日々旁午

2007


この日曜日は、第119回当サイト主宰勉強会を開催いたします。ご参加のみなさま、よろしくお願いします。当日は、新しい答申の検討に移ります。これ、あんまり時間を割きません。重要なんですけど、重要でないのです。なんか呪文のような言い回しですけど、ポイントは教育再生会議第1次報告と似通っているからです。

 答申検討の後、いつものように集団討論と集団面接、個人面接を実施いたします。日曜日は、ちょっと広い教室なので、「争奪戦」が繰り広げられるかもしれないなと焦っています。みなさま、よろしくお願いします。
(4/20)

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あさっては、広島に参ります。広島県教職員組合主宰の教採対策学習会を開催いたします。70名定員のところ、ほぼ埋まったようで、ご参加申し込まれたみなさま、ありがとうございます。

 今後、毎月1回、第3土曜日に広島で開催いたしますので、行事などでお忙しいとは思いますが、極力継続参加してくださるようお願いいたします。4回で8000円(資料代込み。例年4回分でA4版120枚くらいです)ですから、だいぶん安いと思います。個人的には、広教組臨採部の方々はいうまでもなく、講師を続け、経済的に苦しいながらもがんばっている諸君に来ていただきたいと思っていますので、予備校や塾にいっている方の参加はご遠慮いただきたいと思っています。そちらはそちらで提供されたもので勝負してください。

 広教組の先生方、あすお世話になります。とりわけ、N先生、I先生、企画立案におきまして毎年ながら大変お世話になっています。よろしくお願いします。さらに、会場手配やご準備、恐れ入ります。そうしたご努力に応えるためにも、よりよい講義を目指します。

 新幹線で参りますが、例年の悩み事、「気がついたら博多だった」とならないよう、目覚まし持参で乗り込みます。
(4/19)

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本日18日は、地下鉄淀屋橋近辺にて、第1回水曜会を開催いたしました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。大学4回生多く、若々しい気持ちになりました。また、遠く徳島からご参加いただき、ありがとうございました。もうちゃんとバスは到着したでしょうか。雨ですので、ちょっと心配です。本日は、初参加の方多く、いい意味で刺激があり、主宰者のワタクシといたしましても、うれしいかぎりです。男性5名、女性11名のご参加でした。勉強になったかどうか、いまはそれが気がかりです。

 さて、14、15、18日と、勉強会を開催しましたが、集団面接、個人面接は質問事項の違いがあり、前回更新でそれを列挙しましたけれども、集団討論のテーマは同一です。ここでは、第118回の討論を再現し、特別開催の議論と水曜会の議論に登場したご意見で興味深いものを付け加えてみます。

 さて、討論のテーマは、「勉強が苦手な児童生徒に、どうすれば興味を持たせることができるでしょうか、議論してください」でした。第118回の集団討論では、このテーマに、6名の方が挑戦してくださいました。

 まずDさんが、テーマを読み上げ、どうアプローチするべきかのひとつとして教育方法について語られました。Dさんによれば、勉強が苦手な児童生徒はなかなか問題が解けないわけで、達成感を感じることがあまりない、それゆえ、スモールステップを設けて、「できる」意識を植えつけることによって、最初の関門をクリアするのがいいと述べられました。Cさんも勉強が苦手な児童生徒は「わからない」まま授業を受けていると認識されています。Cさんは理科志望の立場から、理科で躓くのは計算問題であって、小学校の算数から振り返り、梃入れするのがよいとご意見されました。Eさんもお2人に同意、教科を理解する力をつけるために、「ああ、わかった」との感覚を実感させることが大切であると指摘されます。

 Bさんは、苦手意識は勉強そのものにあるので、それを取り去ってやることが必要であり、興味をどのようにして持たせるのかの工夫を私達教員はなさなければならないと述べられます。と同時に、楽しく学べることの重要性を強調されました。これに応じAさんも、今回の討論のテーマに即せば、児童生徒に興味を持たせる方法が問われていると提起され、授業の導入における興味の引き方を議論すべきと断り、6年生の立体の単元では、アイマスクをして立方体や直方体に触れ、形をあてるゲームをするのはどうかと述べられました。手で触って実感し、驚きや興味を引き出す。こうして授業の本論にスムーズに入るのではないかと説明されました。Fさんは、主要5教科は「聴いて書くだけ」に陥りやすく、それを打破するところに児童生徒を引き付けるヒントがあるのではないかとされ、五感をフル活動させる学習を提唱されました。具体的には、地理では世界の食べ物をできれば食べてみたり、ニオイをかいだり、世界の民族衣装を着てみたり、身体全体で感じる作業はどうかと提案されます。Eさんは、Fさんにご意見に触発され、そうした活動を、日常生活に結びつく思考を表現されます。日常と結びつく実感が生きた学習を生み、それが関心の高さにつながるのであるとまとめられました。

 Fさんは児童生徒の興味にあわせて授業実践をしていくためには、そのほか、アニメ、音楽など、児童生徒の興味をもちやすいものをあらかじめ探知し、イロイロな国で大切にされている音楽などを聞かせるのもひとつの手段であると考えておられるようです。Dさんは、音楽教諭を目指す立場から、話題が音楽に進んでいることもあって、ご意見されました。歌うこと、演奏することには児童生徒は共感し好んでするが、音楽理論になると、どうも苦手意識がでると現状報告され、それを解消する具体例を述べられます。すなわち、演奏記号を使用してビンゴゲームをして、記憶にとどめるということでした。Bさんは、特別支援教育に携わる立場から、障がいのある児童生徒とりわけ知的障がい児は、抽象的な言葉理解が追いつかないときがあり、だからこそ具体的日常に関連した思考をいっしょに考えることによって興味を引き付けたいとご意見されました。

 Cさんは、以上の各発言から、勉強が苦手な児童生徒は、むつかしいことをおぼえなければならないとの理由で困っているのではないかと指摘されます。わからなくなる原因が、勉強内容の複雑さであるとすれば、具体例を出し、学ぶ内容の単純化を進めるのがよいといわれ、さらに、具体的日常との関連から、単元「速度」の導入の際、歩く速さを1秒何メートル、通学距離は何歩であるなど、現実的関心をいわば逆手にとって、物理(数学)の速度概念の理解をさせたいと語られました。Aさんは、Bさんがいわれた抽象的な言葉の話題に言及、どの教科においても、言葉の意味理解を確実にすることが大切との立場から、各教科で読解力の基礎が必要であると指摘されます。いわゆる「どこがわからないのかわからない」状態からの脱却こそが重要であるとの認識です。算数の文章題も読解力が根底になければなんともならないし、読んで条件整理をすることが求められ、そうした訓練が苦手意識を徐々に解消していくのではないかといわれます。そのために、「書くこと」を重視していらっしゃいました。

 Cさんもこれに同意され、文章に慣れさせるためにも朝読書運動は是非とも進めるべきだと提起されました。これに関し、Eさんは、新聞を読むということを主張され、コラムや社説を読むことを提案し、かつ、それを家庭で保護者とともに実践してもらうことも指示したいと述べられました。学校と家庭の連携の話題が登場しました。Aさんはこれを受け、家庭で児童生徒をはげます教育をしてほしいと教員の立場から望むといわれ、担任を持ったとき、たとえばテストの結果とともに応援メッセージを児童生徒に向けて書くと抱負を語られました。

 Fさんは、読むこと、書くことについて、実際、勉強が苦手な児童生徒は、そもそも文章を読むことに苦痛があり、大変だと思っているとし、教員が音読、言葉を発するよう率先垂範するようにしたいとご意見されました。このときでてきたのが、「反復」でした。反復することによって習熟していく。苦手意識も「門前の小僧、習わぬ経を唱える」わけですね。なんとなくわかっている、が、なんとなくわかってくる、になり、真の理解に進むということです。そうすれば勉強にも興味がでてくる…。だから、読んだり書いたりに苦痛を憶えないように支援することが大切であり教員の役割であるとまとめられました。

 ここで少し話題が変ります。Cさんは、この討論の最初の方にでてきた「楽しい」というご意見に着目され、ヒトコマひとこまの授業を楽しくすることがもっと見直され、議論されるべきではないかと話題転換されました。勉強が苦手な児童生徒は最初から教員の話を聞かない場合も多いと指摘され、導入の工夫こそ命、といったような感じで語られました。顕微鏡を使う授業なら、自分自身の髪の毛を観察してみるとか。枝毛の発見も学習への興味になると。Bさんは、そうした工夫とともに、苦手意識を持っている児童生徒のことを考えてやることが重要とされ、たとえば、LD、ADHDの児童生徒も学級にいるとすれば、そうした児童生徒の理解進行度も考慮して授業をするのがいいのではないかと述べられました。

 Dさんは、さきほどFさんがいわれた反復ということに関連し、リコーダーの指使いに触れられました。音階の練習を繰り返し学習によって進め、定着させるというご意見です。これについて、ワタクシは討論終了後、「苦手な子は繰り返しておんなじことをするのはイヤなんちゃう」とちょっと疑問を呈しました。これは、Fさんに対してもそうです。Eさんは、暗記科目と一般に認識されている歴史について、その興味関心を引くためにはどうするべきかと提起し、歴史のおもしろさを時代の発展的な因果関係の理解に求められました。高校地歴を目指す立場からの理論的なご意見でした。

 Cさんは、Bさんの特別な教育ニーズを考えるべき児童生徒への対応に関連し、わからないことは恥ずかしいことではないこと、これを伝えるといわれ、どんどん疑問を提出しあえるような「疑問の議論」を展開し、授業を通して自己肯定感の育成に努めたいと語られました。これに関連し、Aさんが毎回の授業で何がわかったのか、わからなかったのかを確認、児童生徒の声を今後の授業運営に反映させたいと述べられました。

 以上で、20数分間が経ち、討論は終了しました。

 さあ、さていかがだったでしょうか。特別開催の参加者や、水曜会の参加者にあっては、「いやー、自分達とぜんぜん違う討論内容やなあ〜」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。そのくらい、グループによって討論内容は変るものです。講師と学生の人数配分、特別支援教育志望者の有無、こうした条件によってガラリと変ります。ただし、議論の基礎において、教職教養の力が確認されるので同一です。スモールステップの議論は、3回ともに登場してきた概念ですしね。

 上の討論で登場しなかった、他の日の討論のご意見では、たとえばおもしろい先生との出会いが苦手意識を払拭した、といったご自身の経験を述べられたり、夢を持たせることが興味を持つきっかけになるのでは、とのご意見がありました。夢の実現のためには、苦手といってられないときもありますね。参加型の体験授業が興味を持たせるきっかけになる、成功体験を積ませること、「私のことをかんがえてくれているのだなあ」と児童生徒に実感させる、学習方法をちゃんと伝える、テストで点数がとれているときでも不安を持っているかもしれないので、そのケア、成功している大人の人に苦手を克服した経験を語ってもらうこと、得意分野の充実とそこで培った自信の苦手教科への転移、などなど。

 基礎基本の徹底とその定着、漢字検定、秘書検定、パソコン検定など、明確な目標の提示が苦手意識をなくす、ほめる指導による自己肯定感の育成、つまづいているところの早期発見、一人ひとりに応じたプリント作り、などなど。

 3グループの討論を聞いてみて、テーマをどのように解釈するかで議論の密度がちがったようにワタクシは思いました。児童生徒の苦手意識の克服を、興味関心の向上に求めるか、成績アップによって自信を持たせるか――。このあたりのアプローチの違いは、志望校種の違いにもあらわれるわけですが、前者は小学校志望者に、後者は中高志望者にあらわれがちです。この両方の視点のどちらかに偏りすぎず、集団としての討論を構築することが求められているのではないでしょうか。

 22日、そして25日、また、勉強しましょう。では〜
(4/18)

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昨日、一昨日は、当サイト主宰勉強会に満席参加いただきまして、ありがとうございました。かなり遠くの方から来ていただいている方もいらっしゃり、お疲れでないようにしてください。毎週、岐阜から通ってこられるIさん、今週は、学校行事でキャンセルされましたが、次回、お会いできるのを楽しみにしています。また、新規にご参加されたみなさま、いかがだったでしょうか。さらには、大学4年生の方、先輩方に負けないよう、切磋琢磨してくださいね。みなさまには、できうるかぎり良質で正確な情報を提供してまいります。一緒に学習を進めましょう。

 さて、両日ともに、ほぼ、カリキュラムは同じでしたが、答申検討だけは他のものも検討しなければならないので、一昨日のつづきを昨日は検討しました。通常、土日は同一のページを検討するのですけど、進行上、おなじところを検討していきますと時間がいくらあっても足りなくなりますので、今後は同じところを検討せず、継続して読んでいくことにいたします。ただ、読む、といっても精読ですから、1回につき、5ページほどしか進まないのが実情で、また、参加していない方のために、復習的コメントをしていますので、進行に支障がないように運営しているつもりです。

 今回で、中教審答申「次代を担う自立した青少年の育成に向けて」の検討は終了しました。5つの提言とその解決策としての「方策」には注意してくださいね。この答申は、内容的に豊かでしたが、いづれかといえば、討論や面接の発言論拠になるところが多いですので、そうした角度から学習し、自分の引き出しに折りたたんで格納しておいてください。次回からは、この3月に出された「教育基本法の改正を受けて緊急に必要な教育制度の改正について」答申を検討してまいります。ここには、以前の文部科学大臣が演説した原稿がかなり含まれており、こうしたところはカットして、中核部分を検討していくことにいたします。

 次に、集団討論を実施しました。両日とも、「勉強が苦手な児童生徒に、どうすれば興味を持たせることができるでしょうか、議論してください」といたしました。この模様は、第118回開催の議論を中心に、次回更新時に再現し、注意点を提示しましょう。

 集団面接は、主に大阪府の1次対策の意味があり、また他自治体の面接対策にも生かせるものです。ここでは、いつものように質問事項だけ掲げます。それに対する答え方は、参加者のパーソナルな状況によりますし、自分で確立することが求められるわけで、定番的な回答などありません。そうした自分なりの回答を作っていくことこそ、勉強というものでしょう。また、各教委はそれをのぞんでいます。

 「お名前と志望校種教科を教えてください」、「志望理由は何ですか」、「いままでいろいろ勉強してきたと思いますが、あなたの息抜きは何ですか」、「あなたが子どもの頃と比較して、今の子どもはどうちがいますか」、「その違うところを教師としてどういうように解消していきますか(伸ばしていきますか)」、「友達からあなたは『○○な人ですね』といわれました。○○には何がはいりますか」、「○○といわれた理由を自己分析し、教えてください」、「家庭訪問の意義を教えてください」、「豊かな人間性を育てる方法を簡単にいってください」、「魅力のある授業とは、どんなものですか」、「教育の場面は除くものとします。あなたの人生で一番感動したことは何ですか」、「あなたを採用すればこんないいことがある、ということを短くアピールしてください」。

 このあと、個人面接でした。個人面接は一人10分くらい、両日合わせて5人の方が受けられました。しかも、参加者全員の前での問答です。これが緊張感を生み、いいんですよね。そして、面接を受けた方は、みなさんからのコメントがもらえます。ワタクシひとりの見方だけでなく、おおよそ、40の瞳が面接を受けている方に注がれるわけで、多様な視点から「あなたが気をつけた方がいいところ」を指摘してもらえます。今回、Nさん、Fさん、Kさん、Fさん、Sさん、Sさん、お疲れさま。勉強会1回につき、3名の方がやはり限界かな。答申検討の時間を削って、4人受けられるようにすることも考えています。

 では〜

 あ、昨年合格者の受験報告が、A4で100枚以上あり、これをサイトにアップしよと思っていたのですけど、ワタクシの時間を侵食し、どうあがいても無理です。ごめんなさい。勉強会ではいつでも閲覧できますので、みてくださいね。水曜会にも持参します。
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本日勉強会にご参加いただいたみなさま、お疲れさまでした。また、珈琲会に昨年の合格者の方が来てくださり、イロイロお話聞けて勉強会参加者にとっては有益ではなかったかと思います。Rさん、どうもありがとう。また、気軽に寄ってくださいね。

 さて、昨日書きましたように、キャンセルありましたので先着1名募集しましたところ、すぐにご連絡あり、決まりました。ありがとうございました。あす、よろしくお願いします。

 最近は、勉強会の報告しかサイトに書いていなくて、申し訳ない限りですが、実は、イロイロと別の話題、問題を、「ミニまぐ」で配信しています。朝7時半に届くようにしておりますので、通勤時間帯などに、ちょこっとお読みいただけると幸いです。こちらは無料で登録できます。右欄よりどうぞ。

 勉強会の報告は、次の更新にいたします。
(4/14)

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あすあさっては、当サイト主宰勉強会を開催いたします。ご参加のみなさまよろしくお願いいたします。あすはJRなんば、あさってはJR大阪近辺での開催となり、場所が違いますので、お間違えにならないようにしてくださいね。いつものように答申検討、集団討論、集団面接、個人面接のカリキュラムとなります。

 ところで、14日の土曜日、15日の日曜日の勉強会にキャンセルがそれぞれありまして、1座席づつ空きました。もし、こちらをご覧のみなさまで、「参加したい!」とご希望の方は、右欄にありますメールフォームから、「その他ご連絡」を選択され、お名前と携帯アドレスをお書きの上、お申込みお願いします。両日とも先着1名ですのでよろしくお願いします。折り返しご連絡いたします。
(4/13)

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さて、7、8日に実施した集団討論のテーマは、「学校行事によって、児童生徒はどのように成長していくと思われますか。行事の指導にあたってみなさんの気をつけている点も挙げつつ議論してください」でした。このテーマに、両日とも6名の方が挑んでくださいました。ここでは、8日の討論の再現模様をお伝えし、そこに7日で問題点として出されたポイントを重ねあわせることといたします。

 まずDさんがテーマを確認されつつ、学校行事で養われるべき児童生徒の能力は、コミュニケーション力であるとされ、同時に達成感を味わわせ、協力してなすことに意味を考えさせるところに学校行事の意義があると発言されました。その際、教員は先頭に立つのではなく、いわば「影」として支える立場にあるべきであると付け加えられました。Cさんも、教員は側面支援に徹し応援するべきであると述べられ、しかし、まだ学級集団に一体性がないときは教員の支援もある程度は必要であるといわれます。集団への帰属感を持たせることが学校行事のひとつの効果であると捉えられています。

 Fさんは、学校行事は集団活動であるが、集団の中で個々の児童生徒の「よさ」を教員がみつけることも求められているし、児童生徒が個性や役割を自己肯定することもまた目標になっていると発言されました。Aさんは、学校行事は異年齢集団で活動する場合もあり、少子化の現在、兄弟姉妹が少ないこともあって、楽しく過ごせるよう配慮するべきといわれます。Bさんは、学校行事に「なんとなく」参加する事態を憂い、積極的な参加を児童生徒に求めたいのであるが、その方法に困っている旨を発言されました。学習の負担が大きく、行事を休みの時間と捉える感覚が、高校くらいになると増えてくるのは事実でしょう。こうした理由で行事に積極参加できないでいるほか、Eさんは、集団そのものになじめず、行事を楽しめない児童生徒もいると指摘、児童生徒に他者とのかかわりあい方を学ばせたいと抱負を語られました。

 行事はクラス単位で実施されますが、全員が参加することに意義があるとされるのがFさんの立場です。たとえば、ダンスの大会でも、表立って踊る児童生徒が主役という感覚はあるけれども、大会を支える裏方的役割にも意義があって、ダンスのための統一したTシャツを作ることに参加することにも参加意義を認めるべきであると述べられました。Eさんも、裏方や主役級と分けて捉えるケースもあるけれども、やりがいを持って参加しているかが重要であり、そうであれば自主性が育成されるのではないかと考えられています。

 Bさんは、具体的に、どういう態度が身につくかとの観点から、入学式や卒業式などの儀式的行事ではきちっとする態度、けじめある態度が育成されると指摘します。Cさんは、けじめとともに、社会性も育まれると考えておられ、社会性の獲得が行事活動を楽しめる要素と捉えています。そして、ひとつの行事をやり遂げたときに、「自分はこういうことができるんだな」と自覚することができると発言されました。Dさんは自己の指導経験から感じていることを発言されます。それは、さまざまな性格の児童生徒を指導しているが、内向的な児童生徒は行事参加においても引っ込み思案な場合が多い、だから、指導者としての自分が、どの児童生徒に対しても綿密なコミュニケーションをとり、行事参加意識を高めておくように注意しているということです。同様に、Aさんは、声かけを忘れないことを挙げられました。つづいてAさんは、行事参加において気をつけるべき点として、屋外活動における怪我を問題にし、安全面でも教員は常に注意しておかなければならないと指摘されます。そうした事故を起こさないためにも、Fさんがいわれたように、行事の事前指導として、なぜこの行事を実施するのか目的を明確に意識付けることが肝要であると述べられます。たしかに、目的がはっきりしていると行事に向かう集中力も高まり、事故も減りますね。

 行事を円滑に進めるためには、Bさんのいわれるように、教員間の連携も視野に入れなければなりません。一人ひとりの児童生徒が伸びるように、全員で行事を盛り上げるようにするためですね。Bさんは、それを「和」と表現されました。その盛り上がりを実現するには行事の事前に士気を高めることが大切というのがDさんのご意見です。Eさんは、児童生徒も教員も熱い想いを持って一致団結し行司を成功させることが、充実した学校生活を送ることになると発言されました。一致団結という言葉が出ましたが、Dさんは30人31脚をするなど、クラス全員ががんばったということを認めることによってそれが認識されると考えておられます。同じようにCさんも、健康安全体育的行事においてムカデ競争をするなど、その場合にはクラス全員がみんなで練習、参加しなければならないし、成果がでれば学級がまとまると指摘されます。またCさんは、競争といえば勝負となるけれども、そこにポイントがあるのではなく、ムカデ競争ならムカデ競争で取り組み方に児童生徒の主体性が関わってくるし、企画・練習ほか積み上げの過程こそ評価されるべきであると述べられました。

 事後指導では、保護者も巻き込み、作文も書き、児童生徒にとって一生の思い出になるよう指導したいとBさんは述べられます。どのように行事の思い出を心に刻むかとBさんは主張されました。こうした努力をつづける一方で、Fさんは、行事中や後に児童生徒同士ケンカが発生することもあり、競争をする行事なら、「ズルイ」という声が挙がるときもあると現場感覚で考えられています。そのため、なにか賞を設けておくのもいいとFさんはいわれました。学年集会でそれを渡すと盛り上がるそうです。Aさんも、達成感が実感できるような事後指導を期待し、行事にもステップがあり、今年うまくいかなくても翌年にかけるような指導もできると述べられます。それが音楽会の場合、保護者も地域の方も協力を得られるし、行事の発展的な運営・活動が可能となると考えられていらっしゃいます。

 Dさんは、行事におけるこれまででてきた議論に「競争」があるが、行事は「勝負」ではなくコミュニケーション能力の育成にあると強調されました。これに対しBさんが、教員として一人ひとりを知るきっかけとして行事を活用したいと述べられ、議論は終了しました。

 文字で表現すると、討論はこのように進みましたが、実は空白の時間もあって、どんよりした時間帯もありました。なかなか難しいテーマだったのでしょうか。テーマの中心ポイントは、「児童生徒はどのように成長していくと思われますか」であるので、ここに力点をおくべきでしょう。集団討論でも個人面接でもポイントを踏まえた発言が求められます。ズレた発言をしておれば、面接官には不評です。教員として注意すべき点は従たる議論ポイントなので、こちらに時間をかけ過ぎれば問題です。しかし、従たる方が話しやすいですね、このテーマ。なにしろみなさん教員をめざされているのですから。そこを突き破り、児童生徒の成長を見守る立場から、どのような資質能力を集団活動を通して育成したいのかを考えるところに、みなさんの合格への思考態度があると思われるのです。

 上の議論でも登場しましたが、コミュニケーション能力はそのひとつでしょう。協調性も、練習において他人を思いやる心の伸張もそうでしょう。そのほか、何かありませんか。集団における個人の位置や役割の自覚もあります。行事で孤立した児童生徒に、児童生徒自身が気遣うやさしさもあるでしょう。

 また、行事にはイロイロあります。上で登場したほか、最近の流行的な行事では、勤労生産・奉仕的行事がありますね。これが話題にならなかったのは不思議でした。おそらく、総合学習でならすぐに出てくる話題なのでしょうけれども、学校行事となると、体育祭などの印象が強いため盲点になっていたのでしょうか。このほか、修学旅行におけるパブリック意識の向上も議論にあってよかったのではないかと思います。

 7日の討論のポイントとしては、集団的規律の育成、集団活動で「我慢すること」などが儀式的行事における礼儀の育成などが挙げられるでしょう。時節柄、入学式の話題が登場するのはよくわかります。また、どこまで行事の進行を児童生徒に任せていいのか、教員の指導領域の問題もありました。ここがかなり難しいところですね。上で再現した討論でも議論されています。

 討論参加者は、イロイロです。本番では、初めて会う方、年齢も大学4年生から40代までいらっしゃいます。そうした環境で議論を進めていくことは大変難しい。そのときに「広がりのある討論」というのが、手法としてはあります。これは、発表会型になりがちなのですけれど、テーマを狭く捉えるのではなく、テーマに関連することをなんでも放り込めるという特色があります。壁の花を作らないことも、協調性を重視する討論では評価されるでしょう。この点については、また、勉強会でお話しますね。
 では〜
(4/11)

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