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浩の教室・第11期 第26回(通算618回)勉強会の模様

 3月21日、連休の初日に開いた勉強会も、満席でした。ありがとうございました。この日も、いつもと同じメニューでした。まずは、和歌山の問題の解答解説。昨年文部科学省から出された「通知」である「体罰の禁止及び児童生徒の理解に基づく指導の徹底について」に取材された問題です。体罰関連の問題といえば、通常、法規的な「処理」、つまり学校教育法第11条をたずねるのが一般ですけれども、今回の和歌山では、体罰に関する理念的なところから資料を抜き出していました。国語力を試すような問題でした。出題の文章はこの通知の「1 体罰の禁止及び懲戒について」からであり、「体罰により正常な倫理観を養うことはできず、むしろ児童生徒に力による解決への志向を助長させ、いじめや暴力行為などの連鎖を生む恐れがある。もとより教員等は 指導に当たり、児童生徒一人一人をよく理解し、適切な信頼関係を築くことが重要であり、このために日頃から自らの指導の在り方を見直し、指導力の向上に取り組むことが必要である。懲戒が必要と認める状況においても、決して体罰によることなく、児童生徒の規範意識や社会性の育成を図るよう、適切に懲戒を行い、粘り強く指導することが必要である」が該当箇所です。

 以下、懲戒について説明が加えられています。参考にみておきましょう。「ここでいう懲戒とは、学校教育法施行規則に定める退学(公立義務教育諸学校に在籍する学齢児童生徒を除く。)、停学(義務教育諸学校に在籍する学齢児童生徒を除く。)、訓告のほか、児童生徒に肉体的苦痛を与えるものでない限り、通常、懲戒権の範囲内と判断されると考えられる行為として、注意、叱責、居残り、別室指導、起立、宿題、清掃、学校当番の割当て、文書指導などがある」。

 つづいての問題は、キャリア教育関連です。昨年3月に「キャリア教育・進路指導に関する総合的実態調査 第一次報告書」が、TIMSS調査結果を公表したところと同じく国立教育政策研究所から出されました。同研究所の「生徒指導・進路指導研究センター」の報告です。

 この資料は概略版を備えており、内容を確認するのに重宝します。また、全文にも同様に掲載している全体の見取り図的な説明書きがあります。これは、小学校と中学校とに分けて内容をまとめています。これらを順に示します。まず、小学校。
「・約8割の学校がキャリア教育担当者を配置しており、小学校においてもキャリア教育推進への対応が進みつつある。しかし、担当者の多くが他の担当との兼任であること、担当者が一人のみの割合が高いこと等の課題もある。
キャリア教育の全体計画の作成は6割、年間指導計画の作成は5割程度の学校にとどまっている。児童の発達の段階に応じた系統的なキャリア教育の実践のため、指導計画の作成を推進す
る必要がある。
年間指導計画に「キャリア・カウンセリングが含まれている」割合は極めて低く1 割を下回る。キャリア・カウンセリングは、単に卒業直後の進路決定のための相談ではなく、児童のキャリア発達を促す上で欠かせない個別支援であることを認識する必要がある。
・「基礎的・汎用的能力」に関する教員の理解が不十分であり、キャリア教育に関する校内研修に参加したことがない教員も6割を超えている。学校全体での系統的なキャリア教育の実践に向け、キャリア教育の理解を共有するため、研修機会の拡充を図る必要がある。
児童の多くは、『友だちの考えや気持ちを考えながら話を聞こうとする』など『人間関係形成能力』にかかわる事柄について日常的に留意しつつ生活しているが、『キャリアプランニング能力』や『課題対応能力』にかかわる事柄について留意して生活している児童は少ない
・9割以上の保護者は小学校で職業や仕事について学習することを有意義だと捉えている。
・キャリア教育の新たな課題ともいえる『自己管理能力』、『課題対応能力』を向上させる上で、職業に関する学習やキャリア・カウンセリングの充実が効果を発揮する」。となっています。

 一方、中学校はどうでしょうか。
「・キャリア教育の全体計画・年間指導計画とも、約8割の学校で作成されており、計画的な実践の定着が進んでいる。
ほぼ全ての学校にキャリア教育の担当者が配置されているが、在任期間は1年目が4割を占め、第3学年の学級担任等との兼任も約4割に及んでいる。卒業学年に焦点を当てた組織体制である可能性があり、中学校3年間の継続性や系統性の確保の面から改善が望まれる。
・キャリア教育に関する校内研修に『参加したことがない』担任は約5割に及んでいる。教育活動全体を通じた系統的なキャリア教育の実践のため、研修への参加により、すべての担任の理解を深めることが課題である。
・職場体験活動はほとんどの学校で実施されており、第2学年での実施率が89.5%と最も高い。また、約9割の卒業者が『有意義だった』と評価している。その一方で、多くの生徒や卒業者が将来の生き方や進路を考える上で日々の授業が役立つと回答していることを踏まえると、職場体験活動にとどまらず、教育活動全体を通じたキャリア教育の充実を図る必要がある。
・保護者の期待は進学支援に限定されてはおらず、生徒の社会的・職業的自立を目指した多様なキャリア教育を望んでいる。保護者の幅広い期待に応える実践の充実が求められる。
キャリア教育の全般的な充実、職場体験活動の日数の増加は、ともに生徒の学習意欲を向上させる可能性があり、キャリア教育の一層の拡充が期待される」。
 上の資料の中でエンファサイズしたところが、解答と直接するところです。照らし合わせてみてください。


 次の問題は、「和歌山県人権教育基本方針」からの出題です。しかし、内容的にはどこの自治体においても通用するものでしょう。平成17年に策定されています。その説明には、次のようにあります。

 「人権を尊重する社会づくりに向けて、同和問題解決への取組がその先導的な役割を果たしてきました。教育の面においては、和歌山県同和教育基本方針に基づき、『部落差別を取り除く人間』の育成を目的に、部落差別とそれを支えている様々の不合理な問題についての学習をとおして、同和問題解決への自覚を深めるとともに、自分や他人の人権を尊重しようとする意識や態度をはぐくむなど、多くの面で成果をあげてきました。

 しかしながら、残念なことに、今なお、女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、感染症(ハンセン病、HIV等)・難病患者などをめぐる差別や虐待などの人権侵害が存在しています。また、国際化、情報化、少子高齢化など、社会の急激な変化に伴い、人権に関する新たな課題も生じています。加えて、お互いの生命と生活を守るためには、自然との共生も視野に入れて考えることが大切です」。

 ここから、平成14年政府策定の「人権教育啓発に関する基本計画」と内容的に軌を一にしていることがわかります。文中にありますように、「和歌山県同和教育方針」から、「和歌山県人権教育方針」へと、もっといえば、「同和」問題解決ないし集中から、「人権」問題の解決ないし幅広い解決へと転換したといえるでしょう。こうした立場に立ち、和歌山県は、「人権尊重の理念に対する理解を深め、これを体得することを目指した教育を行うことが、生涯にわたるすべての教育活動の根幹をなすものであるとの認識に立ち、日本国憲法及び教育基本法並びに国際人権規約、児童の権利に関する条約等の精神にのっとり、同和教育の成果を生かし、人権が尊重される社会を築く人間を育成するため、以下の方針に基づき人権教育を推進」することを宣言したわけです。

 問題は、その目的規定からです。以下のように述べられています。
(目的)
1 すべての人の尊厳が守られ、自己実現が図られるよう、人権及び人権問題について理解を深め、人権が尊重される社会を築くための力を身につける。
(1)自分自身が価値ある大切な存在であるという感情を養うとともに、公正や公平を重んじ、他の人と共によりよく生きようとする態度をはぐくむ。
(2)人権の意義・内容やその重要性について、理性及び感性の両面から理解を深めるとともに、自らの権利の行使とそれに伴う責任を自覚し、具体的な人権課題について学習することをとおして、人権問題の解決に取り組もうとする態度をはぐくむ。
(3)多様な文化や個人の価値観等を尊重し、伝え合い分かり合うためのコミュニケーションの能力を高め、社会に参加する中で、多くの人と合意を形成し、問題の解決に取り組むための能力を身につける。
 太文字にしているところが、虫食いになっています。

 3月21日は、ここまでで問題の解答解説を終了し、自己売り込みのツボと集団面接の練習に移りました。

 3分間で自分を教育委員会に売り込む「自己売り込みのツボ」は、毎週担当者を決め、報告していただきます。今回も2名の方の報告をお聞きしました。

 集団面接は、最近の動向を踏まえ、大阪府の場合でいいますと、教職教養についてどれだけ知っているかといったことにはそれほど焦点を据えず、志望動機と受験生の人間的なところを探る質問を用意して実践的に練習しています。志望動機も細かく3つに分け、教員志望動機、教科志望動機、自治体志望動機というように、どこから聞かれても困らないように準備します。ただまあ、志望動機は質問としては定番的なものであって、誰しもが考えてきていることであり、勉強会では当然応答できるものとして捉えています。ですので、もっと上を目指した志望動機を構築することを意識して行っています。

(2014年3月21日)

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