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浩の教室・第11期 第23回(通算615回)勉強会の模様

 本日、当サイト主宰勉強会にご参加いただいたみなさま、オツカレさまでした。新しくご参加いただいた方の中には、兄弟姉妹で受講された方もいらっしゃいます。今後もよろしくお願いいたします。

 さて、ようやく和歌山の問題の解答解説です。本日は問題bP,2,3,4を検討いたしました。まずは、1番。教育基本法第9条第1項の虫食い穴埋め問題でした。「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」ですね。選択肢が用意されているので間違いのようのない問題です。それゆえ、簡単すぎておもしろくないので、bRと関わりますけれども、「法律に定める学校」とはいくつあるのか、どこで定められているのかについて、答えていただきました。もちろんその規定は学校教育法第1条に載っている学校群です。「この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする」ですね、つまり1条校は8種類あるわけです。次に、「崇高な使命」についてうかがいました。「崇高」の意味がわからないとの受講生がいましたので、辞書を参照しておきましょう。「けだかく尊いこと。また、そのさま」となっています。したがって、尊い使命がわれわれにはある、ということ、そしてそれが何かということをたずねたわけですが、「人格形成」を応答された方、それを自分の希望校種に応じて味付けされて応答された方と、イロイロでした。「崇高な使命」を自分の言葉で表現できるようにしておいてください。けっこうこうした訓練が役に立ちます。

 「研究と修養」は、縮めて「研修」になるのはいうまでもないところですね。ただ、では、どんな研修がありますか、とたずねてみました。初任者研修や10年経験者研修がでました。そこで、条件附き採用期間はどのくらいですかとたたみかけ、当然それは1年間なのですけど、では、養護教諭の条件附期間はどのくらいなのか、これは、養護教諭志望の方にお聞きしました。さすがに6月とすぐに答えられました。

次の問題も教育基本法からの出題でした。しかし、ちょっと趣向を凝らした出題方式で、教育基本法の条文に該当しないものを選ばせています。その際、内容的にまちがった条文を誤りの選択肢として紛れ込ませているのであれば簡単なのですが、旧教育基本法の第5条を誤りの選択肢として紛れ込ませているので、正しい選択肢を選ぶのが困難になっています。

 男女共学を規定した旧教育基本法は、「男女は、互いに敬重し、協力しあわなければならないものであって、教育上男女の共学は、認められなければならない」というものです。一読して内容的におかしくないのですが、そもそもこの条文自体が平成18年の教育基本法「改正」時に削除されたのでした。残りの4つから推して、男女共学のこの条文を選ぶほかないでしょう。なお、当日解説を忘れたのですが、選択肢5は正しく、この第17条第1項に基づいて「教育振興基本計画」が作られるわけです。

 bRの問題は、昨日書いた1条校を選ばせる問題です。専修学校が学校教育法第1条において規定されていない学校です。これは、学校教育法第124条。

 「第一条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。
 一  修業年限が一年以上であること。
 二  授業時数が文部科学大臣の定める授業時数以上であること。
 三  教育を受ける者が常時四十人以上であること」。


 和歌山の問題の解答解説がつづいています。次のbSは、教育基本法につづいて教育公務員特例法の正誤問題です。多少、難しいかと思われます。問題は、国家公務員法の適用のところです。簡単に正誤を見抜ける地方公務員法をベースとして作成された誤りの選択肢ならよいのですが、条文の理解を深めないと勉強したことにはなりませんね。

 教育公務員特例法は、公務員の中でも教員にだけ特例的に権利を与えかつ場合によっては遵守を求める法律です。ですので、条文における主体ないし主語は「教育公務員」になります。ここが単に「職員」となっていれば教育公務員特例法の条文ではほとんどないと判断していいでしょう。そうした意味で誤りの選択肢を作成したのが、bSの問題の選択肢Aです。

 Aの条文は地方公務員法の第38条を活用しもじったものです。もともと第38条は、営利企業への従事の制限を規定している条文であり、その意味では内容的にまちがいではありません。そこでは、「職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない」と規定されています。限定表現の文章内における位置が違うこと、主語が違うことを読み取ればいいでしょう。

 つまり、すぐわかるように、主語が「職員」になっていますね。この条文を読めば、「〜許可を受けなければ、〜ならない」となっていることから、その裏返しで許可を得れば従事できるということになります。

 なお、教育公務員法第17条では、次のように規定されています。( )の内は省略します。こちらは兼職についての規定といえますね。「教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる」。こちらも任命権者次第で教育に関する他職の兼業、事業従事ができると述べられています。先生方がお礼をもらって、または無償で講演を引き受けることができるのは、この条文によります。

 地方公務員法が従事制限というように控えめに規定しているのに対し、兼職のケースが多いと考えられる教育公務員では、一層踏み込んで規定していると捉えることもできるでしょう。

 次の選択肢のBは、第18条を基にして作成されている誤った文章です。正しくは、「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、当分の間、地方公務員法第三十六条の規定にかかわらず、国家公務員の例による」です。誤っている箇所は一目瞭然、「宗教的行為」ではなく、「政治的行為」ですね。問題は、この条文がどのようなことを意味しているかということになります。ですので、ちょっと長いのですが、地方公務員法第36条を参照してみましょう。

 「職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。
 2 職員は、特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない。ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第二百五十二条の十九第一項 の指定都市の区に勤務する者であるときは、当該支庁若しくは地方事務所又は区の所管区域)外において、第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。
 一 公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。
 二 署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。
 三 寄附金その他の金品の募集に関与すること。
 四 文書又は図画を地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎(特定地方独立行政法人にあつては、事務所。以下この号において同じ。)、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。
 五 前各号に定めるものを除く外、条例で定める政治的行為
 3 何人も前二項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め、職員をそそのかし、若しくはあおつてはならず、又は職員が前二項に規定する政治的行為をなし、若しくはなさないことに対する代償若しくは報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益若しくは不利益を与え、与えようと企て、若しくは約束してはならない。
 4 職員は、前項に規定する違法な行為に応じなかつたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。
 5 本条の規定は、職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政及び特定地方独立行政法人の業務の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とするものであるという趣旨において解釈され、及び運用されなければならない」。

 この規定をみますと、「ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域外において、第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる」とあって、することのできる政治的行為があるわけです。所属の地方公共団体の区域外ということですから、大阪府の教員なら、大阪府以外で、つまり、奈良県や和歌山県では、政治的行為の一、二、三、五ができるわけですね。だから、勧誘運動や署名運動、寄付金募集が可能となるわけです。とすれば、教員の政治活動がほとんど可能なわけでして、これではまずいと判断した当局が、「地方公務員法では教員はしばれない、だから、ちょっとの間、国家公務員法を適用しよう」と教育公務員特例法に盛り込んだわけです。

 とすると、「国家公務員の例による」とは、どういうことでしょうか。すると同法102条が参照されなければならないでしょう。そこでは、「職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。
2 職員は、公選による公職の候補者となることができない。
3 職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない」。とあります。

 これに「よる」というわけですから、教育公務員は政治的行為が「制限」されているというよりも「禁止」されているというに等しいでしょう。文中の「人事院規則」ですが、全部を引用することはできません。この問題に限って挙げておけば、以下のようです。
 「法第百二条第一項の規定する政治的行為とは、次に掲げるものをいう。
 一 政治的目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること。
 二 政治的目的のために寄附金その他の利益を提供し又は提供せずその他政治的目的をもつなんらかの行為をなし又はなさないことに対する代償又は報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益を得若しくは得ようと企て又は得させようとすることあるいは不利益を与え、与えようと企て又は与えようとおびやかすこと。
 三 政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を求め若しくは受領し又はなんらの方法をもつてするを問わずこれらの行為に関与すること。
 四 政治的目的をもつて、前号に定める金品を国家公務員に与え又は支払うこと。
 五 政党その他の政治的団体の結成を企画し、結成に参与し若しくはこれらの行為を援助し又はそれらの団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となること。
 六 特定の政党その他の政治的団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすること。
 七 政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること。
 八 政治的目的をもつて、第五項第一号に定める選挙、同項第二号に定める国民審査の投票又は同項第八号に定める解散若しくは解職の投票において、投票するように又はしないように勧誘運動をすること。
 九 政治的目的のために署名運動を企画し、主宰し又は指導しその他これに積極的に参与すること。
 十 政治的目的をもつて、多数の人の行進その他の示威運動を企画し、組織し若しくは指導し又はこれらの行為を援助すること。
 十四 政治的目的を有する演劇を演出し若しくは主宰し又はこれらの行為を援助すること。
 十五 政治的目的をもつて、政治上の主義主張又は政党その他の政治的団体の表示に用いられる旗、腕章、記章、えり章、服飾その他これらに類するものを製作し又は配布すること。
 十六 政治的目的をもつて、勤務時間中において、前号に掲げるものを着用し又は表示すること」。
 やや細かくなりましたが、将来教員になったときに関わることですので、「ああそうなんだ」くらいでいまはいいですから、記憶にとどめてくださいね。

(2014年2月23日)

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