日々旁午

2007



さて、集団討論の模様再現をお伝えします。今回のテーマは、前にも実施したのですけれど、「いわゆるキャリア教育について、思うところを議論してください」といたしました。

 討論参加者は男性2名、女性4名の計6名、仮にA〜Fさんとして再現します。時間は15分、本番と同じように、討論終了後2、3の質問を含めて20分間です。

 まず、Aさんがテーマを読み上げ、なぜキャリア教育が必要とされているかについて、まず話し合いましょうと方向を示されました。Aさんは、ニートやフリーターの問題を提出されつつ、高校生が「何をやりたいかわからない」、「夢がない」との現状を改革することが、第1歩になると述べられました。Cさんも、「なんで働かなければならないのか」との生徒の声を心配する立場から、モノ作りを総合学習で実施するなどして解消を図るとご意見されました。Dさんは、小学校教諭を志望する立場から、小学生はなかなか将来を見通す思考を持てないのは、ある意味当然であって(つまり、中高と進学するから)、修飾と直結するようには考えないと指摘されます。しかし、どのような仕事や職種があるのかを学校で調べたり考えたりするのはキャリア教育の初歩として重要であるとまとめられました。

 Eさんは身近なところから発言されました。すなわち、児童生徒は、保護者の職業を知ってはいるが、そのほかにどのような職業があるのかはわからないと。だとすれば、Fさんが指摘された『13歳のハローワーク』の紹介も意義がありますし、Bさんが述べられたように、様々な職種の方々に学校へ来ていただき、その経験を語ってもらう機会を設けるのもひとつの提案としていいですね。それが開かれた学校を推進するとの指摘もよい指摘でした。具体的にAさんは、小学生はちょっと無理でも、中学生なら地域のパン屋さんや危険の少ない工場で就業体験を積むような、体験学習を通したキャリア教育を実践するといわれました。Dさんは、総合学習で行なった竹細工製作⇒その販売の体験学習を実際に指導し、商売の方法など、楽しくいわば社会の仕組みを学んでいったと語られ、多様な仕事の存在を、社会科とも絡め合わせて指導したいと抱負をも述べられました。

 就業体験に関し、Fさんは、単に楽しさだけを追求するのではなく、現場の厳しさも実感できるし、責任感ということも自覚できる指導が期待できると指摘されました。Cさんも、コミュニケーション能力育成を念頭に、人と人とのかかわり、社会性の育成ということも育めると追加的発言をされました。

 Eさんは逆に、ご自身が民間に勤められていたとき、中学生が体験活動に来たそうで、そのときの様子を語ってくださいました。Eさんがいわれるには、中学生がマナーを学んでいったということです。Aさんは、Eさんのご意見を受け、仕事上のマナーの重要性を認めつつ、そのほか、働く上で挨拶が必要であること、身だしなみの問題を指摘、それらをまとめて規範意識の育成と表現されました。

 (再現模様を書いていたのですが、やんごとなきことあり、中断しました。つづきはちょっとまってね)
(5/10)

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みなさま、GWはいかがだったでしょうか。ワタクシは、どうやら遊びすぎたようで、反省です…

 さて、昨日は、特別開催の勉強会に多数ご参加いただきましてありがとうございました。全員で18名の参加でした。なんと横の教室では、TOSSの学習会も開催されていたようで、懐かしい方ともお会いする偶然となりました。みんな、がんばっていますね。

 さて、当日は、急遽、場の雰囲気もあって、教職教養の講義的な時間をとりました。参考書を一気に50ページくらいすすんだのですけど、消化不良にならないよう復習してくださいね。つづいて、集団討論と集団面接、そして個人面接です。

 集団討論の模様再現は次の更新にいたします。集団面接では、「勉強の息抜きになにをしていますか」、「今朝のトップニュースはなんですか」、「あなたの考える親友とはどんな存在ですか」、「あなたの大失敗した経験を教えてください」、「夏休みの意義をどう捉えていますか」、「最後にいい残したこと、PRしたいことを短く述べてください」でした。今回は、10分間くらいと短く実施いたしました。

 「夏休みの意義」は、一番難しい質問だったでしょうか、質問の意図は、夏休みが削られて、昔は40日間あったのが、いまでは3週間=21日くらいや、4週間しか実際にはないということをどう評価しますか、というところにあります。つまり、学校が学期内にできなかった「学力向上」のプログラムを夏休みを潰して実施することに問題はないか、そうしたことについてどう考えていますか、ということです。みなさんの答え方はそれぞれ、コメントしたとおりです。

 個人面接では、YさんとAさん、がんばりました。Yさんは回数を重ねるごとに度胸もつき、内容も充実してきましたね。「さらけだす」感覚をつければ、もっとよくなります。面接官が求めているのは、「素のあなた」です。練習のないところに成果なし、です。がんばっていますよ。Aさんは、初挑戦。微妙に応答をごまかしているところがあり、そこをみつめ直す必要あります。珈琲会で指摘したように、やはり「教員志望理由」をはっきりさせることが最重要課題です。答え方や表情など外面的なところはOKなので、あとは内容が伴うかどうかです。民間から教育への転進についても、大変でしょうけれども、じっくりと考えましょう。
(5/7)

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ちょっといいですか。

 ワタクシは、教員養成に微力も微力ながら関わっている。なんとか学生たちを自治体に送り込んできた。その一人ひとりは、とてもすばらしい資質を備えた学生たちであった。

 このサイトの最初に書いてあるように、採用試験合格はとても狭く険しい道であると伝えてきた。

 それがいまでは、広い道である。

 教職は、人生を賭ける価値ある職だと伝えてきた。

 それがいま、ワタクシの中で、揺らいできている。そう伝えていいのかどうか。

 同級生から熱湯をかけられるいじめ。それが知らない間に起こる学校現場である。保護者から苛め抜かれて自殺してしまった教員もいた。欝で苦しみ、休職を余儀なくされる教員もいる。

 本当に、楽しい職場なのか。

 子どもたちを相手に、その成長を見守る仕事が、楽しいのか。そうじゃないんじゃないか。陰湿ないじめがはびこる教室が、そんなにいいところか。そんなふうに思えてきた。

 ちょっといいですか。

 テレビなどで報道されているような苦しい教育現場に、魅力があるか。疲れて家に帰れば何もできない教職に、魅力はあるか。土日もクラブがある。あなたはいつデートするの? 教員10人いたとして、ゆっくり本を読んでいる人って、何人いるの。もし読んだなら、それを教えてちょうだい。

 学習指導に生徒指導、校務分掌、保護者対応、警察との連携、地域の見廻り。やってもやっても仕事はなくならない。仕事が仕事を呼ぶ構造。どんどんどんどん歳はとる。昔のように、卒業生から声をかけられる先生って、何人ぐらいいるのだろう。

 終身在職でもなくなる。10年で免許はなくなるかもしれない。賃金は安い。それに対し、いまは景気がいい。雇用もささやかながら向上している。現職の先生、あなたはそれでも教職を勧めますか。

 ちょっといいですか。

 現職の先生に聞きたい。あなたは、本当に、仕事が楽しいですか。評価SやAがほしいために、校長に擦り寄って楽しいですか。なんで先生やっているんですか。辞めたら生活に困るからですか。そんな消極的理由で先生が勤まるのですか。給料が問題なら、もっといい職があったんじゃないですか。子どもたちと一緒にいて、心の底から、楽しいですか。本音はどうなんですか。

 現場を知らない国の役人やなんとか会議に振り回されて、気持ちよくないんじゃないですか。その上、文科省のキャリアが教育実習のような感じで現場に来るそうだけど、どう思いますか?

 ちょっといいですか。

 先生をめざす方に聞きたい。あなたはなぜ、先生になろうとしているんですか。テレビや新聞をご覧なさい。現場は無茶苦茶ですよ。あれだけ学級崩壊してて、なぜいきたいのですか。自殺予告文が発表されるご時世ですよ。あなたのクラスの子どもに、ひょっとしたらそういう子どもが出てくるかもしれないのですよ。それでもなお、教職を目指すのは、なぜですか。身分の安定も、将来はわかりませんよ。

 いまの先生になりたい情熱を、何年持続できますか。できると思っていますか。

 あなたが男性でも、女性でも、生徒から暴力を受ける可能性もあるのですよ。それでもほとんど傷害罪などで告訴できませんよ。そんな理不尽に遭遇したとき、どうするのですか。

 ちょっといいですか。

 いまの教育現場、だれも管理職になりたくないらしいですよ。上からも下からも注文をつけられる。上は教育委員会。下は教諭たち。現場のシンドサから、みんな腰が引けて、管理職になりたくないんですよね。その上、ヨコから保護者が、無茶いいますよ。

 昇進したくない現場なんて、一般企業ではないですよ。そんな現場に市場原理が導入されて、どう思いますか。

 権限が強化される管理職ですよ。魅力ないのですか。なんで校長や教頭になりたくないのですか。

 教職は、人生を賭ける価値ある職といい切れますか。もしいい切れるなら、その理由を教えてほしい。教員になりたい学生が、「教職っていい!絶対なる!」といってきたとき、なんと答える?

 教職が不人気なのはわかっている。しかし、それでもなりたくてたまらない学生もいるのである。
 ワタクシは、すごく迷っている。
(5/3)

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(追加)大阪府のHP、不正アクセスでまいっているようですが、電子申請はちゃんと機能してるでしょうか。大変心配です。受験生の不利益になるような事態だけはお避け下さい。お頼みします。

 さあ、GWということで、いやもう後半か。前半は勉強会だったから、楽しく答申を解説しきった。なんだか、勉強会で一番ウキウキしているのはワタクシだったりして。いや、Fくんもなかなか。Sくんとのライバル関係で鎬を削るのを横からみているのも、またタノシ。

 で、後半は、単車乗りのメンバーと、ちょっくらいっているよ〜 ということで、倉敷の美観地区でアヤシイ3人組をみかけたら、お声がけを。ハハハ〜

 でも、レジュメもつくらなあかんから、大変だー。もうすぐ〆切〜 ということで、深夜も突貫工事がつづく。
 きのうは久しぶりに実家へ。もぉ、大笑い。さすがにここには書けないが、ある病院の話に花が咲き、スポーツクラブについて花が咲き、はははははー、で時間が過ぎる。ゴン太もなかなか楽しそうであった。
(5/2)

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前回(特別開催Dおよび第120回)勉強会における集団討論の模様を再現いたします。今回は特別開催Dで闘わされた議論を中心に、第120回で登場したご意見を加えつつ文字起こししてみましょう。

 参加者は、男性2名、女性3名の5人の方、時間は15分に討論終了後、簡単な質問を5分間ほどとりましたので、おおよそ20分間になりました。本番の試験で最後に質問がある場合を想定したものです。テーマは、両開催とも「児童生徒の運動不足や体力低下、さらには生活習慣病が問題となっています。その対処の方策を議論してください」といたしました。討論のテーマは、突き詰めれば、知の問題、徳の問題、体の問題となるでしょう。確かな学力について議論してくださいとか、前回実施した善悪判断について、そして今回のテーマのようにです。

 さて、議論はどのように進行したでしょうか。仮にA〜Eさんとしてみていきましょう。

 今回の第1発言者は工夫がありました。単にテーマを確認するだけでなく、「からだを動かすことは好きですか」と討論参加者に問いかけるところからスタートしました。これが集団全体の緊張を解き、なめらかな出だしを作り、また、参加者の意識をテーマにグッと近づけたし、面接官役のワタクシもなるほどと思った出発でした。発言者のCさんは、つづけます。「私たちがからだを動かすことが好きでも、それを伝えていくことが大切ですね、授業、学校生活全体でどのようにしていきましょうか」と提起されました。

 Eさんがこれに答え、昔から児童生徒がしている遊び、たとえば「探偵ごっこ」を授業でも紹介するなど、普段慣れているところから指導し、体育の時間を使ってからだを動かす意識を高めながら、体育の時間を質的に高めていけばどうかと発言されました。Dさんは、児童クラブの指導者の立場から、外遊びの有効性をもっともっと児童生徒に理解させ伝えるべきであるといわれます。というのは、Dさんが経験上、「外で遊ぶ?それとも部屋で?」と聞けば、どっちでもいいなら室内を選ぶケースがほとんどであるからです。

 Bさんは、Eさんが「探偵ごっこ」を授業でとりあげると述べられたのに加え、それを休み時間でできるように指示していくのも指導としていいのではないかとご意見されました。Aさんは、学校では秋に運動会があり、体育的な目標の到達点になるとし、土日もからだを使った遊びを勧めていくと述べられました。目標設定して児童生徒の目的意識を高めていくのは学習指導だけではなく、こうしたからだ作りにも有効ですね。Eさんは、個々の授業では、鉄棒、跳び箱などグループ分けして教えあい、目的達成の動機付けをするのがいいとご意見されました。Cさんは、授業で陸上競技をするとして、チーム内で話し合いをする時間を設け、どうすれば無駄なく速く走れるのか考えさせるといわれます。

 Dさんは、生活習慣に関わり、児童生徒に1ヶ月のスケジュールを見直させ、どんな生活をしているのか自覚させることも、運動不足の解消、生活習慣病にならないために重要であると述べられました。

 Eさんは、体育の目標ノートを一人ひとりに作成させ、自己の記録を書いておき、楽しみながら実行すれば、体力低下に歯止めがかかるようになるのではないかと述べられ、Aさんは楽しむ意識を児童生徒に自覚させることは大切で、DSなどTVゲームが流行し室内における遊びが主になっているのを阻止したいと意気込んでいらっしゃいます。

 Bさんは、休み時間にこだわり、そこでの全員遊びをどう指導するべきかを考えると発言されました。

 Cさんは、保健の学習を念頭に、健康とはどのような状態なのかWHOの定義を紹介しつつ、適度な運動、十分な睡眠、適切な食事の3点が健康保持、ひいてはテーマにある生活習慣病にならないための指導理念であると述べられました。つづいてEさんは、生活習慣の見直しに関連し、「夜更かししていたら次の日、学校に遅刻してしまうのではないか」といったことを話し合わせる指導をすると述べられました。ここで問題になっている生活習慣病は、Cさんによれば癌、脳卒中、心臓病で昔でいうところの成人病であり、こうした病にならないよう児童生徒の生活に注意しなければならないと発言され、Dさんがこれに応答し、どんな時間の使い方をするか規則正しい生活習慣を身に付けさせるべきと強調されました。Bさんもこれに同意され、食生活と睡眠時間など教員が簡単に確認するのも仕事のうちであるとの認識です。Aさんは、夜遅い時間でも保護者に連れられて児童生徒がファミリーレストランにいることを指摘し、保護者の生活リズムが児童生徒にも大きく影響を与えるといわれ、保護者の生活リズムの是正が児童生徒の健康な生活を保障するわけで、昼間にキャッチボールをすることなどを推奨されました。

 生活習慣の見直しということでは、養護教諭と協力し、保健室便りを活用してみるのも指導の一貫として有効、というのがEさんのご意見でした。Cさんは、例の「早寝早起き朝ごはん」の実行を主張されました。Dさんは、その実行について、どの程度までできているか、児童生徒に記録をとらせて向上を図ると付け加えられ、それをAさんはチェックシートの表現されました。Eさんは好き嫌いをなくしていくよう給食指導し、生活習慣病をなくしていく手立てにしたいと述べられ、生活習慣のことではCさんが夜更かしせず早く寝ろと声掛けを実践していく指導について述べられました。

 最後に、Aさんが生活科や総合学習で作物を育てる時間を指導に取り容れ、野菜を育てることを通して食育を考えるとご意見されて議論は終わりました。

 ここで15分です。全発言数24というのは、多いといえるでしょう。それだけスピード感があったということです。

 一読されるとわかるように、出だしはなごやかだったのですが、参加者によって問題にしたい点がちがい、議論がうまく噛みあわなかった時間帯がありました。それは、「授業で体力向上にどう取り組むか」と「生活全体でどのように体力向上に取り組むか」であり、Eさんが前者にこだわり、Dさんが後者にこだわったので、どうも討論全体としては、ちぐはぐな印象が残りました。こうした場合は交通整理が必要でしょう。自分のイイタイコトを押し通すのではなく、討論参加者全員で、トピックごとに議論、まとめていくのがいいですよ。両方の視点とも、重要で議論すべきなのですから。

 討論終了後の検討の時間で、もっと議論のポイントはないかと話し合いました。そこでは、学校行事の減少、外遊びの場所たとえば公園の減少、あったとしてもボール遊びができない、体力測定の意義、からだを使って遊ばず塾に行く子ども像などなど。外遊びにおける安全ということも話題に出すべきとの指摘もありました。

 うえの議論で話題にならず、第120回で登場した代表的な意見は、食の欧米化が生活習慣病をもたらしたということや、管理栄養士や栄養教諭に指導を仰ぐこと、朝食を抜くとフラフラする、高齢者と触れ合い外遊びを伝えてもらう、偏食の問題、コンビニ食の浸透、などでしょうか。

 両者あわせれば、第120回におけるまとめの発言であったように、「食育、体育、生活習慣の3点の指導」ということになるでしょうね。

 この集団討論の模様を読まれて教採対策をすることはありがたいことです。ただ、小耳に聞いたこととして、これを印刷してどこか知りませんが予備校に通う方たちが活用するようで、これにはちょっといい気分がするような、しないような。そっちはそっちでいい先生がいらっしゃるでしょうから、その人たちに指導を仰ぐのが筋でしょう。まあ、ネットはだれでも活用できるところに利点があるのですから難しいところですが…
(5/1)

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