16期中教審答申Bキーワードと解説

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 地方の教育を考えるということは、教育委員会のことをどう考えるかということ、そして、各学校の新しい仕組みを考えるということといっていい。重要項目は6項目である。この答申は、教育行政機関相互の関係をどう規定し直すかをまとめたものであるため、結局、教育制度の変更を提言することとなろう。それぞれの変更点の立法化を確認する必要がある。それは、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」=「地方教育行政法」と、その「施行令」の改正をみなければならない。

「今後の地方教育行政の在り方について」
  平成10(1998)年9月21日

「標準法」の弾力的運用・・・「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律」=「義務標準法」、「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準に関する法律」=「高校標準法」の2つの法律の基準を杓子定規にあてはめないで、小人数学級を実現しようとする試み。クラスの数が増えるということは、担任の先生の数が増えることを意味し、それは増えた人数分の先生の給料の負担が増えることを意味する。いままで国は負担が増えるので「標準法」の弾力的運用に消極的であった。それを地方分権の視点から改善しようとしたわけである。

教育長・・・従来、教育長は、都道府県の教育委員会にあっては、文部大臣が承認し、当該教育委員会が任命することになっていた。これを止め、議会の同意を必要とするように改正すべきというのが、答申の提案である。文部大臣の承認を不必要とすることは、地方分権下の教育行政の在り方を再検討することを意味し、教育長選出に議会の同意を要求するのは、民意を尊重するという開かれた姿勢を意味する。実際、地方教育行政法(変更前)の第16条の2は、「都道府県に置かれる教育委員会は、文部大臣の承認を得て、教育長を任命する」、3は、「市町村又は第二条の市町村の組合におかれる教育委員会は、第六条の規定に関わらず、当該市町村教育委員会の委員のうちから、都道府県教育委員会の承認を得て、教育長を任命する」と規定されていた。この規定が、本答申を受け、平成11(1999)年7月16日、改正された(2000年4月1日施行)。すなわち、現行の地方教育行政法の第16条の2では、「教育長は(中略)、当該教育委員会の委員(委員長を除く。)である者のうちから、教育委員会が任命する」と、中央教育行政の圧力を緩和し、地方独自の人選による教育力に期待しているのである。

校長・教頭の任用資格・・・民間から教職にはいる制度整備。学校教育法施行規則8条を緩和して、日産の社員や銀行員を校長にしようということ。それだけ教育管理職の人材難ということでもあり、閉鎖的な教育界に風穴をあけようということでもある。企業経営のノウハウを教育現場にどれだけもちこめるか見物。

職員会議・・・従来、職員会議は法的に位置付けられていなかったが、これを校長が主宰する機関に認定しようと提言している。それだけ校長のリーダーシップに期待した学校経営を国が要求しているといえる。校長の鶴の一声で事案が決定することもありうる。教育管理職の権限強化ということであって、会議の民主的運営ができるかどうか見守っていかなければならない

学校評議員・・・地域の住民が学校経営に参加すべく、地域と学校とを結ぶ伝導管のような役割をになう。この答申では、評議員は校長の推薦に基づいて教育委員会が委嘱すると表記されている。しかし、学校教育法施行規則23条のBでは、「当該小学校の設置者が委嘱する」となっているので注意。いずれにせよその性格は、校長の進める学校経営に意見を述べ、助言することである。校長は、聴聞会などを開いて、彼らの意見を聞かなければならないであろう。ただし学校人事に言及することはできない。公営のPTAといったらいい過ぎであろうか。

地域の活力・・・文化、スポーツなど振興する観点から地域コミュニティを育成。その拠点として学校を開放し、施設を整備する。他方、地域の伝統文化継承者を誘い、教科指導や特別活動にメリハリを付ける試みも。あと、就業体験を受けいれる役割を地域に要求。地域は母のように児童生徒を慈しむべきであろう。

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