15期中教審答申のキーワードと解説

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 もちろん答申そのものを熟読する必要はあるが、その中でも強調点や出題率の高いところは存在する。採用試験に頻出するそうした語彙を以下に列挙し、ごく簡単な説明を加えておく。しかしあまりたくさんとりあげない。「これだけは」という語に厳選する。たった11項目に絞っている。

「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第1次答申)」
平成8(1996)年7月19日

生きる力・・・本答申の目玉。「これからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力」。生きる力をつけるために子どもと社会全体にゆとりが必要。

学校のスリム化・・・学校現場や教員に度を過ぎてかかっていた仕事量を是正し、家庭や地域社会に分担を求め、教育制度を正しく再編成していこうとするキャッチフレーズ。従来学校が負担していた生活指導などの一部分を地域に委譲し担当を求める。

人格形成の最終責任を負う家庭・・・「すべての教育の出発点」。かなり思い切った発言。有権者たる保護者に教育、しつけ、人格形成の責任があることを明言。とりようによっては学校の教育責任放棄ともなりかねない。しかし、学校ができることとできないこととをはっきり線引きすることは、あまりにも大きい問題や本来学校が抱え込まないでよい問題を避けることができるようになる。一方、子どもを家庭でしっかりと面倒をみることのできる「ゆとり」の必要性も論じなければならない。

学校・家庭・地域社会の連携・・・教育の大三角形。この3点を頂点とする三角形の中で子どもを育てていこうとすること。しかしその実態はどうであるのか、いまひとつわからない。地域社会の教育力といっても、行政に頼るようでは心もとない。そして、ここにもうひとつの頂点を追加して、昔のコーヒーミルクの容器のような三角錐の中で子どもを育てようとしているわけである。その頂点を「第4の領域」という。地縁的な結びつきによるものではなく、同じ目的や関心に応じて結びつき子どもを育てる場のこと。総合型地域スポーツクラブなど。

学校週5日制・・・「生きる力」を養うための方策、そして、「学校のスリム化」の具体的実践である。教育改革プログラムの助言を受けいれ、その計画が前倒しされ、平成14年度から完全実施。大阪の私立高校ではその受けいれは3割程度。塾の認定とあいまって、本当に文部科学省がいうように土曜日に体験活動などが実施され、充実して消化されるかどうか疑問。

教育内容の厳選・・・3割削減。π=3となることは、あまりにも有名。総合学習もやりながら、「ゆとり」を作るためには、教育課程を編成しなおし、教える内容を削るほかない。これが低学力に拍車をかけるとして議論されている昨今である。授業時数は縮減されることになる。総授業時間数は平成元年要領と10年要領を比べると、小6で1015から945へ。中で1050から980へ。つまり、70単位時間減るということ。高は総修得単位数が80から74へ。

総合的な学習の時間・・・・教育内容の厳選が時間を生む。この時間を総合学習にあてる。国際理解、情報、環境、福祉・健康などがテーマ。このテーマのほか、子どもの発達段階や学校段階、地域の実態に留意して、各学校の判断で創意工夫し展開する。数値評価を行なわない。

不易と流行・・・時代を超えて変わらない価値あるものと時代の変化とともに変えていく必要があるもの。前者は豊かな人間性など。後者は、コンピューター教育などとなる。

国際理解教育と外国語教育・・・歴史、伝統への理解を深め、日本人たる自覚を促す。その上で国際交流。リスニングやスピーキングなどコミュニケーション能力の育成を重視。

高度情報通信社会と「新しい学校」・・・情報をみずから発信していく体制を整備し、開かれた学校を現実のものとする。情報端末を使うあまり、物理的な人間関係は希薄化する。この「影」の部分の克服。情報モラルの育成。

環境教育・・・「から・ついて・ため」と憶えよう。「環境から学ぶ」「環境について学ぶ」「環境のために学ぶ」。環境やエネルギーについての理解を深め、環境を大切にする心。環境の保全やよりよい環境の創造のために主体的に行動する実践的な態度や資質、能力。

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