私の目指す教師像

狸の里さんの投稿

 常日頃から、教員として一体何が求められ何をすべき
かを非常勤という立場ながら、自分に問うようにしてい
る。数々の思いはあるが、一番大切なことは、人間とし
ての誠意を生徒たちに伝えることだと思っている。
 現代社会はコンピューター等の通信機器が発達し、必
ずしも対人でなくとも教育の実務的な内容は伝えられて
しまう。しかしそれでもなお、教員という一人の人間が
教壇に立ち、学校という場で生徒たちと接することが求
められているのは、人間としてどのようにあるべきかの
範を示す必要があるからだと思う。
 かつて自分が生徒であった時、対人関係で非常に悩む
ことがあった。きっかけは、中学生時代にいじめにあっ
たことにあり、人を信じることができなくなってしまっ
た。友人と接する時にどうしても心の壁を作ってしまい、
他の人に不信感を抱くと同時に自分にも自信を持てない
まま過ごした苦い思い出がある。自分で自分を追いつめ
る中、なんとか学校に通っていたのはおそらくやはり、
何らかの人間関係を結びたいと思っていたからだろう。
そして一生徒として最も求めていたのは誰か少し背中を
押して自分を外の世界に出てくるよう促してくれる大人
だった。この時の思いや経験こそ、私が教職に就きたい
と思う最大の動機になっている。
 実際に教壇に立ち、生徒らに接するだけでなく、同僚
となった先生方、とりわけベテランと呼ばれる人の姿を
見るにつれて、教育に従事したいという気持ちはさらに
強くなっている。先輩教員に教わったこと、例えば生徒
一人一人の名前を覚えることや、生徒ひとりひとりの個
性を汲み取ることはやはり対人だからできることだ。い
かに上手に授業をし、生徒の学習意欲を促すことをでき
るか、ということは当然求められる資質ではある。しか
し同時に学校という社会の中で、人間としての誠意を生
徒に示すことが、私の目指す教師像であると考えている。

論作文道場へ   論作文コメントへ   トップページへ

浩の教室