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浩の教室・第11期 第21回(通算613回)勉強会の模様

 本日当サイト主宰勉強会にご参加いただいたみなさま、オツカレさまでした。インフルエンザでご参加できなかった方もいらっしゃいましたが、ダイジョウブでしょうか。これから流行が本格化します。ワタシも気をつけますね。

 さて、本日も、奈良の問題の解答解説からスタート。まずは心理学の問題でした。カール・ロジャースに的を絞った問題で、ちょっと難しいです。誤りの選択肢として、精神分析療法と行動療法を紛れ込ませています。ロジャースについては、クライエント中心療法であることはよく知られていますし、共感的理解と無条件の肯定、受容的態度も彼の代名詞としてご存知の方も多いでしょう。

 つづいては、人権教育の問題でした。「人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ]」を素材とした問題ですが、ちょっと作りが雑ですね。というのは、選択肢のウやエに出てくる「基本計画」とはどのようなものであるのか、明示するべきであるのにも関らず、この問題では資料の一部分をそのまま引用している関係で、なんら説明がないからです。いうまでもなく、この「基本計画」とは、平成14年3月に閣議決定された「人権教育・啓発に関する基本計画」です。この計画は最重要資料です。大阪はいうまでもなく、どの自治体でも繰り返し登場していますし、現に、この奈良の問題でも、次に出てきます。

 そうした意味で雑ではありますが、内容的には大切なことが書かれています。ただ、問題としては相当難しいです。語句の誤りを見抜けるかどうかなのですが、イの「人権文化」を想起させるのは、、かなりつっこんで勉強されている方でないと正答できないでしょう。しかし、ヒントとして、「共生社会」という言葉が特別支援の領域でよく使われる言葉であることから、不自然さを感じ取っていただければ、なんとかなる、というところでしょうか。

 エの「自尊感情」が誤りであるのも、文脈からしてわかるところなのですけど、さらっと読んでしまうと、発見できないですね。正しくは、「人権感覚が十分身についていないなど指導方法の問題」があるとなりますね。

 アとウ、エは、同とりまとめの「はじめに」の部分から引用されています。イだけが引用場所が異なり、「第U章 学校における人権教育の指導方法等の改善・充実」の「3 家庭・地域、関係機関との連携及び校種間の連携」からであり、その冒頭部分です。

 2月8日の勉強会において最後に解説した問題の資料は、平成14年閣議決定された「人権教育・啓発に関する基本計画」でした。この有名な資料は、21世紀の人権教育のバイブルといっていいものです。なかでも、各人権課題についての詳細な規定のところがよく出題されました。

 この問題では各人権課題に関する出題ではなく、人権に関する理念的な理解を問う問題となっていました。
 「人権とは、人間の尊厳に基づいて各人が持っている固有の権利であり、社会を構成するすべての人々が個人としての生存と自由を確保し、社会において幸福な生活を営むために欠かすことのできない権利である。
 すべての人々が人権を享有し、平和で豊かな社会を実現するためには、人権が国民相互の間において共に尊重されることが必要であるが、そのためには、各人の人権が調和的に行使されること、すなわち、『人権の共存』が達成されることが重要である。そして、人権が共存する人権尊重社会を実現するためには、すべての個人が、相互に人権の意義及びその尊重と共存の重要性について、理性及び感性の両面から理解を深めるとともに、自分の権利の行使に伴う責任を自覚し、自分の人権と同様に他人の人権をも尊重することが求められる」。

 この文章は同資料の「第3章、人権教育・啓発の基本的在り方」の「1.人権尊重の理念」から採用されています。内容的にはさぼど難しくありませんが、個人の権利が衝突したときにどうすべきかといった私人間における権利の関係性の問題解決を人権の理念の下でどう考えていくべきか示されています。太文字のところの正誤をたずねる問題でした。

 さて次に、自己売り込みのツボでした。今回は2人の方にがんばっていただきました。UさんとKさんです。Uさんは、大学生らしい内容、Kさんは講師の経験を積んでおられる方で、非常にすばらしい経験をお持ちの方です。詳細は個人情報になりますので避けますね。大学生のUさんには、力強さを期待し、講師のKさんには、出し惜しみせずもっと自己経験のよいところを表現することを望みます。

 最後は集団面接でした。6名の方が25分程度で挑戦してくださいました。質問事項は「いい残したこと」を含めて5つでした。教育的なニュースであれ、現場のことであれ、教育について気にかかっていることを教えてください、自分で自分を分析して、自分が教員に向いているところを教えてください、先輩から指導方法が間違っているといわれたときどのように対応するか、配属された4月、はじめてのクラスでどんな挨拶をしますか、できるかたは手を挙げてやってください、でした。

 だいぶん受け答えがうまくなっている方と、まだまだぜんぜんダメな方と、混合状態といえるでしょう。自分のイイタイコトを的確に伝える力、「えーと」といった口癖をなくし、すっきり応答できる力など、まだまだやらなければならないことがありそうです。がんばってください。

 奈良の問題の最後の解説は、「児童の権利条約」の問題でした。同条約は、1989年11月に国連総会で採択され、1990年9月に発効しました。日本では、その4年後の1994年5月に効力が発生しました。アの選択肢にあるように、18歳未満を「児童」と規定しているところが肝です。そのほかの選択肢は難問です。

 「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする」(第3条第1項)。

 「締約国は、すべての児童が生命に対する固有の権利を有することを認める」(第6条第1項)。

 「児童は、出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する」(第7条第1項)。

 「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする」(第12条第1項)。

 ここで太字にしたところがたずねられているわけですが、「氏名」のところなどは、難解ですね。「児童は、出生の後直ちに登録される」の記述から連想できるかどうかです。

 週末の勉強会では、ここまでの解説をいたしました。ようやく16日に奈良の問題は終了できそうです。したがって、23日からは、和歌山の教職教養の問題の解答解説に移ります。

(2014年2月8日)

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