欲の育成は、微妙な問題をはらみつつも、求められる学力のひとつであることにまちがいありません。勉強しようとする能力を付けさせてやりたいというのは、すべての教員が持つべき教育者としての自負であってほしいものです。つづいてBさんは、児童生徒が自らテーマを設け発表する自主的な、また、活動的な学習活動が求められており、その結果身に付く動的な学力こそ、身に付けるべき学力であると述べられました。こちらも、学習指導要領では、体験活動の重視としてその推進が大いに期待されています。

 Dさんは、Eさんの提出された学習意欲を向上させるには、表現力を磨かなければならないと指摘し、自分の思いを伝えることがとても楽しいことであると自覚させるような指導をしていくと発言されました。この意欲の向上は、黒板ばかり使う授業ではなく、ICT的な教育、つまり情報機器を活用した教育を要請するとCさんは追加発言されました。授業に映像が入るとそれだけでも児童生徒は喜ぶものでありますし、イキイキしますし、授業への集中の度合いも格段になります。

 しかし、角度をかえて、忍耐力も学ぶには必要です。こうした発言をされたのがGさんでした。楽しい授業はホント楽しい一方で、忍耐強く1つのことに取り組む態度、これが勉強の本格的な楽しさを引き出すものでしょう。現在、学力が低下している原因は、たしかに、こうした粘り強く勉強する態度が低下しているところにあると分析できます。

 Fさんは、学習意欲と関わって、これを継続する力と捉えて議論を展開されました。国語の感じの学習であれば、これを毎日継続して、繰り返して読む、書くことが、漢字力をつけるでしょう。こうした継続は、Gさんの粘り強さに関連するご意見であり、「できる喜び」を想定すれば、達成感を得られる指導ということになります。

 継続は忍耐を必要とし、そこに楽しさが発見できれば、意欲が向上する。よい学習環境が生まれますね。


 Fさんの発言で、参加者1巡して、いわば「顔見世」が終わったといえるでしょう。ここから、どのように議論が展開していくのでしょうか。今回の集団討論では、様々なキーワードをめぐって議論が進行していったところに特色がありました。

 Fさんの発言に関連し、Dさんは、継続して学習を進めるには、実感が大切であり、外発的な動機付けとして、毎日のドリルワークに対し、できたら「ごほうびシール」を貼ると発言されました。Aさんは、継続して学習することの大切さを反復学習といいかえられ、10分間の「計算タイム」を設けると提案されました。Fさんからは、「ごほうびシール」に関連し、できたときにほめることが大切と付け加えられます。ほめて認めてやると、がんばろうとなるわけですね。このように具体的な例示をしながらご意見がまとまっていく、発展していくのは討論としてよい進行具合といえます。Bさんからは、ほめる指導は学習意欲を増進するほか、一人ひとりの学習状況を理解することが前提になっている、だから一人ひとりの学習状況に応じた指導が可能となるだろうと述べられます。また、実際に、ほめる指導を実践した例を提示され、それがよかったのか、ものすごくほめた児童生徒の成績が伸びたことを披露されました。

 Eさんもできた喜びを味わわせることが、次の学習に突き進む契機になるとの立場で、ほめる⇒やる気、というように学習意欲の増進にほめる指導が不可欠であることを強調されました。Dさんは、一人ひとりをよくみることというBさんのご意見に関連し、学習の達成度合いを自覚するため、スモールステップを設けて指導する方法論を述べられました。一斉授業をするにしても机間巡視をしてこのスモールステップをクリアしているかどうかを確認することが、児童生徒が果たして確実に理解しているかどうかの見極めとなるでしょうね。また、机間巡視の際に、個別に課題を与えることが集団の中における個々をみる教員的態度になるとDさんは考えておられるようでした。

 こうした個に応じた指導、そこから到達度の評価を保護者に伝えることも教員としての仕事のひとつでしょう。そう語られたのがAさんでした。学校の教育から家庭における教育へとつながりを求められているご意見です。保護者のサポートに期待し、学校の教育内容が確実化する家庭学習が期待されるわけですね。そのためには、Cさんのいわれるように宿題を課すことが学校に要請されます。宿題は学校と家庭とをつなぐものです。Cさんはさらに、毎日宿題を出すのが大切と発言されます。これは正しく、基礎基本の確実な定着のためには、学校における学習時間のみでは足らないですから。復習するということにもなります。また、宿題を出す意味は、学習姿勢の定着という意味もあります。机に児童生徒を縛り付けるというとなんですが、しかし、そうした意味が宿題を出す意図でもあります。そうした机に座ってものを考える習慣を宿題は児童生徒にもたらします。

 Fさんは、お家で保護者に勉強をみてもらうと同時に、友達と一緒に考える、班で考えるという学習の在り方を提示されました。理科の学習について具体例を挙げながらまとめられたFさんのご意見は説得力がありました。友達同士の学びあいはBさんも推奨するところで、社会科における少人数学習は効果が高いと指摘されます。調べ学習を少人数のグループで実施するということに一般化して捉えられますね。これをAさんは、金魚調べを題材に説明されました。金魚について考え、まとめ、発表するという、資料館に調べに行くことも含めた一連の作業は、動的な学習であり、イキイキした児童生徒の目がみえてくる発言内容でした。

 ここでCさんは、全体指導、一斉指導の効果を認めつつ、教員が教室全体を視野に入れた説明を短くし、「授業に巻き込む」ということを提起されました。教員が支援者の役割、クロコの役割を演じて、まさに主役としての児童生徒の学習をすすめたいというご意見であり、発表=アウトプットとして捉えられているご意見だったでしょうか。教員が児童生徒を巻き込んでいくには、Dさんがいわれたように、児童生徒の発達段階に応じて、わかりやすい言葉で伝えることが求められますね。


 つづいて発言されたのは、Gさんでした。Gさんは、今回の討論における1つのトピックとなっていた「児童生徒を巻き込む授業」に関連し、塾で勤めた経験に照らし合わせて発言されます。そこでは、学力が伸びていないなと感ずる児童生徒をどのようにして伸ばしていくかということが語られたのですが、これは、授業に巻き込まなければ解決できません。したがって、学校でも塾でも共通するのですけど、生徒理解のために多くの時間を費やしたと述べられました。通常の感覚では、塾で生徒理解をするというのもヘンな話でしょう。学力一辺倒なのが、おおよそ塾に期待される機能であると考えられるからです。最近の塾の在り方は、ちょっと変わってきているのか、それとも、以前からこうであったのか、わからないところです。しかし、たしかに塾であろうと、学校であろうと、個々の児童生徒の性格や個性をつかまないと児童生徒の困っている点、つまり理解が及んでいない点を発見できないでしょうね。Gさんの発言主旨は、こうしたところにありました。

 一方、Fさんは、小学校講師としての立場からのご意見の披露であり、小学校4年生における理科・金属の授業において実験をすることになっているのですが、ここで、通常の手順を踏んだ実験もよいが、児童の前でいきなり実験をして驚かせて興味を喚起するのもひとつの授業に児童を巻き込む手法ではないかと述べられたのです。Eさんのいわれた小学校英語におけるリズム遊びも児童を巻き込んでいく手法でしょう。

 さて、ここまでの議論をまとめてAさんがいわば討論に段落をつけられました。議論の進行過程を魅力的な授業の展開のためにどうすればいいか、ティームティーチングも考えられる、また、家庭においては、基本的生活習慣を定着させてもらい、集中力のアップに努めるよう家庭の教育機能に期待するとまとめられたわけです。ここで登場した「集中力」は学力向上において大切なポイントですね。これに対してFさんが、100m走や鬼ごっこでも集中することが大切であるといわれます。重要なのは、何をするにしても真剣ということが、集中力の向上につながってくると一般化して話すことができます。

 次に話題をふられたのは、Bさんでした。これまで出てこなかった方面に、言語活動の充実があると提起し、学力向上方策の一環に言語活動をどのように位置付けるか、また、具体的な言語活動充実方策について述べられました。Bさんは、社会科教諭をめざされており、その立場から、読書でも歴史小説を例に出されて「本を読むこと」の価値について発言されたわけです。結局、読書は個々人が体験できないことにも想像を掻き立てる作用をもたらすということでした。また、話す力を身に付けるには、リベートも方法として取り入れることを提唱されました。伝えたいことを伝える力の欠如を埋めるには、こうした方法を取り入れた授業は児童生徒を巻き込むことにもなりますね。この点、Cさんは、失敗するのが怖くて手を挙げず、発言機会を逃しているケースをどう打破するか、悩んでおられるようです。学校とは間違える場所である、ということを念頭にクラス作りをするのは賢明です。ただ、このようにいったとして、どれだけ児童生徒がそれを真正面から受け容れてくれるでしょうか。ここはほめる指導と絡めて説明するのがよいと思われます。やはり、間違いを児童生徒は恐れます。それは恥ずかしいことと認識されます。クラスのみんなの前で間違えたら恥ずかしいとの感覚は、ワタクシたちも持っていた感覚です。自己の経験からこれをどう解消したのか、それとも解消しないまま、ワタクシたちは大人になってしまったのでしょうか。さらには、小学校では低学年においては積極的な発言をしていたのに、自我が生まれ、他者感覚を持つにつれて積極性が思考の沈みに転回していくのは、悪いことなのでしょうか。このあたり、どうなんでしょう。

 しかし、Cさんが説明されていたように、また、Bさんのいわれるように、話す力を育成するのは学校の努めです。学校でこれを育成しないことにははじまりません。また、話す力は、論理的に話すと感情表現としての話すがありますね。このあたりの区分は理解されますが、言葉の力そのものは直ちにこの2つのどちらかの方面だけを伸ばすというわけにはまいりません。また、話す力とコミュニケーションとの関連性はどうでしょうか。倫理的な人間関係を前提としコミュニケーションを友人ととっていかなければ学校生活は成立しませんね。では、言葉と道徳の問題をワタクシたちはどのように学力向上のヒトコマとして語るべきなのでしょうか。と、このように、イロイロと考えるべき点が出てきます。

 もちろん、Aさんがいわれたように、話しやすい雰囲気作りは必要です。話そうとして固まってしまう子もいるでしょう。話すには、まず、聞く姿勢を整えることもいうまでもありません。Aさんがいうところの話の受け手側の体勢を整えることを、具体的にどうすればいいのでしょうか。そして、これがつまるところ学力向上にどのような点で有効なのでしょうか。ここをどなたかが語るべきでしょう。

 言語活動の充実は、聞く力の育成からスタートします。話すよりも聞くことが先ですね。Gさんのいわれるように聞く姿勢はなによりも学力向上に影響します。そうだとすれば、聞く姿勢をちゃんとするために机の配置というGさんの指摘も鋭いものといえますね。

 以上で、20分が過ぎ、議論は終了しました。今回は、討論中にキーワードが発生し、それを凝集点にベクトル化されたご意見が討論参加者から出されていたと評価できます。具体的な授業の説明場面もありましたし、教育行政的な背景説明もありました。久しぶりに討論をお聞きしたのですけど、基準点を越えているレベルにあったと思います。


 (さて、あすは、数学質問応答会を実施いたします。ご参加のみなさま、よろしくお願いします。あすは、数学の先生が数名、昨年合格の卒業生の方がお2人きてくださるようです(メールいただきました。お忙しい中、ありがとうございます)。みなさま、よろしくお願いします。昨日、数学質問応答会にご参加いただいた方々、4時間たっぷりお疲れさまでした。いかがでしたでしょうか。ワタクシは横からソロソロとみるだけでしたが、専門の先生がイロイロと教授されていて、なにがしか得られたところがあったと思います。数学質問応答会は、今回で終了です。新しい企画は、また来年度考えてまいります。ありがとうございました)。

 さあ、GWです。このあいだに、面接練習のまとめをしてください。と同時に、過去問の全国行脚をしてください。

 あと1次までは、3ヶ月、燃焼しましょう。

(2009年4月25日)

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