聾 浩の教室 聾
−掠-mode版−

力憐閉鎖発動権

 よかったというべきか、インフルエンザではなかった。まいった、まいった、風邪である。それにしてもヒドイ風邪で、39度も熱がでるとはどういうことだろう。

 月曜日の朝一番に医者へいって、午後からの講義に備えた。1にスイミン、2にストナと象にのった女優が微笑むが、売薬は効かない。それに比べ、医者の処方した座薬は魔法のようによく効く。ウソのように熱がひいていった。

 座薬で解熱はしたものの本質的に風邪の菌を殺したわけではないので、うつす可能性はある。学生に風邪をうつしたらあかんなと思いながら、表面上37度くらいに熱が下がったので、休むこともできない。こういうときは授業を後日に振り替えして休む方がいいのであろうか。かなり悩んだが、インフルエンザではないから、感染率が低いことを信じ、家を出た。

 行きの電車の中で、じっとり汗をかいているのを自覚していた。横に座る乗客には悪いけれど、こんなとき「ワタクシ、風邪です」と告白もできない。医者によると、セキ、鼻水、ノドの腫れなど風邪の諸症状が出ていないので、インフルエンザかなと疑ったらしい。

 しかし鼻腔の粘膜検査の結果、医者も、そばからのぞきこんでいたワタクシも、インフルエンザを示す直線を検査紙に確認できなかった。血液検査もしてもらったのであるけれど、ホンモノの風邪らしい。白血球5800とこれは正常範囲だそうであるが、炎症反応は2,2で、この数値は正常値の4倍を指している。つまり異常である。

 かなり身体が炎症にさらされているということである。するとシンドサも通常の4倍ということか。そのほかは、赤血球は500万近くあって良好であり、ヘモグロビンも正常値であった。

 はたして昔の人は、風邪をひいたときどのように治療していたのであろうか。江戸時代、医者は「くすし」と呼ばれていた。「薬師」、くすりしが縮まった表現である。だから医者の仕事は薬の処方以外にほぼない。薬といっても抗生物質なぞあるわけないし、漢方系のそれしかないから治癒するにも相当期間が必要であったであろう。

 とすると、風邪であれば、それでも数日いいもの食べて寝ていればなんとかなったであろうが、伝染病などはどうであろうか。お百度参りをしてすがるほかなかったのではないか。

 詳しく調べたわけではないが、幕末期、コロリが流行した。コレラである。ばたばたと人が死んでいったらしい。有効な治療法がなく、瀉血で対応したようである。こうした状況を想像すると、いまさらながらにワタクシたちは、現代の医療に感謝しなけらばならない。

 ところでインフルエンザは潜伏期間が2日間程度で、その期間が過ぎればすぐに熱が出るらしい。今年の冬はかなり流行しているらしく、大阪ではインフルエンザによる学年閉鎖も多いようである。閉鎖の発動権は学校保健法によると学校の設置者にある。鳥も豚も人間も、インフルエンザである。困ったことである


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