『総合的な学習の時間』であなたは児童(生徒)にどのような力を付けさせたいか、具体的に述べよ。

みやけんさんの投稿へのコメント

 「総合的な学習の時間」において、私が生徒につけさ
せたい力はただひとつ、それは「あなたは誰ですか」と
いう問いに自信を持って答えることができる力、つまり
アイデンティティ形成である。アメリカの心理学者、エ
⇒「ただひとつ」と断言してしまうのは、力強さを感じさせます。その一方で、それでは学習指導要領が謳っている国際理解や情報、環境、福祉・健康はどうなってしまうのかとも思ってしまいます。
リクソンは言う。青年期の発達課題は、アイデンティティ、
つまり「自分らしさ」の形成である。ここでいう「形成」
とは、自分のよいところ、わるいところ、好きな面、嫌
いな面、変幻自在で捉えようのない「自分」という存在
    ⇒この変幻自在は、ある他の対象に向って形容する言葉として使われるのが一般的ですから、削ってもいいでしょう。
を快く、とまではいかないにしても、「これが自分なん
だ」ということを甘受することだと、私は解釈する。普
⇒難しい議論ですね。たしかに青年期における実存を問う行為は大切です。「『これが自分なんだ』ということを甘受すること」と書くのは、少しいい過ぎかもしれません。「甘受」という言葉は、我慢する、自己の限界や制約を設けることにつながります。自尊感情や自己肯定を示唆する表現に変更した方が、あるいはよいかもしれません。
段の生活ではあまり気にかけない、あるいは気にかけな
いようにしている「自分」という生き物を見つめなおす
               ⇒「存在」でしょう。
時間が、青年期の生徒達には必要なのである。そのため
の授業展開として、ここに1つの具体例を示す。
 名づけて、「自分グラフの作成」である。これは、一
種の折れ線グラフである。横軸は生徒が生まれてから今
に至るまでの時間的経過を示し、縦軸は気分の高低、あ
                  ⇒青年期ということですから、少なくとも15年は生きているわけで、「気分」をグラフ化するのは難しいのではないでしょうか。「気分」といえば「気分次第」というように分単位で変わるような感じになってしまいませんか。ですので、「気分」ではなく、「思い立ったこと」、「目標」などではないでしょうか。しかし、ここで書かれていることが、下の文章と関係していますから、書き直すとすれば、配慮が必要となります。工夫してみてください。
るいは抑揚を示す。生徒は時間の経過に沿って、当時何
が起こってどういった気持ち、楽しかったのか、落ち込
んでいたのかをグラフに記す。そうすると、そこには世
界でたった1つのグラフが浮かび上がる。そして自分が
辿ってきた道、その轍を今一度振り返り、振り返った上
でそのグラフについての感想を書き提出する。私はそれ
にコメントをつけて返却する。
⇒こうした総合の計画は面白いと思います。しかし、思うにこれは、「道徳の時間」でするべきことではないでしょうか。また、いわゆる人生感の形成に関わってポートフォリオ評価として実践するべきかもしれません。
 一見すると、こんなことでアイデンティティの形成に
       ⇒「こうしたことで」としましょう。
何の関係があるのか、どう形成されるのか疑問に思うだ
ろう。しかしグラフの作成により過去を振り返りつつ、
その生き方を内省し、感想によって現在の自分を知ると
いう意味がここには隠されている。たしかにそんな簡単
に形成されることができるわけはないし、そんなたやす
いことなら、発達課題にはならない。しかし、この単元
を自分探しの旅に費やし、ほんの少しでも生徒達が自分
と真正面から向き合う、そのきっかけをつくることがで
きれば、この授業は成功と言えるはずである。
⇒「一見すると〜思うだろう」は削除してもよいでしょう。せっかくの提案なのですから、堂々と主張した方が書き甲斐もあるというものです。みやけんさんの心理学を基礎とした生徒の成長を見守ろうとする姿勢が浮かび上がっていて、読むものを考えさせます。本番でこの論作文を書けば、しかし、評価が分かれるのではないかと危惧します。興味深い反面、基本的なことを押さえているかどうかわからないからです。ですので、上に注記した学習指導要領記載の課題に触れて、それからみやけんさんのこうした心理学的アプローチを展開するよう書けば、体裁が整うと思いますよ。July 15,2005

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