聾 浩の教室 聾
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轢論作文中止の意向を問う

 大阪府の教員採用試験の試験科目(全校種)から、論作文がなくなった。2次試験においてである。これは、ちょっと問題ではないか。

 児童生徒に「聞く・話す」能力を身に付けさせたい、書く力が低下しているのを防ぎたいと願う一方、その児童生徒を教える立場になりたいものに対し、文章能力を評価する試験を廃止するのはなぜか。府教育長竹内氏の方針がわからない。面接はもちろん大切だが、なにか書かせてみることで、表現能力や論理的思考力を持ち合わせた受験生かどうかわかるのではなかろうか。訝しい。

 去年の面接試験実施はひどいものだった。昨年度受験生にすれば、「おい、大阪府よ、ええかげんにせえよ」の声がでるほどの顛末であった。そえゆえ余計に心配である。どうせ面接官に企業の人間をこっそり紛れ込ませるなど、兵庫県の二番煎じをするつもりであろう。あるいは不明朗会計のPTAから人選するか。さらには、優秀な他自治体の現職教員を「引き抜く」枠を設けている。100人近く別枠だそうである。今年度、1480人程度の採用を見込んでいる大阪府は、「チョ〜」即戦力がほしいらしい。

 だが、「生え抜き」を育てる気はないのだろうか。逆ピラミッド型の年齢構成の教員世界を解消する必要があるのは理解できる。早期退職に対応する措置として現職がほしい気持ちもわかる。しかし、大阪府に落されて、他の自治体でがんばっているかたを何人も知っているワタクシとしては、やりきれない思いがある。引き抜かれる他の自治体にしても迷惑な話であろう。大阪府は自己の「人を見る目」のなさを露呈しているといえる。

 こんな大阪が、殺到する現職の中からどのようにして優秀教員を選ぶのであろう。東京都では、こうしたシステムをすでに取り入れているけれども、いかがなものか。各学校間でトレードあるいは優秀教員の「一本釣り」も行われようとしている昨今、教育現場にそのような一連の「資本主義的論理」を導入すれば、学校間格差が開くのは間違いない。しかも、10年経験者研修を実施する意味もなくなる。研修するまでもなく、トレードして、優秀教員を増やし、指導力のない教員を職員室で釣るし挙げ、教育とかかわりのない部門に配置転換すればいいからである。

 新しい試みをするのはいい。だが、再びおかしてはならない、大田知事が、「東京がやっているからうちらもやろか」のノリで外形標準課税を導入しようとして立ち消え状態になった愚を。折り紙付きの赤字自治体であろうと、ほったて小屋のような校舎しか建設できぬ安普請仕様自治体と批判されようとも、誇りだけは捨ててはならない。ノックも尻触っていなくなったのだから。
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