日々旁午

2014


■2月8日の勉強会において最後に解説した問題の資料は、平成14年閣議決定された「人権教育・啓発に関する基本計画」でした。この有名な資料は、21世紀の人権教育のバイブルといっていいものです。なかでも、各人権課題についての詳細な規定のところがよく出題されました。
 この問題では各人権課題に関する出題ではなく、人権に関する理念的な理解を問う問題となっていました。
 「人権とは、人間の尊厳に基づいて各人が持っている固有の権利であり、社会を構成するすべての人々が個人としての生存と自由を確保し、社会において幸福な生活を営むために欠かすことのできない権利である。
 すべての人々が人権を享有し、平和で豊かな社会を実現するためには、人権が国民相互の間において共に尊重されることが必要であるが、そのためには、各人の人権が調和的に行使されること、すなわち、『人権の共存』が達成されることが重要である。そして、人権が共存する人権尊重社会を実現するためには、すべての個人が、相互に人権の意義及びその尊重と共存の重要性について、理性及び感性の両面から理解を深めるとともに、自分の権利の行使に伴う責任を自覚し、自分の人権と同様に他人の人権をも尊重することが求められる」。
 この文章は同資料の「第3章、人権教育・啓発の基本的在り方」の「1.人権尊重の理念」から採用されています。内容的にはさぼど難しくありませんが、個人の権利が衝突したときにどうすべきかといった私人間における権利の関係性の問題解決を人権の理念の下でどう考えていくべきか示されています。太文字のところの正誤をたずねる問題でした。
 さて次に、自己売り込みのツボでした。今回は2人の方にがんばっていただきました。UさんとKさんです。Uさんは、大学生らしい内容、Kさんは講師の経験を積んでおられる方で、非常にすばらしい経験をお持ちの方です。詳細は個人情報になりますので避けますね。大学生のUさんには、力強さを期待し、講師のKさんには、出し惜しみせずもっと自己経験のよいところを表現することを望みます。
 最後は集団面接でした。6名の方が25分程度で挑戦してくださいました。質問事項は「いい残したこと」を含めて5つでした。教育的なニュースであれ、現場のことであれ、教育について気にかかっていることを教えてください、自分で自分を分析して、自分が教員に向いているところを教えてください、先輩から指導方法が間違っているといわれたときどのように対応するか、配属された4月、はじめてのクラスでどんな挨拶をしますか、できるかたは手を挙げてやってください、でした。
 だいぶん受け答えがうまくなっている方と、まだまだぜんぜんダメな方と、混合状態といえるでしょう。自分のイイタイコトを的確に伝える力、「えーと」といった口癖をなくし、すっきり応答できる力など、まだまだやらなければならないことがありそうです。がんばってください。
Feb.10,2014
■本日当サイト主宰勉強会にご参加いただいたみなさま、オツカレさまでした。インフルエンザでご参加できなかった方もいらっしゃいましたが、ダイジョウブでしょうか。これから流行が本格化します。ワタシも気をつけますね。
 さて、本日も、奈良の問題の解答解説からスタート。まずは心理学の問題でした。カール・ロジャースに的を絞った問題で、ちょっと難しいです。誤りの選択肢として、精神分析療法と行動療法を紛れ込ませています。ロジャースについては、クライエント中心療法であることはよく知られていますし、共感的理解と無条件の肯定、受容的態度も彼の代名詞としてご存知の方も多いでしょう。
 つづいては、人権教育の問題でした。「人権教育の指導方法等の在り方について[第3次とりまとめ]」を素材とした問題ですが、ちょっと作りが雑ですね。というのは、選択肢のウやエに出てくる「基本計画」とはどのようなものであるのか、明示するべきであるのにも関らず、この問題では資料の一部分をそのまま引用している関係で、なんら説明がないからです。いうまでもなく、この「基本計画」とは、平成14年3月に閣議決定された「人権教育・啓発に関する基本計画」です。この計画は最重要資料です。大阪はいうまでもなく、どの自治体でも繰り返し登場していますし、現に、この奈良の問題でも、次に出てきます。
 そうした意味で雑ではありますが、内容的には大切なことが書かれています。ただ、問題としては相当難しいです。語句の誤りを見抜けるかどうかなのですが、イの「人権文化」を想起させるのは、、かなりつっこんで勉強されている方でないと正答できないでしょう。しかし、ヒントとして、「共生社会」という言葉が特別支援の領域でよく使われる言葉であることから、不自然さを感じ取っていただければ、なんとかなる、というところでしょうか。
 エの「自尊感情」が誤りであるのも、文脈からしてわかるところなのですけど、さらっと読んでしまうと、発見できないですね。正しくは、「人権感覚が十分身についていないなど指導方法の問題」があるとなりますね。
 アとウ、エは、同とりまとめの「はじめに」の部分から引用されています。イだけが引用場所が異なり、「第U章 学校における人権教育の指導方法等の改善・充実」の「3 家庭・地域、関係機関との連携及び校種間の連携」からであり、その冒頭部分です。
 以下、次回更新。
Feb.8,2014
■昨日の追加説明をしておきます。ビッグファイブの件です。通常、ビッグファイブは、外向性、神経症傾向、協調性、勤勉性、開放性の5つを指します。ところが、これらが論者によって使う言葉がちがいまして、それがこの問題を難しくしている根拠といえるでしょう。選択肢自体は正しい内容なのですが、「誠実性」」と書かれていて、考え込んでしまうわけです。これは「勤勉性」相当です。また、「調和性」は「協調性」相当です。
 それから、シェルドンの選択肢は誤りの選択肢ですが、質問紙法と因子分析ではなく、彼はクレッチマーを批判して、類型を外胚葉型、内胚葉型、中胚葉型に分類した学者です。
 奈良の問題の解答解説のあとは、自己売り込みのツボと集団面接の練習であることに、かわりありません。
 集団面接の質問事項も、そろそろアップグレードしたものを取り入れていきたいと思っています。この2月、3月、基礎的な面接態度を身に付けるようがんばりましょう。
Feb.7,2014
■2月1日の勉強会にご参加いただいたみなさま、オツカレさまでした。この日も奈良の問題の解答解説からはじめました。
 まずは不登校支援の問題。これについて問題では出典が明記されていませんでした。奈良のサイトに「不登校支援のしるべ(教員用)」という資料が掲載されています。こちらからの出題です。ここで問題になったのは、不登校児童生徒に登校刺激を与えるかどうかに関する解釈でした。選択肢のDについてです。「家庭訪問は、必ず早いうちに行う。訪問開始しばらくは本人にあえなくても構わない。教員が無理に登校をさせようとしないこと、本人のペースを大切にするということを理解してもらう」が、その選択肢の文章なのですが、近年の文科省の見解ですと、登校刺激を与える方向にありますのと反する記述になっていますので、×をつけたくなります。ワタシも×だと思っていました。ところが奈良ではこの選択肢のとおりに書いているわけでして、正しい文章になります。各自治体によって取り組み方はちがうのでしょうけれど、国の教育行政推進態度と違うのは解せないなとの感想を持ちました。この問題は選択肢の組み合わせから解答する問題ですね。
 次は教育相談と生徒指導の関連を問う問題でした。どちらかといえば、やさしい部類です。ポイントは、「学校・学級の集団全体の(安全)を守るために管理や指導を行う」のところくらいでしょうか。
 2月1日最後に解説したのは「児童虐待防止等に関する法律」(第2条)の定義による虐待タイプの問題です。虐待のタイプは、同法によりますと4つありますね。
「この法律において、『児童虐待』とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(18歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
 1  児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。(身体的虐待
 2  児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。(性的虐待
 3  児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。(ネグレクト
 4  児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。(心理的虐待
 問題では、具体的な状況を選択肢として用意し、どのタイプに当たるのかを解答させるわけです。
 最後はパーソナリティに関する問題でした。類型論と特性論の2つのパーソナリティ分析があること、クレッチマー、ユング、シェルドンそれぞれの学説についての真偽、そして、ビッグファイブについてでした。
 以下、次回更新。
Feb.6,2014
■気がつけば如月入り。更新、途絶えてすいません。この時期、何気に忙しいです。
 さて、1月25日の勉強会の解説のつづきということで、かなり更新が遅れているわけですが、ここから教育心理学の問題が多少つづきます。まずは、ストレスに関する学説的問題。セリエやホームズ、レイ、ラザラスといった学者たちのストレスに関する医学的見解から心理学的な表現の仕方についてたずねられました。環境刺激やつまりストレッサーの定義を理解しつつ、ライフイベントとコーピングといった術語について復習しておきましょう。
 つぎの心理学用語の組み合わせ問題は基礎的レベルでしょう。ハロー効果、ピグマリオン効果、ブーメラン効果、プライミング効果ですね。これらは、この問題を活用し、そのまま憶えるのがいいでしょう。
 睦月最後の勉強会はこうして問題解説を終え、自己売り込みのツボと集団面接を実施しました。
 ここ最近の集団面接における質問事項は、今、どんな気持ちですか、最近の気になるニュース、30秒くらいで自己紹介してください、なぜ、私たちの自治体を受験されたのですか、教職をめざしたのはなぜですか、といったライトなものからはじめ、つぎに人間性に関する質問をいたしました。失敗談、先輩とどう付き合っていくか、どんな先生になりたいか、配属先の学校に、どういうようになじんでいくか、自己分析して自分のいいところを教えてください、友達から受けた言葉で印象に残っているもの、などです。このほかは、教員に必要と思われる資質、配属されて4月にやりたいこと、教科を通してもっとも伝えたいこと、授業中の生徒指導について、豊かな人間性の内容とその実現方法、ボランティアでどのようなことを学んだか、保護者との付き合い方、いまの児童生徒のいいところ、などなどです。
 自己売り込みのツボの内容については割愛します。個人情報が満載だからです。
Feb.5,2014

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