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浩の教室・第14期 第20回(通算782回)勉強会の模様

 如月も2/3を消化しました。はやいものです。2月と3月はカレンダーが一緒なので、来月が想像しやすいですね。日にちと曜日が変わらないから、来月のきょうは、これをやってるなとわかるわけです。

 さて、週末の勉強会にご参加のみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。新しくご参加の方も数名いらっしゃいました。そうしたはじめて参加の方の要望にも応答できた時間であったことを祈るばかりです。

 当日は、いつものように教職教養の問題解説を1問と、自己売り込みのツボ、そして集団討論と個人面接となりました。どうやら今後も集団討論はできそうですね。集団討論につきましては当サイトにて文字起こしし、まとめるようにしています。参加者はもちろんのことながら、サイトのみ閲覧の方でも勉強になるかもしれないと思う気持ちから作業していますので、どうぞご利用ください。

 講義に入る前に、アクティブラーニングから「能動的、対話的な深い学び」への表現の移行についてひとしきりみなさんに情報提供しました。そのことと関わらせながら、問題の導入部分をお話し、総合的な学習の時間に関する学習指導要領の配慮事項などについて解説を進めてまいりました。

 つづいて自己売り込みのツボです。これは、3分間で自分自身を教育委員会に売り込む文面を作成してきて参加者の前で報告するというコーナーです。今回はKさんの挑戦でした。前回の原稿を反省し、よいものを持参されたと思います。そうした文面であってもまだまだ課題がでてきましたね。みなさんからいただいた指摘のポイントをさらに考え直して、今後の面接における主張に生かしてください。

 それでは、集団討論の模様を再現してみましょう。今回のテーマは、「教員に必要な資質はいろいろありますが、みなさんの方でたくさん出していただいて、ベスト3を決めてください」といういささかひねったものでした。通常でしたら簡単に「教員の資質能力について議論してください」くらいなのですが、今回はテーマの意図に「たくさん出すこと」と「3つにまとめること」の2つの作業を課してみました。

 結果はどうであったかというと、残念です。100点満点で20点くらいの出来でしょうか。テーマの意図をちゃんと捉えていない方がおられたせいで、討論は空中で崩壊しました。

 討論参加者は4名、20分程度です。

 まずAさんがテーマを確認し、教員として「先を読む力」が大切であると述べられました。児童生徒にどのような力を身に付けさせたいのかを考え、そこから見通していくというわけです。Bさんは児童生徒の達成度を確認する必要から、積み重ねていく学習態度が大切であり、基礎基本を指導する能力が教員に求められていると述べられます。Cさんは、商業科という専門教科ははじめて学ぶ生徒が多いので、学年ごとにその学年に応じた学力を身に付けさせる力=つまり学習指導能力を資質であると捉えられました。Dさんは、児童生徒の将来を見据えた学習を提供することを自覚した責任感が資質であると発言されました。

 これで4つ出たわけですが、Aさんはもっと「資質」を出していきたいといわれ、小学校ではあらゆる教科を指導しなければならないので、臨機応変に対応する能力が必要とし、児童生徒をよく観察する資質がいると話されました。Aさんはこれで3つ「資質」を提示されたわけですが、Bさんの「その中でいちばんは」の問に応答して最初に指摘された「先を読む力」であるとされます。ここでCさんが、教員自身が学んできた経験を土台に、知識技能を生徒に定着させるため繰り返し学習をすることが大切であるとのべられ、つまりは実務的な力をいかにして身に付けさせるかが重要であると発言されました。この発言は、内容的に間違っているわけではありませんが、集団を混乱させるよくない発言でした。この発言は授業論を述べているわけで、テーマは「資質」ですから、全然関係ないことをいっているわけです。授業論を通して結論として「資質」が述べられているのであればまだしも、それもまったくない。DさんはCさんの発言を教科のスペシャリストであるべきという言葉でやんわり討論の方向を修正しようとされました。

 また、Aさんも、校種によって教員に必要な資質能力には様々ですねと合いの手をいれたのですが、Cさんが暴走してしまい、学習の目的と目標をどのようにして立てるかなどと、これまた授業論を捲し立てます。DさんはCさんに「資質」について議論しているのですが…とこれまた軌道修正しようとするのですが、Cさんはさらに学習内容を定着させる力が教員には必要というだけで、Cさんの発言は当初のモノから変わらず、グループは暗礁に乗り上げてしまいました。Aさんは、小学校でも必要な資質はどのようなものだろうかと自問するような言葉でCさんがテーマに気付くように持ち掛けます。これに応じてDさんが「向上心」を挙げられて、時代や国の要請もあるし、児童生徒の有り様も変化するといわれます。自分の考え方のみに固執しない柔軟に多様な環境を受けとめ受け容れる資質が必要なのではないかと指摘されました。

 Cさんは、これまた全然議論と関係ないことを言い出します。授業では既存の知識の確認だけではなく、新聞記事を活用し問いかける授業を実施し、生徒が乗ってくるような言葉を用意すべきである、と。Cさんは、このように最初から最後まで、討論に参加することなく、自分のイイタイコトをテーマと無関係に、ということは誰に向かっていっているのかわからないままになっています。協調性がないのです。討論で最悪です。

 もう、どうしていいかわからなくなったこのグループは、それでもなんとかしようとして、Bさんが児童生徒をほめる言葉がけをするべきで、そのためには、該当児童生徒を総合的によくみて理解することが必須になると述べられます。そしてそれが資質であるとまとめられました。Aさんからは、学びつづける教員という言葉を挙げられ、教員が学んでいることを形を変えて児童生徒に返していく能力を高めなければならないと提案されました。と同時にAさんは、いろいろ出てきましたが、教員の資質として3つ決めなければなりませんから、何にしましょうと討論が終盤であることを自覚し、参加者に振られました。これに応答してCさんが「先を読む力」といわれたので、傍聴している参加者もワタシも唖然としてしまいました。それはAさんが提案されたしかも最初に提案された資質であり、Cさん自身が述べたことではないし、愕然としました。討論が粉々になったようです。このあとは、Dさんが観察力とか、Bさんが読む聞く話す書くの4技能とか、追加的にいわれましたけれども、壊れて沈んでいく船のようで、聞く気力も失せてきました。

 最後にAさんがなんとか討論の体裁を整えようとし、3つの「資質」を挙げられる発言をされましたけれども、後の祭りのようでした。

 集団討論の模様につきましては、すでにアップしたところです。多少、厳しい指摘も含めて再現いたしました。集団討論については右欄にまとめて一般的な注意点などをリンクしています。ご参照ください。

 しかし、討論は生き物で、それぞれのテーマに応じて、また、参加者の力量に応じてコメントも異なります。これはもう、ご参加いただいて多様なケースを経験してもらうほかありません。討論の様子を文字再現するのも限界がありますし、これを読んだだけでは実践的な力は付かないとは思います。それでも再現するのは、討論参加者の振り返りをいささかでも支援したいからです。

 さはさりながら、ネットの向こう側でこの文章や再現の文章を読んでいる受講生のみなさま、少しでもお役に立てば幸いです。

 勉強会にはわざわざ名古屋から通ってこられる方や、兵庫の山奥、奈良から2時間かけてお越しの方もいらっしゃいます。がんばってみようという方は、是非、見学からでもご参加ください。

(2017年2月18日)

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