日々旁午

2006


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それでは、第79回における集団討論の模様をお伝えいたします。今回は、課題の理解が難しかったようです。テーマは、「友達がなかなかできない児童生徒もいるものです。言動に自信がもてない児童生徒の指導について留意すべきことはどのようなことでしょうか。議論してください」でした。25分間で7名の方に実践していただきました。

 テーマの理解が難しいというのが、討論終了後の、みなさんからのご意見でした。これはどういうことかといいますと、第1に、「友達がなかなかできない」ということと、「言動に自信がもてない児童生徒の指導」ということとをどのように結び付けて議論していいのか迷ったということです。友達の作り方を議論すべきか、言動に自信を付けさせる指導をするのか、その両者をどう考えればいいのか、そしてこのことは、第2に、次の問題点を導いたようです。

 それは、該当児童生徒に対する対処法がテーマの中心なのか、それとも、集団指導をメインに議論すべきかということです。実際の議論はどのように進んだのでしょうか。いつものようにA〜Gさんとして、発言を追ってみましょう。

 まずBさんが、言動に自信をもてないままでは、教員として該当の児童生徒を指導したことにならず、このかか卒業させてしまったら彼自身困ることになるといい、社会性の育成に対する教員としての反省の態度を示されました。そして、彼のいいところをみつめて、叱る指導よりもほめる指導に重点をおく、クラスにおいてさりげなく該当児童生徒のよいところを広めていく指導をするのがいいとご意見されました。Aさんも、該当の児童生徒をほめるのは一番いい方法であると同意され、ひとつでも認められたら自信がその児童生徒に生まれるといわれました。Cさんは、言動に自信を持たせるようにする指導は、担任だけではなく他の先生とも協力し組織として解決する課題であるとし、また、保護者からも情報を入手して、該当の児童生徒がどのような性格を持っているのか知っておくことが大切であると指摘されました。Eさんからは、該当の児童生徒が言動に自信をもてないのは、クラスの中での人間関係にかかわっている。だからクラスにおける人間関係を理解することが必要であると指摘されました。

 Gさんは、上にでてきたご意見はすべてもっともであると肯定されます。その上で、言動に自信がもてなくなったのにはなにか原因、きっかけがあったのかもしれないし、また、クラスの仲間がお互いを知り合うことによって解決されるかもしれないと述べられました。そこで、英語教諭を目指す立場から、、自分の得意なことを話す場としてshow and tell の方法を採り入れるようにしたいと提案がありました。

 Aさんは、該当児童が自信を持つようにするには、「なにごとにも挑戦すること」が大切であるとされます。したがって、クラス作りの在り方によって挑戦を可能とする雰囲気を作り出すことが必要であり、「間違えても大丈夫なんだ」という安心感を持ったクラスを作りたいと抱負を述べられます。この抱負は、Aさんが以前、不登校の児童を担当した経験を交えて語られたものです。Cさんは、クラス作りというところからもう一歩進んで、グループ活動が言動に自信を持たせることになり、友達も作る上で有効であろうとし、そこで教えあい、互いに高めあっていける関係を作ることができると述べられました。Fさんは、小学校における体育の時間に、フォークダンスがあるが、そうした活動において友達の意外なところを発見するケースもあることを紹介し、友達の多様な側面を認め合うことが大切であるとの主張がありました。

 Bさんは、高校志望ですから、少し突っ込んだご意見をお持ちでした。それは、言動に自信を持たせるように、いわば荒治療で取り組むニュアンスで披露されます。たとえば、少人数で意見交換する場を設ける、あえて、自分の意見をいわなければならない状況を作るなどです。Dさんも高校志望ですけれども、音楽の試験において、初めて会うもの同士の合奏をするなど人間関係を広める方法もあるといわれました。

 Eさんは、朝の会で「じぶんのすきなこと」の発表会をさせてみたい、そのことで友達もできるし自分に自信が持てるのではないかと提案されます。そこでは、各自の「すきなこと」に「おたずね」(質問)をし、子ども同士が関わりあえる場を作っていきたいようです。そして保護者とも連絡をとって、該当児童を見守っていきたいと話されました。Gさんは、職員会議における該当児童生徒の取り上げ方にも注目し、教員のその児童生徒に対する諭し方についても言及されます。すなわち、教員の失敗談を語ってやる、マイナスもいいように捉える術を伝えてやるなどです。Aさんは、Eさんのご意見に同意しつつ、1分間スピーチの効用を話され、そして、心の底から該当の児童生徒が自信を持てるようにするには保護者の協力が是非とも必要であるといわれます。というのは、クラスでその子が認められたとしても、家庭で保護者から認められないケースもあるからだと指摘されます。教員と保護者が協力して、該当生徒の指導にあたらなければならないということですね。

 児童生徒の方でも、たとえ教員から「友達になりなさい」とか、「友達を作りなさい」とかいわれても、「あの子とは話をしない」というケースもある。だから、一緒のクラスになったこの1年間、友達を多く作るのが幸せなことであるということを確認する。これは、Dさんのご意見です。また、保護者が我が子の友人の名も知らないようでは困ったことになるとの指摘もされました。Eさんは、保護者との連携も当然大切であるが、飽くまで児童生徒が「主役」であるといい、学級通信を活用し、場合によっては児童生徒の日記を許可を得て載せて、学校生活を保護者に届けるような配慮をしたいと述べられました。

 Bさんは、クラス替えにも注目されています。児童生徒は恣意的に少集団を形成していくものであるが、あえてそうしたグループを引き裂くことによって新しい人間関係形成を意識させるのも一つの方法であると大胆な提案です。クラス編成の仕方には難しい側面がありまして、Aさんからは、このBさんのご意見に対し、仲良しグループを引き裂くと、小学校では不登校になる場合もあると話されます。Fさんからクラス編成について、小学校低学年なら仲良しグループの存在にも注意しクラス替えを考えるときもある、高学年なら学力も編成上の参考にするべき項目になるだろうといわれます。いずれにせよ、Cさんのいわれるように、差別や排除のないクラス編成が重要でしょう。ところでこのテーマを議論する場合に、いま紹介したようなクラス編成にまで言及すべきかどうかについて疑義があったことを記しておきます。

 Dさんは、ホームルームの意味を考えるご意見を披露されました。ホーム=家、ルーム=部屋、なのだから、みんながみんなを認める場所なのではないか、と。たしかにホームは家です。ひとりだけホームにはいれない状態は、Dさんがいわれるようにいい状態ではありませんね。つまり一つの輪になれるクラスが望まれますね。

 そうしたクラスの中でも、Gさんが指摘されるように、クラスを引っ張っていける児童生徒の存在があります。こうしたクラスを鳥瞰する教員としての力を養いたいと語られます。人間関係を構築する力の必要性や、そこから敷衍して担任としての豊かな人間性を自分自身育みたいといわれました。たしかにクラスを引っ張っていけるリーダーシップを持った児童生徒を「うまく活用する」ことは大切であるとBさんも同意されます。その上で、Bさんは面白い発言をされました。それは、グループ活動に関してのことですが、グループは3人が基本ということらしいです。グループ活動において「脱落者」がでるのは、だいたいにおいて4人以上で構成された場合が多いということです。

 議論はつづいて、Aさんの友達を作る方法について簡単なお話を挿み、Fさんが過去に「ひっこみじあん」であったご自身に対する担任を持ってもらっていた先生からの指導について触れられました。その内容には言及しませんが、Fさんの、「カラをこつんと叩いてやる指導」といういい方が、とても印象に残りました。

 このあと、Bさんから、忘れ物、貸し借りと児童生徒の人間関係、Aさんから靴隠し事件のこと、Cさんから、口下手のケースについてご意見があり、議論は終了しました。

 最初に示したように、このテーマの意図を理解するのが難しかったためか、ほめる指導とクラス作りの方策が中心的なトピックになったほかは、討論参加者の積み重ね的な議論がなかなか進行しなかったようです。そこに校種間の違いもあって、参加者の一定程度の共通理解が成り立たなかったみたいですね。そのことが傍聴者側の印象として、議論が繰り返されている、議論が進んでいっていないとの指摘としてあらわれました。

 討論終了後の検討会では、上のような指摘とともに、多々議論がありましたが、ここでは割愛します。

 ではまた次回。

 あすからもう6月ですね。水曜会も開催します。みなさま、がんばりましょう。

 あっ、それから、7月度の日曜開催のお申し込みは、「5月31日⇒6月1日」の「⇒」のところの日付けが変わった時点(つまり深夜)です。おまちがえなくお願いします。
(5/31)

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昨日は、当サイト主宰第79回勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。当日は、大阪歴史文化問題報告、自己売り込みのツボ、集団討論、集団面接を実施いたしました。大阪歴史文化問題報告を担当いただいたFさん、ありがとうございました。また、自己売り込みのツボの報告者Y先生、ありがとうございました。

 大阪歴史文化問題報告につきましては、これでほとんどカバーしているのではないかと思われるくらいになりました。全部で30枚は越えています。6月には、「水曜会」(水曜日の勉強会)もはじめます。こちらにご参加の方にもお頒ちいたしますので、6月7日にご参加のみなさまにご案内をメールさせていただきます。もちろん、コピー代のみでのご提供です。ご返信お願いいたしますね。

 自己売り込みのツボは、Y先生の周到な報告をお聞きすることができ、さすがにすごいとみなさん啓発されている様子でした。貴重なボランティア経験を巧みに表現するのは骨が折れると思います。是非、いまよりもわかりやすい報告に仕上げてくださいね。

 集団面接は、今回時間を長くとり、多くの質問をいたしました。全員に答えていただく質問、挙手制で答えていただく質問を織り交ぜた20分間ほどの集団面接でした。手を挙げるときは、「ハイ」としっかり声を出してくださいね。その方があててもらえる確率が高くなりますし、元気がいいと判断され、評価にもつながります。難しい質問、たとえば大学生にとっては、保護者対応など実際したことがないのに、うまく答えられていて「オヌシ、ナカナカヤルナ」の感を持ちました。講師の方にヒケをとらず、立派なものです。そのほか、生徒指導の具体的な質問に的確に答えられていらっしゃって、みなさん、がんばっているなぁと思いました。

 集団討論につきましては、次回の更新にいたします。

 なお、願書・面接個票の添削のお申し込み、ありがとうございます。順次、メールにてご返信しております。ちょっとでもいいものを提出しようとするのは当然です。「できるかぎりよりよい文面を、できるかぎり充実した内容を」をモットーに添削しています。イロイロな疑問があればワタクシなりにお答えしますので、添削お申込者は、どしどし質問してくださいね。もちろん話題はパーソナルなものになりますので、情報漏洩はいたしません。ご心配なくお申し込みください。こちらをどうぞ。
(5/29)

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昨日、日教組香川主宰学習会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。日教組香川の先生方、ありがとうございました。
 これで、香川教採対策のレジュメも3部および1資料となり、全部で100枚くらいになりました。是非、じっくりと読まれて、モノにされることを期待します。今回は、集団面接も実施いたしましたが、もう少しがんばってくださいね。右欄の「よく出るかもしれない」シリーズをご覧ください。

 なお、香川のレジュメの一部分を、当サイトの「コラムとしての過去問研究」にアップいたしました。ご覧になっていただき、6月、7月、高松で一緒に勉強いただける方を募集しますね。お金はそんなにかかりませんよ。よろしくお願いいたします。
(5/28)

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(=゚ω゚)ノ ---===≡≡≡ 卍 シュッ! 投げられたのは、鳥取の教採問題作成者である。「『地理歴史』の71問のうち、地理分野の33問が、市販の大学入試問題集をほぼ丸写し」(『讀賣新聞』5月19日付け)ということであった。これは前にもこの旁午のコーナーで触れた話題であるが、「自分で問題を作っても同様になると思い、文言はそのまま使った。今思うと適切ではなかった」(『同上』)といい放った昨年の問題作成者は、苦しい立場であろう。今年度の問題作成者は、十分注意して作成してもらいたい。教採受験生は、その日に向けて一所懸命なのである。その努力をむなしくする作成態度では、さみしくて、情けなくて、おいしくもない食事を喰わされているようなものである。

 本日は、香川に参ります。香川県教職員組合の先生方、お世話になります。集団討論と教職教養の講義をいたしますが、受講生のみなさんは、前回のレジュメ等をお忘れにならないよう、お願いいたします。

 あすは、第79回当サイト主宰勉強会を開催いたします。ご参加のみなさま、よろしくお願いいたします。開催場所をお間違えにならないよう、ご注意お願いいたします。当日は、大阪歴史文化問題報告、集団討論、集団面接、個人解剖、自己売り込みのツボを実施いたします。大阪歴史文化問題報告の担当者のFさん、よろしくお願いします。また、自己売り込みのツボ担当者のY先生、これまたよろしくお願いいたします。

 7月の勉強会は、6月1日0時よりの受け付けです(7月2、5、9、12日です)。一緒に勉強してくださる方、メールお待ちしておりますので、ご連絡くださいね。予定しておりました7月15日は、取り止めようと思っております。試験当日だからです。なお、募集開始して3分くらいで、すぐに埋まると思います。直前期はどうしてもそうなります。すいません。
(5/27)

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で、「木村さんが竹内さんに吠えている記事」である。いうまでもなく、府下はじめての民間人校長木村氏が反撃に転じたわけであるが、「教育長、教育監の辞任を求め、法的措置についても検討に入りたい」(『同上』)というのだから、泥沼の様相である。3月末に辞任し、この時期にこのようにいうのは、なんらかの策略なのか、それとも考えれば考えるほど腹が立ってきたからだろうか。辞任要求は物々しいかぎりであるが彼にもいい分はある。

 木村氏はやり手として有名だったし、大阪の高校4区制になるのを見越して、対天王寺高校の作戦を心中あたためていたに違いない。それがどのようなものであるのか、ワタクシとしては興味があったのであるが、彼なき高津では、残念ながら陽の目をみそうにない。ワンマン的手法による進学至上主義の青写真が現像されないまま終わったということである。しかし木村氏のやり方に同調していた保護者は多い。なんだかんだいっても、国立一期校に入学させる意欲に燃えた木村氏は、支持を受けていたはずである。それを望まない保護者はいない。もしいるとすれば、それは欺瞞である。

 竹内氏は、この間の接待問題でヒヤヒヤしていたばかりなのに、今度は元民間人校長からの突き上げであるからたまらない。校長を推薦した関西経済同友会にも尻に火がつく。

 府立高津高校教職員の10名の先生方は、「校長から暴言やどう喝を受けた」などとして、大阪弁護士会に人権救済を申し立てたくらいだから、コリャまた大変である。人権救済を唱えるのは、最後の手段である。10名の先生方も腹をくくったといえる。その「暴言」や「恫喝」の内容がどんなものか。「恫喝」とは教職員に対する懲戒処分の申し渡しだろうか。これも明らかにするべく、木村氏の「法的措置」がハッタリでないことを期待する。府議会では生温い追及に終始するだろうからである。

 おそらくは木村氏の性格から想像して、彼の立場からいえば「汚名をはらす」ため、トコトン竹内氏とやりあうだろう。武士は信頼してくれる相手には命を差し出すのも拒まないが、逆に、裏切りがあれば刃傷沙汰も辞さない。そんな雰囲気が木村氏には漂っているように思われるのである。竹内氏は、「『校長が感情を暴発させ、教職員も理性を失った対応に走ってしまうと危惧し、対応できなかった』」(『同上』)というのだから、腰が引けている。教育公務員がクビを賭けてストライキをするやもしれない事態だったろうに。

 この事件は、大阪教育界の一大イベントになる。平成の「大阪夏の陣」である。木村氏の経営手法は、学力向上だけが教育であるという感じがして、ワタクシは過去も今も反対ではある。だが、「力のある校長」、「リーダーシップのある校長」というのがどんな理屈を法廷でしゃべるのか、楽しみなのである。竹内氏に辞めろと啖呵を切るのは、「火事と喧嘩は江戸の華」的なものである。きっと傍聴券を求めて長蛇の列ができるだろう。

 ワタクシも並ぶぞ。追跡レポートも書くぞ。ちなみにこの件の旁午初出は、これ(2/8を参照)である。次に、これ(3/24を参照)である。で、この『朝日新聞』(5月23日付け)の記事もどうぞ。高津改革の一つの紹介例と木村氏の顔写真は、こちらで。
(5/26)

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きょうは、例の、木村さんが竹内さんに吠えている記事について何か書こうと思ったが、そんな、しょうもない痴話喧嘩よりも大事なことがあるので、そっちを優先する。

 「学校教育においては、すべての国民が文字・活字文化の恵沢を享受することができるようにするため、その教育の課程の全体を通じて、読む力及び書く力並びにこれらの力を基礎とする言語に関する能力(以下「言語力」という。)の涵養に十分配慮されなければならない」。

 さあ、教採試験を受ける方に質問です。上の文章は、ある法律からの抜粋なんですが、果たしてなんという法律でしょう?

 ほら、大事でしょ?

 答え?

 そんなん自分で調べなさい。

 わからん?

 じゃ、メールくれたら教えてやるよ。

 じゃな〜
(5/25)

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最近の教育記事から@…先生の卵を育てるのは、当サイトの使命であると勝手に自覚しているのであるが、塔南高と京都女子大もそう考えて提携したようである。高校に、教員養成系の専門学科「教育学科(仮称らしい)」を設けるのは珍しい。しかも京都女子大学と連携し、大学における講義も受けられるし、それを単位認定する。いまはやりの高大連携である。「京都市役所で行われた協定書の調印式には、門川大作教育長と塔南高の明尾惠校長、京都女子大の土川眞夫学長らが出席。教員養成で高校と大学が連携協定を結ぶのは全国初といい、門川教育長は『教員を目指す子どもたちに合った教育を15歳から始める。新しい教員養成のモデルを全国に発信できれば』。土川学長も『高校段階から次世代の教育を担うという質の高い教員を育成したい』と話した」(『京都新聞』5月13日付け)という。教採2次試験3倍の競争率を何とか確保せんとする試みであるといえよう。高校から教採をめざすのも悪くはないが、イロイロな職業があることも、若いうちには考えさせたい。キャリアの在り方に一石を投じる高大連携である。

 最近の教育記事からA…水曜日は半ドンである。子どもにとってはうれしい話ではないか。ゆとりも生まれるし、自由に過ごせる時間が子どもに与えられるのだから。子どもにしわ寄せがいっていると断言できるのだろうか。『産経新聞』(5月14日付け)によると、「東京都八王子市内の二十九の小学校が、『職員会議』などを理由に毎週水曜日の授業を午前中だけで切り上げ、児童を下校させていることが十三日、同市教委の調査で分かった」のである。だが、「水曜日に行わなかった午後の授業分は、月曜日や金曜日などに埋め合わせを図り、学習指導要領で定めた一週間の標準時数(通常二十七時限)を確保していた」のであるから、なんら問題はないのではなかろうか。ただ、先生方がはやく帰りたいためにこうした措置がとられているのであるとすれば、産経が批判する対象にはなる。実際、これらの小学校では先生方が4時に「下校」していたそうである。今後は5時までちゃんと研修すればいい。

 最近の教育記事からB…「子どもの意見を大事にしようと要求をうのみにし、友達感覚で接せられるようになった。自分に教師としての基準が無かった」とは、ある若手教員の、新任時代における反省の弁である。「子ども教育広場inとよなか」は、「児童の心をとらえるよう工夫した指導の仕方や失敗談を報告」(『毎日新聞』5月14日付け)する教員の学びの場である。「この反省から、優しさや一緒に遊ぶ姿勢だけでなく、き然とした態度で臨む必要性を自覚したという。朝一番に一人ずつあいさつさせたり、班ごとに短文を音読させる取り組みなども紹介した」(『同上』)らしい。しかし、あいさつ「させる」というのも不自然で、おのずとあいさつができる雰囲気ができればいいのにな。学校が強制力を持つ場であることは理解しつつも、「涵養」も大切である。やさしさと強さのバランスは難しい。漱石先生もそういっている。

 最近の教育記事からC…「開かれた学校」という。この理念はいい理念である。だが、「政府が在日米軍再編の一環で、米軍基地の学校で周辺自治体の日本人児童・生徒が英語で学べる『教育特区』の新設を検討」(『産経新聞』5月14日付け)するのはどんなものだろうか。「米軍基地は事故の危険性などマイナスイメージが大きいが、英語の授業を通じて、地元住民との交流も深め、米軍の安定的な駐留を促進する考え」(『同上』)だそうだが、安全と学力を天秤にかけて、学力をとるということか。「政府はすでに米政府や在日米軍に打診、前向きな回答を得ている。今月一日に在日米軍再編の最終報告に合意した日米安全保障協議委員会(2プラス2)でも、『教育交流をはじめ、米軍と地元とのパートナーシップの強化に向け努力する』ことを確認した」(『同上』)。軍事的パートナーシップが教育的パートナーシップと絡み合い、異常な事態であるといえる。あんまり米軍とはお友達になりたくない。どんな「教育交流」なんだろう。青森県三沢市・三沢基地の米軍人らを英会話指導助手に委嘱しているというのだから、平和の使徒とは到底いえない軍属の「先生」が、日本の教育に浸潤しているのである。馬鹿馬鹿しい。
(5/24)

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前回実施した、当サイト主宰勉強会における集団討論の模様をお伝えします。テーマは、「生きる力を育むためには、読書活動がよいとされているが、それについてどう思うか。また、実際に読書活動を充実させるにはどうすればよいか」でした。かなり高い評価を受けた討論であったことは、前回の更新時にお伝えいたしましたが、さて、どのようなものであったのでしょうか、このテーマには、6名の方が挑んでくださいました。25分間です。

 今回の討論は、前回までの勉強会で「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を詳細に検討しましたから、そこで共有した知識が生かされていたと思われます。資料検討の結果得られた知識を自分の発する意見にどう反映させるかということが問われます。ただ、そのままズバリを話すのではなく、付かず離れずで資料とはつきあいましょう。

 さて、今回はEさんが司会役を買って出られまして、スタートしました。読書活動の必要性についてのご意見を、Eさんがみなさんにおたずねするという形で出発しました。Eさんご自身は、読書活動は児童生徒の表現力や思考力を伸ばす上で欠かせないものであるとのご認識です。つづいてAさんが、学校を卒業してからも児童生徒に発揮してもらいたいのが、テーマの「生きる力」であり、読書活動を通して、この「生きる力」は養われる。たとえば読書は自分の知らない人生を教えてくれるものであり、読書から学べることは多いというニュアンスのことを述べられました。Dさんも、読書は自分の知らないこと、経験できないことを、知り、学べるものであるし、さらには、自分が将来何になりたいかといったような職業選択にもヒントを与えてくれる活動であると指摘されました。Cさんは、E、A、Fさんの指摘することだけでなく、本の内容を学ぶことで教科能力の向上にもつながる点を強調されました。わからない漢字がでてくれば、それを自分で調べてみるなど、日本語能力の向上に役に立つということです。Bさんは、豊かな人間性を養うために他人の経験を共有できる読書は有効であるし、学力の基礎基本を固めるためにも読書活動は有意義であると、両面からまとめられました。知と徳と、両方の生きる力の構成要素を伸張させることができるのが、読書活動ということになります。そして、志望する数学においても数学的雑学書を紹介したいと抱負を語ってくださいました。そうした本の内容に関わり、学びへの主体性が作られるのではないかと述べられました。Fさんは、読書活動は読解力の育成に役立つし、自分のことを相手に伝えるコミュニケーション能力を養うために不可欠な活動であると協調されました。

 これで参加者全員から一通り発言があり、ここでEさんがトピックを提供されました。読書活動を広げていくにあたって、「担任としてどうするか、3者連携とかかわってどうすすめていくか、公立図書館との関係をどうするか」というように、具体的に論点をだされたのです。このEさんの司会的役割によって、ずいぶん討論がやりやすくなっていたようです。Eさんの効果的な討論の組み立てが、最後まで奏功します。大学4年生とは思えない力量です。

 さて、Eさんの組み立てにAさんが「手を挙げて」同意され、その他の方もうなづかれ、議論は再出発しました。そして、Fさんから、最初の、担任としてどのように読書活動を充実させていくかについてご意見がありました。それは、いわゆる学校推薦図書をおもしろく紹介したいとのことです。Dさんからは、学級文庫の充実が指摘され、子どもが面白いといった本の感想を、教室内にポストを設置しそこに投函させる案や、ボランティアの方と連携し、読み聞かせを実施したいという案を述べられました。Bさんは司書教諭の資格をお持ちで、本の内容について発表し報告しあうブックトークをやりたいと述べられました。そして、最近話題になった、北海道のある書店の試みについて話題提供されました。堅苦しくない読書のススメが効果的であるということですね。そしてこの書店をはじめとして、企業との連携で読書活動を推進していくことも可能であると示唆されました。この話題については、こちらをどうぞ。

 Aさんも、民間企業とのタイアップによって読書活動を充実していく可能性を認められました。つづいて「どんな本を読んでいいかわからない」といった児童生徒の声に応え、「今週の面白かった本」の掲示をクラスで行ない、読書の楽しさをアピールするのが重要なことではないかと指摘されました。高校志望のCさんからは、読書と同時に新聞の活用も、読解力ということでは児童生徒に「ススメ」るべきであろうとされ、自分が読んで気になる記事を紹介しあう活動をしたいとおっしゃいます。そして、新聞を読む際の批判的態度を生徒に養わせたいと述べられました。

 Eさんは、学級通信で「本の紹介」をしたり、読書カードを作らせたりして自主的に本に親しむ態度を養成したいと述べられました。Aさんは、数学の教員として、「数学は堅苦しいもの」という印象から「楽しいもの」へと転換させる本を紹介したいと、教科教育と関わって読書活動を進めていくようです。ブルーバックスの紹介は一考すべきですね。Dさんからは、学校全体としての取り組みとして、「本に登場するある場面のある人物の似顔絵大会」を開きたいと語ってくださいました。具体的でわかりやすいこのような指導は効果があることでしょう。こうした読書習慣を形成するのになんらかの環境的作用を与えるのは、児童の読書意欲の向上を助けるものといっていいでしょう。Fさんのご発言も同様の趣旨です。それは、図工の時間に好きな本に関する好きな絵を描かせようというものでした。

 そして、Eさんから、公立図書館との連携の話題提供があり、司書教諭との協力関係を作り上げることや、そのほか同僚の先生方から「おすすめの本」を何冊か報告してもらい、それを紹介する活動をするのはどうか、と提案されました。読書活動の広報的努力に関する議論です。

 Bさんは、ここで、「何冊図書館で本が借りられたか」に関する統計を紹介され、児童生徒の読書量の低下を指摘されました。そこで教員が自分の嗜好から図書館に配備すべき本をどしどし提案し、たとえば数学教員の立場から、「『博士の愛した数式』をおいてください」ということからはじめてもいいのではないかと主張されました。Aさんは、読書量の低下に関わり、図書館の見学ツアーを組むこと、また、学校、公立問わず、図書館の利用の仕方をもっと児童生徒に定着させることが大切であるとご意見されました。Cさんは、学校の図書室や図書館さえその位置を知らない児童生徒がいるので、このあたりにも注意して取り組みたいとAさんのご意見を補われました。Eさんはそのためにも図書館便りの効果的な発行、新入荷の本の積極的な紹介を提案されます。Fさんは、幼児の読書活動の実際をみておられ、幼稚園に設置された「絵本のお部屋」の報告をされました。この経験からFさんは、本を読みたくなる雰囲気を醸成することの大切さを学ばれたようです。読書活動を推進する楽しい雰囲気を「絵本のお部屋」に認められたのですね。

 Dさんは、実は「読書活動支援者」です。その立場から、「本の扱い方」や「本の修理の仕方」について話題提供してくださり、問題点として、「図書館という公共の場の過ごし方」を挙げられました。最後にBさんが、Dさんの指摘された問題点について、高校生の中にもいわゆる「図書館の利用の仕方」を理解していない場合があると述べつつ、図書館の方にも問題があって、本来読まれるべき本が図書館の奥の方に追いやられているケースもあると反省を求め、討論は終了しました。

 非常に面白い25分間でした。ワタクシの力量から、ここに表現できないことがたくさんあります。文章ではぶつぎりのように読めてしまいますけれども、実際は流れるような討論でして、各参加者同士、お互いの主張を受けとめつつご自身の独立したご意見を重ねられていました。同じ内容の繰り返しの発言が少なかったのも、集団としての話し合いが成功している証でしょう。

 勉強会に参加し、この討論を傍聴していた参加者から、だいたい80点以上の評価がついた討論でした。ワタクシもGOOD!と思っています。

 しかし、しかし、目が肥えている傍聴参加者から、問題点の指摘がありました。さすがにみなさんよく勉強されていますね。まず、読書活動の推進がテーマであるのだから、家庭との連携が十分に議論されてなかった点は問題であると指摘がありました。これは大変うまくいっていたこの集団討論の、最大の欠点でした。ただまあ、Y先生がおっしゃったように、学級通信における本の紹介は、家庭とも関わるものであると「ギリギリ」評価できるところでしょうか。

 それから、個人的に「長め」の発言があったことが指摘されました。複数の傍聴者の方々からこのように指摘があったということは、本番の面接官もそう感じるということです。発言の長さには十分注意しましょう。

 それから、具体的に読書活動をどのようにすすめるか、十分とはいえないのではないかとのご指摘もありました。集団討論は具体的に語ることがなによりも大事ですけど、学校現場におけるプランをもっともっと出し合うのがよいという指摘だとワタクシは受けとめています。

 このほか、読書週間の話題、学習センターとしての図書館の機能、図書館が教育課程を充実させるための資料の場であること、など議論のトピックとして提出できますね。

 ワタクシから、もうひとつ。討論中、民間企業との連携のお話がありましたけれども、本を買うということが議論されていなかったのが残念でした。食事を抜いて欲しい本を買った貧乏学生時代の経験を持つワタクシは、本を借りることと本を買うこととの間には、天地の開きがあると思っています。図書館の本は所詮、他人のものです。線を引くこともできなければ、書き込むこともできません。読書活動は創造力を育成するものであるなら、本から得た何らかのヒントをすぐに書き込む必要があります。忘れるからです。自分の買った本は自由に使えます。本に対する愛着もでてきます。

 いかがでしょうかね。

 さあ、5月も終わりそうです。28日、また楽しい議論を期待しています。今回から復活した個人解剖にも、どしどし「手を挙げて」くださいね。
(5/23)

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昨日は、当サイト主宰勉強会に多数ご参加いただきありがとうございました。昨日はまず、ワタクシの方から「大阪歴史文化問題」報告といたしまして、大阪の教育についてまとめたものを説明させていただきました。第2弾もありますので、お楽しみに。これで、「大阪歴史文化問題」対策も、かなり充実してまいりましたね。みなさんのお力もあって、20枚以上になりましたね。ホンと、調べたものから出題されることを期待しましょう。

 当サイト主宰勉強会に継続的にご参加いただいている方は、面接や討論など、だいぶん経験をつまれたことと思います。1次試験からお受けになられる方は、教職教養、一般教養を充実させてください。手薄になっているやもしれない教育法規や原理、心理の問題を再確認すること、一般教養の社会系、時事系、自然科学系を充実させることです。

 Dさん、自己売り込みのツボ3分間チャレンジお疲れさまでした。やり遂げた達成感があるでしょう。みなさまからのコメントを活かし、いいものに仕上げてください。一般論的に申し上げますと、みなさん、3分間にいおうとする内容を盛り込みすぎかもしれません。ゆったり伝わるようにいわなければならないところを、あれも、これも、いおうとしているのですね。やはり自分のやってきたことをどしどし表現したい、しかし時間は限定されている。内容を絞ってゆっくり目で伝えましょう。

 昨日はこのあと、集団討論、集団面接、個人面接を順にいたしました。集団討論は、お聞きの方からも非常に評価の高かった討論でした。これが本番であったらなあと期待させる討論でした。討論の模様は次回更新時にいたします。

 集団面接は、みなさんハキハキされ、これまたよろしい。現職のY先生の受け答えには、ご参加の方が参考にされるところが多かったのではないでしょうか。惜しみなくご意見くださり、かつ、面接の手本を示してくださるY先生、本当にありがとうございます。大学4年生の方や講師経験のない方は、現場感覚を是非吸収されてください。4年生だからといって物怖じせず、ご自身を作っていけば勝機は必ずある。心配なし。
 その4年生のうちのTさんが、個人面接にチャレンジされました。衆人環視の状況で、あれだけがんばれれば及第点です。面接官役のワタクシは、今回、穏やかに突っ込む質問をいたしました。参加のみなさんからいただいた評価ペーパーを大切に、次回に活かしてください。Tさんに今必要なのは、落ち着いた態度です。元気さが空回りしているのが心配です。一所懸命やってきているのですから、もっと堂々としましょう。次回の討論や面接の練習では、「落ち着きのある自分」を演出してくださいね。Kさんに面映いことをいわれたワタクシですが、今後も面接官役の立場を研究し、質問事項も広く深く考えます。

 6月の「勉強会」も、「水曜会」も、完全に満席になりました。多くのお申し込み、ありがとうございます。20人くらいの教室で、切磋琢磨しております。今回、男性5名、女性12名のご参加を得たように、女性の方にも安心して来ていただけると思います。いつも女性の方の参加が多いです。主宰者たるワタクシの喜びは、ここに集う方々=「将来の同僚」が、友人であり、ライバルであり、ホントにいい関係を作っていってくださっていることです。「同じ釜の飯」という言葉がありますが、「同じ教室の苦労した仲間」です。このまま人生のよきご友人となられるような出会いの場でもあると思っています。

 なお、キャンセルは個々人の諸事情から数件あると思われますので、勉強会に興味をもたれた方、是非メールください。キャンセル待ちの方でご参加される場合、ほとんどの場合は無料です。ただ前日や2日前のご案内になります。ではお待ちしております。
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