聾 浩の教室 聾
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曆曆秋田の嘆き

 非常勤講師の数が足りないといっても、そんなことは知らん。各自治体の器量で問題解決するほかない。こうした泣き言を漏らしているのは秋田である。

 秋田は20人学級を実現しようとがんばっている地方教育行政の先進自治体であるが、先生の数が足らず、てんてこ舞いで、非常勤講師の募集を継続している。いまなら抵触事項に引っかからなければ、もれなく秋田では講師になれる。

 なぜこのような事態になったのであろうか。そしてこうした非常勤講師を増やし現場をやりくりする行政方針は正しいのであろうか。

 教員給与に対する補助費を払いたくない文科省の内情とは裏腹に、大量採用に踏み切った各自治体も、そこそこ出現してきている。大阪然り、神奈川然りである。その余波をもろに受けたのが、講師不足の原因であると秋田は自己分析している。

 秋田大学ほか東北圏の大学に魅力があるのかないのかは別として、首都圏に学生が流出する傾向の強い東北は、Uターン教員就職の数も減少してきているようである。「地方の時代」とはいえ、一度都会の甘美にして華美な世界を4年過ごし、大都市生活を経験してしまうと、そこに残りたくなるのは人情であろう。しかも出身地など不問である、どこからでもたくさん受けにきてチョーダイと立派な姿勢で教員募集している神奈川、川崎、横浜がでんと座っているのであるから、合格すればUターンする必然性を感じない学生が多くなっても不思議ではない。

 また、なかなか秋田に正規合格できない学生が、勇躍神奈川に合格し、郷里をあとにしたとして、それを恨むのはお門違いであろう。

 秋田の台所の実情はわからない。さらにこれから三位一体の改革のせいで、秋田の財政的事情が悪化する可能性もある。しかし財政問題が採用の足枷になっているといわれても、それなら他の予算、たとえば土木費などを減らしてでも教育関係の予算分配を増やしてなんとかするのが当たり前ではないか。そうした配分調整努力を来年期待するほか、この手の解消策はなかろう。

 ただし非常勤講師を雇うための配分を増やすのでは決して解決しない。だいたい秋田でなくとも身分の不安定な非常勤講師にあえてなりたい学生など少数派であって、そのほとんどは正規を夢見て仕方なくやっているのである。それが本音である。みんなのかわりにワタクシがここでいってやる。

 だから秋田は採用の門戸をもっと広げ、正規教員を増やす方針をとるほかない。つまり正規教員数の確保である。こうした秋田の目を白黒させる事例は、秋田にとどまるわけはなく、やがて全国化する。いやもうしているかもしれない。地方同士のこうした友食い的状況を、逆に教員の資質底あげと教員の地位向上に転化させ、全国自治体がいわば「神奈川化」していかなければならない。

 そのためには、地方における財政的力不足が人的資源獲得を無為にしている現状を反省し、地方は「地方100年の計」である教育に経済を投入せよ。


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