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浩の教室・第6期 第36回(通算232回)勉強会の模様

 昨日は、当サイト主宰勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。新しくご参加いただいた方、いかがだったでしょうか。今後もよろしくお願いします。

 さて、当日ですが、「自己売り込みのツボ」をIさんとIさん、奇しくも同じ頭文字ですが、お2人の方に報告いただきました。ちょっと厳しいコメントもいたしましたが、自分の個性を文面に反映させるべくがんばってほしいものです。最初のIさんは、内容的には語るに値するものでありますが、その「みせ方」に課題があるようです。語るべき順番ですね。これについては、自分の人生の歩みに応じて時系列に沿ってまとめるのがよいようです。また、Iさんは、ちょっと他の受験生との差別化が苦しい内容となっています。一般論的に書かれているので、特色がみえず、厳しくいえば「のっぺらぼう」になっています。当日申し上げたIさんご自身の専門性をしっかり書き込むことが要求されます。是非、やり直してくださいね。

 次に集団面接を2グループ実施しました。小学校志望グループと中高志望グループです。みなさん、ずいぶんうまくなりました。場面指導的質問にも積極的に手が挙がりました。個別にはポイントを言及いたしましたのでここでは書きませんが、新しくご参加いただいた方も、面接参加者となるなど意欲的でした。社会人経験者の言葉遣いには学ぶべき点があります。マネるというとヘンですけど、いいところはドシドシ自分のものにしましょう。

 そして、集団討論を実施いたしました。この模様については、次回以降といたします。少々時間が短かったにもかかわらず、ご意見が多数出て、いい感じでした。

 今回、時間があれば個人面接も実施したかったのですけど、もう、アップアップの時間で残念です。今後、集団面接を1グループにし、個人面接を数名するなど工夫して運営してまいりますね。


 それでは、集団討論を再現していきましょう。今回のテーマは、「図書館の活用方法と学習との関連について」でした。このテーマに、6名の方に15分間で討論していただきました。今回は、勉強会のタイムテーブルの関係上、15分となってしまいました。仮にA〜Fさんとして、その論旨を追っていきましょう。

 最初に挙手され先陣を切られたのは、Eさんでした。Eさんは、学習指導要領に図書館の活用について記載されていることを紹介されまして、言語活動の充実と推進のために図書館活用は欠かせないことを確認されました。そして、テーマを読み上げられました。小1の担任をされているEさんは、図書館に慣れ親しませるために校内探検の一環として図書館へ引率するほか、絵本の読み聞かせを実施しているとのこと。Eさんの教育的な意図は、読み聞かせをすることによって、日本語の響きを味わうところにあると述べられました。つづいてBさんは、テーマの「学習との関連」との語句にスポットをあて、歴史関係の本を紹介することについて述べられました。そこでは、教科書に載っていないこともあるのであって、こうした本ををBさんは「ネタ満載」だから「これみてみなさい」というように奨めると発言されます。Aさんは、読むことは思考力、判断力、表現力の基本ベースであるとまず位置付けられます。小2の担任のAさんは、図書の時間に本の借り方を指導し、「本を好きになる」よう指導すると発言されました。学校ボランティアとして活躍中のCさんは、机の中に必ず本を入れておく指導ということを披露されました。本と親しむにはいい作戦ですね。また、朝の読書活動にも触れられて、読書マラソンを試みる案を提出されました。本を読むことによって、イイタイコトを相手に伝える能力も持つことができると付け加えられました。

 つづいてFさんは、Eさんのいわれた読み聞かせを私も実施したいと語りつつ、教員としての自分自身が楽しそうな本を選定し揃えておくこと大切であるといわれます。Dさんは、司書教諭とタイアップして、読み聞かせを充実させることができるとプラニングを話されました。また、司書教諭が、国語で扱っている原典を準備していることを紹介してくださいました。Aさんは、高学年になれば図書の時間がとれないこともあるといわれて、その場合には読書活動を充実するため総合学習の時間を使うのはどうかと提案されます。

 総合学習といえば調べ学習がメインになることが多いですけど、Eさんは、Aさんの議論を引き継ぎ、社会科における外国についての単元で、「一人一国」調べを図書館で指導すると計画を話されました。このとき、Eさん曰く、インターネットで調べるとクリックすれば一発で出てくるが、図書館で本を1ページ1ページめくって調べる行為そのものが大切なんじゃないかと指摘されました。そうした苦労をすることが、後々に調査能力として身に付くことになりますね。この調べ学習に関連し、地歴専攻のBさんは、歴史上の人物の研究、事件の研究をするにあたってグループで調べさせるのもいいと提案。その際に図書館を活用するわけです。調べたことを報告・発表するためには、プレゼンテーションの能力も必要となりますし、おのずとこうした経験がプレゼン能力を高めていくことになりますね。Cさんの次のご意見は新しいもののように映りました。係活動で困っている場合も図書館の活用で乗り切らせたいとのことです。どういうことかといえば、生き物係を担当している児童に、その生き物、これはカエルでもカメでもなんでもいいのですが、飼育の仕方がわからないときを想定されての指導です。なるほどと思いました。つまり、Dさんがいわれたように、何でも自ら調べてみるクセをつけることが大切なんですね。漢字でも、自分で辞書を使って調べれば、忘れないものです。

 つづいて発言されたのは、Aさんでした。Aさんは、図書館の活用方法に関連し、司書教諭に中心に立ってもらって図書委員会を設立する提案をされます。そこでは、多様な活動が期待されますが、新しい図書の紹介について説明されました。そして、こうした試みを特別活動の時間とリンクさせることが効果的であると指摘されます。新しい図書の紹介という点からCさんは、教員が読みたい本、読むべき本を提案する選書会を設けるのはどうかとご意見されました。学校購入図書の選定ということにつながります。Bさんも、こうした図書委員会や選書会について賛成され、児童生徒、教員の要望をとりいれて選定することに同意されます。また、最近では児童生徒が好ましくない言葉を使うケースもあることを指摘され、興味を持った作家であればその作家の本はよく読むという生徒の傾向をBさんは紹介し、その点からも、選書会の意義はあると述べられました。

 こうしたご意見をEさんは、教員の推奨と生徒リサーチというようにコンパクトに表現されました。そのためには図書館の本の種類や位置の把握が教員に要求されます。また、討論前半の議論の結び付けられて、絵本の購入の際のリサーチについて述べられました。Aさんは、図書館については小2で学習するけれども、そこで公共図書館について学ぶので、実際言ってみるのはどうかと提案されました。さらにAさんは、公共図書館の使い方を習得させる一方、そこでの活動としてストーリーテリングを行なって地域と連携し、これを生涯学習的に継続できないかと広い視野からのご意見を述べられました。これはテーマと少し離れますけれども、評価の高いポイントであったとワタクシは受けとめておりました。実際、こうしたご意見をいうのは判断がむつかしいのですよね。というのは、テーマは図書館と学習との関連だし、そうであれば、学校図書館の活用をメインの議論にしなければなりません。とりわけ、授業と図書館、児童生徒個々人あるいはグループと学校の図書館との関連性を中心にしなければなりません。だから、公共図書館のことをいうのは、勇気がいるものです。ひいては学社融合や生涯学習のことを述べるのは、ひょっとすればいい過ぎかも、と思ってしまうものです。半歩踏み込むのはいいだろうが、3歩も前に行くとダメかもと思ってしまうものなのです。実際、このまま議論が公共図書館の話題一辺倒になってしまうとちょっと問題なのですけど、触れるべき臨界点ですし、別のドアを開いてしまうような結果にならないかぎりにおいて、有効なご意見だと判断できます。

 このAさんのご意見につづいて、図書館を間においた地域とのコミュニケーションという話題がBさんからも出されましたし、Cさんからは、図書室は小さい場合もあるので小学校低学年から公共図書館に連れて行くことは有効、また、公共図書が私たちの財産であることを自覚させるとのご意見も出ました。さあ、これらのご意見が、別のドアを開いたことになるのかどうか。それとも自然な流れに沿ったものであるのか。討論は一定の流れがありますから、それに棹差すとマズイし、どうしよう、といった気持ちが参加者の心の中に、あるいは生まれていたかもしれませんね。Dさんは、地域の話しが出て、そこから家庭の団欒としての読書ということを話題化し、自然に、制度的問題ではなく、「保護者も児童生徒がどんなことに興味があるのかなということを図書を通して知ることができる」と教育のシーンに引き寄せる発言をされました。Fさんは、学級活動として地域の公共図書館に行くというご意見、交流の場としての公共図書館ということを述べられました。

 さあどうでしょう、ここまですすんでしまうと、上の「テーマは図書館と学習との関連だし、そうであれば、学校図書館の活用をメインの議論にしなければなりません。とりわけ、授業と図書館、児童生徒個々人あるいはグループと学校の図書館との関連性を中心にしなければなりません」との問題意識からすれば、離れていってしまっているように受けとめられますでしょうか。

 ここでAさんは、読書指導には学校格差があることを指摘するご意見を述べられ、ある団体の調査によれば、30パーセント保護者しか、児童生徒に読み聞かせをしていないという実態を報告されました。そして、最後に、Eさんが、本を揃えるには、予算が要る、学校図書館に公共の図書を配本するとよいとの上で述べた学社融合の問題を提起される一方、社会科の授業を図書館で実施することについて話され、議論が終了しました。

 さて、問題は、やはり、討論の流れを尊重するか、その流れが違う方向に延びていったときに修正するような意見をいうべきか、ということになるでしょう。テーマは絶対です。テーマからズレた議論は評価されません。しかし、だからといって直球勝負ばかりでは、討論の内容が枯渇してしまって、場合によっては、「私は図書館を活用して、こんな授業をしました」の発表会に陥ってしまいます。だから、公立図書館に関するご意見をつなげ、変化球を多投すると、ファーボールの連発という結果を招いてしまうかもしれません。

 ここの判断をうまくできるグループになってください。といっても、実際は、当日はじめて会う面々ですから、そうした共通認識を持つことがむつかしい。ある程度、リードする能力のある受験生が、面接官の求めているポイントを見抜き、いわば修正的なご意見をかぶせていって、難局を乗り切るほかないのかもしれません。

 今回の集団討論に登場した議論内容は、どれも重要な事項です。その点では、評価が高いです。80点近く差し上げていいと思っています。今回、学ぶべきことは、「流れの把握」および「流れの支配」ということでしょう。

(2009年5月10日)

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