教員に必要な資質、能力について述べよ。その際、あなたはその資質、能力を養うため、どのような努力をしているか示しなさい。

昇平さんの投稿へのコメント

 近年、学級崩壊、いじめ、不登校など、学校を取り巻
く不適応状況が噴出し、問題化している。心に悩みを抱
える生徒の多さの現れである。カウンセリングマインド
を持ち、生徒一人ひとりに寄り添う思いやりのある姿勢
が、今教師に求められている。
  ⇒「教師」ではなく「私」にしましょう。
 高校2年のときの担任は、まさしく私の理想の教師で
ある。新しい学年になったばかりの頃は、まだクラスに
も馴染めず生徒はみな不安で一杯である。その恩師は、
出会うと必ず先に挨拶してくれ、授業は勿論、休み時間
        ⇒ここは、挨拶がいいか、声をかけてくれると書いた方がいいか、どちらがいいでしょう。
や登下校時にも積極的に声をかけ、趣味や部活動の話を
してくれた。私たちは恩師を信頼し、クラスに一体感が
生まれ始めた。その矢先、いじめが発覚した。恩師は真っ
先に気付き、家出した被害者の生徒を他の先生方と協力
し一晩中捜し回ったそうだ。
 今考えると、恩師の行動はその日一日でできるもので
はないことがわかる。日頃から挨拶など生徒一人ひとり
              ⇒ここも「声かけ」とするかどうか。
に声かけをして、信頼関係を築く。クラス全体を常に観
察し、生徒たちの今の状況を把握しておく。家庭との連
携を密にし、家での過ごし方で生徒に変化があればすぐ
報告してもらえるようにする。教師間で連携し、共通理
解をもとに情報交換を行う。このように、いじめに対す
る恩師の行動は、普段から生徒を思いやり、学校、家庭
との連携を深めていたからこそ、実践できたものなので
ある。
 この恩師のように、どんな場合にも生徒の気持ちを一
番に考えた行動がとれるよう、日頃から以下のことを努
力する。まず、普段から積極的に生徒に声をかけ、受容
的態度、共感的理解によりを忘れず信頼関係を築く。一人ひとり
の表情、クラス全体を注意深く観察する。また、学校、
家庭との連携を密にすることで、生徒の状況をさらに深
く把握し、生徒理解を深める。これらを目指し、日々研
修を重ね、全情熱をかけ粘り強く取り組んでいく決意で
ある。
⇒なかなかよい論作文です。テーマが「私の目指す教師像」であるならば、満点に近いと評価できます。しかしテーマが「資質、能力」なので、その意図をつかまないといけません。「資質、能力」として、もう少し幅広い観点から提案することが求められているのではないでしょうか。教職に従事するにおいて教育的愛情一般とまとめられる生徒理解の深みだけではなく、一社会人としてどのような資質が必要なのかも考えてみましょう。このテーマの本質は、そこにあるのです。ところで、最終段落に述べられている「決意」ではなく、「どのような努力」をしているのかが問われているので、そういうふうに記述しなければなりません。論作文に即していえば、「積極的に生徒に声をかけ」るのは、基本です。基本ではありますけれど、恩師と同じことをしていてはだめです。恩師の先生を超えることが、昇平さんのその恩師に対する恩返しになるのですから。声かけは信頼関係形成の第一歩でしょう。昇平さんならどのようにして生徒の心をつかむ言葉かけをしますか。授業中では?部活動では?修学旅行では?また「クラス全体を注意深く観察」するのも、従来、先生方が取り組んできました。昇平さんなら、どういうような具体的な方法で観察に「努力」しているのでしょうか。観察を「形に残す」どのような方法があるのか、昇平さんの手段を書いてみて下さい。観察を今後の指導に生かす方法論を提供できれば、それは「資質・能力」として立派なものです。それが、実現可能性をもった提案なら、一層いいですが、型破りのものでも、フレッシュな提案なら受験生としていいと思います。さらには、確かに、挨拶ができることは、ワタクシがいっている一社会人としても必要な幅広い「資質・能力」の一つでしょう。しかし、挨拶にとどまることなく、そこから一歩突っ込んで、豊かな読書経験や深いPC操作能力、学校行事企画力、そうしたことも「資質・能力」といえるでしょう。たとえば、昇平さんは国語の教員を目指されていますから、「教養答申」にあるような、「必読書30冊」の提案など、「国語の力」を伸ばす取り組みをするために磨いている「資質・能力」など、書き方はいろいろあるはずです。昇平さんの論作文は、標準の高さをすでに越えていますので、バーの高さをさらにあげる要求をワタクシはしています。苦しんでいろいろ考えて下さい。ひいてはそれが、「資質・能力」を高めていることにほかならないからです。Apr.13,2004

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